企業研究

優良企業とは|隠れたホワイト企業も見つかる探し方の3つのコツ

優良企業は自分から探さないと出会えない

就職活動の根本的な目的は、自分の理想を実現するためにより良い企業と出会うことだといえるでしょう。つまり、どんな企業でも評価につながるような自己PRや、オリジナリティのある志望動機ばかりでなく、いかに良い企業を見つけるかも大切なのです。

いわゆる「優良企業」との出会いは、待っていれば向こうから来るものではなく、自分で、「優良」とは何かを探し、それに当てはまる企業を見つけることで生まれます

ぜひこの記事で、優良企業はどのような企業で、どのように探すのかを確認して、納得のいく企業選びができるよう準備していきましょう。

「優良企業」とは

「優良企業」の定義は人によってさまざまです。

株主にとっては「投資する価値があるか、売上が良いか」であったり、ユーザー(顧客、消費者)にとっては「利用する価値があるか、信頼できるか」。そして社員にとっては「給与に満足できるか、離職率が高くないか」などが挙げられます。

優良企業に就職したいと漠然と考えていても、その実態を理解しないまま就職したところ、入社前の理想と入社後の現実のギャップで悩む人も多くいるのが現状です。

実は優良企業に明確な定義はない

就職するのであれば優良企業と考えている人は多いですが、実は優良企業には明確な定義はありません。「給料がいいこと」を優良企業とする場合もあれば、「残業などが少なく、ワークライフバランスが取りやすい企業」だという場合もあります。

また「倒産の心配のない経営が順調な企業を指して優良企業」と呼ぶ場合もありますので、決まった定義はないことを覚えておく必要があります。

好条件ばかりを求めてしまい、なかなか志望先の企業を絞り切れていない人は多く、そもそも志望する企業すら見つけられていない人も多いです。明確な定義のないものにぴたりと当てはまるものを探すのは困難でしょう。

有名企業や大手企業とは限らない

明確な定義がないため、有名企業や大手企業ばかりが優良なわけではなく、中小・零細企業といわれる規模の小さな企業の中にも優良企業といえる企業は多く存在するでしょう。

有名企業・大手企業が就活生に人気なのはそのすべてが優良企業だからというわけでなく、日頃から目に触れていたり知っているため、興味を持ちやすく応募しやすいからだと考えられます。

しっかり優良企業を探そうとすれば、就活生の人気が集中していない掘り出し物ともいえるような企業と出会える可能性もあるのです

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一般的な優良企業の4つの指標

一般的な優良企業の4つの指標

先述の通り、優良企業の明確な定義はありません。人によって仕事に求めるものは違っていますし、優良企業の条件も違ってきます。

しかし自分に合った優良企業を自分自身で決めることはできます。そのため自分の中で優良企業と呼べる基準は何かを決めて志望先を選ぶことが大切です。

誰かにとっての優良企業が自分にとっても優良企業であるとは限りませんので、自分ならではの基準を作ることが大切です。

そこで一般的に優良企業と呼ばれている特徴を参考に、仕事をするうえでこれだけは絶対に欠かせないという条件を考え、それを基準に「自分にとっての優良企業とは何か」を探していきましょう。

①定時で上がれて残業が少ない

優良企業の基準の一つとしては、定時で上がれて残業が少ないことが挙げられます。企業ごとに定時の時間は違っていますが、基本的には一日の労働時間は就業規則などで決められています。

しかし必ずしも定時で上がれるとは限らず、残業をしなければならない場合も多いです。特に忙しい業界や繁忙期などであれば、残業は当たり前という企業も少なくありませんので、毎日残業をしなければならないこともあります。

また毎日残業でも30分や1時間程度であればそれほど苦ではありませんが、毎日数時間残業するのが当たり前な企業も、少なからずあります。残業がない企業は働きやすいですし、あったとしても時間が短ければ働きやすく、優良企業だと言えるでしょう

残業について詳しく説明している記事もあるので、ぜひ確認しておきましょう。

②収入が安定していて残業代も支払われる

収入が安定していて、残業してもしっかりと給与が出ることも、優良企業の基準のひとつです。仕事をするうえではどんな仕事をするか、自分がしたい仕事ができるかも大切ですが、やはり給与も大切になります。

どれだけ仕事の満足度が高くても、給与が低かったり、安定しないなどの理由で生活が立ちいかなくなっては生きていくことができません。そのため安定して給与がもらえることは重要です。

また企業によっては残業をしてもすべてサービス残業となり、残業代が支払われない場合もあります。残業があること自体は仕方ない場合も多く、繁忙期であればどれだけ優良企業でも残業があることも多くなります。

問題は残業代がしっかりと支払われるかどうかということにもなるので、サービス残業の有無も確認しておきましょう。

③福利厚生が充実している

仕事をするうえでは給与も大切な水準になりますが、それだけではなく福利厚生も大切です。福利厚生がしっかりして保障されている企業は優良企業と言えますし、これがどれだけ充実しているかによって志望する企業を選ぶ人も多いです。

