職種研究

人事の志望動機の書き方|3つの例文とポイント・NG例を紹介

人事について

人事とは、企業内の人事部において人材を扱う仕事です。簡単に言えば、いつ、どの場所で、誰を働かせるのが会社にとって最適なのかを決める部署です。人事部の決定しだいで社員の人生が大きく左右されることもあるため、責任重大な仕事です。

そのため、人事を担当する人間には高いコミュニケーション能力と人材をしっかりと見極める目が必要とされます。また、いかなるときも公正公平な評価をおこなう誠実さも欠かせません。

人事の主な業務内容

人事の仕事は、新入社員の採用業務や配属先の決定、社内研修、昇給・昇進のための評価など、数多くあります。企業によっては、来客の対応や書類作成といった事務的な業務を兼ねることもあるようです。

適切な人事をおこなうためには、会社全体のことを把握しなければならないため、経営者的な側面のある仕事といえます。もちろん、社内だけではなく世間の動きにも目を向けておかなければなりません。

目先のことだけでなく、何年も先を見据える広い視野が必要とされます。

人材採用

人事の主な業務内容として、まず人材採用を思い浮かべる人は多いでしょう。就活で真っ先に接する企業の人は人事部の採用担当者であることが多く、その意味でも身近に感じられるのではないでしょうか。実際、人材採用は人事の業務の中でも重要度が高い業務内容です。なぜなら、どのような人材を採用するかは今後の企業に大きな影響を与えるからです。

人材採用の業務範囲は企業によって異なります。新卒採用や中途採用、正規採用や非正規採用などがあり、全て人事で行う場合もあれば、採用部書が直接行うというケースもあるでしょう。

採用活動における面接や説明会の準備・実施、ハローワークや就職情報サイトへの情報掲載、広報サイトやSNSでの求人情報の発信、就職希望者との連絡のやり取りなど、業務は多岐に渡ります。

労務

人事の業務の中で、労務も最近は特に注目されています。労務は給与計算や勤怠管理、福利厚生や安全面・衛生面などの管理を行うことで、従業員が安全に、安心して働く環境を整える役割を担っています。昨今は過酷な労働環境における過労死、自殺、うつ病の発症などが深刻な問題として取り上げられ、労務の業務を重要視する企業も増えてきたはずです。

これまではどちらかというと書類をメインに扱う仕事のイメージでしたが、従業員と個別に面談を行うなど、これまでとは異なったスタイルの業務も担うようになってきています。これは先述の労務環境における問題を受け、従業員のメンタルヘルスを確認し、必要があればケアしていかなくてはならないからです。今後もより従業員が安心して働ける環境の構築を目指し、力が入れられる業務ではないでしょうか。

教育研修

人事の業務には、教育研修も含まれています。企業にとって従業員=人材は、企業に利益をもたらすとても大切な経営資源の1つです。その人材を任されている部署が人事であり、人材がより多くの利益を企業にもたらすようにするためには、教育研修といった能力開発が求められます。

採用された新入社員に対する研修のほか、企業によっては部署別の研修や役職別の研修、自発的に参加できる研修など、さまざまな研修制度が整えられているでしょう。研修の講師は全て人事が担当するわけではなく、社内外の人に講師を依頼し、研修をコーディネートしていくことが求められます。自社の従業員の状況を把握し、どのような研修が必要かなど、立案することも求められるでしょう。

人事制度設計

人事制度は、従業員=人材を企業で活かしていくためには最も重要なものの1つです。人事制度が従業員の納得感を得られるものでなければ、優秀な人材であってもすぐに企業に不満を抱いて辞めてしまうでしょう。きちんと成果を出した人、会社に貢献した人が正当に評価される仕組みを作り、従業員がやりがいを持って長く働いてくれることが求められています。

人事制度がきちんと確立されていなければ、従業員はやる気をなくし、企業の生産性は下がってしまいます。また、不満を抱えて辞める従業員が増えれば、離職率が上がり、人材の出入りが激しくなるでしょう。そうなれば、優秀な人を雇ったり教育研修に力を入れても水の泡です。それだけ企業の根幹に関わるとても大切な業務と言えます。

