インターン
【看護インターンシップ】代表的なプログラムや注意点を徹底解説
- 48734 views
目次
看護のインターンシップで学べることは多い
看護業界への就職を目指すのであれば、インターンシップへの参加がおすすめです。看護のインターンでは専門的な内容も学べ、就職の際にも多いに役立ちます。業界に関係なく、インターンへの参加により就活を有利に進めやすくなりますが、看護業界は特にその傾向が顕著だといえるでしょう。
インターンの実施内容は病院ごとに異なりますが、しっかり取り組むことで、得られるメリットはたくさんあります。業界や病院についての理解を深めるのはもちろん、看護師や病院内の仕事が知れます。そのため、インターンには積極的に参加して、看護業界を深く知っていきましょう。
看護のインターンシップで着目すべき項目
インターンシップをより就活に役立てたいのであれば、注目すべきポイントがいくつかあります。インターンに参加する際には、より細部まで意識して取り組むことで得られるものは大きくなり、学びの量も増えます。
看護のインターンならではのポイントも数多くあるため、それらを意識して参加することが大切です。どのような点に注目して参加すべきかを知って、インターンの時間をより有意義なものとしましょう。
病院の看護方針
インターンシップの参加では看護方針を知れます。病院といっても、それぞれ治療の方針や病院の運営方針なども違うので注意しなければなりません。
たとえ看護師として就職したとしても、病院によっては本当に自分がやりたい看護ができるとは限らないため、志望先ごとの違いを把握することが大切です。インターンは病院ごとの違いや特徴などを知ることができる場であり、より細部まで魅力を把握できます。特定の病院について深く知ることができるため、志望動機の作成などに役立てられるでしょう。
病院の設備
医療は常に進化しています。医療技術や医療機器の開発は、手術の技術レベルや病気の早期発見のスピードをより向上させてきました。しかし、誰しもがその最先端の医療に携われるわけではありません。日本全国にある全ての病院が最先端の医療設備を設置しているわけではないためです。
とある病院では、循環器に関わる医療機器は整備されているのに、整形外科関連の整備は遅れているということもあります。そして、所属している医師の専門分野や技術によっては、病院の得意な分野も様々になります。
そのため、自身の学びたい分野がはっきりとしている人は、携わりたい医療の設備が整っている病院へのインターンシップをおすすめします。特に、最先端の医療技術に携わりたいと考えている方は、病院の設備のチェックは必須といえます。
適職診断で看護師との適性を確かめてください
就活では、自分に適性のある仕事を選ぶことが大切です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまいます。
そんな時は「適職診断」を活用して、志望する職業と自分の相性をチェックしてみましょう。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、ぴったりの職業を診断できます。
強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
仕事の量・質
看護師は忙しい、激務といわれていますが、これも病院によって異なります。インターンシップを通して、その病院の仕事の量と質をチェックしておくことが大切です。仕事の量が非常に多いながらも、質の高い仕事をしている病院もあれば、患者さんの痛みや不安を和らげるため量をさばくことが重視され、細かなケアは重要視されないところもあります。
それぞれのバランスを見ながら、その病院に就職してやっていけそうか、誇りを持って仕事ができそうかを考えてみましょう。仕事の量や質は個人によって求めるものが違いますので、自分の基準で納得できる病院を探すことが大切です。
職場の人間関係
仕事をする上では職場環境が非常に重要であり、人間関係などもチェックしておきましょう。どれだけやりたい仕事で病院との相性がよくても、人間関係が悪いとそれだけで仕事が嫌になってしまうことも多いです。インターンシップでは、病院で働いている人とそれほど深く関われるとは限りませんが、注意深く観察していれば、ある程度の雰囲気は分かります。
詳細まで分からないにしても、雰囲気をみて自分に合いそうかどうか雰囲気は感じとれます。少しでもリスクを避けるためにも、人間関係は注視しておきましょう。
