業界研究

【損害保険業界の研究ガイド】就活に役立つ情報を一挙大公開

損害保険業界とは

損害保険業界とは、交通事故や火災などに対しての保険業を執り行う業界になります。同じ保険業界には、生命保険業界や、医療保険業界もあり、保険業界とひとくくりに言っても細かく枝分かれしています。

損害保険は、たとえば自動車を買う際や、バイクを買う際にはまず加入を検討するものなので、生活との関わりも深い業界になり、その分保険業界の中でも就活生に人気の高い業界となっています。

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損害保険業界の業績推移について

  • 業界規模 9兆4,581億円
  • 平均年収 904万円
  • 平均勤続年数 15年

損害保険業界の業界規模は、9兆4,581億円になります。これは数ある業界の中でも比較的に高い方の数字です。ただ特筆すべきは業界規模の大きさよりも、平均年収の高さです。3つのメガ損保で業界規模のほとんどを賄っているわけなのですから、3つのメガ損保の年収が良いのは当然になります。上位3つはどれも平均年収が1,000万円をこえてきています。

しかし、損害保険業界の平均年収を上げているのは、それら以外のメガ損保とは言えない損害保険企業です。それら以外の企業の年収も高く、4位のトーア再保険878万円、6位のソニーフィナンシャルホールディングスでも797万円という数字になっています。

平均勤続年数は15年程度と、まずまずの数字になりますが、ここでも上位の3つは抜けています。上位の3つは平均20年程度の勤続年数になり、対して短いところでは平均勤続年数が2年程度のところもあるというのが現状です。

損害保険業界の細かい職種分類について

  • 営業
  • 開発
  • 営業サポート
  • 損害調査

損害保険業界の職種は、営業や開発、そして営業サポートなどの基本的なものもあれば、損害調査という損害保険業界ならではの職種もあります。営業とは当然、損害保険に加入するように、個人や法人に対してアプローチしていく職種になります。

開発は、損害保険業界の場合は、保険消費を開発するのが主な仕事です。営業サポートは、営業の営業活動がスムーズになるように、事務作業を行ったりする仕事になります。損害調査というのは、損害の割合を調査して、どのくらいの保険金を提示していくのかということを決める仕事になります。

損害保険業界に入る方は、この損害調査部門にやりがいを感じて入社していく方も多いです。

損害保険業界の主要トピック3つ

損害保険業界は人気の業界になりますから、そこに入っていくためには、より深く損害保険業界というものについて知っていかないとなりません。損害保険業界というものをより詳しく知っていくためには、損害保険業界にどのようなトピックがあるのかを調べていくのが効果的です。

時折大きな動きがあるのが損害保険業界ですから、しっかりとそのトピックについては知っておかないとなりません。

三井住友海上がシンガポール損保企業を買収

三井住友海上火災保険が、シンガポール最大の損害保険企業ファーストキャピタルを買収したと報じられています。三井住友海上火災保険という企業は、損害保険業界で第2位の売上高・シェアを誇るMS&ADインシュアランスグループホールディングスの連結子会社になり、これによりますますMS&ADインシュアランスグループホールディングスの海外事業が活発になることが予想されています。

ファーストキャピタル自体、シンガポールで保険による利益を増していて、そのノウハウ、土壌を活かしていこうという狙いです。海外事業を進めることは、MS&ADインシュアランスグループホールディングスのみならず、保険業界全体での成長のカギとなっていて、これから海外でどの程度成功していけるのか注目が集まっています。

またそうした海外進出を推し進めていくためにも、三井住友海上火災保険では、カナダの保健・金融グループである、フェアファックスフィナンシャルホールディングスとパートナーシップも結ぶと報じています。

三井住友海上のインターンについて、知りたい人はこちらの記事もチェックしてみてください。

3大メガ損保が大幅収益減

3大メガ損保が2018年3月期第2四半期連結決済において、大幅な収益減になったと発表しています。純粋に売り上げだけ見ると、しっかりと利益を伸ばしているものの、総合的にみると収益減になっています。

その裏には、保険料支払いがあるでしょう。北米では、2017年8月9月で大型のハリケーンが発生しました。そうした大型のハリケーンが発生していくと、それに伴い保険料の支払いはかさんでいきます。

小さな自然災害程度であれば、そこまで大きな保険金の負担にはならなかったものの、大型のハリケーンともなると被害も大きく、それに伴い保険金の支出も多くなってしまったのです。

