就活その他

公務員の就活は民間と何が違う?違いと対策を徹底解説

公務員と民間の就活の違いを知ろう

いざ就活を始めようと思ったタイミングで、公務員と民間企業のどちらに行こうか迷っている人も少なくないでしょう。公務員と民間とでは働き方だけでなく、就活の進め方も異なります。

就活準備の段階で、公務員試験を受けるか否かは決めておきましょう。公務員と民間の就活を両立することは不可能ではないですが、それぞれ試験範囲が異なるので負担が大きいです。両方志望する人は、どちらに重きを置いて対策するか方針を決めておくと準備を進めやすくなります

本記事では、「公務員と民間企業の就活の違いを知りたい」という人から「どちらを志望するか決めたい」「どちらも対策したい」といった人まで、幅広く役立つ情報を紹介します。今のうちに就活の方針を決め、不安を少しでもなくして対策できるようにしましょう

公務員と民間企業の違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

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公務員と民間の就活の違い

公務員と民間の就活の違い

まず、公務員と民間企業の違いについて紹介します。民間企業は利益を追及する働き方になりますが、公務員は利益を求めず「公共の福祉」のために働きます。それぞれ目的と役割が異なることを踏まえて読み進めてください。

就活における大きな違いとして、「スケジュールが異なる」「公務員試験のライバルは学生とは限らない」といった点が挙げられます。以下より具体的に紹介しますので、それぞれの違いを理解し、就職先を選ぶ参考にしてください。

スケジュールが異なる

一般的に、民間と公務員の就活スケジュールは異なります。民間は大学3年生の3月から4年生の夏にかけて採用活動が活発になり、公務員試験は大学4年生の4月から秋にかけて行われることが多いです

どちらも志望するとしても、時期に開きがあるため優先順位を決めやすくなります。そうすると「まずは先に始まる民間就活に注力する」など、無理なく対策することができます。自分の志望する企業や官公庁の採用時期を把握し、就活の計画を立てましょう

また、採用時期は企業や官公庁によって異なります。本記事では大まかなスケジュールについて紹介しますので、その点に注意して読み進めてください。

公務員の就活スケジュール

国家公務員は大学4年生の4月から夏、地方自治体は大学4年生の5月から秋にかけて採用試験がおこなわれます。国家公務員の採用時期は共通して行われることが一般的ですが、地方自治体は地域によって採用時期に大きな開きがあります。

一般的な公務員の就活では、一次試験として筆記試験、二次試験に面接試験が行われます。

また、地方自治体は「A日程」「B日程」「C日程」といった試験日が決められています。自治体別に試験区分が分かれており、県庁や政令指定都市がA日程、その他自治体は規模の違いから順にB日程、C日程となっています。

そのため、自治体によっては試験日が被り、併願できないところもあります。自分の志望する官公庁の採用スケジュールを事前に把握し、就活準備を進めましょう。

国家公務員の就活スケジュールについては、人事院の『採用情報NAVI』で確認することができます。地方自治体の就活スケジュールについては、『自治体名 採用』で検索し、情報収集を行いましょう。

A日程

・一次試験:例年6月第4週の日曜日
・主な自治体:全国の都府県、青森市、山形市、福島市、船橋市、八王子市、富山市、金沢市、福井市、岐阜市、長野市、明石市、和歌山市、出雲市、倉敷市、松江市、高知市、福岡市、久留米市、長崎市、八代市、宮崎市(東京都、特別区、大阪府、大阪市、北海道は独自日程)

B日程

・一次試験:例年7月第2週の日曜日
・主な自治体:釧路市、盛岡市、鶴岡市、大崎市、土浦市、成田市、大津市、藤枝市、守口市、姫路市、福山市、下関市、宇和島市、飯塚市、鹿児島市

