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【就活のお礼状】例文付き!正しい書き方をマスターしよう

面接後は企業の方へ感謝の気持ちを伝えよう

就活の中で面接をする機会は何度も訪れます。皆さんは面接官の方にお礼をしっかりと伝えていますか。面接は面接官なしで行うことはできません。

面接官は企業の人事が担当することがほとんどであり、普段の業務を手放して面接に時間を割いてくれています。それだけでなく、面接をする際の会議室の設営や、履歴書の回収、メールの対応など、1回の面接のために多くの時間をかけてくれているのです。

面接後は、合否に関わらず感謝の気持ちを伝えられると、就活生も企業も気持ちよく就活を進めることができます。感謝の気持ちを伝える方法のひとつとして「お礼状」が挙げられます。ここでは企業の方に送る「お礼状」をご紹介します。

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お礼状とは

就活におけるお礼状とは、面接をしてくれた企業に対してお礼の言葉を文章に表したものです。面接後、口頭では「ありがとうございました」と伝えはするものの、感謝を形として表すことで、より心が込められたものとなります。

お礼状は必ず書かなければいけないものではありません。書かなくても企業からの評価が下がることは決してありません。しかし、お礼状をもらうことで丁寧な印象を与えることができ、企業の方も嬉しく思うでしょう。

お礼状には手書きで作成しポストに投函するものと、メールで送る2つのパターンがあります。どちらもお礼状と呼ばれますが、メールはお礼メールともいわれています。

お礼状を出すべき理由

出しても出さなくても評価は変わらないのに、なぜお礼状は出すべきだとされているのでしょうか。もちろんお互いが良い気持ちで就活を進めることができるのも、お礼状を出すべき理由のひとつです。

面接の場でもお礼は伝えているのに、わざわざお礼状を出すべき理由は2つあります。

好印象を与えることができる

面接官の気持ちになってみましょう。普段の業務で忙しい中、学生との面接のために資料を作成したり、机やいすの並べ替えをしたりと準備を行います。多くの学生と面接を終えた後、手元にお礼状が届いたらどうでしょうか。嬉しくないわけがありません。どの学生がお礼状を出してくれたのか振り返り、とても好印象を持つでしょう。

面接後、言葉ではお礼を伝えるものの、お礼状をわざわざ出すことは当たり前の行為ではありません。一方でビジネスの場面では、相手が何かしてくれたことに対して感謝を伝えるのは基本的なマナーとされています。そういった配慮が学生のうちからできているのは、非常に良い印象になります。

入社の意欲が伝わる

お礼状を通して入社の意欲を伝えることができます。入社の意欲は面接官にとって合否を決めるための大切な判断材料です。書かなくても良いとされているお礼状を時間をかけて出すことは、入社したいという意欲を感じ取ることができます。
必ず必要とされていないものを書いたという事実が、熱意、意欲、志望度の高さを表しているのです。

お礼状は感謝の気持ちを純粋に伝えるものですが、「面接でのやり取りの中で仕事理解ができた」「企業でどのように将来活躍していきたいかを明確に描くことができた」など入社の意欲を伝えることもできます。

自己PRは面接の中でしなければなりませんが、自分の今の率直な感想をお礼状で伝えるのは面接官にとっても好印象であり、入社したいという意欲も伝わるでしょう。

お礼状とお礼メールはどちらがいいのか

先ほども述べたように、お礼状には2つの種類があります。手書きのお礼状と、お礼メールです。どちらも感謝を伝えるということに違いはありませんが、お礼状にはお礼状のメリットが、お礼メールにはお礼メールのメリットがあります。

お礼状を出すときに、手書きかメールかどちらが良いか選ぶことができるように、2つのメリットを確認していきましょう。

お礼状のメリットとデメリット

メリットとしては、感謝の気持ちが文字から伝わり、より丁寧な印象を与えることができるという点です。お礼状を出すということ自体、丁寧さや誠実さが伝わる行為ですが、手書きだとなおその気持ちが伝わるでしょう。

文字や書き方には個性が出るため、面接官にとって印象深いものになります。手書きでのお礼状は、ほかの人のものと被ることがないのもひとつのポイントです。

一方でデメリットとしては、手書きはメールでのお礼状よりも時間と手間がかかるという点です。一文字一文字書くということ時点で時間はかかりますが、誤字脱字がないように下書きをすると倍の時間がかかります。修正ペンを使用してはいけないため、慎重に書く必要があります。
また、作成後、ポストに投函してから相手に届くまでも数日かかります。

