業界研究

【鉄鋼業界の現状・課題・将来性】主要企業5社もご紹介

鉄鋼業界の業界研究

鉄鋼業界への就職を目指すのであれば、業界の今後の展望などについて知っておくことが大切です。鉄鋼業界は国内でも大きな産業ですし、日本が世界に誇れる産業のひとつでもあります。事業規模の大きさなどから就職を目指す人も多いですが、業界の理解をしっかり深めておかなければ選考を勝ち抜くことはできません。

仮に就職できたとしても、理想と現実のギャップに苦しんでしまう場合もありますので、就職前にしっかりと業界についての理解を深めておくことが大切です。業界についての今後の展望や課題などを知っておくことでギャップが埋められるだけではなく、就活でも有利に働きます。鉄鋼業界についての理解を深めて、就活を成功させましょう。

鉄鋼業界の現状

鉄鋼業界について知るためには、まずは業界の現状を知っておくことが大切です。現状を正しく理解しておかなければ今後の展望や課題についても理解を深めることができませんし、業界そのものを知ることもできません。

現状を知ることは業界研究の基本の部分でもありますので、基礎から学んでいくことが大切です。現状を知ることで見えてくる展望や課題もありますので、まずは現状を正しく理解して、鉄鋼業界がどのような状況にあるのかを知っていきましょう。

市場規模

平成28年度の経済センサスによると、鉄鋼業界の市場規模は2015年で国内総出荷額17兆8,419億72百万円となっています。市場規模は巨大であり、国内でもかなり規模の大きい業界となっています。業界規模は景気の影響などを受けて大きく拡大縮小を繰り返しており、現在は横ばい、あるいは若干の縮小傾向です。国内だけではなく、世界の経済の影響も受けやすいのが鉄鋼業界の特徴だと言えます。

業界全体の従業員数は2016年時点で209,748人であり、これも他業界と比較して多いです。鉄鋼業界は市場規模も大きく、従業員数も多い業界であり、国内でも重要な産業です。景気による影響は大きいですが、規模の大きさから就活生からの人気は依然高い業界だと言えます。

日本経済を支えている

経済産業省の「鉄鋼業の現状と課題」によると、製造業全体のGDPにおける鉄鋼業の割合は7.2%であり、金額にして6.4兆円となっています。製造業は国内産業でも主要な産業ですし、そのうちの約7%を占めている鉄鋼業の規模はかなり大きいと言えます。また規模が大きいだけではなく、占める割合が大きいことで経済に与える影響も大きく、鉄鋼業界は日本経済を支えている業界です。

鉄鋼業界は景気による影響を受けやすい業界ですが、日本経済を支える重要な産業ですので、不景気でもいかに持ちこたえることができるかが求められています。鉄鋼業界の売上の減少は、そのまま日本経済の衰退にもつながってしまいますので、日本経済の成長を考える上で重要視されている業界です。

海外事業の競争激化

国内の業界にはさまざまな企業がありますので、企業間での競争があり、業界によっては競争が激しい場合もあります。鉄鋼業界でも企業間での競争はありますが、競争が激化しているのは国内ではなく、海外事業です。中国・韓国メーカーの価格戦略や技術力向上などにより競争が激化しています。

中国メーカーは規模が大きく膨大な生産量を誇っており、世界でのシェア率も急速に上昇しています。生産量を活かした低価格の事業展開に強みがあり、シェア率は依然拡大を続けている状態です。一方で韓国メーカーは高い技術力に強みがあり、日本の鉄鋼業界を圧迫しています。海外事業における競争の激化にさらされており、国内外で競争が繰り広げられています。

鉄鋼業界の業界研究を効率的に進めよう

鉄鋼業界で働きたいという就活生は、仕組みや各企業について把握することが大切です。業績推移や各社の強みを知っておくことで、「この企業でなければならない」という入社意欲を志望動機に反映させることができるでしょう。

そこでおすすめなのが「素材業界大研究Book」です。鉄鋼、非鉄金属、ガラス、セメント、紙・パルプ、繊維を網羅しています。無料でダウンロードできるため、効率的に業界・企業研究を進めたい就活生におすすめです。