C日程

・一次試験:例年9月第3週の日曜日
・主な自治体:岩見沢市、滝沢市、二本松市、足利市、八千代市、多摩市、三条市、輪島市、甲府市、四日市市、八尾市、豊岡市、田辺市、東広島市、阿南市、土佐市、糸島市、唐津市、小林市、南さつま市、那覇市

民間の就活スケジュール

民間については大学3年生の3月1日以降に企業の広報活動が始まり、選考開始は大学4年生の6月1日以降、正式な内定日は大学4年生の10月1日以降となっています。そのため、3月から説明会やエントリーシートの提出があり、6月から筆記試験や面接などの選考に進む企業が多いです。

従来、民間の就活に関するルールは経団連(日本経済団体連合)が主導となりと決めていましたが、2021年卒から政府主導に切り替わりました。それでも就活のスケジュールは変わらず、3月に広報活動、6月に選考が始まります。

参考:「就活・採用活動日程に関する関係省庁連絡会議|内閣官房

ただし、これらは経団連が定めた共通のルールであり、スケジュールを守らなくとも罰則はありません。また、経団連に加盟していない外資系、中小、ベンチャー企業には、早くから優秀な学生を確保できるように採用時期を早めているところもあります

自身の志望する企業の具体的な採用時期については、各ホームページを見て把握するようにしましょう。『企業名 採用』で採用ページを見ることができます。

民間の就活スケジュールについては、政府が主導となりルールの取り決めを行っています。就活に関する詳細については、『内閣官房』のページで確認できます。必要に応じて確認し、就活準備を進めましょう。

公務員試験のライバルは学生とは限らない

民間の就活は「新卒採用」「中途採用」といった条件別に採用を行われることが一般的です。一方、公務員試験は行政・技術といった科目の違いはあれど、年齢制限は「22歳から30歳まで」など幅が広いです。

そのため、公務員試験は必ずしも同年代の学生が相手とは限らず、就職浪人をしている人や第二新卒と呼ばれる若手の社会人も受験できます。筆記試験は倍率も高いため、気を引きしめて受験しましょう。

ただし、社会人経験があり中途採用として公務員試験を受ける人には、秋採用を受験する人が多いです。筆記試験を突破し、面接でしっかり受け答えができれば誰にでも合格のチャンスはあります。気持ちで負けず、入念な事前準備に取り組みましょう。

公務員を志望する人のよくある悩み

公務員を志望する人のよくある悩み

続いて、公務員を志望する人のよくある悩みについて紹介します。例として「公務員と民間の両立」「どちらが楽なのか」「公務員の滑り止めで民間就活はできるのか」といった悩みが挙げられます。

これらを知ると、就活対策の計画が立てやすくなります。また、就活が思い通りに進まない時のリカバリーとなる判断材料であり、不安を軽減することにもつながります。

以下より順に紹介していきますので、公務員を志望するかどうかの判断材料として読んでみてください。

公務員と民間の就活は両立できる?

結論から言うと、公務員と民間の就活は両立できます。採用活動が活発になる時期は異なりますので、民間の就活を進めつつ、公務員試験の対策をする方法が一般的です。

どちらか一方に絞ることで就活の負担は減りますが、将来の選択肢として両方の選考を受けるのも良いでしょう

ただし、試験の内容や進め方が異なるので、それぞれ対策する必要があります。同時に両方こなすのは大変です。負担を減らすためにも、優先順位を理解するなど計画を綿密に立てるようにしましょう。

公務員と民間の就活はどちらが楽?

公務員試験の方が就活準備は進めやすいでしょう。なぜなら公務員試験は試験内容が明確に示されている場合が多いからです。

たとえば民間企業はSPI、面接、そのほか独自の採用方法があり、過去にどんな試験を実施したか詳しく公表しない企業も存在します。そのため、民間就活は具体的な対策がわかりにくいです。

それに対し、公務員の就活は筆記試験と面接が一般的であり、過去の試験内容が大きく変わることはありません。そのため、民間就活に比べると対策はわかりやすいです。

どちらを志望するにしろ、就活を楽して終えることはできません。試験は倍率が高く、自分は手応えを感じられても落とされる可能性は十分にあります。周りと差をつけられるようにしっかり対策をしておきましょう。

公務員試験に落ちてから民間就活は間に合う?

