就活その他

【就活の企業研究を徹底解説】4つのステップでやり方解説

就活で企業研究は必須

就活では企業研究が必要だと聞いても、何から始めるべきかわからない人もいるでしょう。また、何を調べたら、就活に役立つ企業研究になるのか悩むかもしれません。

企業研究とは「自分にあった企業を見つけること」です。企業研究をしていなければ、自分が目指すべき就活の方向性が定まらず、応募先を絞り込むことができないでしょう。また、企業研究は、志望動機の作成にも必要になります。

この記事では、企業研究のやり方やポイント、参考にできるツールを紹介していきます。企業研究のやり方を知り、企業選びや選考対策に役立てていきましょう。

企業研究とは

企業研究とは、企業について調査して、その特徴を把握することです。その企業の事業内容、社風、今後の展望など、幅広い視点をもって調べれば、理解も深まります

就活では、自分の興味がある業界の企業をなんとなく受けてしまう就活生も多いです。特に、数十社も受けていると他社との差がわからなくなってしまうかもしれません。企業研究をすれば、それぞれの企業の特徴が明確化されます。

あなたが受けないほうがいい職業をスマホで確認してください

就活では、自分に適性のある仕事を選ぶことが大切です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまいます

そんな時は「適職診断」を活用して、志望する職業と自分の相性をチェックしてみましょう。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、ぴったりの職業を診断できます。

強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。

診断スタート【無料】

あわせて活用したい!

AIを活用して自己PRを完成させよう!

企業研究をおこなうべき4つの理由

企業研究をおこなうべき4つの理由

企業研究が必要だと聞いても、その理由が見い出せないまま進めてしまう人もいるでしょう。企業研究をおこなううべき理由がわからなければ、何をどこまで調べるべきかもわからず表面的な情報収集になってしまいます。

また、企業研究の目的を見出せなければ、基本的な情報しか調べずに選考に臨んでしまう可能性もあります。徹底的に企業研究をおこなわなければ、企業選びや志望動機の作成に支障がでます。

企業研究は、中途半端に調べただけでは、就活に活かすことはできません。せっかく時間をかけて調べるのであれば、就活に活かすためにおこないましょう。

ここでは、企業研究をおこなうべき理由を紹介します。企業研究をおこなう理由が明確になれば、自然と調べなければならない情報も見えてくるでしょう。

①自分にマッチした企業か確認するため

企業研究の目的は、入社後のミスマッチを防ぐことに役立ちます。入社後のミスマッチは、早期退職につながるでしょう。長い時間と労力をかけて就活をおこなっても、企業が合わず早期退職してしまうことは、もったいないといえます。

社名や取り扱う商品名に聞き馴染みがあったり、「大手」のネームバリューから、その企業について知っていると思い込んでしまう場合もあります。この場合、その先入観から、企業について深く調べず、表面的な情報だけで入社を決めてしまう人もいます。

企業研究をせず選考に進んでしまえば、求める人材像が掴めず、「自社には合わない」という理由で採用されないことも多く、せっかく入社しても、働いてみたら「合わない」と感じて早期退職してしまう人もいます

また、自分に合った企業を選ぶためには、企業研究と合わせて「自己分析」もおこなうことが必要です。自分の価値観や考え方を把握できていなければ、それに合った企業を選ぶことはできないでしょう。

②志望動機を明確にするため

企業研究は、志望動機には欠かせません。エントリーシートや面接では、志望動機が聞かれます。志望企業についての知識がなければ、なぜその企業を選んだのか明確に答えられないでしょう。

たとえば、下記のような2つの志望動機であれば、Bのほうが評価は高くなるでしょう。

A:私は、〇〇業界で働きたいと考えているため、御社を志望しています。
B:私は、御社の〇〇という理念に共感したため、志望しました。

企業についての知識がないまま志望すれば、採用担当者は熱意に欠けていると思うかもしれません。

また、「その企業に入社したい」と熱烈にアピールしても、その企業を選んだ理由を明確に答えられなければ説得力がありません。主張に対する根拠がなければ、信ぴょう性に欠けると判断されてしまいます。

