職種研究

タクシー運転手の平均年収・ボーナス事情|比較シミュレーションで比べてみよう

タクシー運転手とは

タクシー運転手は街を走行してお客さんを探したり、依頼された場所にお客さんを迎えに行きます。乗車したお客さんを指定された目的地まで運ぶ仕事です。歩合制のため、お客さんの獲得次第で給与が変わります。勤務形態はシフトや隔日で長時間、運転することも多いため、常に安全運転に努め、十分な健康管理が必要です。また、酔払い客やクレーム客を乗車させた場合でも運転しながら一人で対応しなければならな。そんなタクシー運転手の業務内容や年収などを調査してみました。

タクシー運転手の種類について

  • 法人タクシー
  • 個人タクシー

タクシー運転手を分類すると、法人タクシーと個人タクシーがあります。タクシー運転手になるには普通免許の他に第2種免許が必要になります。個人タクシーの運転手になるためには、35歳未満、35~40歳、40~65歳と年齢によって条件が異なります。35歳未満の場合、同一タクシー会社で10年以上の業務経験があり、10年間、無事故無違反であることが条件となります。

タクシー運転手の業務内容

法人タクシーは、ハイヤー業者に入社して運転業務をおこないます。また、第二種免許が必要です。第二種免許免許は普通免許取得後、3年以上経過していることが条件です。第二種免許を取得していない場合、ハイヤー業者が第二種免許取得のための教習費用をサポートします。給与は歩合制ですが、売上げの4~5割が給与となり、残りの5~6割は業者に納めることになります。車代や燃料費などの経費は、業者が負担します。

個人タクシーは、法人タクシー業務で10年以上経験があるなど、年齢に応じた条件があります。勤務時間やルートなどの営業活動は運転手自身で決めることができるため、自由度が高く、売上げは100%手元に入ります。しかし、車両代、燃料費、保険代などは負担しなければなりません。

タクシー運転手に求められる能力について

  • 運転技術
  • 健康・体力
  • コミュニケーション能力
  • 冷静な判断能力

タクシー運転手には、運転技術が必要です。お客さんを目的地まで快適に乗せるため、安全でスムーズな運転を心掛けなければなりません。

健康な体と体力も必要となります。法人タクシーの場合、勤務形態には、昼日勤、夜日勤、隔日勤務があります。隔日勤務の場合、昼日勤と夜日勤を合わせた勤務で20時間程度の勤務となるため、体調管理が重要となります。長時間運転することが多くなるため、腰痛などに悩まされるドライバーも多いです。

タクシー運転手はお客さんを乗せることが仕事であるため、コミュニケーション能力も重要です。お客さんから気に入ってもらえることで、固定客と利用してもらえる可能性もあります。

冷静な判断能力は、お客さんの事情で目的地が変更されたり、急いでいるためにせかされたりしたときのために必要です。期待したルートを通らなかったことで立腹したお客さんに対して、運転しながら対応する必要があるため、柔軟で冷静な判断が必要になります。

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タクシー運転手の平均年収と他職種との比較

タクシー運転手は基本的に歩合制のため、年収は集客によって変わります。法人タクシーでは売上げの4~5割が収入となります。個人タクシーでは売上げが収入になりますが、燃料費や車両維持費用は自己負担となるため、比較は難しいです。

タクシー運転手の平均年収について

平成28年 賃金構造基本統計調査によると、タクシー運転手の平均年齢は58.9歳、平均勤続年数は9.3年、平均労働時間は193時間(所定内:169h、所定外:24h)、平均年収は332万円です。

他の職種・平均との比較

  • 日本の平均年収:422万円
  • 大型トラック運転手:449万円
  • 小型トラック運転手:403万円
  • 営業用バス運転手:455万円

日本の平均年収と比較すると、タクシー運転手の年収は下回っていることがわかります。大型・小型トラック運転手や営業用バス運転手と比較しても年収は100万円近く下回っているといえます。

 

タクシー運転手のボーナス・昇給事情

ボーナスについて

タクシー運転手の給与体系はハイヤー業者によって異なりますが、完全歩合制や基本給+歩合制などがあります。業者によりますが、基本的に歩合制のためボーナスは支払われないケースが多いでようです。

