職種研究

【看護師のボーナス事情】支給時期や一年目にもらえる額を解説

看護師のボーナス事情が気になる就活生は多い

看護師を志望する就活生の中で、「看護師のボーナスってどれぐらいもらえるのか」とボーナス事情を気にする就活生は多いでしょう。もちろんボーナスの額が高いから就職を決めるという就活のやり方はあまり良くはありません。しかし年収やボーナス、福利厚生などをしっかりと把握した上で就職を決めなければ、働き出してから「思っていた給料、ボーナスと違う」とギャップを感じてしまいます。

働き出す前に不明点はしっかりと解消しておき、働き出してからギャップを感じてしまうことの無いようにしておくことが重要なポイントです。そこでこの記事では、看護師のボーナス事情について支給時期や計算方法まで解説していきます。しっかりと理解し、看護師に就職することについてより具体的にイメージできるようにしておきましょう。

看護師のボーナス額

看護師のボーナス事情で気になるのは、実際にいくらもらえるのかです。勤めている病院は契約形態、キャリアなどによって異なる部分は大きいですが、ある程度の平均は算出されています。2017年の賃金構造基本調査によると、看護師のボーナスの平均は、79万9,990円となっています。

これはあくまで平均であり、給料の高いベテラン看護師から、新人看護師まで含まれていることは理解しておきましょう。平均を知った上で、さらにどのような事情があるのか、詳細まで知っておくことが大切です。

都道府県でボーナスの金額には差が出る

ボーナスの金額は病院やキャリアごとに変わるだけではなく、都道府県によっても異なることが多いです。これは最低賃金による違いもありますが、最低賃金が高い=ボーナスが高いというわけではないため注意しましょう。

最低賃金の高さで考えるなら、東京や大阪といった大都市が上位を占めますが、これらの都市の病院に勤めていても、ボーナス額が高額とは限りません。地方でもボーナスが高い場合はあり、全国で比較すると鳥取はトップクラスにボーナスが高いといわれています。

ボーナスが都道府県によって違うのは、地域性の問題もあり、一概にどこが高い、安いと決まっているわけではありません。医療や福祉を重視する地域ほど、好待遇で看護師を雇うことから、ボーナスも上がりやすいといえるでしょう。

病院の規模が大きいほど安定して支給される

そもそもボーナスは絶対に支払われると確約されたものではありません。多くの企業や病院では、ボーナスは業績に応じて変動と求人情報に記載されていることが多く、実際に業績が悪化すると、ボーナスが減額、あるいはなしになることもあります。

つまり、ボーナスとは業績がよかった場合に、従業員に還元するためのおまけのようなものであり、確実に支給されるには業績が安定していなければなりません。そのため、小さな病院よりは規模が大きく、経営が安定しやすい病院のほうが、ボーナスは確実に支給されやすい傾向にあるでしょう。

もちろん、小さな病院でも黒字経営を続けてボーナスを確実に支給していることはあります。反対に大きな病院でも、赤字続きでボーナスや賃金カットになるケースもあるため、注意が必要です。

看護師のボーナス支給時期はいつ?

看護師のボーナスについて、まずは支給時期について解説してきます。看護師のボーナスも一般企業の場合と同じく夏、冬の2回に分けて支給されることが多いです。以下、支給時期について詳しく見ていきます。

ただしボーナスはあくまで企業の経営状況に応じて変化するものなので額もブレますし、必ず支給されるものでもありません。看護師という仕事において、「ボーナスが出るとしたら、これぐらいの額なのかな」というイメージを掴むため、参考にしてください。

夏だと6~7月が一般的

看護師のボーナスの支給時期として、夏の場合は6月~7月に支給されることが一般的です。ボーナスが夏と冬の2回に分けて支給される場合、冬のほうがボーナスの額が高くなる企業が多いですが、看護師においても同様のことが言えます。今日、看護師の夏のボーナスの平均金額は40万程度となっています。もちろんこれは年次によっても変わるものであり、一概に言えるものではありません。

ボーナス金額は年次に応じて増えていく傾向にあり、若手のうちは30万程度であったものが、勤続年数5年以上で40万円前後、20年程度になると50万円以上にまで増えていきます。看護師の夏のボーナスについては他の企業と比べ、特別高いというわけでもなく、月給の1か月~1.5か月分程度の範囲になる傾向にあるのです。

冬だと12月が一般的

看護師のボーナスの支給時期として、冬の場合は12月に支給されることが一般的です。上述の通り、看護師の場合、冬のボーナスの額は夏のボーナスの額よりも多めになることが多いです。若手のうちで30~40万程度であり、年次に応じて増えていき、多い人で80~90万近く支給される人もいます。他の業界に比べると際立って高いというわけではありませんが、月給の2か月~3か月分程度支給される傾向にあります。

12月~1月は忘年会や新年会など出費の多い季節です。また病院にとって、年度の前半である夏場とは違い、冬場になれば余剰金を社員に還元する判断をしやすくなります。このようなことから、冬場のボーナスは夏場のボーナスよりも多めになる傾向にあるのです。

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一年目のボーナスは基本給が高ければ期待できる

ここまで看護師のボーナスについて夏、冬それぞれの場合を解説してきました。「一年目でもボーナスってもらえるの?」と気になる就活生もいることでしょう。基本的には一年目であってもボーナスが支給されることが一般的です。