採用担当者の「なぜ同業他社ではなく、うちを選んだのか」という質問に答えられなければ、入社への意欲を疑われてしまうでしょう。

志望動機の書き方についてはこちらを参考にしてみてください。

③求める人物像を知るため

企業研究を進めれば、求める人物像がわかります。調べた社風や事業内容から、その企業にマッチした人材の特徴や必要なスキルが導き出されるからです。

内定を得るためには、志望動機で入社意欲を示すとともに、自分はその企業に必要な人材だとアピールしなければなりません。

たとえば、チャレンジ精神のある人材を求めている企業に対して「慎重さ」をアピールしても高評価は得られないでしょう。求める人物像に近い強みを自己PRすることで、自分がその企業で活躍できる人材だとアピールできるのです。

自己PRで自分の長所や強みをアピールしても、求める人物像と相反するものであれば、企業は採用したいと考えないでしょう。人は、どんなに素晴らしい物を薦められても、自分が求めているものと違えば、必要だと判断しません。

企業研究から求める人物像を把握して、それに則した自己PRを行うことが、選考を突破するためのポイントです。

④就活の軸を見つけるため

企業研究は、「就活の軸」を見つけるためにも有効です。「就活の軸」とは、企業や職種選びの自分なりの基準です。基準がなければ、応募企業を闇雲に決めてしまうことになります。「なんとなく」で応募した企業が自分にマッチしている可能性は低いでしょう。

企業研究をおこなえば、複数の企業を比較して、自分が重視しているポイントを見出すことができます。自分が魅力的だと感じた企業をピックアップして、どこに惹かれたのかを深掘りすれば、自然と企業選びの軸が見えてくるでしょう

企業研究で「就活の軸」を見つけるためには、広い視野で様々な企業を見ることが大切です。それぞれの企業で、なぜ魅力的に感じたのか、反対にマイナスに感じた点を書き出してみましょう。

調べながら、率直に自分が良いと感じた点を抽出して分析していけば、何を重視しているかがわかるでしょう。

就活の軸についてはこちらでより詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

企業研究のやり方4ステップ【シート付】

企業研究のやり方4ステップ

次は、企業研究のやり方を紹介していきます。企業研究では、何をどこまで、どのように調べるのかで悩む人が多いでしょう。調べる内容と方法が明確でなければ、就活に活かせる企業研究を効率的に進められません。

これからご紹介する方法で企業研究をおこなえば、適切なツールで必要な情報を得ることができます。STEPごとに得るべき情報と、おすすめのツールを紹介するので企業研究に役立ててください。

自分に合った企業を選ぶためには、調べた情報から企業を比較することも大切です。企業を比較するために有効な、情報を書き込めるシートを用意しました。企業研究をおこなう際に、活用してください。

企業研究シート】こちらからダウンロードが可能です。

STEP0:自己分析をする

自己分析と企業研究の関係性

企業について知る前に、まずは自己分析をしておくことが大切です。なぜなら、自己分析をして価値観を把握しておかなければ、自分に合った企業かどうか判断できないからです。

つまり、自分に合った企業を選ぶためには、価値観と企業の社風を照らし合わせることが大切だといえます。徹底した企業研究だけでなく、自己分析も合わせて行うことが、自分に合った企業を選ぶためには必要です。

上記でダウンロードできるシートの自己分析の部分を埋めてみましょう。
企業選びに必要な自分の要素

自己分析で価値観を見つけておけば、その企業の理念に共感できるかどうか、自分がその社風に合っているかの判断ができます。また、自分の得意なこと、やりたいことを見つけておくと、企業選びに役立ちます。

しかし、就活生の中には、やりたいことが見つかっていない人もいるでしょう。その場合は、過去を振り返って、「やりがいを感じた経験」「喜びを感じた出来事」を深掘りしてください。

なぜ、その経験でやりがいや喜びを感じるかを分析すれば、自分に合った業界や職種が見えてくるでしょう。

「自己分析のやり方」について詳しく紹介している記事もあるので、参考にしてください。

STEP1:基本情報を調べる

基本情報は、企業研究の基礎になります。基本情報に含まれるのは、企業名、事業内容、代表の名前、経歴、企業理念、新卒の応募条件に加えて、業績推移や経営戦略です。基本情報も、企業の条件を比較する材料になります。

