業界研究

【飲料メーカー10選】ランキングや現状についても紹介

飲料メーカーは学生人気が高い

メーカーは毎年学生人気の高い業界であり、特に飲料の分野に注目している人は多いでしょう。飲料メーカーは国内有数の大企業も多く、国内外で広く活躍しているものも少なくありません。人気が高いだけに就職の難易度も当然高く、選考を勝ち抜くにはより念入な事前対策が必要です。

飲料メーカーへの就職を果たすには、まずは基本的な理解を深めることが大切です。飲料メーカーとはどのようなメーカーなのか、業界全体で見ると、どのような現状、課題を抱えているかを知ることが、選考攻略の第一歩でしょう。人気だから、知名度が高いからという漠然とした理由では、選考の攻略は難しいです。知識を身につけ、明確な志望理由を考えて、飲料メーカーへの就職を目指しましょう。

飲料メーカーの主な仕事内容

飲料メーカーへの理解を深めるには、どのような仕事があるかを知ることが大切です。メーカーはモノづくりの仕事であり、飲料メーカー=飲料、飲み物を作る仕事とイメージする人は多いでしょう。このイメージは間違いではありませんが、細部まで理解するという意味では認識が不十分です。確かに飲料を作る仕事で間違いありませんが、「飲料を作る」という工程には多くの人が関わっており、それぞれ役割が違うことを知っておきましょう。

研究・開発

商品を作るには、その核となる研究や技術が必要です。これらを生み出すのが研究・開発の仕事であり、飲料メーカーの心臓部ともいえる重要な仕事でしょう。研究・開発は理系の分野で、文系学生はチャレンジできないため注意が必要です。研究・開発では、日々新商品の研究が進められているだけではなく、新商品を作るための技術、ノウハウの発展にも努めています。

いわば研究を促進するための研究ともいえ、その仕事の範囲は多岐にわたります。また、完成した商品も、そのままずっとノータッチになるわけではありません。新商品の  研究・開発はもちろん、既存の商品の改良・改善をおこなうことも、大切な仕事のひとつです。

生産・製造・品質管理

研究・開発では、新たな技術の開発や、既存の商品を改良するために必要な研究をおこないます。これらをもとに実際に商品を生産し、管理をおこなうのが、生産や製造、品質管理といった仕事です。生産・製造では、機械の管理や実際の作業をおこなうこともあります。

オートメーション化されて、大部分は機械でおこなえますが、商品によってはどうしても手作業が必要なこともあります。品質管理は、商品の質の調査や在庫の管理といった複数の仕事を並行しておこないます。売れ行きや社会情勢といった情報を把握しながら、製造のコントロールをおこなう重要な仕事です。

マーケティング

マーケティングは市場調査、データの収集、分析、新商品や企画の立案などをおこなう仕事です。企業によってはマーケティング部以外に企画部があり、マーケティングが収集した情報を受けて企画立案をおこなうこともあります。企業によって多少の違いはありますが、基本的な仕事は市場調査がメインで、消費者が何を求めているか、市場では何がトレンドになっているかを探る仕事です。

流行に敏感でトレンドを追い続けることが求められ、データを収集・分析し、論理的な判断で結果を提示する数学的思考力も求められます。華やかなイメージを持たれやすい一方で、実際には地味な仕事が多いため、理想と現実のギャップに戸惑わないようにしましょう。

営業・買い付け

いかに素晴らしい商品を生産・製造しても、それを売る人がいないと企業は利益を得られません。販売を促進するのが営業の仕事であり、飲料メーカーでは利益の担い手とも言える重要な存在でしょう。商品を販売するといっても、基本的にはスーパーやコンビニ、自動販売機のオーナーといった販売の代理店との交渉が基本です。業態はあくまでBtoBであり、消費者に直接販売する機会は、基本的にはないと考えましょう。

また、商品を売るばかりではなく、作るためには原材料の仕入れをおこなわなければなりません。そのため、買い付けの仕事も必要で、これも営業のひとつとして区分される場合があります。買い付けはバイヤーとも呼ばれ、単体で職種として存在することもあるでしょう。

飲料メーカーランキング一覧

飲料メーカーの売上高ランキング

  1. サントリーホールディングス
  2. コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングス
  3. 伊藤園
  4. ヤクルト本社
  5. アサヒグループホールディングス
  6. 大塚ホールディングス
  7. キリンホールディングス
  8. ダイドーグループホールディングス
  9. サッポロホールディングス
  10. カゴメ

