業界研究

【通販業界徹底研究ガイド】あなたの就活に役立つ情報を一挙大公開!

通販業界とは


通販業界とは、小売業の中の無店舗販売の一つです。店舗での販売とは違い、インターネットやテレビ、カタログなどのメディアで商品を紹介し、電話・インターネットなどを経由して消費者から注文を受け、商品を販売するものです。

商品の受け渡しは個人宅への直接配送がメインですが、コンビニエンスストアで受け取ることもできるようになってきました。かつてはカタログ通販やテレビ通販がメインでしたが、最近ではインターネット通販が主流となっています。

通販業界の現状

まずは、通販業界の現状について説明をしていきます。デジタルネイティブ世代の人にとって、メディアを介した通信販売は身近な存在です。しかしながら、その世代層の人でも、通販業界の実態や業種について詳細に把握している人は少ないでしょう。

ですから、通販業界への就職を志望している人は、ぜひ業界の動向や職業区分を知り、業界研究をしておくことが大切です。業界研究は、就職活動をする上で必ず役立ちますので、積極的にやるようにしましょう。

研究を通じて業界の特徴をつかむことで、企業が求める人物像を見出すことができ、自然と自分と相性の良い企業を探すこともできます。それでは、次の項目で通販業界の詳細を解説をしていきます。

通販業界の業績推移について

  • 業界規模:1兆4,535億円
  • 平均年収:610万円
  • 平均勤続年数:13.8年

業界規模は123業界中81位で、平均年収610万円は59位です。業界規模に比べて平均年収が高くなっているのは、通販業界が成長業界であることに加え、運営コストが低いという通販業界の特徴が理由です。

特にEC(エレクトロニック・コマース)の場合は、カタログ通販よりも参入障壁や運営コストが低くなるため、高収益が期待されます。

平均勤続年数は上位10社の平均ですが、類似業種である小売業界に比べると短めとなっています。参考までに、小売業界における平均年収は495万円です。これと比較すれば、業界規模や平均勤続年数で劣る通販業界の平均年収の高さから、今後勤続年数は長期化するものと見込まれます。

通販業界の細かい職種分類について

  • 営業職
  • マーケティング職
  • 商品開発職
  • フルフィルメント職

テレビ・雑誌・ラジオなどのメディアを利用しての通販の場合、営業職は大変重要です。よりよい条件で自社商品の紹介をしてもらうための交渉が主な仕事となります。また、新規顧客だけでなく、リピート利用や定期購入を行う顧客を獲得することは、継続的な収益の拡大に欠かせません。マーケティングを適切に行うことで、顧客の囲い込みや販売の促進ができるようになります。

他にも商品を開発するという職種があり、商品は衣類や家具、食品など有形のもの、データファイルなどのインターネット上で取引が完了するもの、保険など無形のサービスなど、多岐に渡っています。学生にとっては聞き慣れないかもしれませんが、在庫管理や梱包・発想などの物流、インバウンドの電話対応などを行うフルフィルメント職という職種もあります。

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通販業界はインターネット販売が伸びている

通販業界においては、2011年(平成23年)頃からインターネット通販が伸長しています。かつては量販店で買い求めていた家電製品やIT関連製品なども、店頭で現品を確認してからインターネット通販で最安値を検索し、購入するという消費傾向が高まっています。また、最近ではスマートフォンからの購入が増えており、インターネット通販市場は年々拡大していると言えるでしょう。

このような傾向を受け、カタログ通販会社でもインターネットに自社サイトを設けたり、スマートフォンアプリを開発したりするなど、受注拡大に努めています。しかし、先行するamazonや楽天などのIT系通販の人気に、完全には追いついていません。

通販ではスマートフォンを利用する人が増加している

通販業界では、インターネットを利用した販売が伸びています。ECのスマートフォン利用率は、インターネット全体の約7割といわれています。スマートフォン利用率が、全体の半数以上である約7割を占めるということは、スマートフォンが主要な購入手段になっているといえます。

また、電車やバスの移動時間中や、自宅でくつろぎながらスマートフォンでのショッピングを楽しむことができるようになり、より通販が身近な存在になったということがうかがえます。さらに、スマートフォンに特化した企業側の販売戦略や工夫にも注目すると、通販業界の特徴が見えてきます。

