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【諸手当とは】知っておきたい種類と初任給やボーナスとの関係を解説

諸手当とは

お目当の求人情報の中に、「諸手当込み」などの記載を見かけたことはないでしょうか。求人情報の給与欄、あるいは待遇・福利厚生欄などに「諸手当」の詳しい情報があるケースも考えられます。勘の良い人は、「諸手当」と見聞きしただけで、「通勤手当や時間外手当のことだな」と気づくかもしれません。

学生時代にアルバイトしている時に、そうした手当がつく可能性もありますが、例えば「扶養手当」「住宅手当」などは、就活生に馴染みのあるものではないでしょう。本記事では、先に挙げたようなさまざまな手当についてご紹介します。それに合わせて、意外と知られていない初任給と基本給の違い、ボーナスや企業によるオリジナル手当についても網羅しています。気になる人は、ぜひ本記事をお役立てください。

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諸手当の種類

諸手当は、必ずしもすべての企業が同一に待遇として整えているわけではありません。会社の就業規則にある場合、その組織に所属する社員に適用されるものです。もちろん、金額なども企業により異なります。以下で「扶養手当」「通勤手当」「住宅手当」「役職手当」「資格手当」「時間外手当」について詳しくご紹介します。字面でなんとなく意味がわかるもの、意味がわかりづらいものもあるでしょう。お金に関わることですので、各々の詳細を頭に入れておいてください。

①扶養手当

扶養手当は、扶養家族がいる社員に対して給与とともに与えられる手当です。扶養家族とは、収入面での援助が必要な家族のことで、もちろん企業により金額が違います。小さな会社では、そもそも扶養手当がないこともあるでしょう。扶養手当を申請する際は、所属する会社に、扶養家族がいることの証明書類などを届け出ます。

就業規則や扶養家族の人数により、手当額が多かったり少なかったりするでしょう。民間企業の正社員ではなく、国家公務員のケースでは、「給与法第11条」により金額が定まっているようです。扶養手当と混同しがちなものとして、「扶養控除」があります。これは、所得からある一定額を差し引くものになりますので、手当のように与えられるものではありません。

②通勤手当

通勤手当は、読んで字のごとくです。会社に出勤する際、交通機関の料金を社員に対して支払う手当のことを指します。都内で言えば、電車が主な通勤手段でしょう。自宅から会社までの電車代を会社が負担することが通勤手当です。基本的には、最安の通勤ルートの定期代を支給することが多いでしょう。1回1回の電車賃よりも定期代のほうが安いので、こうした対応になっているはずです。

また、電車だけではなく、バスを通勤で使っている人は、その料金が通勤手当として支給されます。企業の就業規則によっては、金額の上限が定められていたり、出社先が毎日同じではない場合は、定期券を通勤手当にしない可能性も考えられます。手当額や種類は、会社によって異なると言えるでしょう。

③住宅手当

会社が所属している社員に対して、家賃などの住宅費用を支払うものが「住宅手当」です。賃貸料金の一部に対して、あるいは住宅ローンを補助する形で支払われるのが一般的ではないでしょうか。もちろん金額は企業によって異なり、住宅手当を待遇として整えていないケースも多いでしょう。勤務先や持ち家かどうか、扶養家族のありなしなどで、毎月の額が決定されることがほとんどのようです。

中には、「基本給の〇%」という形で支給する会社もあります。若者を中心にライフスタイルの変遷が目立ち、社員が世帯主ではない「シェアハウス」などは住宅手当になるのかなど、基準が難しいこともあるでしょう。また、全額すべてを負担することも稀なケースと認識しておくべきです。

④役職手当

管理職や主任といった役職のある社員に、その責任や役割などに対して支払う手当のことを「役職手当」と言います。支店長・係長・課長・部長代理・部長といった役職のランクによって、金額が変わってくるでしょう。この手当も、法的に義務付けられているものではありませんので、各企業の就業規則によっては、整備されていないことが考えられます。

また、「主任手当」「役付手当」「管理職手当」のような別の名称で定着している企業もあるかもしれません。各企業の求人情報に「役職手当」が見当たらなくても、同じような手当が支給されている可能性もあります。詳しい内容を知りたければ、人事部などに問い合わせするのも良いでしょう。

⑤資格手当

資格取得を重要視している企業には、「資格手当」が整備されている可能性があります。資格手当とは、ある資格を持っている社員に対して支払う手当です。その資格は、専門的なスキルや能力を有する人に対して与えられるものが多いでしょう。例えば、不動産会社の福利厚生として、「宅建」を取得している場合は、資格手当として別途支給されることがあります。

他にも、医療事務職であれば、「診療報酬請求事務能力認定試験」などは手当の対象になることがあるでしょう。高得点の「TOEIC」や「FP(ファイナンシャルプランナー)」なども、企業によっては資格手当に該当するようです。就活のために資格を取得して、入社後に資格手当が支給されると一石二鳥かもしれません。

