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日本の鉄鋼業界は世界に誇る技術力がある
鉄鋼業界は国内でも大規模の業界であり、注目の集まっている業界でもあります。日本にはさまざまな業界がありますが、鉄鋼業界は国内でも上位の規模を誇る業界であり、国内だけではなく海外でも高い評価を受けています。
日本の技術は世界からも注目されているものが多く、鉄鋼業界は世界に誇れる技術を有している業界です。国内だけでなく海外からも注目度の高い業界ですので、就職するためにはしっかりと業界について知っておかなければなりません。
鉄鋼業界は注目度は高いものの、業界について詳細な情報を知っている人は少ないです。鉄鋼業界への就職を目指すためにも業界研究を綿密に行い、業界についての正しい知識を身に付けて就活を進めていきましょう。
鉄鋼業界の動向とは?
鉄鋼業界について知るために、まずは鉄鋼業界の現在の動向はどのようなものなのかを知っておきましょう。鉄鋼業界はどのような風向きにあるのか、どのような動きが起こっているかなど、業界の今について知っておくことは大切です。
今と昔では業界内の動きなども異なっていますので、就活に役立てるためには最新の知識を身に付けておかなければなりません。鉄鋼業界の現在の動向を知り、業界がどのような状態にあるのかを知っていきましょう。
日本の鉄鋼生産量は世界第2位
日本鉄鋼連盟によると日本の鉄鋼生産量は世界で2位を誇っています。日本の鉄鋼業界は世界に誇れる技術力があるだけではなく、世界に誇れる生産量も有しています。生産量は世界2位であるものの、国内の業界規模は若干の縮小傾向です。
2013年頃から建設需要や自動車需要の増加によって業界規模は拡大傾向にあり、円安も追い風となって国内の業界は大きく拡大していました。しかし2015年頃から需要は落ち着きを見せ、業績は伸び悩みをみせています。
鉄鋼業界は国内の景気だけではなく、世界の景気にも関係して増減を繰り返す業界であり、変動が激しい業界です。新興国からの需要が増えれば今後も業界規模は拡大が予想されていますが、先行きは不透明です。
鉄鋼会社同士の再編が続いている
鉄鋼業界は業界内でさまざまな動きが起こっており、企業の再編が続いています。国内の企業では2012年に新日本製鐵が住友金属工業を吸収合併し、新日鉄住金が発足しています。新日本製鐵は当時の鉄鋼業界国内1位の企業であり、住友金属工業は3位です。当時の1位と3位の企業の吸収合併により国内でも最大級の企業が誕生し、業界でも大きな話題を呼びました。
新日鉄住金は当時の粗鋼生産量世界2位であり、現在では3位に転落していますが、世界でも高い実績を誇っています。また同じ年に日新製鋼と日本金属工業が経営統合を行い、2017年には新日鉄住金が日新製鋼を子会社化しています。業界内の再編が連続して行われており、鉄鋼業界は大きな転換期を迎えている状態です。
中国などの海外メーカーに押され気味
日本の鉄鋼業界は世界でも誇れる技術力、生産力を有していますが、現在では海外メーカーに押され気味となっています。世界では特に中国が勢力を爆発的に拡大しており、中国の粗鋼生産量のシェアが70%ほどになっています。
粗鋼生産量では中国が圧倒的なシェアを誇っており、世界では日本の存在感が薄れつつある状態です。日本の鉄鋼業界でも最大規模である新日鉄住金は世界の鉄鋼業界で2位の位置づけにありましたが、それも中国の河北鋼鉄集団に抜かされています。
鉄鋼業界においてはスケールメリットが優先されますので、規模で勝る中国は業界トップを走り続けています。日本の鉄鋼業界の規模は世界に比べれば小さく、他国のメーカーの追随を許してしまっている状態です。
海外生産拠点を設立している
2006年にインド系の大手鉄鋼メーカーミッタル・スチール社はフランスのアルセロール社を事実上買収し、アルセロール・ミッタル社としてグローバルトップに上り詰めました。これは、これまで海外展開に消極的であった国内最大手の新日本製鐵によって脅威となるものでした。
さらに中国系、韓国系企業の台頭により東南アジアや南北アメリカにおける自動車用などに使用する特殊鉄鋼の供給における勢力図に変化が起こりました。それに対抗するために、新日本製鐵は2014年にアメリカのアルセロール・ミッタル社と共同で米国企業を買収し、合弁会社を設立しました。2018年にはインドネシアの国営メーカーであるクラカタウ・スチール社と合弁会社を設立、自動車用鋼板の製造・販売をおこなっています。