3大メガ損保が収益減になるのは6期ぶりで、いかに3大メガ損保であっても大型の自然災害があると、上向き状態にある経済状態とは関係なく収益減になることを証明する結果となっています。

またそれと同時に、海外での自然災害であってもトータルでの収益に大きな影響を与えるほどに、すでに3大メガ損保が海外事業を推し進めることができていることも、改めて証明しています。

ダイレクト自動車保険が競争第2幕がスタート

ダイレクト自動車保険を取り巻く環境が激変してきていると言います。ダイレクト自動車保険のシェアは、2016年まで15年連続でソニー損保がナンバーワンのシェアとなっています。

その構図に関しては変化はありませんが、どんどんダイレクト自動車保険から撤退する企業が出てきているのです。たとえば日本でのダイレクト自動車保険の先駆者と言える、「アメリカンホームダイレクト」を展開するアメリカンホーム医療損害保険ですが、日本からの事業撤退を発表しています。

逆に比較的に新規の参入で光を放つ企業もいるのがダイレクト自動車保険。こちらはSBI損害保険では、ダイレクト自動車保険の保険料をぐっとおさえることで、ダイレクト自動車保険でのシェア拡大を狙い、実際にシェアを一気に伸ばしています。またセゾン自動車火災保険では、40代から50代にターゲットを絞り、その分だけ保険料を抑えることに成功しています。

このように、古く活動している企業が撤退したり、新規でもターゲットを絞ったり狙いを絞ることで成長している企業があったり、ダイレクト自動車保険界隈の環境は、目まぐるしく変わっています。その分しっかりとアンテナを張り、動向をとらえていかないとなりません。

主要企業5選紹介

損害保険業界は、3大メガ損保が引っ張っているのが現状ですから、損害保険を知るためには、その3大メガ損保についてしっかりと知っておかないとなりません。ただ当然その3大メガ損保についてだけ知っていればよいのかというと当然そんなことはなく、それ以外の企業についても学んでこそ、真に損害保険業界への理解は深まっています。3大メガ損保とそれ以外の企業とはどんな企業なのか、しっかりとみていきましょう。

東京海上日動火災保険株式会社

  • 企業名 東京海上日動火災保険株式会社
  • 代表者名 北沢利文
  • 従業員数 17,368名
  • 設立年月日 1879年8月

東京海上日動火災保険株式会社は、損害保険業界1位の売上高・シェアを誇る損害保険業界最大手の企業、東京海上ホールディングスの代表格の企業になります。創業が明治と、圧倒的に長い歴史を持つ損害保険会社で、日本のみならず世界中で保険事業を展開する日本代表する企業です。

女性社員が社員の半数を占めるというところに特徴があり、社風としても女性が働きやすい環境を作ることに力を入れている社風になります。たとえば育児や出産のための休職・復職がしやすい環境にあり、ワークライフバランスを取りやすい環境です。平均年収も1,500万円に迫ると数字となっていて、そういう意味でも働きやすい企業だと言えます。

損害保険ジャパン日本興亜株式会社

  • 企業名 損害保険ジャパン日本興亜株式会社
  • 代表者名 西澤敬二
  • 従業員数 25,822名
  • 設立年月日 1888年10月

損害保険ジャパン日本興亜株式会社は、3大メガ損保の一つの損保ジャパン日本興亜ホールディングスの代表的子会社で、東京海上日動と同じ長い歴史を持つ企業になります。積極的にチャレンジするような人材を求める社風で、若いうちから重要な仕事を任されることも多いというところに特徴があります。

当然ただチャレンジさせるだけではなく、会社全体でチャレンジをサポートしていくという体質のため、人材が育ちやすいです。早くからそうした経験を積んで社会人として成長していきたいという熱意のある方に向いている企業です。

平均年収も1,100万円を超えてくるような企業なので、やりがいと貰える金銭のバランスが良いところもポイントです。

MS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社

  • 企業名 MS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社
  • 代表者名 柄澤康喜
  • 従業員数 329名
  • 設立年月日 2008年4月1日

3大メガ損保の一角であるMS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社は、三井住友海上火災保険株式会社やあいおいニッセイ同和損害保険株式会社などの数々の子会社を抱える持株会社になります。売上高・シェアは東京海上日動に次ぐ2番手となります。他の3大メガ損保同様に世界各国に事業を広げていて、アジアや欧米など今後ますます海外事業を積極的に進めていく可能性は高いです。

