職種研究

ホテルフロントの志望動機|6つの例文とポイント・NG例を紹介

ホテルフロントについて

ホテルのフロントは、顧客と直接関わり快適な宿泊サービスを提供することが仕事です。そのため、ホテルの顔といっても過言ではなく、企業の印象を左右する大切なポジションです。

フロント業務は、身だしなみに気をつかうことはもちろん、正しい言葉遣いや英語力などの高いコミュニケーション力とさまざまな語学力が求められます。

この記事では、そんなホテルのフロントの志望動機を作成する際に、参考になるポイントや注意点を例文を参考にご紹介します。

ホテルフロントの主な業務内容

ホテルのフロント業務は、主に宿泊している顧客の管理や鍵の受け渡し、ホテル内や周辺地域の案内業務をおこなうことです。

顧客の管理は、ホテルを利用する日程や人数、部屋の種類などの予約手続きをおこなったり、チェックインやチェックアウトの際に鍵を受け渡し、顧客情報をコンピュータなどで管理したりする業務です。

また、ホテル内の施設案内はもちろん、周辺地域や観光スポットなどの案内業務をおこなうことも少なくありません。この他にも、交通機関のチケットを予約したりモーニングコールをおこなったりするなど、顧客の希望に沿った柔軟な対応が求められます。

志望動機を書く際のポイント

履歴書やエントリーシートなどの書類には、なぜその企業への入社と希望するのか、という志望動機を書く機会が多くあります。書類の志望欄は必ず企業の担当者が目を通す箇所であり、書いてある内容も大変重視されます。志望動機にどのようなことが書かれているとよいのか、その書き方を知っておくことが大切です。

ここではポイントとなる「職業全体の中でフロントという仕事を希望する理由」と、「なぜこのホテルを志望するのか」についてフォーカスしていきますので、詳しくみていきましょう。

なぜホテルフロントを志望しているのか

企業の求人では、現在人材が必要な部署の仕事を中心に募集をかけています。新卒の場合は特別で、まず企業に就職することが最初で、研修後に適正と希望を元に配属先が決まることが多いです。

ホテルのフロント係を志望しているなら、その熱意を企業にアピールする必要があります。なぜホテルのフロントという仕事を希望しているのか、という応募者の志望動機は最も採用担当者が知りたいことといっても過言ではありません。そのため、ホテルフロントを志望するに至ったエピソードを具体的に書くことができるかどうかがポイントといえるでしょう。ありきたりな志望動機では他の就活生との差別化ができないため、自分らしい志望動機を考える必要があります。

他社ではなくこのホテルを選んだのはなぜか

日本国内には、かなりの数のホテルがあり、そのホテルを経営する企業も多数あります。企業の採用担当者は、数ある企業とホテルの中から、「なぜうちのホテルを選んだのか」という明確な理由が知りたいのです。ここでは、就活生がいかに普段から企業の研究をしているかどうかの真価が問われるともいえるでしょう。

その企業やホテルを選んで応募した理由は、特別で難しい内容でなければならないということはありません。自分なりにそのホテルに対して感じていることや、調査した際に分かった内容を素直に表現することが最も大事なことといえます。自分なりにその企業に対して感じたことを志望動機に自然に入れ込んで、少なくても一つ以上はその企業の良い点をあげるようにしましょう。自社を評価されることはプラスのイメージですので、採用担当者も悪い気持ちにはならないはずです。

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ホテルフロントの志望動機例6選

次に、ホテルのフロントの志望動機を作成する際に、参考にして欲しい例文を6パターンに分けてみていきましょう。

志望動機の例文①

私は以前、貴社のホテルを利用したことがあります。その時、途中で具合が悪くなったためフロントで近くに薬局がないかたずねました。すると、パソコンで調べて薬局までの地図をプリントアウトしてくださり、さらに付き添いを名乗り出てくださいました。私はそのフロントの方の丁寧で親身な対応に強く感動し、素晴らしい志を持った企業だと思いました。今でもその感動を忘れておらず、素晴らしい接客で人を感動させられるような仕事ができるのは貴社しかないと思い、志望しました。

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「なぜその企業を志望したのか」という理由を中心に書いた志望動機の例文です。実際にホテルを利用した経験を基づいた自分の意見を述べることで、その企業の経営理念や志を評価していることが読み取れます。また、入社後の理想像が企業の従業員の在り方と一致していることにより、企業に適性の高い人材であることが分かります。

志望動機の例文②

私は、自分の持つ能力をフロント業務に活かしたいと思い、貴社を志望しました。学生時代は、生徒会役員で書記係をしていたので、予約手続きや顧客のデータ管理の作業には自信があります。また、テレフォンアポインターのアルバイトをしていたことがあり、その時に鍛えられたコミュニケーション能力と案内能力は、フロント業務においても強みになると思っています。もし入社することができたら、ただマニュアル通りの対応をするだけでなく、さまざまな状況に応じた柔軟な対応を心がけていきたいです。

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「自分のどのような能力が活かせるか」にフォーカスした志望動機の例文です。生徒会役員で書記係をしていた経験により、顧客1人1人の情報を正確に管理するフロント業務への適正を示すことができます。また、言葉で顧客を案内するテレアポの経験により、優れたコミュニケーション能力の持ち主であることをアピールできます。

志望動機の例文③

私は将来、いろんな人とコミュニケーションがとれるグローバルな人材になりたいです。フロント業務は、海外の利用客と接する機会も多いことから、正しい日本語はもちろん英語のスキルも必要だと思います。私は学生時代、英語のスピーチコンテストで優勝した経歴があり、その経験を通して英語を話すことの楽しさを学びました。もし入社することができたら、さらなる英語スキルの向上に努め、英語で道案内や日本の文化を説明できるような人材を目指し、精進いたします。

