業界研究

【広告業界の志望動機の書き方】ポイントと例文を合わせて解説

広告業界とは

広告業界は就活生に人気の業界であり、就活を勝ち抜くためには印象的な志望動機を作成する必要があります。広告業界に華やかなイメージを持つ人は多いですが、実際には華やかではなく、地味な作業も多く、大変な仕事も多い業界です。

漠然としたイメージを持っているだけでは、印象的な志望動機を作成することはできませんので、まずは業界についての理解を深めることが大切です。業界の動向や基本的な知識を知り、広告業界を攻略する志望動機を考えていきましょう。

広告業界の概要

広告業界は業界規模、業績ともに堅調に推移している業界であり、現在も成長傾向です。業界成長の背景としては、インターネット広告市場の拡大が挙げられ、近年で爆発的な成長を遂げています。

インターネット広告市場はパソコン、スマートフォンの普及によって成長を続け、現在では業績1位のテレビ広告の売上に迫る勢いです。今後インターネット広告とテレビ広告の逆転も見込まれており、さらなる市場の拡大が予想されています。

広告業界は電通、博報堂の大手2社による寡占状態が続いており、今後も寡占状態が続く見込みです。大手2社ではさまざまな動きもあり、国内だけではなく海外市場への展開なども広く進められています。大手2社による他社の買収なども進み、寡占状態にもさらに拍車がかかる見込みです。

広告業界の業績推移について

  • 業界規模:6兆8,675億円
  • 平均年収:604万円
  • 平均継続年数:7年

広告業界の業界規模は6兆8,675億円です。国内の業界としては大規模であり、今後もインターネット広告市場などの成長が考えられており、業界規模はさらに拡大していくと考えられています。

平均年収は604万円であり、他業界よりもやや高い水準です。企業ごとに平均年収は大きく異なり、大手企業であれば、1,000万円を超えるケースも少なくありません。広告業界は忙しい企業も多く、その忙しさに応じて給料も高い企業が多いといえます。

平均継続年数は7年であり、他業界と比べても短い傾向です。給料自体は高い企業が多いものの、その忙しさから離職率の高い業界でもあります。広告業界は激務でも有名な業界であり、あまりの仕事の忙しさに退職を考える人も多いです。

広告業界の細かい職種分類について

  • 営業・企画
  • ディレクター
  • デザイナー
  • プロデューサー

広告業界の職種としては営業・企画、ディレクター、デザイナー、プロデューサーが挙げられます。営業・企画はクライアントに対して広告の企画や提案などをおこなう職種です。クライアントが求めるものを察知し、新たな広告プランを提案します。

ディレクターは広告制作の現場監督として働く職種です。制作全体の管理や現場での指揮などをおこないます。デザイナーはディレクターの指示に従って、実際に広告を制作する職種です。WEB、アート、グラフィックなどさまざまな種類のデザイナーが専門分野を活かして活躍します。

プロデューサーは広告制作の最高責任者としての役割を担います。ディレクターやデザイナーの配置、広告制作全体の進行の管理などをおこなう仕事です。

こちらの記事では、広告業界への就活に役立つ情報を公開しています。

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広告業界の志望動機を書くポイント

志望動機はその業界や企業で働きたいと考えた理由を伝えるものですが、ただ志望した理由などを書き連ねるだけでは、効果的なアピールにはなりません。印象的な志望動機を作成し、仕事に対する意欲などをアピールするためには、書き方にポイントがあります。

しっかりとポイントを守れば、誰でも魅力的な志望動機を作成することは可能です。書き方のポイントを知り、それらを踏まえて広告業界で通用する上手な志望動機を作成していきましょう。

①なぜ広告業界なのかを明記

採用担当者の印象に残る志望動機を作成するためには、なぜ広告業界なのか、その理由を明記することが大切です。志望動機は仕事に対しての意欲を表したものであり、そこで働きたいという想いを伝えることが大切です。

他の業界ではなく、広告業界で働きたい、広告業界でなければならない理由を伝えていきましょう。広告業界はさまざまなものを広告、宣伝する業界です。広告を通じてさまざまな商品を知ってもらいたいなどでもいいですし、広告宣伝で多くの人を動かしたいなどでも構いません。

