業界研究

【ゴム業界研究ガイド】就活に役立つ職種や主要企業情報を公開

ゴム業界とは

ゴム製品と聞いて、どんなものを想像するでしょう。単純に輪ゴムが頭に浮かんだ方もいれば、タイヤという方もいます。ゴム製品は、私たちにとって非常に身近なものです。タイヤはもちろん、ゴムパッキンや免震ゴムなど、縁の下の力持ちのような役目をしているものが多いです。

ゴム業界は、タイヤ業界と言っても過言ではないほど、タイヤ製造企業によって占められています。ゴム業界の上位を占めているタイヤ産業を中心に、ゴム業界についての基本を押さえていきましょう。

ゴム業界

自動車産業は、日本の基幹産業ですが、その部品のタイヤを製造するゴム産業も、基幹産業であると言ってもいいでしょう。タイヤは単品でも販売もされていますが、実態としては、自動車産業に依存しています。自動車が売れなければ、当然その部品であるタイヤも売れません。

自動車の売れ行きも影響を受ける要素の一つですが、原材料である天然ゴムの価格や海外への輸出もあるので、円高円安などの影響も大きいです。また、消費者のニーズの変化や技術革新も求められており、今後大きく変化していく業界と言えるでしょう。

これから日本は少子化の影響で働き手が少なくなり、国内消費も減少します。よって、新興国での価格競争に参加していかなければなりません。生産性の向上もゴム業界にとっては、必須の課題となります。

ゴム業界の業績推移について

  • 業界規模:6兆7,856億円
  • 平均年収:589万円
  • 平均勤続年数:16.4年

業界規模は6兆7,856億円と他の業界と比較すると、やや大きくなっています。平成19年までは業界規模は増加傾向でしたが、リーマンショックの世界的金融危機や円高の影響で急落しました。

しかしながら、その後は原材料の天然ゴムの価格の急落や円安、景気回復による消費の増加などのさまざまな追い風があり、業界各社は業績を回復させました。現在では、リーマンショック前の水準よりも、業界規模は大きくなっています。

ゴム業界の平均年収は、標準よりもやや高めです。日本の労働者の平均年収と比較すると、100万円以上高い金額となっています。平均勤続年数は、標準的と言えるでしょう。

ゴム業界の細かい職種分類について

  • 研究開発(製品・材料など)
  • 生産技術(製造・設備など)
  • 品質管理・安全管理・環境関係
  • 営業・販売・マーケティング
  • 海外事業
  • 物流・材料調達
  • 管理(経理・人事・広報など)

ゴム業界は、他の製造業と同様にさまざまな職種があります。大きく分けると、技術系と事務・営業系の2つがあります。研究開発は、特に理系の方が対象になるでしょう。製品や新素材の開発などを行います。製造技術は、生産効率を向上させたり、設備のメンテナンスなどを行います。生産工場では、安全・品質が大切なので、品質管理や安全管理も重要な職種です。

販売部門では、実際に販売を担当する営業や販売戦略を練るマーケティングも重要です。海外に生産拠点を持つ企業も多く、海外での販売も盛んにおこなわれています。管理部門には、経理や人事に加え、販売促進を担う広報なども含まれます。自分の適性に合った職種を見つけましょう。

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ゴム業界の売上高ランキング

     ゴム業界の売上高ランキングTOP10

  1. ブリヂストン 3兆7,902億円
  2. 住友ゴム工業 8,486億円
  3. 横浜ゴム 6,298億円
  4. 住友理工                 4,244億円
  5. 東洋ゴム工業               4,077億円
  6. バンドー化学                    932億円
  7. 西川ゴム工業                    899億円
  8. オカモト                      883億円
  9. 鬼怒川ゴム工業                   801億円
  10. フコク                       722億円

上記は業界動向リサーチを参考にした、ゴム業界の売上高TOP10です。ブリヂストンが2位の住友ゴムと圧倒的に差をつけて、売上では首位をとっていることが分かります。

主要企業5選紹介

ゴム業界は、タイヤ産業が中心です。タイヤ一つとっても、さまざまな企業が日本には存在します。それぞれの企業が特徴を出し合い、販売や開発において競争しています。自家用車の自動車があれば、ぜひどの企業の製品かチェックしてみてください。そのタイヤにどんな特徴があるのか調べるのもよいでしょう。

ゴム業界には、具体的にどのような企業があるのでしょうか。タイヤ製造企業が中心となりますが、一つ一つの企業に焦点を当てていきましょう。

①株式会社ブリヂストン

  • 企業名:株式会社ブリヂストン
  • 取締役代表執行役CEO兼取締役会長:津谷 正明
  • 従業員数:13,617名(連結従業員数 143,616名)
  • 設立年月日:1931年(昭和6年)3月1日

株式会社ブリヂストンは、ゴム・タイヤ業界においては、必ず押動向をチェックする必要があるでしょう。ブリヂストンは、ゴム業界の50%をはるかに超えるシェアを誇る大企業です。業界2位の住友ゴム工業と売上高が、4倍以上も差があります。これほどのシェアの差が同一業界にあることはほとんどありません。

ブリヂストンは、創業当時から世界に目を向け、現在では世界中に生産拠点と販売拠点をもっています。その数は180以上にも及び、現在のグローバル社会のかなり以前から海外展開を続けていました。売上高の80%以上が海外のグローバル企業です。

②住友ゴム工業株式会社

  • 企業名:住友ゴム工業株式会社
  • 代表取締役社長:池田育嗣
  • 従業員数:6,693名
  • 設立年月日:1917年

住友ゴム工業株式会社は、ブリヂストンに次ぐゴム業界第2位の企業です。世界で初めて空気入りタイヤを発明したダンロップの血を受け継いで、住友ゴム工業は生まれました。タイヤブランドとして有名なダンロップや、ファルケンの製品を展開しています。