SNSによって売上を伸ばしている事例も多い

通販の販売戦略の1つに、SNSを利用したケースがあります。Facebook、Instagram、Twitter、Youtube、ブログなどのSNSを介して、インフルエンサーやフォロー数の多い人に商材を宣伝してもらう手法があります。他にも、SNS上にスマートフォンサイトの情報をシェアしてもらうことにより、クーポンを発行し、割引を実施するというキャンペーンをおこなう事例もあります。

SNSと通販を上手く掛け合わせ、売上を伸ばし、情報の拡散も同時におこなうことができるので、企業側としても大きな宣伝効果を得られるメリットがあります。顧客とショッピングサイトを効率的につなぐことができるSNSを利用した販売方法は、画期的な販売戦略といえるでしょう。

主要企業5選紹介


通販業界の主要企業を5社紹介しましょう。通販業界は、従来からのカタログを媒体とする企業が苦戦していると見られています。しかし、健闘している企業は事業の多角化を行うことで業績を伸ばしています。

通販での取扱商品はソリューションサービスなどにも広がり、オフィスにおける総合的なサポート体制を整えている企業も出現しました。パソコンやスマートフォンへの対応を進めるとともに、リアル店舗を展開することで、EC専業の2大巨頭であるAmazonや楽天へ対抗している企業もあります。

アスクル株式会社

  • 企業名 アスクル株式会社
  • 代表者名 岩田 彰一郎
  • 従業員数 2,968名(連結)
  • 設立年月日 1963年(昭和38年)11月2日

アスクル株式会社は、豊富な品揃えと最短で当日に届く配送の速さが特徴です。さらに、1,000円以上の注文で送料無料、郵貯・コンビニエンスストア・口座からの振込や自動引落しから選べる決済など、便利なサービスを展開しています。その結果、オフィスではすっかりおなじみとなっています。

また、社内では『ダイバーシティ推進プロジェクト』を行っており、全社的な視点からの風土醸成の取り組みも特徴的です。マネジメント層への研修・女性リーダーへの研修などの他、働き方改革の制度新設・改訂、福利厚生の新設などに向けた活動を推進しています。

環境問題に対する取り組みとしては、コピー用紙1箱に対して原材料として2本の植林を行う『1 box for 2 trees』活動も展開しています。

株式会社大塚商会

  • 企業名 株式会社大塚商会
  • 代表者名 大塚 裕司
  • 従業員数 8,779人(連結)
  • 設立年月日 1961年(昭和36年)12月13日

大塚商会は、オフィス用品の通販サイト『たのめーる』でおなじみです。お客様の「ない」をすぐにお届けすることをモットーにしています。法人・個人の顧客に向けた『たのめーる』のほか、介護用品を中心に利用する顧客向けの『ケアたのめーる』を展開しています。

また通販だけでなく、パソコンや複合機、ビジネスフォンのサポートもひとつの窓口で対応が可能です。クラウド化とリモートサポートで社内のITインフラ関連の保守・管理・運用のまるごとサポートも行っています。

その他、労働環境の整備に役立つイベントやオンラインセミナーを無料で行うなど、事務用品の販売にとどまらないソリューションサービスで差別化を図っている会社です。

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大塚商会の平均年収と生涯賃金|年齢別・役職別の年収・月給・ボーナス推移と業界比較

株式会社ニッセンホールディングス

  • 企業名 株式会社ニッセンホールディングス
  • 代表者名 脇田 珠樹
  • 従業員数 3,115名(連結)
  • 設立年月日 1970年(昭和45年)4月10日

株式会社ニッセンホールディングスは、ネットが普及するずっと前の時代に会社を設立以来、商品やサービスを直接消費者の自宅に届ける事業を行ってきました。

時代の急激な変化の中で会社が発展し続けているのには、複数の理由があります。事業運営に慢心せず常に変革を求めながら経営環境の変化に対応したこと。既存事業のブラッシュアップに努めたこと。複数事業を営むことで経営の安定化を図りながら、強固な財務基盤の形成・維持を行ってきたことなどが挙げられます。

また、企業ガバナンスを重視して経営株主・取り引き先との共存共栄や、従業員の自己成長を目指しています。取扱商品である衣類や雑貨、インテリアは数社が競合しており、徹底したOne-to-Oneアプローチを行うことで、差別化を図っているのが特徴です。