こちらよくある悩みの1つですが、公務員試験の結果から民間企業の就活を始めることも可能です。公務員と民間の両立、もしくは公務員を断念した人でも、念頭に入れておくことで精神的に楽になるでしょう

近年では、時期を限定せず採用する「通年採用」といった方式も広まりつつあります。一年中採用活動をおこなっている企業もいますので、公務員試験を一通り終えても就活を続けることは可能です。

注意点として、公務員試験は夏~秋にかけて最終結果が出てきます。それから民間の就活となると、人気のある企業は選考が終わっており、選択肢が狭まるデメリットがあります。不採用に焦りを感じて、自分と合わない民間企業を選ばないように気をつけてください。

公務員の種類

ひとくちに公務員と言っても、さまざまな種類があります。大きくは「国家公務員」「地方公務員」の2つに分類できます。両者は選考時期が異なるため、併願することが可能です

どちらも「公共の福祉」のために働く、福利厚生が充実していることについては同様です。それぞれの違いを知り、自分のやりたい働き方を決める判断材料としましょう。

国家公務員

国家公務員は、国民のために働く職業です。政府の意向に従事して働き、仕事内容は府省庁等ごとに異なります。事業範囲が幅広く、県をまたぐ転勤をともなう場合があります。非常に大きな組織であるため、事業規模や周りへの影響力が大きいのが特徴です

採用枠には、本省を中心に将来の幹部候補として働く「総合職」、一般職員として国民とより密接に働く「一般職」の2種類があります。総合職の方が試験の難易度は高いですが、その分影響力のある仕事に携わることができます。

たとえば人事院は、国家公務員の人事管理を担当する中立的な立場として、人事行政の公正性性の確保などをしています。経済産業省は、経済・産業の発展および鉱物資源、エネルギー資源に関する行政を所管し、日本の経済政策に関与するのが仕事です。

国家公務員の特徴

・国民のために働く
・事業の規模や影響力が大きい
・転勤がある場合は異動範囲が広い
・仕事内容は府省庁等ごとに異なる

国家公務員の例

人事院、総務省、法務省、財務省、厚生労働省、農林水産省、林野庁、水産庁、経済産業省、国土交通省、気象庁

地方公務員

地方公務員は、特定の地域に密着して働く職業です。地方自治体の限られた範囲で地域に貢献する仕事が中心になります。転居を伴う異動はほぼなく、同じ場所で長く働くことが一般的です。地域に密着して働くことになるため、国家公務員より地元の人と関わる機会が多くなります。

地方自治体の対象地域は、都道府県もしくは市町村となります。都道府県庁の方が範囲が広く、仕事の規模も大きくなりやすいです。特定の地域で働くことになるため、自分の好きな自治体を志望する人が多いのも特徴と言えます。

公務員は役割ごとに課が割り当てており、総務課、経理課、道路管理課、上下水道課、公園課などがあります。自治体にどんな課があるのか把握すると、自分が携わりたい仕事を見つけるきっかけにもなるでしょう。

地方公務員の特徴

・管轄エリアの住民のために働く
・より住民と密接に関わる
・転勤が少なく限られた範囲で働く
・仕事の規模は自治体により異なる

公務員の職種

国家公務員、地方公務員の違いに加え、職種によっても公務員の仕事内容は大きく異なります。本記事では「行政」「技術」「専門」「福祉」「公安」の5つを紹介します。

国家と地方のどちらが自分に向いているか分からない人は、職種から逆算して考えると良いでしょう。職種から選ぶことで、「専門を活かせる仕事に携わりたい」など志望動機が明確になり、職業を決めやすくなります。以下を参考にして、受験する公務員選びに役立ててください。