人事に向いている人

人事の業務について見てきましたが、どのような人が人事に向いているのでしょうか?人事にはさまざまな業務があり、責任が大きいのも事実です。「私にできるかな?」と不安を感じている人も多いかも知れません。もちろん、現在人事で働いている人も、入社当時は不安もあったはずです。ここでは、どんな人が人事に向いているのかを見ていきましょう。

人が好き

人事に向いている人の条件として、まず挙げられるのはやはり「人が好き」ということでしょう。人事は言うまでもなく、人と関わることで成り立つ仕事です。人材採用ではたくさんの学生や転職志望者に会うことになるでしょうし、それ以外の業務を担当した場合も、自社の従業員と向き合っていかなければなりません。

自社の従業員がやりがいを持って働き、成果を出して貢献できる環境を整えるためには、従業員と深く向き合わなくてはならないでしょう。不安や不満を感じている従業員がいれば、その原因を突き止め、責任感を持って解決に当たっていくことが求められます。このような仕事に使命感を持って取り組むためには、やはり「人が好き」という気持ちが不可欠でしょう。

目標達成を目指して働ける

人事に向いている人の特徴として、「目標達成を目指して働ける」という点も重要です。先述の「人が好き」というのはイメージしやすいですが、こちらはなかなかイメージしにくいという人もいるかも知れません。人事は人に向き合って仕事を進めていくことは重要ですが、同時に目標達成をきちんと意識して動けなくてはなりません。

例えば採用業務は、「○月○日までに○○名採用」などという明確な目標のもと、動いていきます。採用活動には時間やお金といったコストがたくさんかかりますし、限られた期間の中で優秀な人材を見つけ、採用しなくてはなりません。きちんと目標への進捗が管理できなければ、最悪人材が集まらない状態で新年度を迎えるという事態にもなり得ます。採用以外の業務も同様であり、人相手でありながら、目標達成意識が求められる仕事でもあるのです。

調整力

人事の業務を行う上で、「調整力」も求められるものの1つです。調整力は、例えば採用業務では選考スケジュールを組んだり、募集条件をすり合わせたりする際に求められます。経営層・現場・従業員・就職希望者など、人事担当は常に複数の立場の間に立つことが求められます。

それぞれの立場を深く理解し、それぞれのニーズを満たすようにバランスを取っていくことが、人事の仕事をしていく上では不可欠なスキルといえるでしょう。特定の立場だけが満足を得るような結果になってしまえば、組織の生産性が下がったり人材の流出にも繋がってしまうでしょう。企業にはさまざまな人が集まります。それぞれの人が安心して仕事を続けていくかめには、調整力はとても大切な素質です。

質問に答えるだけで志望動機を完成させよう

人事の志望動機を作成する際、文章を考えるのが苦手な就活生も多いと思われます。「伝えたいことはたくさんあるけど、考えをまとめてわかりやすく伝えるのが難しい」という就活生は、「志望動機ジェネレーター」を活用しましょう。

志望動機ジェネレーターを使えば、用意された質問に答えるだけで理想的な流れの志望動機が完成します。面接での志望動機に関する質問にも対策が可能です。無料でダウンロードできるので、効率的に人事に採用される志望動機を完成させましょう。

志望動機を書く際の注意ポイント

人事の仕事には人材を適切に扱う能力が必要なので、リーダーシップやコミュニケーション能力が特に重要視されます。アルバイトや部活動でリーダーの役割をしたことや、後輩の指導をした経験などがアピールポイントとなるでしょう。

また、組織内だけでなく社会全体の動きを把握していることも重要です。企業運営に関わる政治経済や法律の知識などもアピールポイントになります。

人事職を希望する理由を明確にする

志望動機を書く上で、なぜ人事職を希望するのかを明示することが大切です。人事は人と関わる仕事ですし、採用活動で身近に感じられる部署でもあるため、希望する人は多いでしょう。しかし、先述の通り、業務内容は多岐に渡り、それぞれ責任も重いです。その現実を踏まえた上での希望理由でないと、採用されるのは難しくなってしまうでしょう。

「人が好き」というのは資質としては大切ですが、それだけを志望理由にしてしまうと、良い印象は与えられません。なぜ人事職を希望するのかを伝える中で、同時に「自分は人事職を正しく理解している」ということを伝えていくことも大切です。人事職が企業の中で重要な役割を果たすことをきちんと理解しつつ、自分の能力を活かして貢献していきたいということを伝えていきましょう。