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鉄鋼業界の主要企業5社
鉄鋼業界への就職を目指すのであれば、業界について知っているだけでは就活の対策としては不十分です。就活を攻略するためには企業についての知識を身に付ける必要がありますので、業界研究と並行して企業研究を欠かすことはできません。
同じ業界であっても企業によって特徴は違っていますので、志望する企業ごとの特徴を知っておくことが大切です。鉄鋼業界を代表する3つの企業についてを知り、就職先の選択肢として考えていきましょう。
新日鉄住金
鉄鋼業界を代表する企業としては新日鉄住金が挙げられます。新日鉄住金は新日鉄と住友金属が合併してできた企業であり、業界内でも最大級の規模を誇っている企業です。国内で高い位置づけを誇り、日本の鉄鋼業界の34%のシェア率を誇っています。
また国内だけではなく、海外でも高い評価を受けている企業であり、世界では3位の企業です。日本が世界に誇れる企業の一つであり、日本の鉄鋼業界をけん引する重要な存在であると言えます。
新日鉄住金は2017年に日新製鋼を子会社化するなど、さらに企業規模を拡大し、業界では他の追随を許さない企業として成長しています。国内2位の企業と大きく差をつけており、鉄鋼業界の先頭を走り続けている企業です。
JEFスチール
JFEスチールは新日鉄住金に次ぐ業界2位の企業であり、業界全体の2割以上のシェアを占めています。企業としての業績は高く、鉄鋼業界の中では首位の年収を誇っている企業です。
JFEスチールの平均年収は1,022万円であり、平均年収2位の企業と比べると300万円近い差があります。1,000万円を超える年収は鉄鋼業界に限らず、他の業界と比べても高い水準にある年収であり、高年収が期待できる企業です。
年収と売上高は必ずしも比例して高くなるとは限りません。売上高が業界1位であっても年収も同じく業界1位ではありませんので、事前に企業の平均年収を調べておくことも大切です。鉄鋼業界で高年収を狙いたいのであれば、JFEスチールがおすすめです。
神戸製鋼所
神戸製鋼所は上位3位で、鉄鋼業界の6割以上を占めている企業です。業界内では高い売上だけではなく、ラグビーでも有名な企業です。神戸製鋼所の社会人ラグビー部として神戸製鋼コベルコスティーラーズがあり、高い実績を誇っています。
ラグビー部などを通じてさまざまな活動をおこなっている企業であり、企業のブランドとしては「KOBELCO」が有名でもあります。神戸製鋼所はデータの改ざんが問題となっており、製品の安全性が疑われるなど、企業としての改革が求められている状態です。
不祥事からどのように挽回していくことができるか、かつての信頼を取り戻すことができるかが今後の課題です。顧客の信用を回復するために、さまざまな活動に尽力しています。
日立金属
日立金属は1956年に設立されました。「真の開発型企業」「世界トップクラスの高機能材料会社」を目指す研究開発型企業です。「自動車関連分野」「産業インフラ関連分野」「エレクトロニクス関連分野」の3分野にて特殊鋼製品、磁性材料(フェライト磁石など)、素形材製品(自動車用鋳物など)、電線材料(鉄道分野、医療分野など)を供給しています。鉄鋼メーカーであっても大手3社とは違い高炉を持たず、精密な設計が必要な高性能鉄鋼材料分野に特化しています。
日新製鋼
日新製鋼は、1959年に大阪の日本鐵板と日亜製鋼の二社が合併して発足しました。2012年に日本金属工業と経営統合し日新製鋼ホールディングスを発足、2014年に3社合併し現在の形となり、2017年には新日鉄住金グループの一員となりました。新日鉄住金などの大手3社と同様に高炉を持つ国内メーカーとして自動車、建材、家電、電気、産業、生活などの各分野に製品を供給しています。
創業当時から「錆びない鉄」作りを目標に研究開発を進め、前身の田中亜鉛鍍金工場では1900年代初頭から亜鉛めっきを製造しており、1932年にはステンレス鋼の国産化に初めて成功しました。優れた表面処理鋼板、ステンレス鋼板などの高付加価値な薄板部門に強みを持ち、「月星印」の商品ブランドを持っています。
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鉄鋼業界の志望動機例文3選
