面接対策

就活に役立つキャリアビジョンとは? 見つけ方や職種別に例文も紹介

目次

  1. キャリアビジョンを決めておくと就職すべき企業を見つけられる
  2. 就活におけるキャリアビジョンとは?
  3. 違いを理解しておこう! キャリアビジョンと類似している言葉
  4. キャリアビジョンを考えておいた方が良い3つの理由
  5. 就活でキャリアビジョンを聞かれる理由
  6. 就活生に聞いた! 就活でキャリアビジョンについて聞かれた経験
  7. 4ステップで見つけよう! キャリアビジョンの考え方
  8. 就活生に聞いた! キャリアビジョンを決めた方法
  9. 高評価につながる! キャリアビジョンに必ず盛り込むべき内容
  10. 就活生に聞いた! キャリアビジョンを答える際に意識したこと
  11. 相手に伝わりやすい! 印象に残るキャリアビジョンの伝え方3選
  12. 【職種別】面接官の印象に残る! キャリアビジョンの例文
  13. こんなキャリアビジョンは避けたい! マイナス評価につながるNG例文
  14. 理想のキャリアビジョンを見つけて自分に合った企業へ就職しよう

キャリアビジョンを決めておくと就職すべき企業を見つけられる

学生の中には、面接でキャリアビジョンを聞かれた際にどのように回答しようかと悩んでいる人もいるでしょう。また、就活でキャリアビジョンを決める必要性があるのか、疑問に感じている人もいるかもしれません。

結論から言うと、就活を成功させるためには、キャリアビジョンを決めておくことが大切です。なぜなら、キャリアビジョンを決めておくことで、自分が就職すべき企業を効率良く見つけられるからです。

この記事では、キャリアビジョンについて考えている人に向けて、キャリアビジョンの重要性や探し方、面接官への伝え方について紹介します。また、キャリアビジョンの例文も併せて紹介するので、ぜひ参考にしてください。

就活におけるキャリアビジョンとは?

就活におけるキャリアビジョンとは、「企業に入社した後にどのような人生を歩んでいきたいのか」の展望です。

「キャリア」は幅広い意味で使われますが、簡単に言うと仕事やプライベートを含めた将来の展望です。ただし、就活の場においては、仕事での将来の展望を中心に伝えます。

たとえば、「部下から信頼される部長になりたい」や、「顧客から信用される販売員になりたい」などがキャリアビジョンとなります

就活でキャリアビジョンを決めておくこと、自分の理想を軸に企業を見つけることができるため、ミスマッチが起こりづらくなります。

違いを理解しておこう! キャリアビジョンと類似している言葉

キャリアビジョンと類似している言葉

キャリアビジョンには、意味が似ている言葉がいくつかあります。そのため、それぞれの違いについて理解をしておかないと、質問された際に間違った回答をしてしまうリスクが出てきます。

ここでは、キャリアビジョンと似ている言葉を3つ紹介していくので、違いを正確に覚えておきましょう。

キャリアパス

キャリアパス制度は企業によって異なりますが、「仕事に限定されたキャリアの中でどのような人材として成長していくのか」、という意味ではどの会社も共通です。

たとえば、昇格試験を受けるために営業成績で上位数%に入る成績を収めることや、管理職になるために昇格試験に合格することなどがあげられます。

「キャリアビジョン」は、仕事とプライベートのどちらにも該当しますが、「キャリアパス」は、仕事に限定される点に大きな違いがあります

キャリアプラン

たとえば、「周りから信頼してもらえる人になりたい」というキャリアビジョンがある場合、信頼されるためにはどのような行動をしていく必要があるのか、を考えて実行することがキャリアプランです。

電車でたとえると、キャリアビジョンが目標とする終点であるのに対し、キャリアプランはその道のりの各駅であるといえるでしょう

キャリアプランについて詳しく知りたい人は、こちらの記事を参考にしてください。

キャリアデザイン

プライベートや仕事に関係なく、今後の人生をどのような道筋で歩んでいくのかを決めることです。キャリアプランと似ていますが、キャリアプランより細かく具体的に設計することを意味します

たとえば、将来はWebデザイナーとして在宅勤務で働きたい場合、何歳までにWebデザイナーとしてのスキルや知識を学び、何歳までに在宅勤務を実施している会社に入社するかなどです。

キャリアビジョンを達成させるためには、キャリアデザインで具体的な人生プランの設計をしていく必要があるといえますね。

キャリアビジョンを考えておいた方が良い3つの理由

キャリアビジョンを考えておいた方が良い3つの理由

学生の中には、キャリアビジョンを考える必要性に疑問を抱いている人もいるでしょう。また、「キャリアビジョンは社会人になってから考えても遅くないのでは」と感じる人もいるかと思います。

しかし、キャリアビジョンは就活をする今だからこそ、自分に合った企業を見つけるために考える必要があります。仕事やプライベートにおいての将来の理想像を実現するためにも、こちらを参考にしてください。