仕事に活かせる能力を伝える

志望動機では、人事職を希望する理由を伝えるだけでなく、仕事に活かせる能力を伝えていくことが大切です。言うまでもなく、いかに人事職に興味を抱き、人事職で働きたいという強い想いを持っていたとしても、役立つ能力がなければ仕事をしていくことはできません。もちろん、現時点で即戦力となることは難しいでしょう。

しかし、企業に入ってから即戦力になるべく成長できる人材として自分を伝えていくことは絶対に必要なことです。人事職ではさまざまな能力が求められます。労務に関する専門知識や高いコミュニケーション能力などです。これらに通じる能力があれば、それについて積極的に伝えていくと良いでしょう。その能力を発揮した具体的なエピソードや、その能力を活かしたい具体的業務を伝えれば、より説得力が増すはずです。

人事の志望動機NG例

まずは、人事の志望動機として悪い例文をみていきます。

NG例①

私が人事の仕事を志望する理由は、人を見る目に自信があるからです。私が面接官になったときには、成績や能力だけでなく人柄を重要視したいと思っています。
それから、私は気長な性格なので、将来的な利益について考えることが得意です。人員配置の仕事をするときには、目先のことにとらわれず、数年先を見据えた采配をしたいと思っています。

例文では、人を見る目に自信がある根拠が書かれていません。部活動の部長やアルバイトのリーダーをやっていたなど、自信を持っている根拠を書きましょう。それから、この時点で面接官なったときのことを述べるは、気長という性格と矛盾しています。

新入社員がいきなり面接官や人員配置の仕事を任されることはありません。自分の発言に矛盾がないかどうかをしっかりと確認してください。

NG例②

私が貴社の人事職を志望するのは、人事職が今後の企業の活動を支えるとても大切な部署だと考えたからです。現在、ブラック企業や労働災害など、ネガティブなニュースが報じられ、私も問題意識を持っています。従業員の満足度があってこそ、組織の生産性が上がりますし、皆が幸せに働けます。
そのためには、採用時のミスマッチをなくすことや人事制度をきちんと整えることが大切であり、それを担うのが人事職だと理解しています。入社しましたら責任感を持ってそれらの仕事にあたりますので、何卒よろしくお願いいたします。

この志望動機の問題点は、自分のことについて一切触れられていないことです。人事職が企業の中で大事な位置づけにある点を理解しているのはわかりますが、そこに対して自分に何ができるのか、どう取り組みたいかなどが全く語られていません。また、人事職を志望するに至った具体的なエピソードなどもないため、熱意も伝わりにくいといえるでしょう。

NG例③

私が貴社の人事職を志望するのは、私がこれまで培ってきたコミュケーション能力を活かして貢献できると考えたからです。私は学生時代、バレー部の副キャプテンを務めました。副キャプテンというポジションだったこともあり、部員からプライベートな悩みなどもたくさん相談されました。
それらに真摯に向き合い、解決していったことで、部員みんなから信頼されました。人事の仕事は社員の人や就職希望者に信頼されることが大切だと思います。私の「信頼を勝ち取れるコミュニケーション力」で貴社に貢献できると思い、志望しました。

この志望動機の問題点は、自己PRのように自分のコミュニケーション能力について伝えているだけで、志望している人事の仕事について一切何も触れられていないことです。コミュニケーション能力に自信を持っていることはわかりますが、実際の仕事でどう活かすのか、そもそも人事の仕事を理解しているのか、全く分からない内容になっています。

人事の正しい志望動機例3選

次に、人事の志望動機として正しい例文をみていきます。一例として参考にしてください。

志望動機の例文①

私が人事の仕事を希望する理由は、部活動で培ったコミュニケーション能力を生かしたいからです。大学ではバスケットボール部に所属し、チームのキャプテンとして、練習メニューの作成や試合の申し込み、出場選手の選定をおこないました。
人事部で仕事をすることになったときには、この経験を生かし、貴社の組織運営に貢献したいと思っています。

部活動でリーダーの役割をしていた経験は大いにプラスになりますので、積極的にアピールしましょう。もしリーダーでなかった場合は後輩の指導をした経験でも構いません。大事なのは、人の管理した経験があることです。また、組織のスケジュール管理の経験も役に立ちます。