基本的には、インターネットで調べられる内容がほとんどです。企業の概要は、企業ホームページからわかります。応募条件に関しては、採用ページから得られるでしょう。

企業が採用ページを設けていない場合は、リクナビやマイナビなどの募集ページで情報収集してください。

企業ホームページで調べる

基本情報

企業概要ページに載っている内容から、基本的な情報を得ましょう。企業ホームページから拾うべき情報は、以上の項目になります。

設立年からは、その企業の基盤の強さがわかります。日経ビジネスによると、創業してから10年事業を続けられる企業は、6.3%です。

企業は、始めるよりも継続するほうが困難だといわれています。そのため、企業の歴史が長ければ長いほど、生き残れるだけの事業の強さがあるといえるでしょう

また、企業理念もきちんと把握しておくことが大切です。企業理念は、その企業が事業をおこなうにあたっての指針になります。企業理念に共感できれば、モチベーションをもって働けるでしょう。

採用ページで必ず確認すべきポイントは、「求める人物像」です。これに合わせて自己PRをおこなえば、高評価が得られる可能性が高まります。

嘘をついて無理に合わせる必要はありませんが、参考にして自己PRを作成することは、選考突破のカギとなるでしょう。

また、応募条件を調べておくと、他の企業と比べやすいです。応募条件に関しては、就職してからの生活にとって重要になります。手当や福利厚生などへの理解は、選考では聞かれませんが、最低条件を満たしているかどうかは企業選びに役立つでしょう。

IRページで見るべきポイント

企業の現状

企業に応募すべきかどうかを考えるには、経営状態も把握しておいたほうが良いでしょう。現在の売上推移や今後の経営戦略は、IRで発信されていることが多いです。安定性・将来性を把握するうえでも、企業の現状を知っておくことは必須だといえます。

事業が悪化していれば、入社後の業績悪化や倒産のリスクになります。その原因が明確であり、回復の見込みがあればそこまで気にしなくてもよいかもしれません。

IR(インベスター・リレーションズ)とは、上場している企業が株主や投資家向けに情報発信をする活動です。会社ホームページに、IR情報をまとめている企業もあります。

IRページでは、株主や投資家向けに直近の経営状態をグラフを用いて視覚的にわかりやすく表示しています。

IRページからは、現状の業績を知ることができます。しかし、理解できない内容もあるかもしれないので、隅々まで読む必要はありません。売上高の推移、営業利益、好調不調の要因、来期以降の経営戦略をできるだけチェックしてください

IRは、企業外部の株主向けに作られているため、かみ砕いて説明されています。前期と比べてのコメントや、好調不調の要因が書き加えられており、数字から読み取れない情報も説明されていてわかりやすい資料の場合が多いでしょう。

今後の業績見通しからは、経営戦略とそれに伴って生まれるであろう利益がわかります。IRページまでチェックすれば、現状と入社後の近い将来の業績まで把握できるかもしれません。

STEP2:業界での立ち位置を知る

業界での立ち位置を知ることは、その企業の強みや特徴の把握につながります。業界全体を見て、同業他社との違いを確認しましょう。

業界での立ち位置とは、企業が業界の中でどのような役割を担っているかです。そのためには、業界全体を俯瞰して、その中でどこに位置するかを把握しなければなりません。

業界の中でその企業が売上を占める割合や、他社と比べた強みから、業界内での位置づけを知りましょう。

「なぜその企業を選んだのか」の質問に回答するためには、企業の特徴や魅力を理解することが大切です。業界全体について把握し、同業他社と比較することで、その企業の業界での立ち位置を知りましょう。

業界研究をする

業界の現状

業界での位置づけを知るためには、全体を俯瞰する必要があります。業界全体について知るためには、業界研究をおこないましょう。

「業界研究」は、志望する業界の知識を得るためにおこないます。業界について知れば、それに属する企業の動向についても把握できるでしょう。

たとえば、志望企業の業績は問題なくても、業界としての先行きが不透明であれば、今後事業でつまずく可能性があるといえるでしょう。このように、業界全体の動向を把握しておくことは、志望企業の今後の把握にもつながるのです。

就活サイトの業界研究ページを見れば、業界の基本情報に加え、関連企業についても知ることができます。また、業界研究の本も多数出版されているので、具体的な情報を得るのに役立つでしょう。

業界研究では、業界の現状、成長性・安定性だけでなく、働き方も把握しましょう。マーケットの規模や各企業のシェアから、現状が把握できます。現状を把握しておけば、業界全体を俯瞰できるでしょう。

また、業界の成長性・安定性を知れば、その業界の将来性がわかります。もし、衰退している業界であれば、長期的に働くことは難しいため、成長性と安定性の把握は必要です。

成長性は、平均年齢から推定できます。業界の平均年齢が若ければ、成長性が高いといえるでしょう。また、売上高が高く、業界規模は大きければ、安定している業界といえます。

「業界研究ノートの作り方」について詳しく説明している記事もあるので、参考にしてください。

時間がない人におすすめ!
たった3分であなたの受けない方がいい職種が分かります

就活では、自分に適性のある仕事を選ぶことが大切です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまいます

そんな時は「適職診断」を活用して、志望する職業と自分の相性をチェックしてみましょう。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、ぴったりの職業を診断できます。

適職診断で自分の適性を把握しておき、就活を効率的に進めましょう。

診断スタート【無料】

あわせて活用したい!