⑥時間外手当

時間外手当は、残業など時間外の勤務に対して支払う手当です。時間外とは、1日で8時間を超えること、あるいは、1週間で40時間を超えることと認識しておきましょう。金額は時間によって異なりますが、所定賃金に1時間あたり25%以上を割増して支払う決まりがあり、休日の出勤では35%以上と定められています。企業の規模によっては、1ヶ月の時間外労働が60時間以上である場合、50%以上ということもあります。

時間外労働に対する手当は、残業代を支払うことにより、時間外労働に価値を与え、また、長時間働くことを抑制する効果もあります。長時間労働の過酷さで命を落としてしまう悲しい事件は、昨今のニュースで報じられている通りです。時間外労働は、従業員を守るための手当とも言えるでしょう。

初任給やボーナスにおける諸手当について

各種手当のほかに、給与やボーナスに関することも、気になる就活生は多いのではないでしょうか。「事前に聞いていた給与と違う」「ボーナスの金額がおかしい」とならないように、お金に関することは、きちんと理解しておきましょう。例えば、「初任給」と「基本給」は両方とも見慣れた言葉かもしれませんが、両者の違いが明確に説明できる人は意外と少ないのではないでしょうか。もちろん、就活生なので今から理解しておけば問題ありません。それでは、具体的にみていきましょう。

初任給=基本給+諸手当

基本給は、先にご紹介した手当などが含まれない最低限もらえる給与のことです。勤続年数、職種、年齢などによって異なり、各企業の給与基準によって決定されるものになります。一方、初任給は、基本給と名前が似ているものの、まったく別ものです。基本給に諸手当が含まれた金額が初任給となります。基本給も人によって違いますが、ある種パターン化されている傾向があります。

しかし、初任給の場合は、例えば自宅の場所が違うだけで「通勤手当」が異なるように、社員によってまったく違う金額になるでしょう。なので、「初任給がとても高い」という理由だけで、志望先にすることは少し危険かもしれません。基本給についてもしっかりと把握しておくべきです。

ボーナスは基本給×〇ヶ月分が一般的

ボーナスがある企業の場合、基本給と初任給について理解しておくと、「こんな額はありえない」と落ち込むことはなくなるかもしれません。ボーナスは、言い方を変えると賞与は、「基本給×〇ヶ月分」という計算式が一般的なものです。なので、初任給が高いからといって、ボーナスが高額になるとは断言できません。

例えば、同じ初任給20万円でも、「基本給が18万円+諸手当2万円」の企業と、「基本給15万円+諸手当5万円」の企業では、ボーナスにかなり差が出ることになります。仮にボーナスを同じ「2ヶ月分」とした場合、前者は「36万円」、後者は「30万円」となるので、初任給20万円でも、6万円の差が出てくるのです。就活する際、基本給と初任給は必ずチェックしておきましょう。

初任給がボーナスに及ぼす影響については、こちらの記事で詳しく解説しています。

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独自の諸手当を設けている会社もある

前半でご紹介した諸手当は割と一般的な手当ですが、企業によっては、ほかにもユニークな手当を取り入れています。例えば、おなじみのGoogle株式会社では、「死亡手当」という待遇・福利厚生があります。これは、従業員が亡くなってしまった時に、その従業員のパートナーなどに、従業員の給与の半分を10年間支給するものです。未成年の子どもがいる場合には、養育手当も整えています。

こうしたオリジナルな待遇・福利厚生のある企業は、他にもたくさんあります。株式会社サイバーエージェントの、女性の活躍を促進する「macalon制度」、カルビー株式会社の「毎日席替え制度」などが有名です。各企業の独自制度をチェックしておくのも楽しいかもしれません。

福利厚生が充実している会社について、知りたい人はこちらの記事もチェックしてみてください。

諸手当について理解したうえで就活を進めよう

前半でお伝えした諸手当は、企業の就業規則によって異なります。単身世帯であれば、「扶養手当」が対象外になり、役職についていなければ「役職手当」はつかないでしょう。「資格手当」も、企業によって基準や資格の種類が違うので、必ずしも支給されるものではありません。こうした手当込みの給与が初任給です。

似通った言葉である基本給は、手当などを含まない最低限の金額なので、初任給だけチェックするのは避けたほうが良いでしょう。ボーナスの金額も基本給ベースの計算が一般的なものですので、ぜひ覚えておいてください。さまざまな企業があるように、待遇・福利厚生もさまざまあります。そしてそこから、企業の文化を理解することもできるでしょう。ぜひ就活する際、手当などにも気を配ってみてください。

※最後に、本記事につきましては、公開されている情報を活用し、当社が独自の基準によってシミュレーションした結果を開示しているものとなります。読者の皆様に企業選択の一助になればという趣旨で情報を作成しておりますため、なるべく実態に近い状態のシミュレーションとなる様に最善を尽くしているものの、実際の報酬額とは異なります。 あくまでも参考情報の一つとしてご活用くださいませ。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

多くの学生と企業をマッチングしてきた経験を活かし、『就活対策サイト「キャリアパーク!」が教える 「最高の会社」の見つけ方』(高橋書店)を出版。最高の会社を見極めるための基準や失敗しない企業選びの方法を紹介している。

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01459)

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