目次
アパレル業界とは
アパレル業界とは衣類の企画・製造・販売をする業界のことです。従来のアパレル業界は企画・製造・販売のそれぞれの分野に優れた企業が担当をしていましたが、近年ではSPA(製造小売業)業態の企業がアパレル業界を牽引しています。
SPA(製造小売業)業態とは「speciality store retailer of private label apparel」の略で、企画から製造・販売までを包括的におこなう業態です。日本ではユニクロが最も知名度が高く、国内のみならず国外でも大きな売上を誇ります。
アパレル業界について
近年のアパレル業界は二極化が進んでおり、従来のアパレル業態のワールドやオンワードホールディングスは売上が減少しています。しかし、SPA(製造小売業)業態のファーストリテイリングやしまむらは好調に規模を拡大しており、国内の売上ではユニクロやGUのファーストリテイリングが首位を独走しています。
また、海外のSPA(製造小売業)業態であるスペインのZARA、スウェーデンのH&M、アメリカのFOREVER21なども日本へ進出していますが、国内全体の市場は縮小傾向にあるため、今後はZOZOTOWNなどのインターネット通販や海外へと販路を広げていく企業が増えると予想されています。
アパレル業界の職種について
- デザイナー
- パタンナー
- マーチャンダイザー
- バイヤー
- 販売員
デザイナーは、商品の企画に携われる仕事です。商品のデザインだけでなく、市場調査などで商品コンセプトを定めて、素材選び、縫製方法、コストなどを考慮する必要があります。
パタンナーは、デザイナーの企画をもとに型紙作成、仕様書作成、コスト交渉などを縫製工場とやりとりします。海外事業などでは直接工場におもむき、縫製技術の指導などをおこなう場合もあります。
マーチャンダイザーは、市場、トレンド、販売店、商品配分などを分析して、商品の企画から予算まで統括的に管理します。マーチャンダイザーはMDとも呼ばれ、最近ではインターネット販売のECサイトの対応をすることもあります。
バイヤーはMDの管理の下、必要な商品の買い付け、販売計画作成、販売員向けの商品勉強会などを担当します。また、海外ブランドの商品は直接海外で仕入れをおこなうこともあります。
販売員は販売店のショップスタッフです。各販売店のブランドやコンセプトに沿って、お客様に最適な商品を提案します。企業により異なりますが、ショップスタッフは契約社員、派遣社員、アルバイトでの募集が多く、店長や店長候補になると正社員での募集があるようです。
アパレル業界の平均年収について
アパレル業界の平均年収
業界 | 平均年収 |
介護 | 361 万円 |
百貨店 | 443 万円 |
ブライダル | 489 万円 |
アパレル | 491 万円 |
人材業界 | 524 万円 |
ドラッグストア | 529 万円 |
旅行会社 | 540 万円 |
農業 | 557 万円 |
食品業界 | 564 万円 |
鉄道 | 597 万円 |
専門商社 | 603 万円 |
出版社 | 610 万円 |
IT | 631 万円 |
ゲーム業界 | 637 万円 |
パチンコ | 662 万円 |
不動産 | 665 万円 |
銀行 | 668 万円 |
物流業界 | 676 万円 |
生命保険・損害保険 | 682 万円 |
電機・家電大手 | 688 万円 |
自動車 | 707 万円 |
証券 | 722 万円 |
テレビ局 | 910 万円 |
総合商社 | 1135 万円 |
コンサルティング | 1263 万円 |
アパレル業界の生涯賃金
業界 | 生涯賃金 |
介護 | 1.58億円 |
百貨店 | 1.94億円 |
ブライダル | 2.14億円 |
アパレル | 2.15億円 |
人材業界 | 2.29億円 |
ドラッグストア | 2.31億円 |
旅行会社 | 2.36億円 |
農業 | 2.44億円 |
食品業界 | 2.47億円 |
鉄道 | 2.61億円 |
専門商社 | 2.64億円 |
出版社 | 2.67億円 |
IT | 2.76億円 |
ゲーム業界 | 2.79億円 |
パチンコ | 2.90億円 |
不動産 | 2.91億円 |
銀行 | 2.92億円 |
物流業界 | 2.96億円 |
生命保険・損害保険 | 2.98億円 |
電機・家電大手 | 3.01億円 |
自動車 | 3.09億円 |
証券 | 3.16億円 |
テレビ局 | 3.98億円 |
総合商社 | 4.97億円 |
コンサルティング | 5.53億円 |
アパレル業界の生涯賃金は2億1,500万円です。図表①の平均生涯賃金は2億8,600円ですので、アパレル業界の生涯賃金は平均と比較した場合、7,100万円低くなります。このため、アパレル業界の生涯賃金は全体と比較すると、低めであることがうかがえます。
また、ブライダル業界の生涯賃金は2億1,400万円のため、アパレル業界とほぼ同じ生涯賃金です。その他に生涯賃金の近い業界としては、百貨店業界が1億9,400億円でアパレル業界より2,100万円低く、人材業界が2億2,900万円で1400万円高めになっています。
比較的に生涯賃金の低いアパレル業界ですが、ブランド開発、インターネット通販、SPA(製造小売業)業態などに成功した企業は高い平均年収の場合もあります。
※編集部で規定したアルゴリズムに基づいた算出であるため、あくまでも予測シミュレーション数値です。
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まとめ
アパレル業界は人口減少の影響もあって国内需要も縮小傾向にあり、従来のアパレル業態は厳しい状況です。特に販売部門ではファッションビル、百貨店、路面店などの売上が伸びず、店舗の縮小や撤退を余儀なくされている企業もあります。
一方、新しいビジネスモデルで成功している企業はこの限りではありません。ブランド戦略としての開発・買収・統合により、V字回復した企業、ZOZOTOWNなどのインターネット通販により販路の拡大に成功した企業、SPA(製造小売業)業態で低コストで良品質な製品の提供ができるようになった企業などは成長を続けています。
このように二極化が進んでいるアパレル業界では業種選びだけでなく、企業選びにおいても慎重な判断が必要になってきます。
※最後に、本記事につきましては、公開されている情報を活用し、当社が独自の基準によってシミュレーションした結果を開示しているものとなります。読者の皆様に企業選択の一助になればという趣旨で情報を作成しておりますため、なるべく実態に近い状態のシミュレーションとなる様に最善を尽くしているものの、実際の報酬額とは異なります。 あくまでも参考情報の一つとしてご活用くださいませ。