福利厚生が充実していれば、仕事もしやすいですしプライベートも充実させやすくなります。単に給与が良いだけではプライベートの充実までは図れない場合も多いですし、福利厚生については必ずチェックしておく必要があります

給与などは努力次第で昇給もありますし、増やすことができますが、福利厚生に関しては基本的に入社時から変わることがない場合が多いです。

優良企業の基準として福利厚生が充実しているかどうかは重要になりますので、これも忘れずにチェックしておきましょう。

④定着率が高く離職が少ない

離職率の高い会社は、働く環境や業務量、人間関係に何かしら問題がある場合が多いと言われています。離職する理由としては自身のキャリアアップや他の企業からの熱烈なオファーなど、その人にとってポジティブな理由もあります。

しかし、離職率が高いと聞くと、初めに紹介した環境や業務量、人間関係が悪い場合も多くあります。そのため、定着率が高いと、職場環境がいいや人間関係にトラブルが少ない可能性があるため、優良企業だと言うことができます。

就活生に聞いた! 企業選びで特に大事にしている指標

一般的に優良企業であるかを判断できる指標として考えられている4つのポイントを挙げましたが、実際のところ就活生の皆さんはどのようなことを基準にして、「優良企業」「良い仕事」と判断しているのかをここでご紹介します。

企業選びで特に大事にしている指標

就活生の皆さんに聞いた、企業を選ぶ際に大切にしていることとして最も多かったのが、やりがいのある仕事かどうかでした。多少の待遇や給与への不満があったとしても、仕事そのものに対するやりがいの方を重視している就活生が多いといえるでしょう。

しかし、なにを基準にしてるから正しい、間違っているということはありません。ぜひ自分が大切にしたいことは何かを考え、それを基準に企業を選ぶことが大切です。

隠れ優良企業の3つの特徴

隠れ優良企業の3つの特徴

大手優良企業を表立った優良企業とすると、隠れ優良企業とは主に知名度の低い中小企業の中の優良企業を指します。大企業と中小企業の違いとは、資本金や出資金、従業員数ですが、優良企業かどうかの指標にはなりません。

以下に隠れ優良企業の特徴をまとめました。自分が重要視したい点と照らし合わせ、どのような企業に就職したいかを定めていきましょう。

健全な企業経営をしている

会社が一丸となり経営方針に従っている企業です。一概に経営状態の良し悪しだけでは決まらず、上層部が経営意欲を持ち明確な計画・方針を打ち出しおり、その理念が社員に浸透しているかが重要となっています。

しかしそのようなことは、会社のホームページや企業説明会などの話だけではとても判断がつくものではありません。離職率や直近の社員の増減数、そしてなにより現場の社員の働く姿や実際に声をお聞きして見定めましょう

会社の内情を把握することは、入社した社員ですら1年や2年では難しいですが、入社して数年たった後に気づき後悔してしまうという可能性もあります。

OB・OG訪問など現場で働く社員と積極的にコミュニケーションをとる機会を得て、文面では把握できないことを聞き出しましょう。

一定水準以上の年収がある

全国の平均年収は400万円前後、東京都では600万円前後を例年推移しています。高い給与がなくてもやりがいがあればどんな企業でも働きたいと考える就活生はたくさんいますが、新卒採用の離職率は例年約3割を推移している事実もあります。

その中には社会人として生きる中で高い給与が必要になったり、やりがいが感じられなくなってしまったといったミスマッチから離職する人が多く含まれます

給与とやりがいを切り離して考えず、将来のビジョンを見据えたうえで自分に必要なお金というものを一度考えてみましょう。

充実した労働条件がある

  • 年間休日が少ない
  • 拘束時間が極端に長い
  • 残業代が適切に支払われない
  • 離職率が極端に高い
  • パワハラ・セクハラが横行している

逆にブラック企業と言われる企業の労働条件はどのようなものでしょうか。ブラック企業の定義というのは曖昧なものですが、一般的には上記のような労働条件がブラック企業であると言われています。

このような問題がないのが隠れ優良企業の特徴となっていますが、この点は一般的な優良企業と大きな違いはありません。言い換えると、このような条件が整っている会社でないと優良企業とは言えません

ワークライフバランスという、仕事と私生活の両立がとれた状態を示す言葉があります。社会人が1日の多くの時間を過ごすのが職場ですので、充実した労働条件がある企業が優良企業であると言えます。

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就活では、自分に適性のある仕事を選ぶことが大切です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまいます

そんな時は「適職診断」を活用して、志望する職業と自分の相性をチェックしてみましょう。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、ぴったりの職業を診断できます。

適職診断で自分の適性を把握しておき、就活を効率的に進めましょう。

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隠れ優良企業を探す3つの手がかり

隠れ優良企業を探す3つの手がかり

隠れ優良企業の魅力や特徴を伝えてきましたが、ではどのようにしたら隠れ優良企業を探すことができるでしょうか。一般的な優良企業、隠れ優良企業をリストアップすることは簡単ですが、そこに就職できたとしても万人の正解にはなりえません。