鉄鋼業界の主要企業5社

鉄鋼業界への就職を考えているのでしたら、日本における鉄鋼業界の主要企業について知ることが大切です。鉄鋼資材は、建物をはじめ飛行機や自動車、身近な家電までにも使用されています。鉄鋼資材や製品の生産、研究開発を行っている鉄鋼業界では、あらゆる場面で活躍が期待されるものたちが日々作り出されています。

鉄鋼業界に君臨している企業の中には、鉄鋼資材の生産や研究開発だけでなく、環境への配慮も行っている企業が多く目立ちます。現在の日本の鉄鋼業界にはさまざまな企業が存在しますが、鉄鋼業界の主要企業にはどのような会社があるのでしょうか。ここでは、日本における鉄鋼業界の主要企業5社をピックアップして見ていきます。

新日鉄住金

新日鉄住金(しんにってつすみきん)は、船舶や建築産業機械、橋梁などに用いられる厚板や、建築物やトンネルなどに用いられる薄板などの資材を生産している企業です。他にも電子機器(回路基板)やモーターに用いられるステンレス鋼板も供給していて、幅広い製品を生産している大手企業です。高度解析技術や数理科学の基盤研究にも取り組んでいるため、就職後は視野や見解を広げられるでしょう。新日鉄住金は、企業の向上努力を感じられる、日々進化を続ける企業だといえます。

JFEHD

JFEホールディングス株式会社は、JFEグループの鉄鋼事業の分野にあたる企業グループです。エネルギーや資源リサイクルの技術などの幅広い分野にも力を入れていますから、社会貢献にも目を向けた素晴らしい企業だといえます。JFEグループの企業行動指針には10個の項目があげられています。その中には「グローバル化」「地球環境との共存」「人権の尊重」「働きがいのある職場環境」などもあります。事業の発展だけではなく、社会との関わりも大切にしていることがうかがえます。

神戸製鋼所

神戸製鋼所は、技術開発本部など、研究や開発、技術の向上にも力を入れている大手企業です。自動車端子・コネクタ用銅合金や凡用圧縮機などの製品が国内トップクラスのシェアということも神戸製鋼所の特徴や魅力ではないでしょうか。神戸製鋼所は、日本だけはなく、中東やヨーロッパなど海外にもグループ企業があります。また、子会社のMidrexTechnologies,Inc.が独自に開発した製鉄プロセスが世界トップの実績を誇るなど、今後の動きに期待できる企業だといえるでしょう。

日立金属

日立金属は、昭和31年に設立された歴史と実績のある大手企業です。その歴史の中で、確かな実績を作り出して顧客や世の中のニーズに的確に応えてきたからこそ、日立金属はここまで発展したのでしょう。日立金属は「特殊鉄製品」「磁性材料」「素形材製品」「電線材料の製造と販売」の事業を展開しています。また、日立金属は日本だけではなく中国やアメリカにも拠点を置いていますので、かなりのグローバル企業だと言っても過言ではないでしょう。

日新製鋼

日新製鋼は、ステンレスなどの薄板に特化した大手企業です。1908年から始まった長い歴史の中で、日々技術や製品を磨き進化してきた企業であるといえるでしょう。日新製鋼は、ガスワイピング(YG)法を開発したりと、技術力の面でも素晴らしく躍進しています。日々、製品や技術力への研究や探究に力を入れている企業です。また、日新製鋼は世界各地で技術援助や合弁事業の展開を進めているようです。日新製鋼が出資している企業は海外に13社ほどあり、日本だけにとどまらない事業の広がりを見せています。

鉄鋼業界の課題

鉄鋼業界の課題を考えていきましょう。鉄鋼業界にはさまざまな課題があり、それをいかに解決していけるかが今後の業界成長を握るポイントです。課題を知っておくことで、業界についての知識や理解も深まりますし、課題から推測して就職するために必要な能力などを考えることもできます。業界の課題を知っておくことで、業界への興味・関心の高さもアピールでき、選考でも有利になりますので、鉄鋼業界の課題について知っておきましょう。

グローバル化

鉄鋼業界の課題としては、グローバル化が挙げられます。鉄鋼業界では海外事業での競争が激化しており、競争をいかに勝ち抜いていけるかが重要です。競争に敗れてしまえば企業としての売上は減りますし、業界としての規模も縮小してしまいます。鉄鋼業界は日本経済を支える存在でもありますので、業界規模の縮小は日本経済の衰退にもつながります。

