業界研究

【IT業界の平均年収と生涯賃金】主要企業や職種ごとの給与も紹介

年収などからIT業界を知ろう

IT業界は就活生に人気の高い業界であるため、就職を目指すのであれば、年収なども含めて業界についてきちんと知っておくことが大切です。IT業界は成長力が高く華やかなイメージが強い業界です。自由な社風の企業も多いですし、その華やかさに魅力を感じて志望する学生はたくさんいます。しかし業界をよく知らないままに、イメージだけで就活を進めてしまうのはよくありません。

業界への理解が深められていなければ選考を突破するのも難しいですし、仮に就職できても理想と現実にギャップを感じてしまい、すぐにやめてしまう可能性もあります。就活攻略のために業界理解は欠かせませんので、業界研究を徹底してIT業界への就職を目指しましょう。

IT業界とは

IT業界とは、IT技術の開発、運用、ITを用いた製品の製造・販売などを行う業界です。最近の話題としては、IoT(Internet of Things)やAI(Artficial Intelligence)、VR(Virtual Reality)などの技術開発が挙げられます。ここでは、IT業界のお仕事内容の解説を行ったうえで、IT業界の平均年収、業界の今後の動向について見ていきます。

IT業界について

IT業界とは我々の生活に必要不可欠となっているIT技術の開発や提供を担っている業界を指します。この業界はさらに細かく分類すると「ソフトウェア業界」「ハードウェア業界」「情報処理サービス業界」「インターネット・Web業界」に分けられます。

国内の主な企業としてはNTTデータ、大塚商会、野村総合研究所などが挙げられます。IT業界の動向としては、今後もますますの拡大が予測されています。しかし、業界拡大に人材が追い付かず、経済産業省の「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査」によると今後深刻な人材不足に陥るとされている業界です。

IT業界の職種について

  • システムエンジニア
  • プログラマー
  • 営業

システムエンジニアは、お客様のニーズに合わせて新たなシステムを設計するお仕事です。非常に高度な技術が要求されるため、この仕事への熱意、あるいはこの仕事が好きでなければなかなか取り組むことは難しいでしょう。また、お客様やプログラマーとのコミュニケーションが重要となるため、コミュニケーション力が必要です。

プログラマーは、システムエンジニアが作成したシステムに基づいてプログラミングをおこなう職種です。実際にシステムを開発するのはプログラマーです。システム設計を行うシステムエンジニアとの連携が不可欠となります。

営業は、出来上がった製品をより良い条件で売ることが仕事です。製品がどれだけよくとも、営業技術がなければ製品は売れないといっても過言ではありません。どのように宣伝すれば売れるのか、どうすれば製品の良さが伝わるのかなど、製品を売るために様々な工夫をする必要があります。営業は基本的にはノルマ(数値目標)が設定されているケースが多く、これがプレッシャーとなる場合も多いです。しかし、売れば売るだけ収入が増加するという制度がある場合も多く、努力が収入として目に見えやすい職種でもあります。

エンジニアの仕事内容と平均年収

IT業界におけるエンジニアは、システムエンジニア(SE)と呼ばれる場合があります。システムエンジニアの仕事は、クライアントの要望を聞いてどのようなシステムを構築するかを考える上流過程と、実際にプログラムを書いてクライアントにシステムを納品するまでの下流過程に分けられます。

システムエンジニアは、この上流過程、下流過程ともにカバーしなければなりません。例えば、クライアントの要望を聞いて、システムが大規模のものになりそうな場合は、チームを組んでその監督やスケジュール管理などもしなけばなりません。システムエンジニアの平均年収は、約800万円弱と言われています。しかし、下請け企業や中小企業ではこの数字よりも少なくなる場合があります。

プログラマーの仕事内容と平均年収

就活生にかぎらず一般的に、システムエンジニアとプログラマーの区別がつけられる人はあまり多くないのではないでしょうか。システムエンジニアとプログラマーの大きな違いは、システムを作っていく上で担当する仕事の範囲です。