看護のインターンシップの実施内容
看護のインターンシップに参加するのであれば、事前に実施内容を把握して望みましょう。下調べにより、当日スムーズに動くことができ、得られるものもさらに多くなります。インターンはただ参加するだけではなく、取り組みの中からたくさんのことを学び、成長に繋げることが大切です。
病院によって違う
看護のインターンシップの実施内容は、病院ごとに違います。インターン生を受け入れている病院は数多くありますが、それぞれで内容が違っているため事前に確認しておきましょう。実施内容はさまざまであるため、病院からインターン先を選ぶだけではなく、実施内容からインターン先の病院を決めるのもおすすめです。
同じインターンでも、実施内容によって得られるものは違ってくるため、さまざまな病院をみて、もっとも学びが多いと感じるものを選びましょう。また、同じ病院でも部署ごとに実施内容が異なるケースもあるため注意が必要です。病院全体での実施内容だけではなく、さらに詳細な部署ごとに内容もチェックして応募先を決めましょう。
実務経験ができることが多い
看護のインターンシップの実施内容は企業によって違うものの、実務経験が積めるところは多いです。インターンを通して実際の仕事を経験できるため、より多くを学び、実践的なスキルや知識を身に付けていきましょう。
ただし、インターン生といっても、直接患者さんと関わるケースがでてくるため、責任もでてきます。常に看護師がついて指導はしてくれますが、患者さんを意識して行動しなければなりません。看護のインターンでは、仕事の厳しさや責任感を知るいい機会にもなるでしょう。
夜勤が体験できる職場もある
病院によっては夜勤が体験できる職場もあり、看護の仕事をよりリアルに体験できます。看護師になれば、日勤だけではなく夜勤も担当しなければならず、これが非常にハードです。日勤と夜勤を繰り返しおこなわなければならないため、疲れがたまってしまうことも多いでしょう。
夜勤のハードさに嫌気が差して辞めてしまう人も少なくないため、事前に体験して、ハードさに耐えられそうかをチェックしておくことも大切です。また、日勤と夜勤では業務内容も少しずつ異なるため、経験することで仕事への理解をさらに深めることができます。
看護のインターンは昼間に実施されることがほとんどのため、夜勤は珍しいです。貴重な経験をしていることで就活にも活かしやすく、他の学生との差別化も図りやすくなるでしょう。
看護のインターンシップに参加する前の準備
看護のインターンシップに参加することになったら、事前に準備をしましょう。インターンシップは選考に影響する可能性も十分に考えられます。スムーズに行動し、効果的なアピールができるように前もってしておくべき準備を紹介します。
採用担当者の立場になって、インターンシップでチェックされるポイントや、注意点などを意識してみてください。参加当日に慌てないために、あらかじめインターンシップがおこなわれる場所や移動経路、服装について確認しておきましょう。
場所や移動経路を確認しておく
インターンシップがおこなわれる病院や施設などの場所は、あらかじめ確認しておきましょう。時間があれば、実際に下見にいっておくと安心です。移動経路は検索方法によって多少のズレがありますので、自宅からどのくらいの時間がかかるのか、明確にしておきましょう。
時間帯によって、移動にかかる時間や混雑状況は大きく異なります。インターンシップの時と同じ時間帯で下見にいくと、その時の様子が分かります。当日は、思わぬトラブルや交通機関の事故などが起こる可能性も考えられますので、余裕を持って到着できるようにスケジュールを立てましょう。看護のインターンシップは、グループ病院などで開催することもありますので、注意が必要です。
指定がない場合はリクルートスーツを用意しておく
看護のインターンシップは、どのような服装で参加するべきか悩んでしまう人もいるでしょう。病院側から当日の服装について特に指定がない場合は、リクルートスーツを着用します。
病院によっては、インターンシップ先で制服を借りる場合もあります。インターンシップについての案内をよく確認しましょう。「動きやすい服装」などの指定があったら、その指示に従います。
病棟の訪問や実務の予定がある時には、リクルートスーツ着用でも替えの靴を忘れずに持参してください。動きやすいスニーカーやナースサンダルなどを用意しておきましょう。
リクルートスーツの買い方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