AIを活用して自己PRを完成させよう!

同業他社と比較する

同業他社比較

企業の特徴や強みを把握するために、同業他社と比較してください。比較するポイントは、業態、企業規模、業界でのシェアです。

同業他社と比較することで、志望企業の強みや特徴が把握できます。その企業ならではのポイントを知れば、志望動機の「なぜその企業で働きたいのか」が明確になるでしょう。また、その企業の特徴が明確になれば、入社後のミスマッチも減らせます。

業態とは、商品の売り方やサービスの提供方法です。同じ業界でも、サービスの対象が違う企業もあるでしょう。サービス対象には、法人のBtoBと、消費者向けのBtoCにわかれます。

たとえば、同じ家具業界に属するメーカーでも、家庭向けもあればオフィス向けにわかれます。さらに、メーカーの場合は製品作りにおいて、一貫性のある理念がある場合も多いです。どのような価値観で製品づくりに取り組んでいるかは、各企業の特徴だといえます。

所有している商品の優位性を見出しておくことは有効です。志望動機に含めれば、「なぜその企業を志望するのか」の説得力のある理由になるでしょう。

また、同業他社と企業規模や業界でのシェアを比較しておくと、その企業の業績が明確になります。企業規模は、ひとつの企業だけ見ていても、大きいのかどうか判断できません。業界でのシェアから、業界の中での立ち位置も把握できるでしょう。

また、業界の中での優位性を知ることも大切ですが、弱みも把握しておくとよいでしょう。「他の企業と比べたときの欠点は何だと思いますか」と面接で聞かれる可能性もあります。

STEP3:事業戦略を知る

事業戦略

次に、事業戦略について調べましょう。事業戦略を知ることで、今後の企業の動向や、根付いている価値観の把握につながります。

事業戦略とは、それぞれの企業が持つビジョンやミッションを実現するための方針です。目標を達成するために必要なことを、戦略として確立します。また、事業戦略は、企業がその事業で戦い、勝ち抜いて行くために必須だといえるでしょう。

事業戦略は、過去の事業の変遷からもわかります。過去の事業から企業が何を軸としてその事業をおこなってきたのかは、事業戦略に通じるでしょう。また、今後の事業のビジョンがわかれば、それを実現するために必要な戦略の把握につながります。

企業の歴史から事業の変遷を調べる

事業戦略を知るためには、企業の歴史から事業の変遷を把握しておくことが有効です。企業のホームページから、創業時の事業内容、事業拠点の拡大、合併などを把握しておきましょう。

たとえば、創業当時の事業からは大きく内容を変えて成功しているのであれば、可能性がある領域には積極的に挑戦していく企業だとわかります。短期間で事業拠点を拡大していっているのであれば、事業を急激に大きくする事業戦略だとイメージできます。

どのように事業展開してきたのかがわかれば、その企業の本質的な価値観が見えてきます。事業拡大の流れを知れば、企業の考えに基づく方向性がわかるでしょう。歴史が長ければ長いほど、企業の価値観は、簡単に変わるものではありません。

過去の事業展開から、どのような方針で事業をおこなってきたかを知れば、社風の把握にもつながるでしょう。

今後の事業のビジョンを知る

企業研究では、過去と合わせて未来についても調べておきましょう。多角的に調べておくことで、より深い企業研究になります。今後の事業のビジョンとは、その企業が何を実現したいかです。実現したいことがわかれば、それに必要な戦略の把握につながるでしょう

今後の事業のビジョンを知るためには、企業ホームページやパンフレットに記載してある社長インタビューを見ると良いでしょう。

今後の事業のビジョンについて調べるときは、共感できるかどうかが重要です。自分の将来のビジョンとマッチしていることがベストだといえます。自分のビジョンとマッチしていれば、入社後もモチベーションをもって働けるでしょう。

