就活その他

高給といわれる職業・業界とは?給料が高い仕事とその理由

高給の定義とは

高給の基準はいくらからなのでしょう?これには「月給○○万円以上」あるいは、「年収○○○万円以上」という明確な基準があるわけではありません。一般的には、年収800万円以上が高年収、つまり高給のボーダーラインと言われています。よって、年収が1,000万円を超えれば高給と見なすことができます。では、どのような業界が高給の傾向にあるのでしょうか。

そこで、本記事では高給と言われる職業と業界に焦点を当てて、なぜ給料が高いのか、業界ならではの特徴を押さえながらくわしく解説していきます。仕事選びの際、高給を重視するのか、それとも仕事内容・自分に合った働き方や会社の風土などを重視するのか、本記事の内容を活用しながら考えてみましょう。

高給な業界の特徴

高給と言われる仕事や業界には、どういった特徴があるのでしょうか。ここでは、高給な職業や業界の特徴についてみていきます。高級な職種や業界には、高い報酬を支払うだけの理由があるといえます。

まず、高給な仕事は高い専門性が求められることが多いでしょう。成果主義であり、不規則な勤務形態の求められるハードな仕事内容に対して高い賃金が支払われていることもあります。高給だからこそ押さえておきたい特徴について考えていきましょう。

転勤・海外赴任などがあり定住が難しい

業界によっては、全国への転勤や海外赴任が当たり前、という企業もあります。総合商社やメガバンクは転勤がとくに多い業界です。職種しだいでは数年単位で国内外を転々とする生活を繰り返すため、1カ所への定住が難しくなります。

転勤や海外赴任はキャリアアップという意味では、大変喜ばしいことです。しかしながら、転勤の際に家族を残して単身赴任する場合も、家族を連れて赴任先へ引っ越す場合も、家族にも負担はかかるものです。

海外赴任の際に家族が同行するともなれば、言葉の壁や生活習慣の違いなどに戸惑うことも多く、本人にとっても家族にとってもストレスとなることもあります。このように、転勤や海外赴任が多い業界での勤務には、家族の理解や協力が必要不可欠なのです。

徹夜・睡眠時間を削っての仕事がある可能性も

職種や業務によっては、残業や休日出勤も発生します。残業や休日出勤に対する手当が支給され、それによって高給となるケースもあるのです。中でもマスコミ業界はもっとも不規則な勤務となりやすく、体力勝負の仕事であると言えるでしょう。そのほかの業界も、実力主義や成果主義を採用する企業が多いため、肉体的にも精神的にもハードな勤務となることが多くなります。

また、残業や休日出勤が発生するということは、それだけプライベートの時間が削られることになります。趣味や交友関係など、プライベートとの両立が難しくなるのはもちろん、休日に休息を取る時間も減る可能性もある、ということをあらかじめ知っておく必要があるでしょう。

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高給といわれる職業5選

高給と言われる職業とは

では実際に、高給と言われる職業と聞いて、どんな職業を思い浮かべるでしょうか。一級建築士や弁護士、税理士などの難易度の高い資格を必要とする職業も存在しますし、マスコミ関係やコンサルタント、システムエンジニアといった、激務と言われる職業なども存在します。

ここではその中でも、パイロット、医師、弁護士、ファイナンシャルプランナー、公認会計士の5つの職業にスポットをあてて、その職業の特徴や必要な資格などをご紹介していきたいと思います。

①パイロット

年収の高い職業の代表ともいえるのが、飛行機のパイロットです。パイロットになるためには、航空大学に入るか、大学卒業後に航空会社に入社し、専門の訓練を受ける必要があります。しかし、いずれの場合でもパイロットになるための道は非常に厳しく、倍率も100倍以上になると言われています。

パイロットになるためには「定期運送用操縦士」「事業用操縦士」「自家用操縦士」の3つの資格が必要となるだけではなく、高い英語力や体力、精神力などが求められます。専門のスキルが必要となるため、難易度の高い職業であると言えるでしょう。

なお、パイロットは、大手の航空会社であれば平均年収は2,000万円程度と言われており、役職などによっては更に高給取りになるのが特徴です。

②医師

人の命を預かり、責任のある仕事をこなす医師もまた、高給と言われる職業のひとつとなります。医者になるためには専門の大学や、専門の学科に入る必要があり、そのための試験や授業も非常に難しく、道のりが困難であることでも有名な職業となります。