引用元:清涼飲料業界の現状、動向、シェアなど-業界動向サーチ

売上高別に見た飲料メーカーランキングは、上記の通りです。上から順に売上高が高く、全部で10社あります。飲料メーカーを代表する10社の特徴を知り、業界への理解をさらに深めていきましょう。

サントリーホールディングス

サントリーホールディングスは国内シェアが約27%を誇る大企業であり、創業は1899年と歴史も古いです。2018年のグループの連結売上は酒税込みで2兆5,173円であり、一大規模を誇る企業といえます。

グループ企業も約300社あり、従業員数も約4万人と多いです。清涼飲料水から酒類まで広い商品展開を持ち、海外でも活躍しているグローバル企業で、アジア圏を中心にオセアニアやアメリカなどにも拠点を広げています。世界中に活動の拠点があるのは大きな魅力でしょう。

また、飲料事業以外では健康食品事業などにも尽力しています。これからの時代に合わせた新しい事業への取り組みをおこなっており、老舗ながらもチャレンジし続け、変化し続けている企業といえるでしょう。

コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングス

コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングスは、同名商品の「コカ・コーラ」が世界中で人気の、国内外で広く活躍している企業です。炭酸飲料を始めとした清涼飲料水に強みがあり、国内では約20%程度のシェアを誇っています。

国内での活動拠点は広く、1都2府35県を営業地域としています。広範囲の営業により、国内のコカ・コーラシステムの約90%の販売量を一手に引き受けており、営業や販売力の強い企業といえるでしょう。

また、コカ・コーラブランドの企業は世界中にありますが、その中でもコカ・コーラボトラーズジャパンは世界第3位の売上であり、世界で見ても高い地位を占めています。オリンピックのスポンサー企業であることでも注目されており、東京オリンピックに向けて尽力している企業もあります。

伊藤園

伊藤園は清涼飲料の中でも、お茶や紅茶、コーヒーや野菜ジュースなどに強みを持っています。これらの製造販売はもちろん、各種のお茶は輸入販売も手がけています。企業の2つ柱として「茶葉関連事業」と「飲料関連事業」があり、これらをメインに事業を展開していることが特徴です。茶葉の開発や原料の仕入れから加工、包装などもおこなっており、事業内での業務領域は幅広いでしょう。

また、飲料のほかに健康食品の製造や販売の事業もおこなっており、茶葉や飲料の事業と合わせて推進されています。関連会社の数も多く、海外拠点を多数持っていることも特徴のひとつです。中国やインドネシア、シンガポールやタイ、アメリカやオーストラリアなど、世界中で事業を展開しています。

ヤクルト本社

ヤクルト本社は同名商品の「ヤクルト」が有名であり、1935年に発売されて以来、いまなお人気を誇るベストセラー商品となっています。ヤクルトは飲料メーカーとしての位置づけだけではなく、健康に貢献する企業としてさまざまな事業を展開しています。

飲料も含まれる食品事業から化粧品事業、医薬品事業に国際事業と範囲は広く、国内外の多数の領域で活躍している企業です。国際事業の歴史は古く、1964年にはすでに台湾に海外事業所を設けています。

その後東南アジアや中南米にも進出しており、さらにはヨーロッパへと活動範囲を広げています。2019年時点では海外に28の事業所を持ち、日本を入れた世界39の国と地域で事業を展開している、グローバル色の強い企業です。

アサヒグループホールディングス

アサヒグループホールディングスは、酒類や清涼飲料などに強みを持つ企業です。特に酒類の事業に強みがあり、グループ会社のアサヒビール株式会社では、同名商品の「アサヒビール」が高い人気を誇っています。

また、ビールだけに限らず焼酎やワイン、洋酒なども扱っており、これらの製造と販売を手掛けています。ビール部門が主力ではありますが、ビールをメインとした事業の脱却も考えられており、他の事業で今後さらなる利益を獲得していく見込みでしょう。

国内でのビールのトップシェアを誇るだけではなく、海外事業にも積極的であり、国内外でグローバルに活躍しています。食品や健康機能性食品の事業なども展開しており、飲料以外の部門でも活躍している企業です。

大塚ホールディングス

グループ会社である大塚製薬で製薬会社のイメージが強い大塚ホールディングスですが、実は飲料メーカーとしても活躍している企業です。代表的な商品では「ポカリスエット」や「ボディメンテ ドリンク」、「経口補水液 OS-1」などがあります。

また、食品事業も展開しており、「カロリーメイト」や「SOYJOY」なども人気でしょう。これらの分野はニュートラシューティカルズ関連事業と呼ばれており、単に飲料や食料ではなく、機能性飲料や機能性食品としての位置づけを誇っています。