先ほど、システムエンジニアは、この上流過程、下流過程という広範囲をカバーすると紹介しました。プログラマーは、上流過程で聞いた要望と、システムエンジニアが考えるプランに沿って、プログラムを書くことが仕事です。つまり、クライアントと打ち合わせをしたりするのが主な仕事ではなく、プログラムを書くことが主な仕事となるのです。年収は、350〜500万円と言われており、システムエンジニアと比較すると低くなっています。

営業の仕事内容と平均年収

IT系の営業内容は、他業種の営業とあまり違いはありません。扱う商品は、パッケージソフトやシステムなのでITの専門知識が必要なのはいうまでもありません。なかには、実務経験のある人が営業をする可能性もあるようです。営業に出向くのは、個人よりも法人の方が多くなります。

ITの営業に求めらる能力のひとつは、自社の製品を購入するメリットとデメリットをITにあまり詳しくない人にもわかりやすく伝えなければならないという点です。また、クライアントの課題を解決するようなパッケージソフトやシステムを購入してもらうために、システムエンジニアやプログラマーとの密なコミュニケーションも必要になってきます。IT系の営業は、平均年収が500万円弱と言われています。

あなたがIT業界に向いているか、確認してください

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IT業界の平均年収について

IT業界の平均年収

業界 平均年収
介護 361 万円
百貨店 443 万円
ブライダル 489 万円
アパレル 491 万円
人材業界 524 万円
ドラッグストア 529 万円
旅行会社 540 万円
農業 557 万円
食品業界 564 万円
鉄道 597 万円
専門商社 603 万円
出版社 610 万円
IT 631 万円
ゲーム業界 637 万円
パチンコ 662 万円
不動産 665 万円
銀行 668 万円
物流業界 676 万円
生命保険・損害保険 682 万円
電機・家電大手 688 万円
自動車 707 万円
証券 722 万円
テレビ局 910 万円
総合商社 1135 万円
コンサルティング 1263 万円

IT業界の生涯賃金

業界 生涯賃金
介護 1.58億円
百貨店 1.94億円
ブライダル 2.14億円
アパレル 2.15億円
人材業界 2.29億円
ドラッグストア 2.31億円
旅行会社 2.36億円
農業 2.44億円
食品業界 2.47億円
鉄道 2.61億円
専門商社 2.64億円
出版社 2.67億円
IT 2.76億円
ゲーム業界 2.79億円
パチンコ 2.90億円
不動産 2.91億円
銀行 2.92億円
物流業界 2.96億円
生命保険・損害保険 2.98億円
電機・家電大手 3.01億円
自動車 3.09億円
証券 3.16億円
テレビ局 3.98億円
総合商社 4.97億円
コンサルティング 5.53億円

グラフを見るとわかるように、IT業界の生涯賃金は主要業界の中でおおよそ平均的であり、2億7,600万円だといわれています。IT業界の業界規模は今後もますます拡大が見込まれています。拡大に人材供給が追い付かず、人材不足となることが予測されており、今後就職はしやすくなる業界であると予測されます。

しかしながら、人材不足の状態で就職すれば業務量が多いことが予測され、ある程度の熱意や覚悟がなければ仕事をやりぬくことは難しいかもしれません。

※編集部で規定したアルゴリズムに基づいた算出であるため、あくまでも予測シミュレーション数値です。

業界内でも職種によって年収は違う

IT業界は年収が高いイメージが強く、実際に他の業界と比べても年収の水準が高い企業もたくさんあります。しかしどの企業でも高年収が期待できるわけではありません。同じIT業界でも職種によって年収の違いは大きいです。IT業界=必ずしも年収が高いわけではありませんので、どの職種は年収が高く、どの職種は年収が低いのかなど、違いを知っておくことも大切です。職種ごとの年収の違いを理解し、どの職種を目指すかも決めておきましょう。

マネージャーなど上位職は年収が高い

IT業界は基本的には年収の水準は高い傾向にありますが、その中でもマネージャーなど上位職については高年収である場合が多いです。企業によって年収は違いますが、平均以上の年収で場合によっては1,000万円を超える高年収がもらえることもあります。上位職は就職していきなりなれるわけではなく、長い下積み期間が必要となります。SEやプログラマとして就職し、そこから少しずつキャリアを積み上げてマネージャーなどの職に就きます。