医者となってからも日中の勤務だけではなく夜勤を任される場合もあるため、体力的にも非常に過酷な仕事です。人の命に係わる仕事になりますので、常に気を張っている必要があり精神力も必要となります。こういった激務に対する代償が、医者の高い年収に反映されているといっても過言ではありません。

外科医や内科医、整形外科医、歯科医など様々なジャンルがありますが、役職についたり、独立して自らの病院を経営したりするなど、キャリアアップに応じて更なる高給を得ることができるのも医者という職業の特徴です。

③弁護士

国内でも高難易度を誇る司法試験に合格し、国家資格を取得した弁護士は年収の高い職業としても有名です。平均年収は1,000万円を超え、独立して開業したりテレビや雑誌などで有名になれば、平均年収を大きく上回る年収を手に入れることも可能です。

ですが、弁護士になるには難易度の高い試験が行われる法学関係の大学や大学院を卒業し、さらに難関試験の司法試験に合格する必要があるため、就職自体が狭き門であるのが特徴です。

また、昨今では弁護士になった場合でも地域によっては仕事が少なかったり、知名度の高い弁護士ばかりに仕事が集まったりしてしまい、思ったように年収を上げられないなどの問題があるようです。特に独立して開業した場合などは、弁護士としての知識だけではなく、起業家としての知識も必要とされるようになりつつあります。

④ファイナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナーは、お金のエキスパートとして税金、投資、住宅ローン、不動産、相続など、ライフイベントに沿った資金計画を立てて、資産設計のアドバイスをおこなう職業となります。

ファイナンシャルプランナーにはいくつかの資格がありますが、最も有名なのは「ファイナンシャル・プラニング技能検定」と呼ばれる国家資格となり、1級から3級までの3種類が存在します。勤務先などによって求められる資格は異なりますが、一般的にはFP2級以上を求められることが多いようです。

ファイナンシャルプランナーは金融機関だけではなく、会計事務所や不動産会社などを活躍の場とし、働き方によって年収は200~800万円までさまざまです。ですが、独立した場合などは1,000万円を超える年収を得る可能性が高く、高給取りと呼ばれる職業のひとつとなります。

⑤公認会計士

公認会計士は国家資格を取得する必要のある職業となり、会計のエキスパートとしてコンサルティングだけではなく監査や税務など、企業のお金に関することに携わる仕事となります。非常に専門性が高いため、一般企業に勤めるサラリーマンより年収は高くなっており、高給と言われる職業のひとつでもあります。

能力や実力次第では1,000万円を超える年収を手にすることも可能な職業になるため、キャリアアップをして大手の監査法人で役職に就いたり、独立して会計事務所を開く人も非常に多いようです。

公認会計士になるために取得すべき資格は年齢や学歴は不問とされているため、誰でも受験することが可能です。ただし難易度は非常に高く、合格者は毎年10%を切るという厳しい試験内容となっています。

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高給といわれる業界5選

高給と言われる業界にはどんなものがあって、なぜ高給なのでしょうか。ここからは、総合商社、コンサル、メガバンク、生保・損保、マスコミの5大業界に絞って、業界ごとの平均年収や高給の背景にある特徴などを紹介します。各業界が高給であることを知るだけでなく、その業界の中身を知ることも大切です。まずは、高給な業界の実態を知ることから始めましょう。

①総合商社

総合商社とは、様々な商品の買付け・販売や輸出入貿易を取り扱う、大規模な卸売業者です。日本では、三菱商事・三井物産・伊藤忠商事・丸紅などが代表的で、事業内容の多角化やグローバル展開が特徴です。総合商社は高給な業界の代表格であり、20代で年収500~800万円、30代で年収1,000万円以上が実現可能と言われています。

総合商社が高給な理由として、業績に応じた昇給・ボーナスや、手厚い役職手当が挙げられます。グローバル展開している企業が多いので、活躍するためには語学力も求められるでしょう。高給を目指すのであればまず知っておくべき業界です。

②コンサル

コンサルティング業界は新卒・中途に関係なく人気の高い業界ですが、高給な業界の代表格でもあります。日系コンサルといえば、野村総合研究所、船井総合研究所、三菱総合研究所などが有名です。外資系では、GCAサヴィアン、アクセンチュア、デロイトトーマツコンサルティングなどが挙げられます。