広告業界にしかない仕事、広告業界だからこしできる仕事と絡めてアピールすることが大切です。広告業界ならではの特徴や仕事内容を踏まえて、志望動機を作成していきましょう。

②その中でもなぜ該当企業なのかを明記

なぜ広告業界なのかを明記すれば、次に広告業界の中でもなぜ該当の企業を志望するのか、その理由を明らかにすることが大切です。広告業界で働きたいだけでは、業界内であればどの企業でもいいのではないかと思われてしまいます。

一口に広告業界といってもさまざまな企業がありますし、企業によって特徴や強み、できることできないことは違っています。それぞれの違いをしっかりと知り、志望する企業の特徴や強みなどを踏まえた上で、志望動機を作成することが大切です。

その企業だからこそ志望した、その企業でなければならない理由などを伝えることで、志望動機を差別化することができます。該当企業の企業研究をしっかりとおこない、志望動機の作成に役立てていきましょう。

③自分に何が貢献できるのかも明記

企業で活躍するためには、意欲だけではなく能力が必要です。志望動機は業界での仕事に対して、企業での仕事に対しての意欲を伝えるものですが、それだけでは選考を勝ち抜くことはできません。

充分な意欲を示し、さらにその企業で自分に何が貢献できるのか、活躍できるのかを明記することが大切です。どれだけ高い意欲があっても仕事を進める能力がなければ意味はありません。仕事で活躍するためには能力が必要ですし、企業も活躍できる人材を探しています。

自分にはどんな能力があって、それが企業の仕事でどのように役に立つのかをアピールすることが大切です。企業でどのように貢献できるのかを具体的に提示し、採用メリットのある人材であることをアピールしていきましょう。

④構成を意識して作成する

志望動機を書くときは構成を特に意識しましょう。構成を無視すると内容が伝わらない文章になってしまうからです。ひとつひとつの内容はとてもよいのに、構成がいい加減だと、意味の分からない、何がいいたいのか分からない文章になります。

自分のいいたいことを他者へ正確に伝える、表現するために必要な構成力がないとコミュニケーション能力が不足していると評価されても不思議ではありません。また、場合によっては論理的思考力が不足しているとも思われてしまいます。志望動機を思いついた端から順番に書いても、採用担当者の心には残らないでしょう。

また、文章だけではなく会話も構成がしっかりしていないとビジネスの現場では通じません。志望動機を書くときはコミュニケーション能力と論理的思考力をアピールするためにも、構成を意識しましょう。

まずは結論を述べる 

志望動機の構成では、まず結論から述べましょう。理由は、志望動機とは何かという疑問に対し、すぐに答えるためです。では、結論から述べないとどのようなことが起きるのでしょうか?

例えば「私は子供の頃から人と話すことが好きでした。近所の人たちと仲もよく~」と理由から話をしても全体的にダラダラとした感じになります。「広告業界に入ろうとした理由は結局何だ」と読み飛ばされてしまう可能性があるのです。また、根拠が複雑であれば内容が頭に入らない可能性もあり、最後に結論を述べても結局何も伝わらなかったということもありえます。

結論から述べることで、担当者は「なるほど。ではその結論に至った根拠は何だろう?」と結論以降の内容も理解しやすくなります。ちょっとしたことですが、重要な要素なので押さえておきましょう。

根拠となるエピソードを述べる

 結論を述べたら次は根拠となるエピソードを述べてください。なぜその結論に至ったのか、理由があいまい、いい加減なものだと全体的に説得力が生まれません。説得力が無ければ「本気でうちで働きたいと思っているのか」と担当者に思われる可能性もあるでしょう。

どうして広告業界を選ぶのか、具体的な根拠を練ってください。「知名度が高い」「華やかそう」という根拠は本音かもしれませんが、イメージはよくありません。広告業界で仕事をしたい根拠を具体的に考えることが大事なのです。

例えば、「駅に貼っていたポスターのデザインとコピーに心を動かされた経験がある。そのことがきっかけで、自分も人を感動させるポスターを作成したくなった」という具体的な根拠があれば、広告業界に入りたいという本気度の証明にもなるでしょう。それが説得力につながるのです。