時間と手間がかかるというのはデメリットになりますが、その分お礼状をもらった喜びもひとしおです。

お礼メールのメリットとデメリット

お礼メールの一番のメリットは、相手にすぐ届くというところです。面接終了後、帰りの電車や移動時間に、空き時間が少しでもあればものの10分程度で作成し、すぐに送信することができます。面接をし終えたばかりの学生からすぐにお礼のメッセージがくれば、熱意や志望度の高さも伝わりやすいでしょう。

またメールは誤字脱字があった際も、すぐに文字を打ちなおすことができるので、それもメリットのひとつです。

メールのデメリットとしては、テンプレート化されているものが多く、他の学生と似たようなお礼状になってしまうという点です。しっかり自分で考えて作成されていても、手書きとは違いオリジナリティにかけてしまう可能性が高いのです。

また、気を付けなければならないのは連絡が遅いと逆効果になるというところです。メールは手軽にすぐに送れるという共通の理解があるからこそ、メールでの連絡が遅いのはマナーとしては良くありません。場合によっては「忘れていたのかな?」という印象を持たれてしまうかもしれません。せっかくのお礼メールなのに、逆効果となっては残念です。

このように手書きには手書きのメリットがあり、メールにはメールのメリットがあります。
どちらのほうがより有利かといった優劣はありません。手書きもメールもひとつの手段であり、大切なのは感謝を伝えたいという気持ちとそれを行動に移したという事実です。

例えば、企業があまりパソコンを使わないのであれば手書きを、在宅ワークなどがある企業にはメールでお礼状を送るなど、状況に合わせて使い分けましょう。

お礼状の書き方

お礼状を作成するためには、書き方を把握しておくことが大切です。自己流で書きたいまま書いては、伝えたいものもうまく伝わらない可能性があるからです。相手への感謝の気持ちを丁寧に伝えるためには、マナーを守って正しい書き方で書く必要があります。

ここでは、手書きでお礼状を作成するときの書き方と、お礼メールの書き方の2つの場合にに分けて解説します。初めに例を図で表し、その後ポイントとなる部分を解説していきます。

どちらも社会人で必要とされるビジネスマナーに則った書き方です。今のうちに構成を頭に入れておけば、社会人になってからもずっと使えるのでここでしっかりと確認していきましょう。

手書きでの書き方

初めに、手書きでの書き方を紹介します。手書きで書く場合は、時候の挨拶、本文、結びの挨拶、日付と署名の順で書いていきます。普段あまり使い慣れていない言葉も使われるため、ひとつずつ丁寧に確認しましょう。

構成だけでなく、手書きで作成するには「文字の丁寧さ」も大切です。ついいつもの癖で、走り書きや略字をしてしまうのは厳禁です。一番大切なのは丁寧に想いを込めて書くことです。文字のきれいさに自信がない、字が汚いのは恥ずかしいと思っている方でも、ゆっくり丁寧に書くことが一番大切です。その思いは必ず伝わります。

手書きでのお礼メールの例を書いた図

1.時候の挨拶

ここでは時候の挨拶をご紹介します。
まず「拝啓」と書き、一行分空けてから時候の挨拶を書き始めます。時候の挨拶はその時期によって異なるため、季節に合った挨拶を使いましょう

1月から12月まで、それぞれに「○○の候」という言い回しがあります。その「○○」の部分に季節に合った言葉を入れて、「○○の候、貴社ますますご清栄のことと、お慶び申し上げます。」と書きましょう。これは相手の健康と繁栄を喜ぶ挨拶の言葉として手紙ではよく使われています。

季節の挨拶は以下を参考にしてみてください。

季節の挨拶

1月 厳寒の侯
2月 立春の候
3月 春暖の候
4月 陽春の侯
5月 新緑の侯
6月 梅雨の侯
7月 盛夏の侯
8月 残暑の侯
9月 初秋の侯
10月 秋冷の侯
11月 晩秋の侯
12月 師走の候

2.本文

次に本文です。ここで面接をしてくださったことへの感謝の気持ちを記載します。そのほか面接の感想や、会社への想い、将来の自分像を書いても良いでしょう。

その中で大切なのは、だらだら書かず、簡潔にまとめるということです。面接官に想いを伝えたいという気持ちは大切です。しかしながら、これはお礼状なので、自分をアピールするための手紙ではないということを理解しましょう。