医療品事業のノウハウを活かした商品展開に強みがあり、他社とは少し毛色が違う企業といえます。他にも医療関連事業や消費者関連事業なども展開しており、事業領域の広い企業です。

キリンホールディングス

キリンホールディングスは酒類と清涼飲料水の、両方の分野で活躍していることが特徴です。酒類では代表商品の「キリンビール」が有名であり、高いシェア率と人気を誇っています。老舗ながらも変革を求める革新的な企業でもあり、飲料という分野を突き詰めること、飲み物を通じて新しい価値を創造することが企業としての使命です。

チャレンジ精神旺盛な企業といえ、成長意欲が高い人や新しいことに挑戦したい人におすすめでしょう。また、海外でも活躍しており、オセアニアを中心に飲料事業を展開しています。飲料事業以外では医薬事業や食領域と医療の領域を繋ぐ事業にも注力しており、グローバルに事業戦略を推進している点も特徴です。

ダイドーグループホールディングス

飲料メーカーの中でも、自動販売機を主力販路としているという点で、ダイドーグループホールディングスは特徴的といえます。販路となる自動販売機の数は約28万台にも上り、業界でも有数の巨大規模を誇っています。

清涼飲料はコーヒー飲料が中心となっていますが、商品展開は広く、ニーズに応える商品づくりをおこなっている点も特徴です。事業の柱となるのはコーヒー飲料と自動販売機であり、それを支えるファブレス体制が採用されています。

これは製造と物流を外部に委託する体制であり、これによって商品開発や自動販売機のオペレーションへ注力した投資が可能となっています。コーヒー飲料は売上の50%、自動販売機は売上の80%を占めるなど、他社とは違った利益の獲得方法も大きな特徴といえるでしょう。

サッポロホールディングス

サッポロホールディングスは飲料や酒類に強みがあり、特に種類の分野では「サッポロビール」が古くから愛されています。グローバルに活躍している企業でもあり、国際的な事業展開は1964年と比較的早いことも特徴です。

同年にアメリカに向けてビールの輸出をしたことがスタートであり、現在では酒類は約45ヶ国、飲料はさらに多く約60ヶ国に展開しています。また、飲料以外では食料品の事業にも強みがあり、長期経営ビジョンでは飲料と合わせて推進していくことが決定しています。

不動産事業も展開しており、清涼飲料と酒類、食品の3つとともにブランドの育成や強化が考えられており、成長力の高い企業といえるでしょう。国内外両方での事業推進が図られており、今後ますます注目の企業といえます。

カゴメ

カゴメは飲料のほか、調味食品や保存食品、その他食品の製造や販売など、比較的食品分野に強みがあります。また、カゴメはトマトソースの元祖となる企業であり、野菜や果実の調達から、それらを使った飲料、調味料などの製造力も高いです。

よりよい原料を仕入れるために種苗や青果物の仕入れ、生産・販売などもおこなっており、野菜や果実とのかかわりが強い企業といえます。食品や飲料事業をメインに、農事業や業務用事業、通販事業なども展開しており、活躍している領域は広いです。

海外にも数多くの拠点を持ち、アメリカ、イタリア、ポルトガル、オーストラリア、セネガル、台湾まで幅広く事業を推進しています。国内でも愛知と福島、福岡に、それぞれ関連会社を持っています。

飲料メーカーの現状

飲料メーカーの現状

飲料メーカーへの理解をさらに深めるには、業界の現状を知ることが大切です。業界の現状や課題については面接で問われることも多く、事前に知っておくと選考でも役立つでしょう。また、現状を知った上で、将来性はあるのか、どのように解決すべきかを自分なりに考えることも大切です。ただ情報として現状を知るだけでは、選考の突破には繋がりづらいです。現状に対して自分なりの考えを持つようにして、細部まで理解を深めていきましょう。

国内市場の縮小

上位数社の売上高を見ると、飲料メーカーの市場規模は大きく、今後も安泰とイメージする人は多いでしょう。確かに現状は業績を伸ばし続けている企業も多いですが、国内市場は少しずつ縮小傾向で推移していることは覚えておかなければなりません。これは少子高齢化による人口減少が原因で、飲料を消費する人口の絶対数が減ったことで、業界全体の需要も微減しています。

現状ではそれほど大きな市場規模縮小とはなっていませんが、今後さらに人口減少は加速する見込みであり、ますます規模縮小は激しくなるでしょう。ただし、これは飲料メーカーに限ったことではなく、多くの業界に共通している問題です。人口減少に歯止めをかけることは難しいため、少ない需要をいかに確実に獲得できるかが、今後の課題になるでしょう。