看護のインターンシップと病院見学の違い
看護業界では、インターンシップの他に病院見学というものがあります。これらは同じものだと混同してしまう人も多いですが、別物ですので注意しましょう。インターンは、実務を基本とした職業体験です。細かい実施内容は病院ごとに違うものの、実務を経験することが多く、実践的なスキルや知識の修得を前提としたものといえます。
対して病院見学は、病院内を案内してもらい、設備や病院の稼働状況などを知るためのものです。病院についての知識を深めるためのものであり、実務を経験することはありません。病院や看護の仕事について、より深くまで知れるのはインターンです。病院見学は説明会のようなもので、あくまで病院の特徴を知るものと考えておきましょう。
適職診断で看護師との適性を確かめてください
就活では、自分に適性のある仕事を選ぶことが大切です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまいます。
そんな時は「適職診断」を活用して、志望する職業と自分の相性をチェックしてみましょう。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、ぴったりの職業を診断できます。
強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
看護のインターンシップに参加する際の注意点
それでは看護のインターンシップに参加するために、事前に覚えておきたい注意事項をご紹介します。インターンシップだから本格的に就業するわけではないと気楽に考えている人は要注意です。
病院のルールは大変複雑です。看護のインターンシップは実務に触れる機会が多いので、何も知らないままインターンシップに参加して周囲に迷惑をかけてしまわないようにする必要があります。そして、インターンシップは自身において貴重な経験になりますので、残念な時間にならないよう予め注意点を把握しておきましょう。
身だしなみは清潔に
看護のインターンシップ中は身だしなみに気を付けましょう。病院内では清潔感のある身だしなみが求められます。病院は病を治すために行く場所でもありますから、保菌者が出入りする場でもあります。そのため、病院内での感染は極力控えなければなりません。感染が広がらないためにも、病院で働く従業員たちは常に衛生的な環境をつくっています。
そのような中、不衛生で不潔なスタッフがいたら、来院する人や同僚からは良く思われないでしょう。患者を安心させなければならない立場であることを念頭に置いて、清潔な身だしなみができるように努める必要があります。
身だしなみを清潔に見せるためには、髪の毛を一つにまとめるだけでも清らかなイメージを与えることができます。メイクもナチュラルにして、チークや色付きリップクリームなどで血色のよさを演出すると、健康的な見た目にすることができます。濃いアイメイクや口紅は、過度なお洒落として認識されますので、濃いメイクとならないように注意しましょう。
コミュニケーション能力をアピールする
看護のインターンシップで採用担当者が主にチェックしているのは、参加者のコミュニケーション能力です。学力やマナーなども重要ですが、多くの人と接する機会がある看護の仕事では、周りの人と円滑なコミュニケーションが取れるかどうかが、とても大切になります。
インターンシップでは、先輩看護師や病院スタッフ、患者さんとの関わりの中で、コミュニケーション能力をアピールしましょう。看護師長や先輩看護師から業務の説明を受ける時には、元気よくハキハキと返事をして、挨拶も自分から積極的におこなってください。患者さんの対応は、実習と同じように勉強させてもらっている気持ちを忘れずに取り組むようにしましょう。
コミュニケーション能力を自己PRするポイントについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
長時間立っていても痛くならない靴
履物にも注意が必要です。インターンシップだからと気合を入れて新しい靴を買って履くよりも、履きなれた靴を履きましょう。新しい靴だと足のサイズと相性が悪く、痛くなってしまうことがあります。
また、看護のインターンシップ中は、長時間立ったままでいる可能性が高いです。付き添いで様々な現場に付いていったり、いろんな部署を回ったりと、移動が多いこともあります。そのため、ヒールのある靴よりは、動きやすく疲れにくい靴を選んだ方が得策です。
