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【専門学校は就職するのに有利?】メリットとデメリットをご紹介

専門学校からの就職率は高い

美術系や技術系、あるいは美容や調理、看護など、特定の分野に特化したイメージの強い「専門学校」ですが、そこに通う学生も当然ながら就職活動をおこないます。そして、多くの専門学校では卒業生の就職率を公開しており、それらの数字は比較的高い数値であることが多いです。

専門学校で学ぶ内容は学校によって、あるいは分野によってもさまざまで、座学も実技もあるでしょう。全体的には単なる知識や学識というよりも、より専門的で実践的な「職業訓練」に近い内容になるのが専門学校の特徴といえます。

そのため、将来を見据えた学生を取り込むために、数字としてわかりやすくて将来への安心感を持たせられる「高い就職率」を目玉として紹介する専門学校が目立つのでしょう。

専門学校卒と大卒の就職活動はどう違うのか

四年制大学の学生や大学院の院生と、専門学校の学生では、学んできた内容や就職先だけでなく、就職活動の内容も異なります。就職活動のやり方や方向性、企業選びのポイントなどが大きく変わってくるのです。専門学校を卒業する学生にとっては、他の大学生と異なる点はメリットでもありデメリットでもあるといえるでしょう。

就職活動において重要となる「就職先の探し方」に関して、大卒と専門学校卒とでどのような違いがあるのか、それぞれに焦点をあてて詳しくみていきましょう。

大卒の就活は自ら就職先を探して選考を受ける

大卒で就職する就活生の多くは、就職先となる企業を自分で探します。就活サイトに登録をしたり、合同説明会やインターンシップなどに参加したりして、企業の情報を自分で収集します。

全ての就活生がそうであるとは限りませんが、大卒として就活をする就活生の大半は自力で就職先を探します。大学や学部によっては企業側からオファーが来ることもありますが、それはごく一握りといえるでしょう。

自分で就職先の情報を集めるのは大変ですが、今はインターネットなどから情報を得ることができます。自分の興味のある分野や企業について深く調べ、吟味して企業を選ぶことができるのは、自分で就職先を探す「大卒の就活生」ならではといえるでしょう。

専門学校卒の就活は学校にきた求人から選ぶ場合が多い

専門学校ではその名の通り、特定の分野に特化した教育を受けることができます。工学系の技術職や調理師、美容師など、専門知識や資格を有する「即戦力」として、それぞれの現場で重宝される人材といえるでしょう。

そのため、関連する分野の企業や店舗などから専門学校に求人が寄せられることが多いのです。専門学校での就活は、主にこうして学校に寄せられた求人から就職先を選ぶケースが大半を占めます。企業側から「ぜひうちに就職してほしい」と求められるのは、就活生側にとっては願ったり叶ったりです。

この場合、自分で企業情報を調べなくてよいというメリットがありますが、裏を返すと「学校に寄せられた求人の中で選ばなくてはいけない」ともいえます。もちろん、自分で独自に企業や店舗を調べて応募することも可能ですが、相応の労力は必要でしょう。

専門学校から就職するメリット

大卒と専門学校卒とで就職先の探し方が異なるのは、ここまででわかったでしょう。しかし、就活で大切なのは企業探しだけではありません。自分が今までに学んできたことややってきたことが何なのか、そしてそれを仕事にどう活かせるか、なども重要なのです。

そこで、専門学校から就職する上でのメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。専門学校卒のメリット、言い換えると「大卒の就活生よりも優位といえる点」について、詳しく見ていきましょう。

専門知識や資格を活かした業界に進める

前述した通り、専門学校では特定の分野に特化した教育を受けることができます。場合によっては授業を受ける中で資格を取得できたり、資格の取得そのものが単位認定や卒業認定に必要だったりすることもあるでしょう。

こうやって得た知識や資格は、自分の大切な財産です。資格がなくてはその職に就けない職業もあるため、「資格取得済み」の就活生は、その業界では非常に重宝されるでしょう。
専門知識の全くない新入社員にイチから教育をするには時間も費用もかかるため、企業側にとっても好ましくはありません。

そのため、既に専門知識のある専門学校卒の就活生は、その知識を活かした業界に進むことで、より自分を高く評価してくれる企業に就職できる可能性が高くなるのです。

業界とのコネクションがある

専門学校やそこに所属する教師や講師は、その業界の企業や店舗との間に独自のコネクションをもっていることが多いです。自分の古巣、元同期の所属する企業、友人の経営する店舗、あるいは生徒の職場体験先など、「業界関係者」であるからこそのコネクションは貴重です。

そこから独自に得られる情報は特別で、就活サイトなどには載っていない求人や、企業の詳しい情報などが得られる可能性が高いといえます。

専門学校では、分野によっては競技会などに参加したり、実際に店舗で実務研修をおこなったりして自分の実力を客観的に評価してもらえる機会があります。「名のある競技会や大会で入賞した」といった評価は、個人的な自信に繋がるだけでなく、企業からも信頼される評価材料になるため、就活では大きな武器になるでしょう。

即戦力としてのアピールができる

専門学校では、より実践的な内容を学ぶことが多く、カリキュラムの中で実技試験や実地訓練などをおこなうことも珍しくはありません。そのため、就活の場ではすぐに現場で通用する「即戦力」としての能力や経験を強くアピールすることができるでしょう。

日本の多くの企業はポテンシャル採用であり、新卒の新入社員が即戦力になるとはあまり考えていません。だからこそ、一斉に採用して一斉に新入社員研修をおこない、将来のための投資として、時間をかけて教育していくのです。