志望動機の例文②

私は以前勤めていたアルバイト先でコミュニケーション能力を評価され、アルバイトリーダーに抜擢されました。小さな店舗ではあったものの、私はリーダーとして後輩の指導やスケジュールの管理をおこない、組織運営の経験を積むことができました。
人事部門で働くことになった際には、この経験を生かし、皆が力を発揮できる企業づくりに貢献するのが私の目標です。

人事は社会人としての経験が重要視される仕事ですが、新卒者の場合はまだ社会経験がありませんので、アルバイトでリーダーの役割を果たした経験は貴重です。また、リーダーでなかったとしても、なんらかの担当者だった経験があればアピールポイントになります。

志望動機の例文③

私が人事の仕事を志望した理由は、大学の法学部で学んだ法律知識を生かしたいからです。特に、労働基準法と労働安全法については深く学びました。また、計算も得意なので労務の仕事をする際にはお役に立てると思います。
また、政治経済についても深く学んでいますので、時代の流れに合った組織改革をおこなう際には、私の法律知識を役立てたいと思ってます。

企業によっては、就業規則の作成や給与計算といった労務の仕事を人事部が兼ねることもありますので、法律の知識や計算能力がアピールポイントになることもあります。

また、現代は政府による「働き方改革」によって、会社のあり方が大きく変わろうとする時代です。改革の必要性が問われている企業を志望する場合には、政治経済の知識も重要となります。

志望動機の例文④

私が貴社の人事職を希望するのは、貴社が「従業員一人ひとりがやりがいを持って働くこと」を重視している点に共感したからです。私は学生時代、韓国料理店でアルバイトをし、リーダーを任されていましたが、あるメンバーの接客態度が悪く、お客様からクレームをいただきました。そのメンバーは学業が忙しい時期に店舗を気遣って出勤していましたが、気持ちに余裕がなく、雑な接客になっていることがわかりました。
メンバーとの面談を行い、皆が気持ちよく働けるようシフトを工夫したことで、自然と接客も良くなり、お客様からの評価も良くなりました。このような経験を貴社でも活かし、皆が働き易い環境を整えることに貢献したいと考えています。

この志望動機の良い点として、まず最初に結論が述べられていることが挙げられます。学生時代の経験も書かれていますが、その経験も、冒頭の結論に一致する内容になっています。従業員が気持ちよく働くことと仕事の成果の結びつきを理解しており、実際にアルバイトのリーダーとして問題解決していることがわかり、好印象を得られるでしょう。

志望動機の例文⑤

私が貴社の人事職を志望するのは、「人材は会社の宝」という理念に共感したからです。企業は人の集まりであり、構成員次第で仕事の成果は変わります。私はその構成員がより成果を出しやすい環境作りに貢献したいと考えます。学生時代は個別指導塾で、計30名ほどの中学生を志望高校に導きました。
生徒とのコミュニケーションやモチベーション管理、目標に向けた学習の進捗管理など、苦労しながらも自分なりに工夫し、成果に結びつけました。生徒が能力を発揮し成長するのが嬉しく、それが私自身のモチベーションになりました。貴社でも従業員の皆さんが能力を存分に発揮できるよう、尽力したいと思います。

この志望動機も冒頭に結論が書かれており、わかりやすいです。人事の仕事が企業の成果につながるという点を理解しており、さらに人事の仕事に活かせる体験を持っていることも好印象でしょう。人が好き・人の成長を楽しめる人物だということが伝わりますし、生徒指導で培われたスキルは人事の仕事でも活かせるものです。人事の仕事に高いモチベーションで取り組めるという良い印象を与えられる志望動機になっています。

まとめ

人事の仕事には人材を適切に扱う能力が必要なので、リーダーシップやコミュニケーション能力を志望動機でアピールする必要があります。人事は、その気になれば、個人的な好き嫌いで人を動かしてしまえることもありますが、誤った判断をすれば人に恨みを買ってしまうリスクがあるでしょう。信用を損なえば、会社の経営そのものが立ち行かなくなるときもあります。

人材は資源でも駒でもなく、感情を持った人間だということをよく認識した上で、誠実に職務をこなす姿勢が最も大事と言えるのではないでしょうか。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也
(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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