昇給について

基本給+歩合制の場合には多少の昇給の可能性はありますが、完全歩合制の場合、昇給はないケースが多いでようす。

タクシー運転手の年齢別平均年収推移シミュレーション

タクシー運転手の年齢別の平均年収を5歳刻みで算出をしました。年齢別の月給と年収の推定値はどのようになっているでしょうか。

年齢 年収 月給 ボーナス
20~24歳 207.3万円 170.7万円 36.6万円
25~29歳 270.1万円 222.3万円 47.7万円
30~34歳 311.1万円 256.2万円 55.0万円
35~39歳 341.0万円 280.7万円 60.2万円
40~44歳 367.5万円 302.6万円 64.9万円
45~49歳 388.5万円 319.8万円 68.6万円
50~54歳 404.7万円 333.2万円 71.5万円
55~59歳 398.9万円 328.4万円 70.5万円
60~64歳 299.0万円 246.2万円 52.8万円

年齢別の平均年収を5歳刻みで算出すると、30~34歳での平均年収は311.1万円、うちボーナスは55.0万円になると予測されます。40~44歳では平均年収が367.5万円、うちボーナスは64.9万円になると予測されます。

※編集部で規定したアルゴリズムに基づいた算出であるため、あくまでも予測シミュレーション数値となります。

タクシー運転手と日本の平均年収との年齢別比較シミュレーション

年齢 タクシー運転手の平均年収 日本の平均年収
20~24歳 207.3万円 263.5万円
25~29歳 270.1万円 343.3万円
30~34歳 311.1万円 395.5万円
35~39歳 341.0万円 433.4万円
40~44歳 367.5万円 467.1万円
45~49歳 388.5万円 493.8万円
50~54歳 404.7万円 514.4万円
55~59歳 398.9万円 507.0万円
60~64歳 299.0万円 380.1万円

タクシー運転手の平均年収は、日本の企業全体の平均年収と比較すると低いと言えるでしょう。30~34歳の平均年収は311.1万円で、日本の平均と比較すると約85万円ほど低くなると推測されます。40~44歳では367.5万円の予測です。

※編集部で規定したアルゴリズムに基づいた算出であるため、あくまでも予測シミュレーション数値となります。

タクシー運転手の生涯賃金シミュレーション

タクシー運転手の平均年収 日本の平均年収
生涯賃金 1.49億円 1.90億円

日本の平均的な生涯賃金と事務職の生涯賃金を比較してみましょう。タクシー運転手の平均年収は332万円であることがわかりました。一方、日本の平均年収は422万円です。20~65歳まで勤めたと仮定した場合、生涯で得られる賃金はどれくらいになるのでしょうか。その結果が、上記の表です。

タクシー運転手の生涯賃金は、1.49億円と予想されます。日本の平均生涯賃金と比較すると4100万円ほど少ないと推測されます。

まとめ

ここまでタクシー運転手について調査を進めてきました。基本的に歩合制のタクシー運転手は集客によって給与が変わってきます。給与を上げるためには多くのお客さんを乗車させたり、固定客を掴むことが大切です。日本の平均年収を下回っていることがわかりました。タクシー運転手は比較的、高齢でもできる仕事ですが、シフト勤務や隔日勤務など時間帯や労働時間の面では体力的に厳しい業務となります。法人タクシーでは売上げの約5割が給与となり、個人タクシーでは経費負担があるため、自身や業務の管理をしっかりおこない、集客を上げるために務めることが重要です。お客さんとのトラブルも多く発生しているため、接客対応やトラブル対応などに関してよく勉強しておくことが大切です。

※最後に、本記事につきましては、公開されている情報を活用し、当社が独自の基準によってシミュレーションした結果を開示しているものとなります。読者の皆様に企業選択の一助になればという趣旨で情報を作成しておりますため、なるべく実態に近い状態のシミュレーションとなる様に最善を尽くしているものの、実際の報酬額とは異なります。 あくまでも参考情報の一つとしてご活用くださいませ。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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