鉄鋼業界の業界研究、企業研究を進めれば、実際の企業で使用する志望動機を作成していきましょう。就活では志望動機が重要視されますので、しっかりと練り上げて作成することが大切です。
志望動機の作成は難しいものですので、じっくりと考えながら書き進めていく必要があります。面倒だからと言って適当に書いてしまうと、就活を攻略することはできません。例文などを参考にしながら、鉄鋼業界を攻略できる志望動機を作成していきましょう。
例文①
私は鉄鋼の立場から日本の産業を支えたいと考え、御社を志望しました。御社は国内でも最大級の鉄鋼生産量を誇っている企業であり、自動車や鉄道、船舶などの産業を支えています。日本の根幹となる産業を支えることで、社会に貢献したいと考えています。
私は大学時代にサッカー部に所属しており、厳しい練習に耐え抜き、目標に向かって継続して努力を続ける力を身に付けました。御社でも業界1位を目指すという目標に向けて継続して努力を続け、粘り強い営業を行うことで企業の実績に貢献したいと考えています。
例文①では、鉄鋼の立場から日本の産業を支えたいと志望動機が語られています。冒頭で結論から語ることでアピール内容が明確にできており、印象深く志望動機をアピールすることができています。
企業を志望する理由についても、企業独自の強みを踏まえて語ることで、企業への志望度の高さもアピールでき好印象です。業界や企業を志望する理由だけではなく、企業でどのように活躍するかについても具体的に語られており、アピール力の高い志望動機になっています。
例文②
私は世界に誇れる技術力を持つ企業で働き、日本だけではなく世界の産業を支えたいと考え、御社を志望しました。御社は鉄鋼の生産技術に強みがあり、世界でも高く評価されています。高い生産技術を世界に発信していくことで、世界中の産業を支える存在へと企業を成長させたいと考えています。
私は大学時代にカナダに留学し、英語力とコミュニケーション能力を身に付けました。御社では英語力を活かして海外の拠点でも活躍し、コミュニケーション能力を活かして顧客に信用される存在となることで、企業に貢献したいと考えています。
例文②では世界に誇れる技術力を持つ企業で働きたいと志望動機が語られています。結論が冒頭から語られており、文章構成としては問題ありません。企業を志望する理由についても、企業の強みを具体的に述べてアピールすることで、企業研究ができていることが分かります。
しっかりと企業研究ができていることが伝わることで、企業への志望度の高さがアピールされています。企業で活躍することについても、自身の能力を具体的に伝えることで、企業で働く姿がイメージでき好印象です。
例文③
私は大学で金属材料工学を専攻しており、高炉を用いて鉄鋼を製造することへのあこがれと、鉄鋼を通じて世界の産業界へ貢献したいという思いから御社を志望しました。御社は特殊鋼分野において世界トップの技術力を持っており、国内外の自動車産業をはじめ主要産業に高品質な鉄鋼材料を供給されてきました。
世界の鉄鋼を取り巻く情勢の変化の中、ここ数年の米国・アジア各国進出の潮流はまさに産業界への挑戦でありチャンスであると考えています。入社後は今までの学びを基軸としてさらに自己研鑽を重ね、御社とともに世界の舞台で成長していきたいと考えております。
大学で材料工学を学んでいた人にとって鉄鋼業は花形の就職先といえるため、より高度な志望動機が必要となります。自分の研究分野の整理、企業研究はもちろんのこと、業界内での企業の立ち位置、海外展開対する考え方、自分がどう貢献できるかなどをまとめておくといいでしょう。
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鉄鋼業界は将来性を期待できる業界
鉄鋼業界は日本が世界に誇れる業界のひとつであり、世界でも高い実績を残している企業が数多くあります。鉄鋼業界の情勢としては中国勢が圧倒的なシェア率を誇っていますが、日本の企業が完全に埋もれてしまっているわけではありません。
海外メーカーに押され気味ではあるものの、日本の技術力は世界でも注目されていますし、国内の企業では再編の動きが活発です。企業は吸収統合や経営統合により力を蓄えている状態であり、今後の活躍に期待が持たれています。
鉄鋼業界は業績が変動しやすい業界ではありますが、将来性が期待できる業界でもあります。業界、企業についての知識をしっかりと深め、将来性の高い鉄鋼業界への就職を目指し、就活を成功させましょう。