面接をしてくれたことへの感謝の気持ち、感想、就職したいという思いの提示の3点にまとめて、分かりやすく簡潔に書くと良いでしょう。

3.結びの挨拶

本文が書き終えたら、結びの挨拶として伝えたい用件の総括や相手を思いやる言葉などを述べます。お礼状では、改めて感謝の気持ちを伝え、最後に企業の繁栄や活躍を祈るあいさつや、直接ではなく手紙で伝えていることのお詫びを入れると良いでしょう。
「末筆ながら、いっそうのご躍進のほどご祈念申し上げます。」「略儀ではございますが、まずは書面にてお礼申し上げます。」などが一般的によく使われています。

それが書き終えたら「拝啓」に対しての「敬具」で文章を締めくくります。

4.日付、署名

最後にお礼状を書いた日付と自分の名前、そして読み手である企業の宛先を書いて完成です。自分の名前を書く際は、大学名と学部、年次も書くと親切です。

企業である宛先を書く場合は会社・部署名、担当者名を記載しましょう。担当者の名前がわからない場合は「人事部 採用ご担当者様」と書きましょう。

メールでの送り方

次にメールでの送り方についてご紹介します。メールは手書きとはまた別のルールがあります。特にメールは社会人になってから多く使用するものなので、ビジネスメールの作成方法について確認していきましょう。

TO: ○○○○○○○○@ ○○.○
件名:面接のお礼(○○大学 ○○○)

○○株式会社
人事部
採用担当○○様

いつも大変お世話になっております。○○大学○○学部の○○と申します。
この度はお忙しいところ、貴重なお時間をいただきまして誠にありがとうございました。

面接では今後の事業展開や企業理念のお話にとても感銘を受けました。
貴社に就職できたなら、私も自発的に行動して仕事をみつけ、
積極的に取り組むことで成長していきたいと考えています。

まずは略儀ながらメールにて御礼申し上げます。この度は本当にありがとうございました。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
○○大学 ○○学部 ○○学科○○○○(名前)
TEL:080-****-****
Mail:*****@***.jp
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

1.件名

お礼メールを作成するときにまず注意するのは件名の書き方です。件名とはメールの題名となる部分で、そのメールが何について書かれているのかを、相手に伝えるものです。

会社では一日に数えきれないほどのメールが飛び交います。その中できちんと読んでもらうためには、パッとみて分かりやすい件名をつけることです。件名を空欄にすることはもちろん厳禁ですが、長すぎると何が書いてあるのか見切れてしまうため、簡潔で分かりやすいものにしましょう。

お礼メールに関してはまずメールの題名である「面接のお礼」と書き、その後誰から送られてきたのか分かるように大学名とフルネームを明記します。

他にもシーン別にお礼メールにはいろいろな件名があります。こちらの記事を参考にして件名を学んでいきましょう。

2.宛先

メールの本文の冒頭部分には、宛先を書きます。手紙でいうと封筒に宛先を書くのと同じ意味を表しています。宛先がきちんと書いてあると、自分に対してお礼を言ってくれているということが明確になり、配慮のある嬉しいお礼メールのなります。

書き方としては、会社名、部署、名前の順が一番分かりやすいです。それぞれ詰めて一行で書くのではなく、例のように改行して書きましょう。これも一目で見て分かりやすくするための配慮です。

3.本文

本文の内容は手書きのお礼状とほとんど変わりはありません。しかし、ビジネスシーンでのメールの冒頭には「お世話になっております」という文章をよく使うため、時候の挨拶でなくても構いません。

そしてメールで気をつけなければならないのは「改行」です。全体のバランスがとれるように20~30文字程度で改行するようにしましょう。手持ちのスマートフォンやタブレットでメールを作成するときは、あまり気にならないかもしれません。しかし、パソコンのような大画面で改行のないメールを見ると、横一列に長い文章があるように見えて不自然です。

改行は見やすさのためのマナーです。このような細やかな気配りができるととても好印象になります。

4.文末の言葉、署名

最後の文末は手書きと同じでも構いません。まずはメールという簡略的なお礼で致しますという意味を込めた「まずは略儀ながらメールにて御礼申し上げます。」という文章を入れても良いでしょう。