STEP4:説明会やインターンで社風を知る

社風

インターネットで調べられる情報には限りがあります。社風を知るためには、説明会やインターン、OB訪問に参加してください。社風には、上記のポイントが含まれます。

意思決定の仕組みや、仕事の進め方、職場の雰囲気など、自分に合った企業かどうかの判断材料になるでしょう

社員の生の声を聞くことで、インターンネットや本では知り得ない情報まで得られます。社員から直接聞いた話は、信ぴょう性もあり、参考になるでしょう。

就活生に聞いた! 企業研究のコツ

企業研究のコツ

企業研究をする方法はさまざまありますが、その方法や、何を意識して情報を見るのかは人によって分かれるところでしょう。そこで今回は、企業選びをする際に重視していることを就活生の皆さんに聞いてみました。

多くの就活生が企業ホームページ(HP)だけでなくさまざまなサイトから情報を探したと回答

企業のHPだけでなく口コミサイトなどから幅広く情報収集したという回答が多数を占めました。

事業・業務内容だけでなく他の資料や口コミなどにも目を通している就活生が多くいるようです。基本的な情報は企業のHPで確認することができますが、会社の社会に対する影響や評判、経営の実情などは外部の調査などではじめて知ることができることもあります

その企業にとどまらない幅広い発信元からより多くの情報を集めておくと、より企業のことを理解することができるでしょう。

同業他社との比較を意識したという回答も多数

業務内容を確認するときは、同業他社との比較を意識しながら進めたという回答も多数集まりました。

企業の特徴を深く理解し、その企業ならではの魅力を見つけるためには同業他社と比較することが不可欠です。他にはない特徴はその会社の強みであり、それを見つけることこそ企業研究でもっとも重要ともいえます

企業研究の際は、ぜひこれらの視点も取り入れてみてください。

企業研究をおこなうときのポイント

企業研究をおこなうときのポイント

企業についてただ調べるだけが、企業研究ではありません。企業について時間をかけて調べたことだけに満足して、企業研究をしたと思い込んでしまう人もいます。

また、どのように調べるべきかわからず、インターネットで調べた情報だけで満足する就活生もいるでしょう。

しかし、時間をかけて調べるのであれば、就活に活かす必要があります。情報を調べて並べるだけでは、就活に役立つ企業研究だとはいえません。調べた情報をもとに、自分で考えて、判断することが必要です。また、不十分な調査も、就活には活かせないでしょう。

これからご紹介するポイントを押さえれば、ただ調べて終わりの企業研究にはなりません。浅はかな企業研究を避けるためのポイントもご紹介するので、参考にしてください。企業研究を就活に活かすために、企業の理解を深めていきましょう。

自分が求める「最低条件」を基準にする

企業研究の目的の一つに、自分に合った企業を選ぶ参考にすることがあります。自分に合った企業を取捨選択するために、条件が定まってないといけません。「最低条件」は、視野を広くもって企業選びををすることに役立ちます。

就活中は、自分の条件にこだわりすぎて、限られた企業にしか応募しない人もいます。しかし、視野が狭い企業選びは、本当に自分に合った企業を見逃してしまう可能性もあります。また、内定が貰えない就活生の特徴として、応募企業が少な過ぎることもあります。

最低条件だけだと、選択肢が多すぎると感じるかもしれません。その場合は「最低条件」と合わせて「理想の条件」も決めておくと、さらに自分に合った企業を選ぶのに役立つでしょう

理想の条件を決めておけば、最低条件を満たしている企業の中から本当に就職したいと思える企業を絞り込めます。

就職先に求める条件のうち、絶対に外せないのは最低条件です。最低条件と理想の条件の間に当てはまる企業から、応募先を決めると効率的だといえます。

自分の可能性を狭めないためにも、「最低条件」を基準にして、視野を広くもって就活を進めましょう。

最低条件の例

  • 生活に必要な給料がもらえる
  • 志望する業界の仕事ができる
  • 完全週休二日制

なるべく複数のツールを使って調べる

就活では、多角的に調べることが、有益な情報を得るためのコツです。多角的に調べて複数の企業を比較すれば、「就活の軸」を定めるのに役立つでしょう。

それぞれのツールで、調べられる内容は限られています。そのため、一つのツールだけで調べていては、企業研究の情報収集としては不十分です。自分が欲しい情報によって使うツールを変えると効率的に調べられるでしょう

