管理薬剤師の平均年収・ボーナス事情｜比較シミュレーションで比べてみよう

管理薬剤師とは

管理薬剤師は、薬剤師よりも上の職種であり業務の幅が薬剤師よりも多くあります。薬局に行っただけでは、薬剤師と管理薬剤師の違いはよくわかりません。しかし、管理薬剤師は、薬局に1人は必ずいなくてはいけないため、運営のためには欠かせない職種のひとつです。では、管理薬剤師とは一体どのような職種なのでしょうか。

また、その管理薬剤師の平均年収や賞与などは、どのようになっているのでしょうか。詳しい情報を調べてみました。

管理薬剤師の業務内容

管理薬剤師は、薬剤師のうえにあたる職種であり調剤薬局に勤めた場合は薬局長としてのポジションとなります。管理薬剤師となるには、薬剤師として一定期間以上の実務経験が求められるケースが多く、まずは薬剤師としての下積みが必要になる職種です。

管理薬剤師の主な業務内容は、厚生労働省のホームページを見ると、以下のように記載されています。

1. 薬局における管理薬剤師等の責務の内容
2. 一般販売業の店舗における管理薬剤師等の責務の内容
3. 薬種商販売業者の責務の内容について

調剤などの薬剤師と同様の業務をこなす場合ももちろんありますが、以上からわかるように、管理薬剤師は勤める箇所の業務にあたる責務について求められます。また、管理においては薬剤のみにならず、勤める箇所のメンバーのマネジメントも管理薬剤師の大切な業務内容です。

管理薬剤師に求められる能力について

管理薬剤師に一番必要と言えるのが、コミュニケーション能力です。業務内容でも述べたように、管理薬剤師は調剤をして利用者と関わる場面もありますが、現場で働く薬剤師のマネジメントも担いますし、新人の育成もおこないます。そのため、薬剤師と適度なコミュニケーションをとるためにも必要な能力といえます。

次に管理薬剤師に必要なのが責任感です。薬局の薬だけでなく、働く人材の「管理」も任される管理薬剤師です。店舗運営のために責任感を強く持つことが、よりよい薬局づくりに繋がるでしょう。

最後に向上心です。薬剤師から管理薬剤師にキャリアアップした際、業務内容が広がります。「自分から内容を覚えていこう」「店舗をより円滑にするためには何の改善が必要なのか」など自ら取り組んでいかなくてはいけません。

管理薬剤師の平均年収と他職種との比較

管理薬剤師の平均年収について

人事院の職種別民間給与実態調査によれば、管理薬剤師（薬局長）の平均年収は611万円となっています。特に管理薬剤師の平均年収は、20代後半以降がそれ以前と比べて高くなる傾向があるようです。

他の職種・平均との比較

管理薬剤師の平均年収は、日本の平均年収422万円と比較して、189万円高くなっています。また類似職の臨床開発で541万円、テクニカルサポートで512万円の年収であることから考えても、管理薬剤師の平均年収が高いものであるとうかがえます。

管理薬剤師のボーナス・昇給事情

ボーナスについて

管理薬剤師のボーナスの有無については、企業によって異なりますが、多くの企業では年2回の賞与があるようです。しかし、企業によってはないところもあるため、ボーナス事情には差があります。

昇給について

管理薬剤師の昇給についても、企業によって異なります。薬剤師から管理薬剤師になったことによる昇給は大きいでしょう。管理薬剤師となった後の定期的な昇給制度も整備されている企業が多くあるようです。しかし、企業の事情によっては昇給がほとんどない場合もあるので、一概にあるなしを断定できるわけではありません。

管理薬剤師の年齢別平均年収推移シミュレーション

管理薬剤師の年齢別の平均年収を5歳刻みで算出をしました。年齢別の月給と年収の推定値はどのようになっているでしょうか。

年齢	年収	月給	ボーナス
20~24歳	381.5万円	26.2万円	67.4万円
25~29歳	497.0万円	34.1万円	87.8万円
30~34歳	572.6万円	39.3万円	101.2万円
35~39歳	627.5万円	43.1万円	110.9万円
40~44歳	676.3万円	46.4万円	119.5万円
45~49歳	714.9万円	49.1万円	126.3万円
50~54歳	744.8万円	51.1万円	131.6万円
55~59歳	734.0万円	50.4万円	129.7万円
60~64歳	550.3万円	37.8万円	97.2万円

年齢別の平均年収を5歳刻みで算出すると、30～34歳での平均年収は572.6万円、うちボーナスは101.2万円になると予測されます。40～44歳では平均年収が676.3万円、うちボーナスは119.5万円になると予測されます。年収は全体的に高いものの、ボーナスや月給自体はずば抜けて高いということではないようです。

※編集部で規定したアルゴリズムに基づいた算出であるため、あくまでも予測シミュレーション数値となります。

管理薬剤師と日本の平均年収との年齢別比較シミュレーション

年齢	管理薬剤師の平均年収	日本の平均年収
20~24歳	381.5万円	263.5万円
25~29歳	497.0万円	343.3万円
30~34歳	572.6万円	395.5万円
35~39歳	627.5万円	433.4万円
40~44歳	676.3万円	467.1万円
45~49歳	714.9万円	493.8万円
50~54歳	744.8万円	514.4万円
55~59歳	734.0万円	507.0万円
60~64歳	550.3万円	380.1万円

管理薬剤師の平均年収は、日本の企業全体の平均年収と比較すると年齢を問わず高くなると予測されています。20代からはっきりと差が出ており、30～34歳の平均年収は572.6万円で、日本の平均と比較すると177.1万円ほど高くなると推測されます。40～44歳では676.3万円の予測です。

※編集部で規定したアルゴリズムに基づいた算出であるため、あくまでも予測シミュレーション数値となります。

管理薬剤師の生涯賃金シミュレーション

	管理薬剤師の平均年収	日本の平均年収
生涯賃金	2.75億円	1.90億円

日本の平均的な生涯賃金と、管理薬剤師の生涯賃金を比較してみましょう。管理薬剤師の平均年収は611万円であることがわかりました。一方、日本の平均年収は422万円です。20～65歳まで勤めたと仮定した場合、生涯で得られる賃金はどれくらいになるのでしょうか。その結果が、上記の表です。

管理薬剤師と日本の平均的な生涯賃金をシュミレーションした場合、管理薬剤師の生涯賃金の方が大幅に高くなると予測されています。金額にして、8,500万円ほど、日本の平均より高くなると推測できます。

まとめ

多くの人が利用する調剤薬局の薬局長である管理薬剤師は、薬局を運営するうえでは欠かせない職種です。管理薬剤師になるには、薬剤師の資格を取得してから一定の実務経験が必要です。管理薬剤師は、勤務する箇所の薬品の管理から働く人のマネジメントまでおこなうため、非常に幅広い業務内容となります。

そのため、十二分なキャリアをもった人材が求められますので、管理薬剤師として勤めるのであればコミュニケーション能力など、薬剤の知識とはまた別の能力が必要となります。

※最後に、本記事につきましては、公開されている情報を活用し、当社が独自の基準によってシミュレーションした結果を開示しているものとなります。読者の皆様に企業選択の一助になればという趣旨で情報を作成しておりますため、なるべく実態に近い状態のシミュレーションとなる様に最善を尽くしているものの、実際の報酬額とは異なります。 あくまでも参考情報の一つとしてご活用くださいませ。

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