ボーナスの額は病院への貢献度によって決まるものです。一年目のうちは仕事を覚えることに精いっぱいで、病院の発展への貢献度が高いということはあまりありません。

そのため一年目の夏のボーナスは期待できないことが多く、冬から一般的な額で支給されることになります。しかしボーナスの額は基本給と倍率の関係によって決まります。この点について、詳しくは後ほど解説しますが、基本給が多いのであれば一年目であってもボーナスが多くなることもあり得るのです。

ボーナスを計算する方法とは

上述の通り、ボーナスを計算するうえで重要になってくるのは基本給と倍率です。「よくボーナスは月給の〇か月分というように聞くけれど…」と思う就活生もいるでしょう。倍率とは「〇か月分」のことを示すのでその点は良いのですが、ボーナスが基準とするのは月給ではなく基本給です。基本給とは年間支払われる、すべての手当てを除いた賃金のことで、月給とはひと月に支払われる手当込みの賃金のことを言います。

つまり月給はひと月分の基本給よりも各種手当の金額分多くなっているのです。「月給が20万、手当が月5万、倍率が2か月分」であるならば、ボーナスの額は「(20-5)×2=30万円」となります。このように同じ月給、倍率であっても、基本給の額が多いほうがボーナスの額は多くなるのです。

看護師でもボーナスが支給されないこともある

ここまで看護師のボーナスについて支給時期や計算方法について解説してきました。しかし看護師だけでなく、どこの企業でも同じことですが、ボーナスは必ず支給されるものではありません。「ボーナスは必ずあると思って、あてにしていた」と思わぬ計算違いを起こしてしまうことの無いようにしておく必要があります。

以下、ボーナスが支給されないケースについて解説していきます。ボーナスの有無や金額に振り回されてしまうようなことのないよう、しっかりと理解しておきましょう。

勤務一年後から支給の病院もある

看護師のボーナスが支給されないケースとして、勤務一年目の看護師には支給しないことがあります。上述の通り、ボーナスは当たり前に支払われるものではなく、病院の発展に寄与してくれたことに対する病院側からの評価です。看護師の仕事は覚えなければならない知識も多く、一人前として仕事に取り組めるようになるためには、ある程度の時間を費やします。

勤務一年目であれば、ほとんどの時間を勉強に費やして一日が終わってしまうことでしょう。つまり勤務一年目において、病院の運営に貢献していくことは非常に難しいのです。このような背景から査定月以外や入社したばかりの場合、勤務一年後からボーナスを支給することにしている病院もあるのです。

パートは基本的に支給なし

看護師のボーナスが支給されないケースとして、パートとしての勤務が挙げられます。パートの場合、職員という立場ではない分、病院内の煩わしい人間関係や残業などとは関わらずに仕事を行うことが出来ます。しかし一方で職員同様の給与体系というわけではなく、ボーナスは支払われないことが一般的です。

パートの場合、ボーナスに加え退職金も支払われないことが多く、また福利厚生の利用も職員のようには出来ないことが多いでしょう。職員の場合、就業規則に、ボーナスに関する事項が明記されています。しかしパートの場合、雇用契約書にボーナスに関することが書かれていないことが一般的です。つまり病院にとってパートにボーナスを支払う義務は生じないのです。

病院の利益が悪いと正職員でも支給がないということも

看護師のボーナスが支給されないケースとして、病院の経営状況を勘案した結果、支給しないと病院側が判断したというケースがあります。これは病院に限った話ではなく、どの企業にも当てはまる話です。

上述の通り、ボーナスはあくまでも病院の収益の中から職員へ還元されるものです。収益がさほど出ていないにもかかわらず、大盤振る舞いして多額のボーナスを職員に支給し、結果、病院の経営を苦しめてしまっては本末転倒でしょう。

「看護師としてこんなに頑張ったのに、、、」と思っても、その頑張りが病院の収益につながり、病院全体で十分な収益を獲得出来ていなければ、ボーナスには反映されません。ボーナスが支給されるには、相応の収益を病院が獲得できていることが条件となるのです。

看護師でも必ずボーナスがもらえるわけではない

ここまで看護師におけるボーナスについて、その支給時期から計算方法、支給されないケースまで解説してきました。ボーナスはもらうことで「また仕事を頑張ろう」とモチベーションを向上させることの出来るものです。しかしだからと言って「あそこはボーナスが高いから」とボーナスの額を基準に病院を選ぶのは危険です。

上述の通り、ボーナスの額は病院の経営状況に大きく左右されるものであり、ボーナスありきの話ではありません。給料やボーナス、福利厚生はたしかに働く上で重要なものとなります。しかし重要なことは自身が望む働き方を実現できるかどうかです。

働く環境を選ぶにあたっては、自分が望む働き方は何なのかをしっかりと考え、それに沿った病院を選択するようにしましょう。

※最後に、本記事につきましては、公開されている情報を活用し、当社が独自の基準によってシミュレーションした結果を開示しているものとなります。読者の皆様に企業選択の一助になればという趣旨で情報を作成しておりますため、なるべく実態に近い状態のシミュレーションとなる様に最善を尽くしているものの、実際の報酬額とは異なります。 あくまでも参考情報の一つとしてご活用くださいませ。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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