たとえば、インターネットは、基本的な情報を手軽に調べることができます。口コミサイトから、社員の意見も得られますが、誰でも書き込めるサイトでは、信ぴょう性がありません。

一方で、OB訪問や説明会で直接質問すれば、信ぴょう性のある社員からの「生の声」は得られるでしょう。

調べる方法が限られていれば、得られる情報にも偏りがでます。広い視野で企業理解を深めるためには、多角的に調べることが必要です。

企業研究で使えるツールと得られる情報

  • 企業ホームページ:基本情報(理念、事業内容、従業員数など)
  • 口コミサイト:実際に働く社員の率直な意見
  • OB訪問や説明会:社員の生の声が直接聞ける

将来の展望まで調べる

将来の展望まで調べて、そこに共感できるかどうかで長く働き続けられるかが変わります。就活は、自分の将来を左右する選択を強いられます。時間と労力をかけて就活をするのであれば、やりがいを持って働ける企業に就職したいと考えるでしょう。

企業で長く働き続けられるかどうかは、自分の実現したいこととその企業でできることがマッチしているかが重要です。企業のゴールと自分の目的がマッチしていれば、モチベーションをもって働き続けられるでしょう。

今後の展望を調べるためには、企業のホームページなどに掲載されている社長インタービューを確認すると良いでしょう。または、説明会やOB訪問で直接質問してもわかるかもしれません。

企業研究では、将来の展望まで調べておけば、自分の将来のビジョンと合った企業を選ぶことができます。

就活生に聞いた! 企業研究で重視すること

企業研究で重視すること

自分の将来を大きく左右する就活において、就活生の皆さんはどのような基準でエントリーする企業を選んでいるのでしょうか。今回は、企業選びで重視していることを就活生の皆さんに調査しました。

将来像とのマッチや興味を重視するという回答が大多数

集まった回答の多くは、思い描く将来像につながったり、面白いと感じられる仕事内容かを重視しているというものでした。

企業研究で得た情報と自分の興味関心・キャリアプランと照らし合わせ、それが実現できそうな会社を選ぶ就活生が多いようです。このためには、自己分析と企業研究でしっかりプランを準備しておく必要があります

自分の興味や関心のある事業・職種にはいくつかの企業が当てはまることでしょう。

そこから、事業の進め方や、実現できるキャリアの進め方、若手社員の裁量など、企業ごとに違いが出る部分まで企業研究を突き詰め、本当にやりたいことができる場所を見つけることが大切です。

福利厚生や条件などを重視する回答も

一方、福利厚生や勤務地などの就業条件を重視するという声も寄せられました。

企業を選ぶ際は、福利厚生もしっかり確認しておくことで、働き方に対するギャップも減り、安心して入社することにつながります。その一方で、いくら条件がよくても全く興味がない仕事であれば、長く続けることは難しいでしょう。

企業研究では、仕事内容だけでなく、福利厚生やワークライフバランスについて各企業の特徴やメリット・デメリットを比較してから選考に臨めるように調べておくことが大切です。企業研究をした結果、福利厚生面で志望の順位が変わるということも大いにあり得るでしょう。

ただし、志望動機に複利厚生面など条件的なものを含めると、「より良い条件なら他の会社に行ってしまう」と思われるため、アピールの際には注意が必要です。

企業研究で役立つサイト

企業研究には、企業のホームページ以外のサイトをチェックしておくことも大切です。企業のホームページでは、掲載されている情報は限られています。企業にとってアピールしたくない情報は、記載されていません。

つまり、企業のホームページのみチェックしているだけでは、不十分だといえるでしょう。第三者の目線で書かれたサイトまで確認しておくことで、多角的な情報収集になります。

ここでは、企業研究に役立つサイトを紹介します。企業研究をおこなう際に、参考にしてください。

口コミサイト

口コミサイトは、率直な意見を知ることに有効です。実際に働いている社員、過去に働いていた人が書き込めるのは、口コミサイトです。

口コミサイトは、匿名で意見を書き込めます。つまり、企業にとってプラスの内容もマイナスなイメージも書き込まれているのが、口コミサイトです。そのため、企業がアピールしたいこと以外の特徴までわかるでしょう。