日本経済を成長させるためにも海外での競争を勝ち抜くことが重要視されており、競争力を高めることが大切です。競争力を高めるために海外メーカーと協力し、世界展開も活発化しています。海外メーカーとの協力の中でいかに日本企業の存在を発揮できるかが重要であり、日本の技術を活かした世界展開が今後の課題でもあります。

再編・統合

鉄鋼業界では再編・統合の動きが高まっており、生産効率を高めるため、国内外で合併・業務提携が活発になっています。鉄鋼業界においては事業規模が大きいことは競争力の高さにつながりますので、いかに企業規模を大きくできるかが重要です。世界の鉄鋼市場では中国メーカーの台頭が著しいですが、中国メーカーの強みは巨大な事業規模です。

中国メーカーに対抗するためには、事業規模を拡大する必要があり、各社で規模拡大に向けた動きが繰り広げられています。競争力を高めるために規模を拡大するだけではなく、技術力の向上を目指す企業も多いです。合併や業務提携は規模の拡大だけが目的ではなく、技術力の向上も目的ですので、それらが達成できるかも課題となっています。

環境問題

鉄鋼業界では環境問題も大きな課題となっており、環境に配慮した技術の開発などに力が注がれています。鉄鋼業界以外でも環境問題を重要視している企業は多いです。しかし鉄鋼業界の場合は他業界に比べて業界規模も大きく、扱うエネルギー量も多いので、特に環境への配慮が必要です。

地球温暖化防止への取り組みは、エネルギーを大量に扱う鉄鋼業界では必須条件であり、競争力を高めながらも環境問題をクリアできる技術の開発が課題になっています。高い技術力があっても環境に配慮されたものではなければ意味はありませんし、企業としての信用を失う可能性もあります。環境問題は鉄鋼業界にとっては重要なものですので、そこをいかにクリアするかが今後の課題です。

鉄鋼業界の将来性

就職先を決めるときには、業界の将来性を知っておくことも大切です。現状が好調であっても将来性がなければ長く続けることは難しいですし、将来的な待遇や労働環境が悪くなってしまう可能性もあります。仕事を長く続け、より良い環境で働くためには将来性があるかどうかを知っておくことが大切であり、将来性を知ることは業界を理解する上でも大切なことです。鉄鋼業界の将来性を知り、本当に就職してもいいのか、長く続けることができるかを考えていきましょう。

優れた技術力

鉄鋼業界は海外での競争が激化しており、世界市場の多くのシェアは中国メーカーが握っています。鉄鋼業界では規模の優位性が発揮されますので、規模の大きな企業はそれだけで高い競争力を発揮することができます。日本のメーカーは規模でこそ負けている部分も多いですが、優れた技術力によって競争を勝ち抜いている企業も多いです。

日本メーカーの強みは技術力の高さであり、高度な技術が必要な特殊鋼材の分野では日本メーカーが主体となっています。鉄鋼市場全体で見れば中国メーカーなど、その他の海外メーカーが上位にいますが、特定の分野においては日本が高い競争力を発揮しています。高い技術力を活かして海外でも活躍している企業は多く、将来性は高いです。

世界需要増大

鉄鋼業界の将来性は世界需要増大にも現れています。国内では需要は伸び悩み、国内売上が減少している企業も多いですが、世界的には鉄鋼需要は伸びています。そのため国内ではなく海外に目を向ける企業は多く、海外事業を積極的に展開することで高い売上高を確保している企業は多いです。

海外事業は競争率も高いですが、日本メーカーは激しい競争にも負けないだけの技術力を持っていますし、厳しい競争を勝ち抜いている企業もたくさんあります。特定の分野では日本メーカーが大きく活躍していますし、日本の技術力は世界でも認められています。国内需要は減少傾向ですが、それを上回って世界的な需要な拡大しているので、今後もさらに海外展開を進める企業は多いでしょう。

環境問題への評価

日本の技術力は世界的にも評価されており、技術力の高さが日本メーカーの競争力を支えています。鉄鋼の品質についての評価も高いですが、それ以外では環境問題への評価も非常に高いです。鉄鋼業界は環境問題に配慮して技術力を向上する必要があり、日本メーカーは世界最高水準の省エネ技術で環境対策に取り組んでいることが高く評価されています。