当然求める人材も世界各国で働くことができる強さを持った人材になり、自己主張がしっかりとできる人材が求められています。また、高い行動力が求められるので、自分で考え行動できる人材も高い評価を得ます。

トーア再保険株式会社

  • 企業名 トーア再保険株式会社
  • 代表者名 野口知充
  • 従業員数 324名
  • 設立年月日 1940年10月15日

3大メガ損保に次ぐ売上高・シェアをほこる業界第4位の企業が、トーア再保険株式会社です。トーア再保険は、主な事業が再保険事業という事業になる、特殊な損害保険会社になります。再保険事業とは、保険会社の保険のようなものです。保険会社が自然災害などの大きなトラブルに見舞われた際に、この保険で賄うようにするというのが再保険になります。

こうした特徴を持つ企業になるので、取引相手は主に保険のプロになります。保険のプロ相手に保険のセールスをかけていくわけですから、保険全体にしての高い知識と、それを基にした高い企画力が必要になります。当然求められる人材も、勉強熱心で積極わからないことを学んでいけるような人材や、アンテナの広い人材になります。

共栄火災海上保険株式会社

  • 企業名 共栄火災海上保険株式会社
  • 代表者名 助川龍二
  • 従業員数 2,694名
  • 設立年月日 1942年7月

共栄火災海上保険株式会社は、損害保険業界第5位のシェア・売上高を誇ります。3大メガ損保と比べるとまだまだ新しい企業にはなりますが、それでも設立から70年以上たっている長い歴史を持つ損害保険企業ではあります。

求める人材は自律型の社員で、指示を待つのではなく、自分で課題を見つけそれを改善し、しっかりと成果を達成していけるような人材です。メガ損保のように海外展開に積極的だというわけではなく、漁協・農協・信用金庫等、独自の基盤において活動しているところに特徴があります。

海外志向が強いわけではなく、人を近くで感じられるような地域密着型で仕事をしていきたいと考える方に合っています。

損害保険業界研究のおすすめ書籍紹介

損害保険業界に関しては、それをより深く知るための資料的書籍も多数販売されています。より業界に対しての知識を深めるためには、そうした書籍からも情報を仕入れていく必要があります。情報の出所は多ければ多いほどより知識が正確になりますし、多ければ多いほどに理解しやすくなっていきます。

より詳しく、そして正しく損害保険業界を理解して就活に活かしていくためにも、書籍には目を通していきましょう。

変わり続ける保険事業ー保険業界の明日を考えるー

変わり続ける保険事業ー保険業界の明日を考えるーという本は、東日本大震災において保険がどのように機能して、どのような課題が残ったのかというところから、保険業界全体が抱える問題、さらには自動車保険は今後なくなってしまうのかというような、損害保険の未来のあり方についてまで、幅広い視点から解説してくれている本になります。

損害保険業界をよりしっかりと理解するためには、保険業界全体にも目を向けながら、かつ当然損害保険にもクローズアップして学んでいかないとなりません。それが可能なのが、この本になります。

2017年7月に発売されたばかりで情報の鮮度もしっかりしていて、今後の業界研究に役立つ一冊です。

3日でわかる<保険>業界 2019年度版

3日でわかる<保険>業界2019年度版という本は、生命保険業界と損害保険業界に特化して、保険業界とはどのようなものかということや、保険業界での働き方などを紹介している本になります。ただ文章を羅列しているだけではなく、ビジュアルを織り込みながら解説紹介してくれている本になるので、理解のしやすさに特徴があります。

また昨今活発な海外の保険会社の買収や、保険業界の最新のトレンドについても説明してくれているので、やや金融よりのわかりづらい話もしっかりと理解できるようになり、ひいては損害保険業界への理解度もますます高くなっていきます。

さらに実際に保険業界に進んだ方のエントリーシート例や、面接での質問事項なども載っているので、そういう面での業界に対しての知識もつけていくことが可能です。

損害保険業界を深く知って就活を有利に進めよう!

損害保険業界をより深く知ることで就活は有利になっていきます。検討違いのアピールをすることもなくなれば、業界のことをしっかりと調べていることが伝わることで、熱意のアピールにもなります。今後も自発的に研究を続け、より詳しく理解して就活をより有利に進めていってください。

監修者プロフィール

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吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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