アルコール離れの影響もある

国内市場の規模縮小は、単に人口減少だけが理由ではありません。飲料の中でもアルコール部門は特に需要が低迷傾向です。一時期はウイスキーをテーマにした朝ドラの「マッサン」によって注目が集まり、市場が過熱していましたが、現在ではそれも落ち着いています。また、アルコールの中でもビール離れは特に顕著で、若年層での消費は低迷傾向が続いています。

アルコール離れの原因は複数ありますが、基本的に社会構造や個人の趣味・嗜好の変化が原因しているでしょう。若者のアルコール離れを止めるべく、飲みやすく親しみやすいお酒の開発に努めるメーカーは増えており、アルコール市場も少しずつ変化しています。

海外市場の開拓

国内市場の縮小や、人口減少による今後の規模縮小を見越し、海外に需要を求める企業は少なくありません。失われつつある国内市場での利益をカバーするために、海外展開に乗り出す企業は多く、特にアジア地域を中心に販路を拡大しているでしょう。日本の飲料メーカーは品質の高さや商品の多さで知られており、海外で高い人気を誇るものも多いです。

アジア地域では、特にアルコール飲料の需要が高く、アルコール需要は国内よりも、海外のほうが活路があると考える企業も多いでしょう。アジア地域に関係なく、ウイスキーはジャパニーズウイスキーの通称でも知られ、世界的に需要があります。今後国内での市場縮小に伴い、海外事業への注力はますます激化すると考えられます。

健康食品が注目されている

高齢化の進行に伴い、人々の間で健康意識は高まりつつあります。この需要を捉えて健康食品の研究・開発に努める企業は多く、実際に健康に配慮した飲み物、食べ物は市場でも大きな人気を獲得しているでしょう。飲料の分野では、特にトクホの商品が注目されており、この認可を受けられる商品の開発を急ぐ企業は少なくありません。高齢化がどんどん進み、国内人口のほとんどが高齢者になる将来が見込まれているため、そこでの需要をいかに獲得できるかが業績を伸ばすポイントといえます。高齢化は止まることなくさらに進行するため、今後ますます健康食品やトクホの飲料の需要が高まり、開発も進んでいくでしょう。

飲料以外の分野開拓が進む

飲料メーカーは、飲料を作り、それを販売するのが事業の根幹です。しかし、現在ではライフスタイルが多様化し、需要が幅広くなっていること、高齢化によって社会構造が変化したことによって、これも変わりつつあります。飲料メーカーでありながら、飲料以外の分野に注目して新規開拓を進める企業も少なくありません。

特に関連性の強い食品分野への進出はもちろん、健康問題を意識して医薬品の分野に進出する企業も多いでしょう。飲料という固定の概念にとらわれない自由な発想、分野を超えた商品が求められており、多様化はさらに進む見込みです。メインの事業が飲料に関することであるのは変わりませんが、付随する業務がそれ以外の分野にまたがる可能性があることは理解しておきましょう。

飲料メーカーの志望動機例文

私は健康を促進する飲料の提供によって、楽しみながら豊かな生活を送る手助けをしたいと考えています。飲み物は生活の一番身近にあり、欠かすことのできないものです。御社ではトクホの商品に強みがあり、業界でもトップクラスの研究力を持っています。健康飲料を提供することで、さらに豊かな生活をひとりでも多くの人に届けたいと思っています。大学時代の飲食店でのアルバイト経験を活かし、御社では営業として粘り強く働き活躍したいと考えています。

志望動機では、なぜ飲料メーカーなのか、その中でもなぜ該当企業なのかを提示することが大切です。また、就職後どのように働きたいのかも重要です。将来のビジョンを述べることで、志望度の高さはさらに明確に伝えられるでしょう。

業界を知って飲料メーカー就職を目指そう

飲料メーカーの厳しい選考を勝ち抜くためには、念入りに業界や企業を調べ、対策を練らなければなりません。飲料メーカーでは飲料を製造し販売していますが、その工程には多くの人が携わっていて、それぞれ違う仕事をしています。また、飲料の中でも分野は複数あり、企業によって力を入れている分野、注目している分野は異なるでしょう。

さらに業界全体で見ても、飲料以外の分野や海外展開にも注目が集まっており、今後の動きは多様化することが考えられます。飲料メーカーは範囲が広く、今後も変化を続ける可能性が高いため、しっかりと研究し、理解を深めてから就活に臨みましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也
(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

記事についてのお問い合わせ