平均は年収1,000万円を超え、中でも昇進が早いと言われる外資戦略系コンサルティングファームでは、成果や業績しだいで年収3,000万円以上も可能と言われています。コンサルが高給な一番の理由は、成果主義にもとづく「インセンティブ」です。インセンティブは個人の実績や会社の業績と連動しているため、20代でも年収1,000円以上を稼ぐことが可能なのです。

③メガバンク

安定した高給のイメージが定着しているのが、三菱UFJ銀行・みずほ銀行・三井住友銀行の3大メガバンクです。30代までは平均年収が500~900万円ですが、40代で年収1,000万円を超えると言われています。

では、メガバンクで高給取りになるにはどうしたら良いのでしょうか。答えは、総合職として入社して、キャリアと実績を積んで着実に管理職へ昇進することです。メガバンクの一般職・技術職・総合職の年収を比較すると、総合職は一般職と技術職の約1.4倍以上もあることがわかっています。

また、役職別の年収を調査したところ、課長職以上の平均年収が1,000万円以上であることがわかっています。総合職として入社して、いかに早く出世するかがポイントとなるのです。

④生保・損保

生保・損保の代表的な企業には、日本生命、第一生命、明治安田生命、東京海上日動火災、三井住友海上火災などがあります。生保や損保が高給と言われると意外に思われるかもしれませんが、実は平均年収は1,000万円前後と言われています。

保険業界が高給である背景には、「契約手数料」の存在が大きいと言っても過言ではありません。営業職に就いて保険商品の契約に至ると、契約初年度だけでなく、2年目以降も契約手数料が給与やボーナスに反映されます。

また、保険業界で活躍して高給を得るには、資格の取得が近道と言えるでしょう。有名なのはファイナンシャルプランナーです。より高給を目指すのであれば、業界で活躍が期待される「アクチュアリー」と呼ばれる保険や金融に特化した専門資格を得ると良いでしょう。アクチュアリーになると、20代で年収700~800万円以上、30代で年収1,000万円以上を見込めます。

⑤マスコミ

就職人気ランキングで上位入りのマスコミ業界も高給です。中でもフジテレビ、日本テレビ、TBS、テレビ朝日、テレビ東京などの民放キー局、朝日新聞社、読売新聞グループ本社、日本経済新聞社、毎日新聞社などの大手新聞社、集英社、講談社、小学館などの大手出版社が高給の傾向にあります。平均年収は900万円前後と言われていますが、職種によっては1,000万円以上も見込める業界です。

民放などの放送業界が高給なのは、参入障壁が高く、競争率が低いことが主な理由として挙げられます。また、下請けなどへの業務委託を積極的に進めることで人件費などのコストを抑え、社員1人あたりの売上高が高くなるのも高給の一因とされています。新聞社なら、新聞記者として特ダネをスクープして表彰されることが、高給への道のりとなるでしょう。出版業界へ就職した場合は、ヒット書籍やヒット企画を生み出すことに成功すると高給を実現できます。

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ここまで本記事でお伝えしたように、高給な業界や仕事の背景には、専門性や成果主義を求められる業務だったり、頻繁な転勤や残業・休日出勤などが発生する可能性があったり、それなりの理由があることがわかりました。もちろん給与は仕事選びの際に重要な判断基準となります。とは言え、高給だからという理由だけで志望業界や志望企業を選んでしまって、就職後に後悔はしたくないでしょう。

高給な業界や仕事の特徴をあらかじめ理解したうえで、給与・仕事内容・自分の働き方・会社の風土など、総合的に判断することが大切なのです。本記事を踏まえて、自分が何を目指したいのか、何を優先したいのか、もう一度振り返ってみましょう。その上で、自分に合った業界・仕事選びをぜひ進めていってください。

※最後に、本記事につきましては、公開されている情報を活用し、当社が独自の基準によってシミュレーションした結果を開示しているものとなります。読者の皆様に企業選択の一助になればという趣旨で情報を作成しておりますため、なるべく実態に近い状態のシミュレーションとなる様に最善を尽くしているものの、実際の報酬額とは異なります。 あくまでも参考情報の一つとしてご活用くださいませ。

監修者プロフィール

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吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

多くの学生と企業をマッチングしてきた経験を活かし、『就活対策サイト「キャリアパーク!」が教える 「最高の会社」の見つけ方』(高橋書店)を出版。最高の会社を見極めるための基準や失敗しない企業選びの方法を紹介している。

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01459)

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