また、ゴム手袋や人工芝などの産業品や、ゴルフ用品やテニス用品などのスポーツ分野、高品質が求められる医療ゴム部品など、その事業は多岐にわたります。環境面でも、化石資源に依存しない天然資源タイヤの開発に取り組んでいます。石油を使わないタイヤ「エナセーブ100」は、世界初の実績で、世界唯一の技術です。

③横浜ゴム株式会社

  • 企業名:横浜ゴム株式会社
  • 代表取締役会長:南雲 忠信
  • 単独従業員数:5,242名
  • 連結従業員数:24,610名
  • 創立年月日:1917年10月13日

横浜ゴム株式会社は、ブリヂストン、住友ゴムに続き業界3位の売上高です。タイヤの製造を中心に、工業製品、航空宇宙部品、スポーツ用品など多彩な製品を販売しています。タイヤの開発の技術を利用して、幅広い分野で社会貢献をしている会社です。

横浜ゴムは、「人・社会・環境」への貢献をテーマとしています。1998年に低燃費タイヤ「DNA」シリーズを発売して以降、環境技術の開発を進めており、省エネ型コンベヤベルトや石油資源の使用率を抑えたタイヤなど、新規商品のほとんどが環境貢献商品です。

④東洋ゴム工業株式会社

  • 企業名:東洋ゴム工業株式会社
  • 代表取締役社長:清水隆史
  • 従業員数:13,093名
  • 設立年月日:1945年8月1日

東洋ゴム工業株式会社は、タイヤの販売と開発を展開する業界5位の企業です。グローバル企業で、自動車産業の発展が目ざましい東南アジアのタイや中米のメキシコでは、自動車用防振ゴムの販売を開始するなど、自動車用部品の供給を強く進めています。

2012年に登場した低燃費タイヤブランドのナノエナジーシリーズは、ゴム材料をナノ分子レベルで捉えています。「分析・解析・素材設計・加工」という4つの体系を統合したタイヤ技術の基礎で、次世代タイヤの技術として期待されています。これまで見えなかったゴムの分子構造が見え、タイヤづくりのステージが進化しました。

⑤オカモト株式会社

  • 企業名:オカモト株式会社
  • 代表取締役社長:岡本良幸
  • 従業員数 連結:2,145名(国内のみ)
  • 設立年月日:1934年1月10日

オカモト株式会社は、ゴム業界上位の企業の主力がタイヤであるのに対し、さまざまなゴム製品により業界トップテンにランクインしています。コンドームのリーディングカンパニーとして、その名は非常に有名です。その他にも、粘着テープやゴム手袋、長靴などのゴム製品を製造しています。

海外の販売拠点も、アジアやアメリカなどに持っており、年間880億円以上の売上高のある東証一部上場企業です。「身近な暮らしを科学する」をモットーに、時代や環境の変化に適応させた画期的な商品開発と技術力で、たくさんのヒット商品を生み出しています。今後も豊かな発想力と高い技術力で、バラエティに富んだ消費者のニーズに応えることを期待されています。

ゴム業界研究のおすすめ書籍紹介

業界研究をする際、新聞やテレビなどから情報を得たり、また、インターネットを利用して、各企業のホームページを閲覧するのも一つの方法です。

ここでは、ゴム業界研究のおすすめの書籍を紹介します。詳しく専門性の高い内容を得たいのであれば、書籍が一番でしょう。新聞などでは限界がありますし、公式ホームページ以外でのネット検索では信憑性の問題があります。本気でゴム業界を目指すのであれば、書籍を利用しての業界研究を一考してください。

①自動車用タイヤの基礎と実際

自動車用タイヤの基礎と実際』という本は、タイヤの入門書の決定版です。驚くべきことに、日本のゴム業界の圧倒的ナンバーワンのブリヂストンによる編著となっています。日本のゴム業界を目指す方には必読の内容と言えるでしょう。

本書は、自動車用タイヤの工学書として刊行されました。タイヤの歴史や構造、種類などの基本的事項に始まり、それぞれのタイヤの特徴や力学、材料についても詳しく解説されています。また、タイヤ設計や将来の技術なども紹介されています。

日本でゴム業界を目指すのであれば、タイヤを知ることは必須です。日本トップメーカーによるこの本をぜひお読みください。文系の方にとっては少し難しい内容もあるでしょうが、基本的知識は最低でも押さえておきましょう。

②トコトンやさしいゴムの本

トコトンやさしいゴムの本』という本は、ゴム業界を全く知らない方のための入門書のような本です。「ゴムってなんだろう?」という素朴な問いに対する答えがこの本には書かれています。文系でゴム業界は畑違いだという方や、理系の方でもゴムの基本的な歴史や起こりなどを学ぶことができます。

タイトル通りのトコトンやさしい内容なので、この本で基礎を学び、それから難易度の高い内容のものに移行するのもおすすめです。ゴムの木の樹液から天然ゴムが作られたという歴史から、合成ゴムの製造方法や種類まで網羅されており、一気に読める内容となっています。

ゴム業界を深く知って就活を有利に進めよう!

今後、ゴム製品は今までなかった分野で利用され、自動車も電動化されていくことで、タイヤに求められる性能も変化していくでしょう。まずは、ゴム業界の現状分析をしっかりと行い、それぞれの企業分析へと移行していきましょう。決してタイヤのみに固執せず、ゴム業界を広く深く知っていきましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也
(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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