締めの言葉を書き終えたら、さらに「署名」が必要です。署名とはメールの送り主が誰なのかを明記するものです。誰からのメールなのか身元をはっきりとさせるためにも、「大学名」「学部」「名前」「メールアドレス」「電話番号」などの基本的な情報を記載しておきましょう。

メール送信時に自動的に署名が入る設定もあります。設定しておくと、手間が省ける上に署名を入れ忘れを防ぐこともできるので、ぜひ活用しましょう。

お礼メールの例文はこちらの記事を参考にしてみてください。たくさんの例文から自分の書きたいお礼状が書けるようにしていきましょう。

封筒、郵送のルール

手書きでお礼状を書いた場合、封筒に入れて郵送する必要があります。昨今は、友人同士で手紙を手渡しすることはあっても、なかなか切手を貼ってポストに投函する機会は少ないのではないでしょうか。

ここではお礼状を送る際にに注意しなければならないルールをご紹介します。

封筒の種類

封筒には様々な種類がありますが、お礼状を送る際は無地で白色のものを選びましょう。清潔感があり、飾り気のない白色は感謝の気持ちを伝えるお礼状にはぴったりです。
目上の人への手紙、礼状、また履歴書やエントリーシートなど、大切な書類は白い封筒で出すのが一般的です。

これは100円均一ショップやコンビニエンスストアで手軽に購入できるものなので、すぐに用意できます。お店では、茶色の封筒を見かけることも多いと思いますが、これは事務的な書類である納品書や請求書などを入れるためのものなので、お礼状には適していません。

サイズもたくさんありますが、一般的によく使われているのは「ながよん」とよばれる「ナガカタ4号・90×205mm」の封筒です。こちらもどこでも購入できるものですのであらかじめ用意しておくと良いでしょう。

便箋の折り方

便箋は文章が書いてあるほうを内側にして三つ折りに折ります。これは封筒にきれいに入るサイズにするためです。
三つ折りにした紙が封筒に収まるように確認しながら折りましょう。何度も折り目をつけてしまうと、かさばったり、折り目が付いて読みにくくなったりします。これは配慮がかけているマナー違反となってしまいます。

また折った便箋をどの向きで入れるかも大切です。以下の図の通り間違いのないように封筒に入れましょう。
封筒に書いたお礼状を入れたら糊を使って封を閉じます。封は糊でしっかりととめ、「〆」の文字を書きましょう。これは「しっかりとじてあります」の合図です。

お礼状の封筒への入れ方を順に説明した図

封筒の書き方

封筒にお礼状をいれたら、宛先と住所を書きます。これも正しい書き方があるので注意が必要です。
以下の例と解説を参考にして書いてみましょう。

縦書きの場合は数字も漢字で書きます。住所は省略せずに、長くなってしまうときは改行して二行で書きましょう。あらかじめ下書きとして印をつけておくと失敗を防ぐことができます。

表面は相手の名前が中心に来るようにし、一番大きな文字で書きます。宛先が個人の際は、氏名の後に「様」をつけ、部署や企業宛てに送る際は、「御中」をつけます。
丁寧な言い方だからといって「○○部御中 ○○□□様」のように、「様」と「御中」の併用は間違った言い方なのでしないように気を付けましょう。

封筒の裏面は、左半分に自分の所在と名前を書きます。ルールは表と同じで省略せず、必要であれば改行をして書きます。名前も住所よりやや大きめだと分かりやすいでしょう。

また郵便番号の上にポストに投函する日を書きます。いつ出した手紙なのか分かるようにするためです。これも漢数字で書きましょう。

書き終えたら、下書きが残っていないか、誤字脱字はないかどうかをしっかりと確認し、切手を貼って投函しましょう。

お礼状を送るときの封筒の表裏の記入例

感謝の気持ちを忘れずに就活をしよう


お礼状は面接をしてくださった方への感謝を「形」として表したものです。面接の合否にまったく関係がないと知っていながらお礼状を書くのは、面倒と思ってしまう方もいるでしょう。

しかし、面接といえどそれは「人と人とのコミュニケーション」です。その出会いはその場限りか、もしくはこれから先もずっと続くかもしれません。感謝を持ち続けていれば、それは態度に、表情に、言葉に出てくるのです。目まぐるしい就活の毎日で、その一瞬一瞬に感謝することができるのなら、きっと就活は上手くいきます。それ以上に、就活の毎日が多くの出会いと成長を与えてくれるかもしれません。

感謝の気持ちを忘れることなく、就職活動を行い、内定をつかみ取りましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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