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「入社後、どのような働きをしたいか」が具体的に書かれている志望動機の例文です。漠然としたイメージではありますが、フロント業務において英語力が強みであることを理解できており、業界研究をおこなっていることがうかがえます。さらに今後も意欲的に学んで、企業に貢献する姿勢を見せることで、採用されやすい文章だといえるでしょう。

志望動機の例文④

私は、学生時代のアルバイトで、コンビニエンスストアと本屋で接客をした経験があります。コンビニでもアルバイトでは、お客様への言葉遣いや正確に処理する方法、そして臨機応変に接客するということを中心に学ぶことができました。また本屋でのアルバイトでは、お客様から聞かれたときの対応方法や丁寧に対応することの大切さなどさまざまなことを身に付けることができました。
ホテルのフロント業務とは求められるスキルも違う点があると思いますが、基本となる笑顔での接客や、予想外の事柄に対応するという経験も重ねてきました。この経験とスキルを活かしつつ、ホテル業界で高みを目指していければと思い応募させていただきました。

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学生時代に接客業のアルバイトやボランティアなどの経験がある場合は、実際にその仕事をする中で身につけたことをアピールするとよいでしょう。そしてそれを踏まえた上で、志望する業務の特徴と仕事の内容に、どのように活かすことができるのかという点をアピールすることが大切です。自分の適性や情熱を持って取り組む姿勢をアピールできれば、フロントという仕事に熱意があると認められるでしょう。

志望動機の例文⑤

私は小さい頃から、人とコミュニケーションをとる機会が多い環境で生活してきました。私の実家はフラワーショップを経営していることもあり、常にたくさんの人が出入りしていたからです。私も学校の勉強の合間をみて、両親の仕事の手伝いをすることがありました。このような環境から、自分自身も接客という仕事に対してとても魅力を感じながら育ってきました。
自分の将来の職業を考える年齢になったときに、人と接する仕事であるホテルのフロント業務に大変魅力を感じて、将来この仕事がしたいと強く思うようになりました。心からの笑顔とおもてなしの精神を忘れずに、お客様が感動してまた宿泊したくなるような接客をしていきたいと思っています。そして従業員の皆さんのプロフェッショナルな接客に私もぜひ関わっていきたい、という思いから貴ホテルに応募いたしました。

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この例文は、フロント業務が未経験であっても普段の生活や育った環境で接客に必要な要素を身に付けてきたということをアピールする内容です。そして、その環境の中で接客に対するどのような思いが生まれたのかということも盛り込まれています。常にお客様のためを考えて行動する、という前向きな気持ちや姿勢は採用担当者からの評価も高くなるといえるでしょう。

志望動機の例文⑥

私は学生時代に、夕方から夜間帯にかけてのホテルのフロントのアルバイトをしておりました。ホテルのフロント業務の仕事は初めての経験でしたが、慣れるにつれ接客業の奥深さと魅力がだんだんわかってきて、コミュニケーションも円滑にとれるようになってきました。ホテルのフロント業務は、マニュアルにはないような臨機応変な接客も必要になる、ということが理解できたと思います。
もし貴ホテルに採用されたならば、お客様それぞれが求めている、ちょっとした小さなことにでも気を使えるフロントスタッフになりたいです。そして、貴ホテルのために少しでも多く貢献できればと考えております。

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この例文では、フロント業務のアルバイト経験があるという点をアピールしています。フロントを経験したことのある人の場合、その仕事自体の魅力を実感した上で志望しているため、採用者側により熱意が伝わるというメリットがあるでしょう。

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ホテルフロントの志望動機NG例

ホテルのフロントの志望動機を作成する際に、ふさわしくない表現や言葉を例文を参考にみていきましょう。

NG例

私は人前に立つことが好きで、学生時代はよくクラス委員やグループリーダーを務めていました。そのため、人をまとめることやリーダーシップには自信があります。また、貴社の従業員の方が着用している社員制服に魅力を感じました。ホテルのフロントは、会社の顔ともいえる重要なポジションです。デザイン性に優れた制服を着ることにより自然と身が引き締まり、晴れやかな気分で案内業務ができると感じたため、貴社を志望しました。

学生時代に培ったリーダーシップを強みとしてアピールしていますが、フロント業務に求められるのは正確な管理能力と高い接客スキルであり、大勢の人をまとめる場面は少ないでしょう。そのため、どのようにスキルが活かせるのか分かりづらい表現となっています。

「デザイン性に優れた制服」という評価は、デザイン会社やアパレル企業でもない限りその企業を評価していることにはなりません。ホテル業界の企業においては、接客態度やコンセプト、おもてなしについて述べるといいでしょう。

まとめ

ホテルのフロントの志望動機を作成する際に、参考になる例文についてご紹介しました。

ホテルのフロント業務は、直接人と関わって案内する接客業務と、顧客情報を管理する事務業務の両方の要素をあわせ持つ職種です。また、ホテル内の他職種と情報をやり取りする中枢の立場であることから、責任の伴う業務でもあります。

ホテルのフロントの志望動機を作成する際は、「その企業を選んだ理由」を明確にして企業に入りたい気持ちを伝え、「自分が活かせる能力」を示して適性をアピールすることが大切です。「理想の働き方」を述べることで、将来性のある人材だと思ってもらえるような文章を心がけていきましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

多くの学生と企業をマッチングしてきた経験を活かし、『就活対策サイト「キャリアパーク!」が教える 「最高の会社」の見つけ方』(高橋書店)を出版。最高の会社を見極めるための基準や失敗しない企業選びの方法を紹介している。

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01459)

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