広告業界への就職活動の進め方について、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。

広告業界の志望動機例文3選

志望動機の書き方のポイントを知れば、自身の志望動機を作成していきましょう。志望動機の作成は難しいものですので、上手に書けないからといって焦る必要はありません。何度も何度も書き直して、ようやく納得のいくものが完成します。

すぐにできるものではありませんので、一度完成してもすぐに企業の提出するのではなく、何度も見直して改善することが大切です。例文も参考にしながら自身の志望動機のブラッシュアップを図っていきましょう。

例文①

私は広告での宣伝を通じて、様々な業界の人と関わり、世界を繋げていきたいと考えています。御社は幅広い業界で活躍していますし、それぞれの業界でも高い実績を誇っています。より高いレベルの環境に身を置き、多くの業界、多くの人と触れて成長したいと考え御社を志望しました。
私は大学時代に野球部に所属しており、目標に向けて粘り強く努力することの大切さを学びました。大学時代に培った能力を活かして、御社でも粘り強い営業をして、一つでも多くのクライアントと繋がり、活躍していきたいと考えています。

例文の①では広告での宣伝を通じて、様々な人と関わって世界を繋げる仕事がしたいと語られています。最初に結論から語ることで、アピール内容を明確にできていますし、志望動機も印象深くなっています。

例文では幅広い業界で活躍しているという該当企業の特徴に触れ、アピールされており好印象です。また大学時代の部活動の経験から培った能力を提示し、企業でどのように活躍するかも明確にされており、採用メリットもアピールすることができています。

例文②

私は広告宣伝によって感動を生み、一人での多くの人を動かしたいと考え、志望しました。広告業界では様々な公告方法がありますが、現在注目されているのがインターネット広告だと考えます。御社はインターネット広告の分野に精通しており、メッセージ性の強い広告に強みがあります。
私は大学時代にカフェでアルバイトをしており、そこでコミュニケーション能力を身に付けました。大学時代に培ったコミュニケーション能力を活かして、人々の心に残るメッセージ性の強い広告を生み出し、人を動かせる存在になりたいと考え、御社を志望しました。

例文の②では志望動機として広告宣伝によって感動を生み、人を動かしたいと語られています。志望する企業がインターネット広告に強いこと、さらにメッセージ性のある広告に強みがあることが挙げられており、その企業でなければならない理由が明確になっています。

またしっかりと企業研究ができていることも伝わり、意欲の高さがアピールできており好印象です。コミュニケーション能力を活かして、企業に貢献できることも明確に語られており、企業で活躍する姿を強くイメージさせることができています。

例文③

私は人の心を動かし、記憶に残る広告を作りたいと考え、御社を志望しました。御社は広告のデザイン性も高く、一度見ればすぐに記憶に定着するものが多いです。子供の頃に見た御社の飲料水の広告は未だに鮮明に印象に残っており、今でもすぐに思い出すことができます。
私は大学時代にデザイン学科で広告デザインの勉強をし、それを御社でも活かして活躍したいと考えています。大学では多彩な色使いでデザインする技術を学びましたので、鮮やかな色使いで見た人の記憶に残る広告を作り、御社で活躍したいと考え、志望しました。

例文の③では人の心を動かし、記憶に残る広告を作りたいことが志望動機として挙げられています。志望する企業の広告についての特徴を挙げることで、企業研究ができていることがアピールできていますし、その企業でなければならない理由を明記することがでいています。

自身の原体験から印象に残った広告についてを述べることで、志望理由の根拠付けもできており、好印象です。大学で勉強したことを企業に活かすことが具体的に語られており、企業で活躍している姿もイメージしやすくなっています。

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広告業界の志望動機NG例文選

志望動機の作成に行き詰った場合は、さまざまな人の志望動機に触れ、視野を広げることが大切です。他の人の志望動機を参考にすることで、新たなアイデアが生まれる場合もありますし、自身の志望動機の良い点、悪い点にも気づくことができます。

良い点は伸ばし、悪い点は改善することで、さらに魅力的な志望動機を作成することができます。志望動機のNG例文も参考にし、自身の志望動機に当てはまっている点はないかを照らし合わせ、改善を進めていきましょう。