そんな中で即戦力としてのアピールができると、それだけで他の就活生よりも一歩リードできるといえます。専門学校で学んできた技術や経験を活かして、即戦力としての力量をアピールしましょう。

学校や担任のサポートが手厚い

専門学校では、一般的な4年制大学などとは異なり、高校のようなクラス担任制をとっているところが多いです。そのため、学校単位での基礎的な就活指導と、クラス単位での個々人に対応した就活指導との両方を受けることができるのが、専門学校の大きな強みといえるでしょう。

大学にもゼミや研究室といった数人単位での指導体系が存在しますが、ゼミや研究室で指導してくれる「教授」は学校の先生とは異なり、「教師」というよりも「学者」なのです。中には専門分野の企業や研究所へ紹介をしてくれる教授もいますが、就活に関しては基本的に学生主導のため、教授はノータッチ、というケースがほとんどです。

それに比べて、専門学校では日頃から接している担任が就活の相談にも乗ってくれるため、細やかな指導もして貰えて、非常に心強く感じることでしょう。

業界内での転職がしやすい

前述した通り、専門学校で学ぶのは専門的な知識や技術であり、何かしらの資格を取得できることもあります。そのため、身についた技術と経験さえあれば、業界内で別の企業や店舗に転職しやすいというメリットがあります。

例えば美容師や看護師などは、資格と経験があれば再就職はさほど難しくありませんし、日本全国どこへいっても需要があるでしょう。転職に限らず、結婚や出産を機に一度退職や休職をした人も、職場復帰や再就職の際に資格と経験は大きな武器になります。

年功序列や終身雇用が当たり前ではなくなってきた昨今、より良い職場を求めて転職をする人は珍しくありません。専門学校で得た技術や経験、資格を活かせば、業界内での転職がしやすくなるでしょう。

専門学校から就職するデメリット

ここまでで、専門学校から就職する際のメリットや専門学校ならではの強みを紹介しました。しかし、何事にもメリットだけがあるわけではありません。メリットも裏返せばデメリットになり得ますし、時には客観的な損得勘定も必要です。

一見すると専門性と技術力の高さで就職先には不自由しなさそう専門学校卒ですが、やはりデメリットもあるのです。専門学校卒で就職する上でのデメリットや、注意すべき点などについても、しっかりと把握しておきましょう。

専門分野と関係のない業界に進みにくい

専門学校を卒業したにもかかわらず、そこで学んだ分野とは全く関係のない業界へ進むというのは、なかなかに難しいことです。例えば、調理関連の専門学校からメーカーの事務職を希望したり、電子工学について学んだのに介護職を希望したりすると、面接官でなくとも「なぜ?」と疑問に思うでしょう。

夢や目標のために専門学校で学んできたのに、あっさりと違う道に流れてしまう、などと面接官に思われては、「飽きっぽい」「意思が弱い」「忍耐力が足りない」というマイナスイメージを持たれかねません。

もちろん、専門学校で学んだ分野以外のことに興味を持つことも、他の業界に就職することもいけないことではありませんし、不可能でもありません。ただ「なぜ?」と疑問を持たれる可能性が高いため、「異なる業界を選んだ理由」を明確に説明できるようにしておく必要があります。

採用条件が「大学卒業以上」の企業もある

有名企業や大企業とされる企業のいくつか、あるいは中小企業であっても、採用条件のひとつとして「大学卒業以上」と記載していることがあります。もしくは、採用条件として明記はされていなくとも、書類審査などで学歴による足切りをおこなう企業も珍しくはありません。

人の価値は学歴が全てではありませんが、数百人もの就活生全員の能力や人となりを見比べるのは、現実的に不可能なのです。そこで、ひとつの指標として「学歴」によるふるい分けがおこなわれると考えられます。

とはいえ、学歴を採用条件に指定しない企業もあります。若干は企業の選択肢が狭まるとはいえ、専門知識が必要な分野にかけてはむしろ選択肢が広いといえるため、その中で自分に合った企業を選びましょう。

異なる業界に転職しづらい

前述した通り、専門学校ではそれぞれの分野に特化した教育を受けられます。そして、その専門性がかえって足枷にもなりかねないのです。関連性のない職種や業種に転職しようとすると、疑問を投げかけられるのは避けられません。

例えば、美容師として働いていた人が銀行に転職しようとしたなら、「前職と関連がないけれど?」と疑問を持たれるでしょう。ハローワークや転職アドバイザーなどを頼った場合は、前職の経験が活かせる職場にした方がいいとアドバイスされることもあるでしょう。

それは、せっかくの資格や経験なのだから活かさないともったいない、という親切心でもあり、全く違う業種に馴染めるのだろうかという不安感でもあります。転職自体が難しいわけではありませんが、専門性の高さ故に「なぜ他の業界に?」という疑問を持たれてしまうというデメリットがあります。

専門学校からの就職は専門性が武器にも足枷にもなり得る

専門学校から就職をする際には、その専門性を武器に専門職に応募したり、即戦力としてアピールしたりすることができます。また、就活の際には学校と担任との両方からサポートを受けることができ、場合によっては企業側からオファーが来ることもあるでしょう。これらは、就活をする上では大きなメリットになります。

しかし、その専門性がかえって足枷になってしまうこともあります。他の業界への就職や転職を望むと、高確率で周囲からは「なぜ?」「せっかく○○を目指していたのに」といった疑問を投げかけられるでしょう。専門性の高さ故に就職先の幅が狭まる可能性もあるため、その点はデメリットになるかも知れないことを、きちんと頭に入れておく必要があります。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也
(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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