職場の雰囲気だけでなく、勤続年数と年収が掲載されているサイトもあります。そのため、入社後の昇給率もイメージできるでしょう。

下記にいくつか参考にできるサイトを紹介しているので、確認してみてください。

特化型の情報サイト

特化型の情報サイトは、効率的な情報収集に有効です。外資、広告、ベンチャー、体育会系などの特化型情報サイトがあります。

自分に必要な情報に絞られて提供されているため、企業について他のサイトでは知り得なかった内容まで調べられるかもしれません。特化型の情報サイトでは、そのジャンルに属する企業の情報も詳しく書かれているため、企業研究にもつながります

特化型の情報サイトでは、幅広い業界を扱っているサイトよりも、ターゲットが絞られているため、詳細に説明されています。

たとえば、外資系に特化したサイトを見れば、他のサイトでは一つの見出しでしか書かれていない内容が、独立した記事として書かれているかもしれません。

特化型のサイトでは、独自のイベントも開催されています。ターゲットを絞って開催されているイベントに参加すれば、効率的に有益な話を聞けるでしょう。

また、過去のESや志望動機が掲載されている場合もあって、参考になります。過去のESなどを参考にすれば、業界でアピールすれば評価される特有のポイントなどもわかるでしょう。

特化型の情報サイトで自分が志望する業界や企業について、より詳細に知れば、企業研究を深めることができます。

企業研究で参考にしたい本

ここからは、企業研究の参考になる本をご紹介します。本で調べるメリットとしては、情報に信ぴょう性があることです。インターネットは、匿名で書き込めることもあり、信ぴょう性に欠ける場合もあると覚えておきましょう。

また、本では、ただ情報を列挙するだけでなく、分析した内容もまとめられているため、自分で調べるよりも効率的な場合もあります。本は、専門的な知識のある人が著者として意見をまとめているため、参考になる部分も多いといえるでしょう。

就職四季報2023年版

効率的に企業研究を進めるためには、「就職四季報」を参考にしましょう。1ページあたり1~2社の情報が集まっていることが特徴です。企業サイトを一つ一つ検索するよりも、一つの本で調べられるので効率的だといえます

同シリーズの中には、ターゲットを絞ったものもあります。優良中小企業版や女子版等もあるので、自分の志望企業があてはまる場合は、参考にしてみましょう。

この本では、企業研究に活かせる下記のポイントがまとめられています。企業のホームページで調べられる情報以外もまとめられているので、さまざまなサイトを検索するよりも効率的だといえます。

企業研究に活かせるポイント

  • 企業理念
  • 3年後の離職率
  • 有給消化率
  • 平均年収
  • 月の残業時間
  • 求める人物像
  • 売上高と営業利益
  • 選考ポイント
  • 記者評価

「会社四季報」業界地図 2023年版 

企業研究をする上で、業界研究も合わせて行うことが大切です。業界の業績によっては、属する企業の将来性も左右されるからです。業界地図は、業界についてざっくりと理解するための情報が書かれています

会社四季報」業界地図 2023年版 は、類書でシェア7割を占めています。また、10年連続売上No.1なので、多くの人から支持されてきた「業界地図」だといえるでしょう。

2023年版では、コロナで世界の業界地図がどう変わるのかが一冊で丸わかりになる内容になっています。173業界、4040社の現在、未来が徹底解説されているため、業界理解が深まる内容です。

東洋経済新報社の「業界地図」の特徴としては、業界の最新情報が一目でわかることです。また、情報がカラフルに書かれているため、読みやすいでしょう。

この本でわかる内容

  • 業界の基礎知識
  • 業界の動向
  • 業界に属する企業
  • それぞれの企業のシェアの割合
  • 業界を見るポイント

図解でわかる時事重要テーマ100

就活の選考では、社会への関心を問われることがあります。時事問題について質問されたときに焦らないように、事前に把握しておくと良いでしょう。

企業研究では、時事問題から志望企業が属する業界のトレンドを把握しておくことも必要です。面接で聞かれた際に、うまく答えられなければ、業界への関心が薄いと思われます。そのため、自分の志望する企業が属する業界に関する時事は、選考対策として押さえておいたほうが良いでしょう。

図解でわかる時事重要テーマ100」では、「国際社会」「国内政治・行政」などの9章で編成されています。就活の筆記試験だけでなく、業界・企業研究に役立つようなテーマが含まれます。新聞などを読むのに役立つテーマも掲載していることが特徴です。