行政系

行政系は公務員の中でも最も多い職種です。事務作業や都市計画といった仕事がメインとなり、自治体では市民の窓口対応などもあります。

国家公務員は各府省庁を1つの企業だと考え、それぞれの府省庁に課が存在します。どの職場にも総務課、経理課、人事課といった課があるため、行政職として採用されるとそのような仕事に携われるのが特徴です。

仕事内容は幅広く、部署異動により全く異なる仕事を担当することもしばしば。何かを極めるスペシャリストではなく、何でも幅広く携わるゼネラリストになることが求められています

法学、経済学、社会学などを専攻していた学生に人気で、募集人数は多いですが倍率も非常に高いのが特徴です。一次試験の倍率は高いところで100倍を超えるため、筆記試験の勉強には長い時間をかけて取り組む人も多いです。

地方公務員事務職の試験内容や働くメリットについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

行政系の主な職業

総務課、経理課、市民課、観光課、地域振興課、都市計画課、公園課、道路管理課、環境課、秘書課

技術系

技術系には機械、電気、土木、建築といった分野があり、それぞれ専門知識を活かして働けます。その中でも社会基盤事業に携わる土木分野は募集人数が多く、土木を専攻している学生にも公務員を志望する人が多いのが特徴です

部署移動はあれど、特定の分野に関する仕事に携わることができます。行政系より異動範囲は狭くなりますが、その分野のスペシャリストとして働くことができます

インフラに関する職業に就くことが多く、日常業務は維持管理や改築工事などの仕事があります。また、災害があった場合に出勤しなければならないのも技術系職員の特徴です。自分の所属する組織の直轄エリアに限らず、規模の大きい災害が発生した際は援助に出る場合もあります。

技術系の主な職業

建設課、道路管理課、建築課、上下水道課、河川課、防災課、造園課

専門系

技術系とは異なり、国家公務員に限定した職種です。国家総合職、国家一般職とは別の専門職試験を合格することで就くことができます。

主な仕事として皇居護衛官、法務省専門職、財務専門官、国税専門官、食品衛生監視員、労働基準監督官、航空管制官などがあります。

技術系と比べると、文系の専門分野を活かしたい人に向いている職種と言えます。とは言え公務員試験を受験するのに学科の縛りはないため、自分のやりたい仕事が明確な人におすすめの職種と言えるでしょう。

専門系の主な職業

財務専門官:国の予算執行調査や金融機関の検査・監督をおこなう
国税専門官:国の財源となる税金の賦課・徴収をおこなう
食品衛生監視員:検疫所にて輸入食品の安全監視及び指導などをおこなう
労働基準監督官:労働条件の確保・向上に努め、労災に関する予防・調査をおこなう
航空管制官:飛行機の離発着を調整するなど、航空安全に関する業務をおこなう

福祉系

看護、保育、心理といった仕事に携わる職種です。都道府県や政令指定都市が運営する福祉事務所や病院が勤務地となることが多いです。そのため、採用された自治体が同じでも、他の職種の人とは別の勤務地で働くことになるでしょう。

実際の仕事内容としては、福祉施設や保健施設、児童相談所などに勤め、利用者の生活支援や相談窓口を担当します。他の職種とは異なり、対象とする人が限られているのも特徴です。こちらも自分のやりたい仕事が明確な人に向いている職だと言えます。

また、自治体によっては資格を要する場合もあるので、自分が志望する場所の募集要項は確認しておきましょう。

福祉系の主な職業

看護職、保育職、心理職

公安系

他の職種とは異なり、治安維持に従事する職種のことを公安職と言います。例として警察官、消防士、法務教官、刑務官、海上保安官などが挙げられます。

警視庁は国家公務員となりますが、そのほかの警察官は主に都道府県、消防士は市町村における公務員として扱われます。そのため、転勤は限られたエリア内で行うのが一般的です。その他の公安職は国家公務員となります。