株式会社フジ・メディア・ホールディングス

  • 企業名 株式会社フジ・メディア・ホールディングス
  • 代表者名 嘉納修治
  • 従業員数 8,049名(連結)
  • 設立年月日 1957年(昭和32年)11月18日

フジ・メディア・ホールディングスは、フジテレビジョンやニッポン放送などを傘下に置く認定放送持ち株会社です。

放送事業を中心に、映像音楽・生活情報・都市開発など7つの事業セグメントで構成されています。フジサンケイグループ各社とも連携して、文化・芸術を通じた社会貢献活動に取り組んでいるのも特徴です。

通販部門では、株式会社ディノス・セシールとして5年目を迎え、「ディノス」と「セシール」の両ブランを展開しています。総合通販会社としてインターネットメディアのほか、強みであるテレビやカタログでの通信販売事業を展開しています。amazonや楽天などのEC専業会社とは異なる顧客層からの支持を集めているのも特徴と言えるでしょう。

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株式会社ベルーナ

  • 企業名 株式会社ベルーナ
  • 代表者名 安野 清
  • 従業員数 1,708名(連結)
  • 設立年月日 1977年(昭和52年)6月14日

株式会社ベルーナは、創業以来「顧客志向・顧客密着」を合言葉に、通信販売を中心に事業を展開しています。

総合通販事業・専門通販事業・店舗販売事業・プロパティ事業を『主力4事業』として、安定性・成長性・継続性・収益性を実現するポートフォリオ経営がビジネスモデルです。事業間の相乗効果を発揮しながら新たな価値を創造し、「お客様の衣食住遊を豊かにする」という経営理念の下、事業の発展を推進しています。

中核である総合通販事業では、衣料品だけでなくファッション雑貨やインテリアなど多彩な商品を各世代に向け提供しています。会員データを有効活用して商品開発と効率的な商品管理を行うとともに、WEBメディアによるコミュニケーションの強化も進めています。

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通販業界研究のおすすめ書籍紹介

業界情報を入手する方法としては、インターネットやニュースなどのトピックがよく用いられています。これらは最新のホットな情報を手軽に入手でき、大変便利です。しかし、書籍での業界研究も忘れないでください。

書籍は発刊までに入念なチェックを受けて世に出ます。また、代金を支払っての購入に見合う内容が期待されているため、無料で提供されている媒体からの情報よりも、有益な内容となっているからです。書籍を参考に、専門性の高い情報を身に付けてください。

物流大激突 アマゾンに挑む宅配ネット通販

物流大激突 アマゾンに挑む宅配ネット通販』は、戦略物流専門家である筆者の角井 亮一氏が、独自の米国取材とともに、物流ビジネスの最前線を解説した書籍です。

ネット通販のアマゾンを筆頭とする通販業界では、近年「配達の高速化」と「送料無料」サービスが当たり前でした。ところが、物流を担う宅配業者のキャパシティを超える荷物量となり、問題となりました。宅配最大手のヤマト運輸が値上げを行い、配達時間帯指定の見直しや当日配送を縮小する方向に動くなど大変動が起きたことは記憶に新しいでしょう。さらに競合する宅配各社もこれに追随しました。

これを受けた通販会社の企業経営における物流戦略は、新たなフェーズを迎えようとしています。通販の生命線である物流業界の最前線がよく理解できる好著です。

通販ビジネスの教科書

通販ビジネスの教科書』は、通信販売ビジネスに関わる企業の担当者や経営者に向けて記された書籍です。

メーカー・専業通販・中小企業など30社以上の事業を支援し成功に導いた事例から、さまざまなノウハウが解説されています。価格の決め方やブランド施策、メディア戦略といった、顧客とのつながりを深めファンを獲得する方法などです。

通販ビジネスについての基本的な考え方から、CPOやLTVといった事業指標の解説、および事業戦略の基本から応用編までが、ロジカルにまとめられた書籍です。

特にブランド戦略については、「負のブランド」という対立概念からの解説が新鮮で、通販ビジネスのメカニズムを俯瞰して理解できます。まさに「教科書」といってよいタイトルどおりの良書と言えるでしょう。

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通販業界は今後も成長が見込まれる上、さまざまな業界や企業との関わりや新規事業の展開など、刺激と変化に富んだ魅力があります。入社後に自分の強みを存分に発揮するためにも広く深い視野が必要です。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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