重要なのは「自分にとって優良企業かどうか」です。向き不向きや企業に何を求めるかでその人にとっての優良企業は変わるでしょう。以下に自分にとっての優良企業を見つけるための手助けとなるような3つの方法を解説します。

①BtoB企業をチェック

BtoB企業とは、法人または企業相手中心に取引をおこなっている企業です。 企業が取引相手の場合、1度取引が成功すると長期案件となることが多いため、安定した収益を得ることができるようになります。

BtoC企業のように消費者が相手の場合には、広告やCMをどんどん流すことが収益につながるため自然と知名度が高くなり、それに伴い応募の倍率も高くなってしまいます。

BtoB企業とBtoC企業の差は認知度であり、優良企業かどうかの差ではないと言えます。認知度が低く競争率の低い場合が多いBtoB企業をチェックしておくのは、隠れ優良企業を見つける1つの方法です

BtoB企業について詳しく説明している記事もあるので、併せて確認してみてください。

②離職率をチェック

さまざまな優良企業の特徴の中でも、離職率に関しては特に重要視しなければならないポイントとなります。

たとえば、「給与が水準以上かつ十分な年間休日が保障されているが、離職率が高い企業」があったとして、何か大きな問題があるのではないかと疑わなければなりません。離職率は東洋経済新報社が出版している「就職四季報」などで確認することができます

全ての労働条件が高い水準であれば、自然と離職率が0%に近くなります。離職率が高い場合には理由があると考えられます。長く働けるような企業と出会うためにも、離職率は外せないチェック項目です。そのためにも企業研究には特に力を入れましょう。

「離職率」について詳しく説明している記事はこちらです。ぜひ参考にしてみてください。

③ネットで情報収集

インターネットの普及により、多くの情報が誰でも手に入れられる状態になっています。

ホワイト企業ランキングや口コミサイトでは盛んに情報が発信されており、中でも口コミサイトや2chでは内情を知る人間でなければ知りえないような情報が含まれている場合もあります。

しかし、インターネットの情報とは根拠がなく真実かどうか確かめる術がない場合が多いです。

「その情報源が信用できる個人や企業であるのか」「そのデータはどのような統計を取っているのか」など、インターネットで情報収集をおこなう場合には情報に振り回されないためにも、自分で考えて取捨選択するようにしましょう

就活生に聞いた! 優良企業を探すコツ

優良企業を探すコツ

優良企業を探すためには、自分なりの指標を用意したうえで、情報を収集していく必要がありますが、優良企業かを見極めるために見ておくべき情報や探し方のコツにはどのようなものがあるのでしょうか。

ここで、就活生の皆さんの回答を公開していくので、ぜひ参考にしてみてください。

実際の働き方や雰囲気などがわかる情報を調べたという回答が多数

口コミサイトなどで、実際の働き方や雰囲気がわかる情報を得ることが企業研究するうえで役に立ったという回答が多数を占めました。

興味ある企業が優良企業であるかどうかは、企業のホームページ(HP)などからヒントを得ることができますが、口コミサイトなど、社内にいる人の生の声をキャッチすることで、公開されている情報が正しいのか確認できるでしょう

優良企業かどうかを見極めるためにも、企業HPだけでなく四季報や口コミサイトなどさまざまツールを使って総合的に判断することが大切になりそうです。

自分の興味がない仕事内容まで確認したという声も多い

企業の情報を調べる際、自分が興味のある仕事内容や職種だけでなく、それ以外についても調べておいたのがよかったという声もいくつも寄せられました。

自分の興味のある仕事内容以外も見ておくことで、社内にどのような役割の人がいるかを知り、実際の働き方がイメージできたり、ジョブローテーションなどで実際にどのような仕事に就く可能性があるかを知っておくことができるといったメリットがあります

やりたい仕事だけを見ていて、実際には最初の数年は違う事業や違う職種をやることを知らずにギャップを感じるという可能性もあるでしょう。企業の全体感を把握するためにも、幅広く企業について知ることが大切です。

自分に合った優良企業を見つけ納得のいく就活にしよう

優良企業とは人それぞれ定義が異なり、それを見つけるには相応の企業研究の努力が必要となります。

「何をもって優良企業と感じるか」は人それぞれです。自分が特に何を重要視したいのかによって自分にとっての優良企業もまた変わります

自分に合った優良企業を見つけて納得のいく就活にしましょう。

「良い仕事」に関する調査

  • 調査方法:ポート株式会社が運営する企業口コミサイト「就活会議」会員へのダイレクトメール
  • 調査日:2022年7月8日~13日
  • 調査元:「就活の未来」を運営するポート株式会社
  • 調査対象者:23卒・24卒の就活会議会員の226人

「優良企業」に関する調査

  • 調査方法:ポート株式会社が運営する企業口コミサイト「就活会議」会員へのダイレクトメール
  • 調査日:2022年8月24日~29日
  • 調査元:「就活の未来」を運営するポート株式会社
  • 調査対象者:23卒・24卒の就活会議会員の109人

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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