マネージャーは企業によって扱いが違いますが、他の企業で例えれば課長や部長などにあたると言えます。出世するごとに年収が増えるのはどの業界でも同じですが、IT業界の場合はその伸び率の高さが特徴です。

プログラマーなど下請けの場合は激務薄給も多い

IT業界=華やか、高年収とイメージする人は多いですが、それはあくまでも一部の職種や企業に限られています。大企業であれば、どの職種でも平均かそれ以上の年収をもらっている場合が多いですが、下請けのプログラマーなどの場合は給料が安い傾向にあります。年収が高いというイメージだけで就職してしまうと、実際の給料にギャップを感じてしまう可能性が高いので注意しなければなりません。

下請けのプログラマーなどの場合は年収が低いだけではなく、激務であることも多いです。納期が差し迫れば徹夜する場合もありますし、あまりのきつさから離職率も高い傾向にあります。華やかなイメージの強いIT業界ですが、下請けの場合は激務薄給の場合も多いので注意しましょう。

独立する人も多い

IT業界と一口にいってもさまざまな仕事がありますし、個人によって持っているスキルも違えば、企業ごとの主力の商品、サービスなども大きく異なっています。

それぞれが専門の分野を持っているケースが多く、人によっては珍しいスキルを持っていますので、企業に属さずに独立する人も多いです。就職している場合は企業から定められた給料しかもらえませんが、独立すれば働いた分だけお金が稼げます。IT業界の選択肢としては、企業で仕事を続けるだけではなく、独立する方法もあると覚えておきましょう。

エンジニアとして独立

IT業界で多いのが、エンジニアとしての独立です。エンジニアと一口に言ってもさまざまな種類がありますし、専門分野も多岐にわたります。個人によって持っているスキルは違いますし、自分の専門分野を強みとして独立し、フリーで働いている人は多いです。エンジニアの種類にもよりますが、珍しいスキルを持っていればさまざまな場所で重宝され、独立しても仕事に困ることはありません。

またそれほど珍しいスキルではない場合でも、能力のレベルが高ければ仕事を獲得できますし、働き方も人によってさまざまです。会社員時代の人脈を使って仕事をしている人も多く、スキルを磨くだけではなく、人脈を広げることも大切です。

ITコンサルタントも人気

IT業界での独立としては、ITコンサルタントも人気です。ITコンサルタントは文字通り、ITに関しての相談、アドバイスなどをおこなう仕事であり、これはさまざまな業界で重宝されます。高いスキルや知識を持っていればIT業界でも活躍できますし、IT業界以外でも求められることは多いです。コンサルタントはさまざまな分野がありますし、専門分野を持っていることは大きな強みになります。

独立する人ももちろん多いですが、ITコンサルタントとして企業に転職する人も多いです。ITコンサルタントは業界内でも年収が高い傾向にあり高年収を目指して転職する人も少なくありません。企業に就職しても、独立しても高年収を得やすいため、ITコンサルタントは人気が高いです。

IT業界の平均年収は631万円だが職種間で差が出る

ここまでIT業界の仕事内容や業界の動向、年収などについて見てきました。IT業界はAI技術をはじめとし現在進行形で発展が目覚ましい業界であり、今後もますますの発展が見込まれます。また人材不足となることが見込まれており、就職もしやすい業界であるといえるでしょう。

便利な世の中の実現に向けて、新しい技術や製品の開発をしてみたい人にとっては非常に魅力のある業界のはずです。興味のある人は自分がどういったものを作りたいのかを考え、それを作っている企業を検索してみましょう。

※最後に、本記事につきましては、公開されている情報を活用し、当社が独自の基準によってシミュレーションした結果を開示しているものとなります。読者の皆様に企業選択の一助になればという趣旨で情報を作成しておりますため、なるべく実態に近い状態のシミュレーションとなる様に最善を尽くしているものの、実際の報酬額とは異なります。 あくまでも参考情報の一つとしてご活用くださいませ。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

多くの学生と企業をマッチングしてきた経験を活かし、『就活対策サイト「キャリアパーク!」が教える 「最高の会社」の見つけ方』(高橋書店)を出版。最高の会社を見極めるための基準や失敗しない企業選びの方法を紹介している。

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01459)

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