いずれも日本の治安を守る仕事であり、独特の使命があります。特に、警察官や消防士は日頃から非常事態に備え、時には命を懸けて働く仕事です。責任感とやりがいのある仕事に携わりたい人に向いている職種だと言えます。

公安系の主な職業

警察官、消防士、法務教官、刑務官、海上保安官

公務員に向いている人

公務員に向いている人

公務員の特徴を理解したところで、以下より公務員に向いている人について紹介していきます。大きく3つあり、「人のために働きたい人」「地域に貢献したい人」「キャリアプランを計画的に立てたい人」に向いていると言えます。

公務員は仕事内容だけでなく、福利厚生の良さからも人気のある職業です。生計を立てていく上で福利厚生も、職業選択における重要な判断項目となります。自身は何を基準に公務員を志望するのか考え直すきっかけにしてください

人のために働きたい人

まず、「人のために働きたい人」です。公務員は「公共の福祉」のために働くので、民間とは異なり利益を追及しません。仕事をする上では利益を度外視し、国民もしくは地域住民のために働くことになります。

災害時には時間外・休日問わず出勤したり、繁忙期には残業を続けてでも働く必要があります。苦しい状況の中でもやり遂げられ、「人のために働くこと」にやりがいを感じられる人に向いている職業だと言えます。

逆に、自分のことを後回しにして「人のために働きたい」と思えない人には向いていないとも言えます。仕事内容にもよりますが、公務員は国民・地域住民のためであれば、自分の生活を後回しにしてでも働かないといけない時もあります。

それだけ責任感のある仕事になりますので、それだけの覚悟があるか振り返ってみましょう。

地域に貢献したい人

次に、「地域に貢献したい人」です。理由は「人のために働きたい人」と同様で、自分の担当する地域のために働かなければならないことが挙げられます

自治体であれば庁舎のある地域が対象となり、国家公務員であれば日本国全体に及ぶなどさまざまです。そのため、特定の地域で貢献したい人は地方公務員、広い範囲で貢献したいと思う人は国家公務員に向いていると言えるでしょう。

注意点として、公務員は異動を伴う職業であることを忘れないようにしましょう。市町村の職員であれば転居を伴う異動は滅多にありませんが、都道府県、国家公務員については勤務地が遠くなる可能性もあります。それも考慮した上で、公務員を志望するか判断しましょう。

キャリアプランを計画的に立てたい人

最後に、「キャリアプランを計画的に立てたい人」です。公務員のキャリアステップは年功序列で決まっており、自身のキャリアプランを把握しやすくなっています。

また、給与は法律で定めれており、国家公務員の給与は『俸給表|人事院』で知ることができます。地方公務員であれば異動しても転勤しないケースが多く、家を買うなど私生活の計画も立てやすくなるのが特徴です。

注意点として、異動する部署はわからないということです。異動はその人の適性や、状況に応じて行われます。そのため、異動する先が多い職種ほど、自分のやりたい仕事に携われるかは見通しが立てられません。ただし、どの仕事でもやりがいを見つけるようにすれば、気にならなくなる問題ではあります。

公務員になりたい理由とその注意点

公務員になりたい人の理由として、「地元で働きたいから」「安定しているから」「民間就活より簡単そうだから」の3つが挙げられます。公務員を志望する学生の多くは、いずれかの理由を本音として考えていることでしょう。

ただし、選考でこれらの理由を押し出すと、採用担当者から「楽をしたいだけなのかな」と思われる恐れがあります。これらに限らず、公務員の仕事を知り、前向きな理由を述べられるようにしておきましょう。

自分が公務員を志望する理由と照らし合わせ、職業選びの基準を決める参考にしましょう。

あなたが公務員に向いているか、適性を確認してください

就活では、自分に適性のある仕事を選ぶことが大切です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまいます

そんな時は「適職診断」を活用して、志望する職業と自分の相性をチェックしてみましょう。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、ぴったりの職業を診断できます。

適職診断で自分の適性を把握しておき、就活を効率的に進めましょう。

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地元で働きたいから

まず、「地元で働きたいから」という理由が挙げられます。公務員は地域に密着して働くことができるので、地元で働きたいと思う人は多いです。

国家公務員も種類によっては、転勤のない職種もあります。「自分の志望する場所で働きたい」という想いが明確な人は、その地域を管轄とする自治体を志望すると良いでしょう

注意点として、異動により志望する地域から外れる可能性もあります。とは言っても異動は一時的ですし、仕事の幅を広げる上で必要不可欠です。

「転勤したくない」という想いは、「地元に貢献したい」という気持ちの裏返しの場合もあります。理由を深掘りして、選考では前向きな気持ちを伝えましょう。

安定しているから

次に、「安定しているから」という理由が挙げられます。「公務員は福利厚生が充実しており、給与が大きく変動しないことから、生活が安定する」と考えて公務員を志望する人も多いでしょう。

前述の「キャリアプランを立てやすい」という点も、安定していると思われる理由となります。地方公務員であれば想定外の異動も少ないため、自身が望むキャリアステップを踏めそうな職種を選びましょう

注意点として、「福利厚生がしっかりしているから」という理由では、採用担当者に「仕事は二の次なのかな」と思わせてしまう恐れがあります。福利厚生を一番の志望理由とせず、どんな仕事をやりたいのかを伝えられるようにしましょう。

民間就活より簡単そうだから

最後に、「民間就活より簡単そうだから」という理由が挙げられます。公務員試験は例年通りに実施される場合が多く、過去の情報より選考の内容を把握しやすいです。

職種にもよりますが、一次試験が筆記試験、二次試験以降が面接となっているパターンが一般的となります。単純に試験勉強と面接練習に力を入れるだけで良く、対策がわかりやすいというのが特徴です。

注意点として、試験内容が単純でも、対策は民間就活と変わらず入念におこなう必要があります。むしろ公務員は年々人気になっており、倍率も非常に高いことが特徴です。自分の中で達成感があっても、周りも同様にできている場合もあります。油断せずに対策するように心がけましょう。

具体的な試験対策は以下より紹介していますので、参考にしてください。

公務員の試験内容

公務員の試験内容は、「筆記試験」「面接」の大きく2種類を受けるのが一般的です。その他、職種によってはグループワークや論文試験なども実施されます。

筆記試験は一次試験、面接は二次試験で実施されることが多いです。国家公務員は2次試験まで突破することで、各府省庁の採用面接を受ける権利が得られます。国家公務員試験を合格するだけで就活は終わりません。採用試験を通じて志望する府省庁から内定を得ましょう。

地方公務員の場合は、3次試験、4次試験と面接を多く受ける自治体もあります。国家公務員に比べて住民と関わる機会が多いこと、異動しても同じ職場にとどまることから「人間性」を重視する自治体は多いです

以下より各試験の紹介をしていきますので、どのような対策をするべきか理解を深めましょう。

筆記試験

公務員の筆記試験は、一次試験に実施されるのが一般的です。公務員になる上で最初の関門となりますので、試験勉強に多くの時間をかけて対策しましょう。

試験内容はどの職種でも共通の「教養試験」、それぞれ専門分野が出題される「専門分野」があり、択一式のマークシート試験となっています。試験の難易度はそこまで高くありません。しかし、時間制限が厳しく設定されているため、効率的に解く必要があります