環境問題への配慮は国内だけではなく、世界的にも重要視されていることであり、環境対策技術は世界でも求められることが多いです。日本の技術は世界でも高く評価されており、その技術を求める企業はたくさんあります。世界で認められている企業も多く、活躍できるだけの実力を持った企業も多いので、世界展開も将来性が高いと言えます。

鉄鋼業界に関連する業界

ステンレスやアルミ、またはチタンや建材などの「鉄鋼資材」は、私たちの日常生活の中のありとあらゆるものに使われています。家電や棚などに使用されているステンレスやアルミなどの資材を数え上げたらキリがないでしょう。鉄鋼業界は私たちの生活の中に必要不可欠であり、なくてはならないものです。そんな鉄鋼業界と関連のある業界には、どのようなものがあるのでしょうか。3つの業界についてみていきましょう。

建設業界

鉄鋼製品や資材は、建設業界に欠かせません。厚材や建材など、建築物を作る上でこれらの資材は必要不可欠です。建設業界と鉄鋼業界は、切り離せないものだと考えられます。2020年に開催される東京オリンピックに備えて、さまざまな建造物や施設の建設ラッシュとなった今日では、より一層、鉄鋼製品や資材の需要が高まっています。現在では、以前以上に耐震性や強度が優れた資材を求められるので、鉄鋼業界は日々進歩を進めることが重要となるのでしょう。

海運業界

海運業界における鉄鋼業界との関連は、造船の際に使用される鉄鋼製品の供給と、海洋資源の開発に用いられる機器に使用される鉄鋼製品の供給などです。海運業界では、常に船舶の安全性と環境への配慮が求められます。そのため、鉄鋼業界における鉄鋼への研究や開発は、欠かせないものであるといえるでしょう。

鉄鋼業界のほとんどの企業が、環境問題やエコロジー事業に取り組んでいるのも、こうした各業界での環境への配慮だったり理念があるからなのではないでしょうか。鉄鋼業界への就職を考えている人は、こうした活動にも目を向けるともっと深い事業内容が見えてくるでしょう。鉄鋼業界は、一言で鉄鋼資源の生産や供給という言葉で片づけてしまうのはもったいない業界です。こうした海運業界とも関連があり、活躍している業界ですから、鉄鋼業界はかなり奥が深い業界ではないでしょうか。

自動車業界

自動車業界と鉄鋼業界は切っても切れない関連性があります。自動車にはさまざまな鉄鋼資材が使用されています。鉄鋼業界が存在しなければ、自動車を作ることもできませんから、この2つの業界の関連は必須です。自動車には、安全性はもちろんのこと、事故の際にしっかりと人間を守れるように、より強度のあるものや鉄鋼資材の軽量化なども求められるため、鉄鋼業界のさらなる進化が望まれます。

そのためにも、鉄鋼業界の各企業は日々研究と開発を重ねているのです。とくに自動車産業や自動車業界において、顧客や世の中のニーズは猛スピードで変化しているため、鉄鋼業界の鉄鋼資源や企業の技術力への期待も常に高まっています。鉄鋼業界への就職に関心のある人は、自動車業界の仕組みも見てみるといいでしょう。2つの業界の関連性や、鉄鋼資材の供給について知っておくことで、より鉄鋼資源や鉄鋼業界について知見が広がります。

鉄鋼業界は日本経済を支える重要な業界

鉄鋼業界は就活生に人気の業界ですので、就職するためには業界についての理解を深めておくことが大切です。業界について知らなければ選考を勝ち抜くことはできませんし、志望企業に就職することはできません。業界を知り、理解を深めることで選考に必要な情報を身に付けることができますし、志望度の高さをアピールすることができます。

鉄鋼業界は人気ではあるものの、業界についてはあまり知られていないことも多いので、徹底的に業界研究をおこなうことが大切です。業界の現状を知れば課題が見えますし、課題を知ることで将来性を知ることができます。鉄鋼業界は日本経済を支える重要な産業であり、将来性の高い業界でもありますので、しっかりと対策して就職を目指しましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也
(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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