特に、話題を集めているテーマは、第1章「重要テーマセレクト10」で紹介しています。「世界の政治情勢」「菅内閣」「新型コロナウイルス感染症」「進むオンライン化で変わる働き方」「SDGs」「気候変動・気候危機」「5G」などです。

「そもそも」の内容から、かみ砕いて説明しています。要点を中心にまとめたシンプルな解説なので、スピード理解できます。また、豊富な図やイラストで解説されており、馴染みが薄い業界に関してもわかりやすい本だといえるでしょう。

就活生に聞いた! 企業研究で使って良かったツール

企業研究で使って良かったツール

就活は情報戦だといわれるほど、いかに企業の情報を収集しそれを役立てられるかが重要になりますが、就活生の皆さんはどのような方法で企業研究をしているのかが気になるところです。

ここでは就活生の皆さんに聞いた企業研究で使ってよかったツール・調べ方を聞いてみたので、ぜひ参考にしてみてください。

企業のホームページ(HP)が一番役に立ったという回答が多数

さまざまなツールがある中でも結局企業のHPが一番役に立ったという回答が多く寄せられました。

企業のHPでは、企業の現状や情報を知れるだけでなく、社長からのメッセージなどで、どんな人材を求めているのかなど、応募するうえでのヒントとなる情報も得ることができます

投資家・株主向けの情報なども収集しているという声も多く、隅々まで目を通すことで、基本的に学生の多くが知りたいことはほとんど得られるのではないでしょうか。

口コミサイトを活用したという声も多数

企業HPの他には、口コミサイトを利用したことが企業研究するうえで特に良かったという回答も多数集まりました。

企業HPには載っていないような、会社の内側がわかる生の声や、選考の実態がわかる就活生の口コミを活用している就活生が多いようです。企業HPと口コミサイトを組み合わせて、さまざまな視点から企業を見つめることが大切だといえます

調べる以外の企業研究の方法

ここまで、企業研究に役立つサイトや本など、いわゆる調べるためのおすすめのツールについて紹介してきました。しかし、企業研究の方法は調べるものだけでなく、実際に足を動かし、自ら体験することで企業への理解を深める方法もあるのです。

ここでは、調べる以外の企業研究の方法について紹介していきます。ぜひ参考にして企業研究に取り入れてください。

説明会

説明会に行くことで、選考を受けるために必要な情報を効率的に収集することができます。個別の企業説明会だけでなく、合同説明会や就活イベントも多く開催されているので、まとめて多くの企業の情報に触れて、複数の企業を比較することがポイントです。

さらに、説明会には何人もの社員が参加しているので、社員の雰囲気を選考に先駆けていち早く見ることができたり、直接質問ができるチャンスもあります

インターン

企業が開催するインターンに参加することでも企業研究をするうえでも大切でしょう。インターンは、1日や数日間で終わる物から1か月以上通う長期のものまでさまざまありますが、説明会に比べてより踏み込んだ企業の情報を得ることができます。

実施期間によって、あるいは企業によって内容はさまざまですが、グループワークや就業体験を通して、社員と交流しながら実際の業務を理解できるプログラムが用意されているので、仕事について学びつつ、職場の環境や雰囲気をその目で確認することができます

企業研究をして自分に合った企業に就職しよう

企業研究は、就活に大きな影響をもたらします。企業研究は、自分に合った企業を絞り込むことにも、志望動機に説得性をもたせるのにも有効です。

就活では、広い視野を持つことが、自分の可能性を狭めないためのカギになります。企業研究においても、複数のツールを使い、「過去・現在・未来」の視点から調べましょう。多角的な視点で企業分析を生おこなうことが、より深い理解につながります。

就活での企業選びは、自分の今後の人生に大きくかかわるでしょう。自分に合った企業に出会えるまで、粘り強く企業研究を続けましょう。

企業研究に関する調査

  • 調査方法:ポート株式会社が運営する企業口コミサイト「就活会議」会員へのダイレクトメール
  • 調査日:2022年4月15日~18日
  • 調査元:「就活の未来」を運営するポート株式会社
  • 調査対象者:23卒・24卒の就活会議会員の78人

情報収集方法に関する調査

  • 調査方法:ポート株式会社が運営する企業口コミサイト「就活会議」会員へのダイレクトメール
  • 調査日:2022年8月24日~29日
  • 調査元:「就活の未来」を運営するポート株式会社
  • 調査対象者:23卒・24卒の就活会議会員の109人

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

記事についてのお問い合わせ