また、教養試験は範囲が幅広いため、過去問で傾向をつかみながら対策しましょう。

主な試験範囲

【教養試験】
文章理解、判断推理、数的推理、資料解釈、時事、物理、化学、生物、地学、思想、日本史、世界史、地理、政治・法律、経済、同和問題
【専門試験(行政系)】
政治学、行政学、社会政策、社会学、国際関係、憲法、行政法、民法、商法、刑法、労働法、経済原論、財政学、経済史、統計学、経営学
【専門試験(技術系)】
工学に関する基礎(数学・物理)、受験区分により土木、機械、化学、農学・農業のいずれか

面接

筆記試験を終えた後、面接による人物評価が実施されます。履歴書、自己紹介シートなどを作成・持参し、その内容に沿って深掘りされる質問が多いです。

面接対策としては、志望する職場の仕事内容は確実に理解しておきましょう。具体的な仕事内容を踏まえ、どのように貢献したいかを述べることで、熱意が伝わりやすくなります

また、周りと差別化しようとするあまりに、奇抜や独特といったアピールをするのは控えましょう。公務員は職場の風土や規律を重視しているので、周りと合わせて仕事ができる人が求められます。

公務員の就活準備

公務員試験の対策しようとする上で、公務員の就活準備について紹介します。お伝えすることは「就活を始める時期」「予備校と独学はどちらが良いか」「公務員の就活マナー」に関する3つです。

民間就活と両立しようとする人は、以下を参照とすることで就活スケジュールを立てやすくなります。公務員試験対策のやり方を知り、周りの学生より有利に準備を進めましょう。

就活を始める時期

公務員試験の対策は、大学3年生の9月から始める人が多いです。年度明けから行われる一次試験に向けて、筆記試験の対策を半年かけることが一般的となっています。

最初は、時間をかけて解く必要のある問題を中心に勉強しましょう。教養科目に出題される「数的処理」「判断推理」「文章理解」は問題が複雑で、解くのに時間もかかります。解き方のコツを身につけるためにも、余裕のある期間から手をつけておきましょう。

最初の筆記試験を突破しないことには、次の面接には進めません。まずは筆記試験の対策に注力し、面接対策は一次試験を終えてから取り組みましょう。

予備校と独学はどちらが良いか

公務員試験の対策として予備校に通うかは、個人の自由です。予備校に通うと試験対策のコツを知れたり、意欲的な環境で勉強で学習できるメリットがありますただし、お金と時間も要するため、民間就活と両立したいと思う人には負担が大きいです

独学での対策が不安な人は、早めに準備に取り組むようにしましょう。試験対策は決められた範囲で出題されるので、時間をかけて勉強すれば突破することも不可能ではありません。

予備校も体験入学をしているところもあるので、試しに通ってみて自分に合うかどうか決めましょう。

公務員の就活マナー

就活マナーについては、公務員と民間に違いはありません。一般的に筆記試験の服装は自由で、面接などは事前に指定されることが多いです。

公務員は特に誠実さが大切な職業ですので、面接では「しっかりした人」であることをアピールできるように心がけましょう。元気な声で挨拶をすることもポイントです。

就活マナーは一朝一夕で身につくものではありません。自身のない人は時間をかけ、入念に準備しておきましょう。自分の立ち振る舞いを周りの人に見てもらい、おかしなところがないかチェックすることも大切です。

公務員試験を突破するために必要なこと3つ

公務員試験を突破するために必要なこと3つ

以下より、公務員試験を突破する上で忘れないでほしいことを紹介します。大きくは「試験勉強に一番時間を費やす」「面接は一次試験を終えてから対策する」「時事について知っておく」の3つです。

一括りに公務員試験と言っても、時期によって重視する対策を分けることが望ましいです。これらを把握し、公務員試験の対策を長期的な目で考えるようにしましょう。

①試験勉強には一番時間を費やす

公務員試験の対策をする際は、まず一次試験におこなわれる筆記試験の勉強に時間を書きましょう。一次試験を突破しないことには次に進めませんので、筆記試験が最初の関門となります。