看護師のために作られたナースシューズと呼ばれる靴やサンダルもありますが、病院や所属する科によっては色味や靴の形が指定されていることもあるため、自身がインターンシップをする際は事前に確認して、最適な靴を履いていくようにしましょう。
インターンシップの後はお礼状を出す
インターンシップに参加した後は、お礼状を出すと好印象です。選考の結果には直接関係ないかもしれませんが、インターンシップのためにわざわざ時間を割いてくれた先輩方に、お世話になった感謝の気持ちを伝えるために効果的な方法です。特に心がこもった手書きのお礼状は、温かみが感じられます。
お礼状を出す場合は、インターンシップが終わった当日や翌日など、なるべく早く送りましょう。お礼状の書式やビジネスマナーを守ることは大切ですが、ありきたりな定型文だけでは、気持ちが伝わりません。インターンシップで感じたことや、勉強になったことなど、自分の気持ちを正直に伝え、感謝の気持ちを表現してみましょう。
メールの例文
件名:インターンシップ参加のお礼(〇〇学校・氏名)
医療法人〇〇会 〇〇総合病院
看護部 看護部長 〇〇様
お世話になります。〇月〇日~〇日まで、貴院のインターンシップに参加させて頂きました〇〇学校の〇〇と申します。
インターンシップ期間中はたくさんのことを学ばせて頂き、誠にありがとうございました。
〇〇様から看護現場についてのお話を聞くことができて
参加前に抱いていた印象とは違った、新たな貴院の魅力を知る機会になりました。
また、実際の業務内容についても、理解を深めることができたと思います。
心よりお礼申し上げます。
取り急ぎお礼を申し上げたくメールにて失礼いたします。
─────────────────
○○ ○○
○○大学 ○○学部 ○○学科 ○年
電話番号:090-xxxx-xxxx
メール :xxxx@xxxx.com
─────────────────
メールはインターンシップが終わってから、すぐに相手に送ることができます。すぐにお礼を伝えるには効果的な方法です。件名はメールの内容がすぐに分かるようにし、自分の名前も加えましょう。本文は簡潔に感謝の気持ちを伝え、印象に残った経験やどのようなことを学んだのか、具体的なエピソードを交えて感想を述べます。
手紙の例文
拝啓
時下、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
〇月〇日から〇日まで、貴社でインターンシップに参加いたしました〇〇学校の〇〇と申します。
この度は、〇日間にわたり大変貴重な体験をさせて頂きまして誠にありがとうございました。
看護師長をはじめ、スタッフの方々にも貴重なお時間を割いてご指導いただき、充実した毎日でした。
看護現場についてお話を伺うことができて、業務内容についての理解を深めることができたと思います。
ご指導頂いたお礼を申し上げたくお便りいたしました。
本当にありがとうございました。
貴院のご発展とスタッフの皆様のますますのご活躍をお祈り申し上げます。
令和〇年〇月〇日
○○大学 ○○学部 ○○学科 ○年
○○ ○○
医療法人〇〇会 〇〇総合病院
看護部 看護部長 〇〇様
手紙では、頭語と結語をセットで使います。「拝啓」や「謹啓」が頭語で、「敬具」「敬白」が結語になります。それぞれセットになる言葉なので、間違いのないようにしましょう。「前略」は手紙でよく使われる表現ですが、前文を略す意味になるため、目上の人に送る時には使いません。
頭語の後、挨拶、自分の氏名、本文を書きます。インターンシップで印象に残ったことを具体的なエピソードで伝え感謝を述べましょう。本文の後は結びの挨拶、日付、署名、宛名の順になります。
看護のインターンシップには積極的に参加しよう
看護のインターンシップでは、学べることがたくさんあり、参加することで就活をより有利に進めることができます。実施内容は病院ごとに異なるため、詳細についてはそれぞれ確認が必要ですが、基本的に実務経験が積めるものと考えておきましょう。
就職前に実際に仕事を経験するのは重要なことであり、実務経験の有無によって、就職へのモチベーションも違ってきます。また、短い期間でもその病院の一員として働くことで人間関係や職場環境なども分かり、就職先選びにも役立つでしょう。
看護師として就職する場合でも、病院や部署によって環境は大きく違ってきます。自分に合った環境をみつけるためにも、インターンには積極的に参加しましょう。
看護師の志望動機については、こちらの記事で詳しく解説しています。