NG例文①

私は広告で世界を動かしたいと考え、御社を志望しました。広告は感動を生み、人の心を動かすことが出来るものです。人の心を動かすことで世界は動きますし、広告によって世界を動かすことが出来ると考えています。広告宣伝は様々なものがありますが、私は特にテレビ広告に注力したいと考えています。
テレビを見ている人は多いですし、何気なく見ているテレビCMから、人々を感動させ、心を動かしていきたいと考えています。テレビ広告が大切であると考えますので、テレビ広告に強みのある御社を志望しました。

NG例文の①では広告で世界を動かしたいと考え、志望したと語られています。広告業界を志望する理由については語られていますが、企業を志望する理由が弱く、志望動機としてはNGです。

また業界を志望する理由についても、広告は人の心を動かせるものという漠然としたものであり、上手なアピールができていません。アピール内容は明確、かつ具体的であることが大切ですが、全体的に曖昧な表現が多く、志望動機が明確に伝わっておらずNGです。

NG例文②

私は大学時代にデザインについての勉強をし、広告の作り方についてを学びました。広告で大切なのは見てもらうための仕掛けを作ること、見た瞬間に記憶に深く刻まれることです。私は大学時代の勉強を通じて、広告を見てもらうための仕掛けづくりや記憶への残し方を学びました。
大学ではいくつかの広告賞に応募し、銀賞を獲得したこともあります。大学時代に培ったデザインの知識やスキルなどを活かして活躍したいと考え、御社を志望しました。

NG例文の②では自身の能力についてのアピールがされていますが、広告業界や企業を志望する理由を伝えることができていません。全体を通して広告業界に必要な能力や自身の能力の説明だけにとどまっており、仕事を志望する理由が一つも語られていません。

仕事に対しての適性や能力があることをアピールすることは大切ですが、仕事への意欲が伝わらないのはNGです。仕事で活躍できる能力と仕事に対する意欲の両方をアピールすることが大切ですので、能力だけのアピールでは志望動機としては不十分です。

NG例文③

私は大学時代に複数のサークルに所属しており、様々な人と触れることで成長してきました。価値観の違う様々な人と触れることで幅広い知識を身に付けることができ、さらにコミュニケーション能力も身に付けることができました。私は幅広い知識とコミュニケーション能力を活かして、御社で活躍したいと考えています。
さまざまな業界の人とコミュニケーション能力を取り、クライアントとの意思疎通を図ることで、仕事を達成していきたいと考えています。

NG例文の③では業界や企業を志望する理由が最初に語られておらず、アピール内容が明確になっていません。なぜ企業を志望したのかについても触れられておらず、志望動機としては不十分です。

業界について、企業についての志望理由も明確にされておらず、アピールされているのは自身の能力と企業でどのように活躍できるかだけです。志望動機ですので、なぜ業界や企業を志望したのか、その明確な理由は必ず必要です。それらがないためNG例文といえます。

広告業界の志望動機をマスターして選考を有利に

広告業界は華やかなイメージも強く、就活生人気の高い業界です。毎年多くの人が広告業界を志望していますし、選考の倍率は高く、就職難易度の高い業界でもあります。人気の高い広告業界の就活を攻略するためには、印象的な志望動機を作成することが大切です。他の就活生に埋もれてしまわないためにも、差別化した志望動機を作成していきましょう。

魅力的な志望動機を作成するには、いくつかのポイントがあります。それらをしっかりと守っていれば、誰でも採用担当者の印象の残る志望動機を作成することはできます。志望動機は書き方一つで印象が大きく変わりますので、書き方には充分な注意が必要です。ポイントを踏まえて効果的な志望動機を作成し、人気の広告業界への就活を成功させましょう。

更に詳しく知りたい方は、こちらの記事をチェックしてみてください。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

多くの学生と企業をマッチングしてきた経験を活かし、『就活対策サイト「キャリアパーク!」が教える 「最高の会社」の見つけ方』(高橋書店)を出版。最高の会社を見極めるための基準や失敗しない企業選びの方法を紹介している。

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01459)

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