試験日から逆算して、半年近くの時間をかけて勉強することが一般的です。まずは、解くのに時間がかかる「数的推理」「判断推理」など計算を伴う問題から対策を始めましょう。筆記試験は限られた時間でいかに正答するかが、攻略の鍵となります。簡単に解くコツを早い段階から学習しておきましょう。

暗記科目は早い時期から学習しても忘れる恐れがあるので、計算問題をある程度解けるようになってから学習しましょう。苦手な分野であれば、早い時期から取り組むことで理解できるようになります。

ただ闇雲に勉強するのではなく、自分に合った効率の良い勉強を心がけることが大切です。志望する職業の試験範囲を把握し、解くのに時間を要する分野、自分の苦手な分野を中心に勉強するようにしましょう。

②面接は一次試験を終えてからしっかり対策する

面接は一次試験を終えてから対策を始めましょう。そのため、一次試験が終わるまでは、筆記試験対策に注力することになります。

一次試験から二次試験までは1ヶ月近く期間が空くケースが多く、その間で対策をすることは可能です。民間就活と両立する人は、民間の選考を通じて面接対策もできます。

職種によっては一次試験から面接があったり、一次試験から二次試験までの期間が短い場合もあります。志望先の試験内容を把握し、それに対応できるように計画を立てるようにしてください。

③時事について知っておく

公務員を志望する上では、時事も知っておくようにしましょう。見落としがちですが、時事は筆記試験や面接、論文でも出題される重要な分野です。

筆記試験では教養試験にて、択一式で時事問題が出題されます。教養試験は知っていれば誰でも解ける問題ですので、一問も落とさない意識で勉強するようにしましょう。

学習のコツとしては、新聞などを読んで社会情勢の流れを知る習慣を身につけることです。時事は暗記するのでなく、早い時期から社会の出来事を把握する意識を持ちましょう。

自分に合った就職先の決め方

最後に、自分に合った就職先の決め方を紹介します。方法は「自分のやりたい仕事を決める」「自分に合った働き方を知る」「自分が仕事に求めることを整理する」の3つです。

これらは公務員に限らず、民間の就活でも活かせる考え方です。内定をもらうだけでなく、社会人になってからも長く活躍できるようになるために、しっかり考えましょう

①自分のやりたい仕事を決める

まず、「自分のやりたい仕事を決める」です。公務員は幅広い職種があるため、自分のやりたい仕事を選びやすいのが特徴となります。

大学で専攻している分野に携われる仕事、業務内容に興味のある仕事などから考えましょう。好きな仕事をすることでやりがいを感じられやすくなり、長く仕事を続けるモチベーションにつながります。

②自分に合った働き方を知る

次に、「自分に合った働き方を知る」です。公務員は人のために働くということは前述の通りで、公務員としての働き方に共感できるか考えてみましょう。

自分に合った働き方を知る上で、自分の性格や価値観を把握しておくことは重要です。自己分析、他己分析などを通じて、自分自身の理解を深めましょう。

③自分が仕事に求めることを整理する

最後に、「自分が仕事に求めることを整理する」です。仕事を通じて何を得たいのか理解することで、辛いことがあっても乗り越えられるようになります。

仕事で得られるのはお金だけではありません。知識、経験、やりがいなど得られる項目をピックアップし、優先順位を決めましょう。その優先順位を満たせると思った職種を選び、志望先を絞ると整理しやすくなります。

就活の軸を見つけて自分に合った就職先を決めよう

公務員に限らず、民間の就活を乗り越えるには「就活の軸を決めること」が大切です。軸を決めることで、膨大な数の職種から自身に合った仕事を選ぶ基準となります。また、内定を勝ち取るだけでなく、社会人になってからも長く働く上でも大切なことになります。

自分一人で決められない時は、周りの人に相談するようにしましょう。多角的な視点から物事を見ると、新しい気づきも出てきます。就活を通じて、より一層成長できる学生が増えることを期待しています。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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