①自分に合う企業を効率よく見つけられるから

キャリアビジョンを考えておくことで、理想の企業の特徴について考えるため、自分が働きやすい企業を探せます。

たとえば、在宅勤務で家族と過ごせる時間を増やしたいのであれば、在宅勤務を導入している企業を中心に探せますよね。

他にも、将来は語学力を活かして海外で働きたい場合は、海外進出をしている企業や外資系企業などを中心に、自分に合った企業を効率良く探せるでしょう。

このように就活でキャリアビジョンを明確に考えておくと、応募する企業を効率良く探せるため、就活をスムーズに進められます

②これまでの経験や学んだスキルを棚卸しできるから

キャリアビジョンを探す際に、これまでの経験や身に付けたスキルを今後どのように活かすかなどを考えられます。そのため、キャリアビジョンを考えると同時に、応募先企業にアピールできる経験やスキルを棚卸することができるのです

たとえば、学生時代のサークルで代表を務めていた経験が将来のマネジメント職に活かせるなどです。

応募先企業で自分のスキルや経験をどのように活かしてキャリアビジョンを達成させるのかを考えると、面接官の印象に残るアピールポイントにもつなげられますよ。

③選考で聞かれた際に迷わず答えられるから

面接でキャリアビジョンを聞かれた際に迷わず答えられると、面接官に入社後の熱意を伝えられます。

どの企業も入社後は長く活躍してもらいたいと考えるのが一般的です。そのため、入社後のキャリアビジョンを明確に答えられる学生は、長く活躍してくれる人材だと思ってもらえ、面接官の印象に残ります

また、キャリアビジョンを答える際は、応募先企業でしかキャリアビジョンを達成させられないような内容にすると、志望度の高さが伝わりより面接官の印象に残りますよ。

就活でキャリアビジョンを聞かれる理由

就活でキャリアビジョンを聞かれる理由

就活でキャリアビジョンを聞く意図は、質問する企業によって異なります。しかし、キャリアビジョンを聞くことで確認できる点は共通しており、学生の人間性や志望度の高さなどを見ています。

採用担当者がキャリアビジョンを聞く意図や確認できる点を理解し、面接官の意図に沿った形でキャリアビジョンを答えられるようにしましょう。

応募者の人柄や性格を見たいため

キャリアビジョンを聞くことで、応募者の人柄や性格を確かめられます。なぜなら、キャリアビジョンは、仕事に限らずプライベートなども含めて人生の理想像を聞けるからです

たとえば、「社内で皆から慕われ、頼られる上司になりたい」と答えた場合は、協調性があり面倒見の良い性格であることがわかります。また、「10年後には自分で新しい事業を立ち上げたい」と答えた場合は、挑戦的な人柄であるといえるでしょう。

このように、キャリアビジョンを聞くことで応募者の性格や人柄を確認し、自社で活躍できる人材像にマッチしているのかを確認しているのです。

入社後どのように活躍してくれるのかを確認するため

キャリアビジョンは、応募者がどのようなことを目標に仕事に取り組んでくれるのかを把握できるため、入社後にどのように活躍してくれるのかを知る質問としても有効です。

たとえば、キャリアビジョンで管理職を目指していることがわかれば、積極的に業務に取り組み、誰よりも成果を上げようと活躍してくれると感じられますよね。

他にも、顧客に喜ばれる接客を目指している場合は、自社の顧客満足度を向上させるために業務に取り組んでくれることが期待できます。

このように入社後にどのように活躍してくれるかを知るためにも、キャリアビジョンを通じて応募者がどのように業務に取り組むのかを確認しているのです

入社意欲があるかを確かめるため

キャリアビジョンを質問した際にスムーズに答えられると、自社に入社する意味が明確であることから、入社意欲が高いと感じてもらえます。

また、短期的な目標だけでなく、5年・10年後の中長期的なキャリアビジョンであれば、長期間の活躍にも期待できるでしょう

そのため、企業はキャリアビジョンを通じて、応募者の入社意欲を確かめて、長期的に活躍してくれる人材であるのかを判断している場合もあります。

就活生に聞いた! 就活でキャリアビジョンについて聞かれた経験

キャリアビジョンについてどのくらいの確率で企業から聞かれるのか気になりますよね。そこで、学生の皆さんに、就活でキャリアビジョンについて聞かれた経験があるか質問してみました。

キャリアビジョンについて聞かれたことは?

アンケート結果としては、およそ54.7%の学生がキャリアビジョンについて聞かれた経験があるという結果となりました

キャリアビジョンを聞くことで、学生の人柄や入社後の活躍を確認できるため、多くの企業が選考でキャリアビジョンについて質問していることがわかりますね。

このアンケート結果を考慮すると、自分だけのキャリアビジョンを考えておき、面接で聞かれた際にすぐに答えられる状態にしておきたいところです。

4ステップで見つけよう! キャリアビジョンの考え方

キャリアビジョンの探し方

これまでキャリアビジョンについての重要性などについて紹介しました。しかし、キャリアビジョンが重要だとしても、どのように考えてよいかわからない人がほとんどだと思います。

そのような人に向けて、自分に合ったキャリアビジョンを探す方法を4ステップに分けて解説していきます。特に難しいことはないので、1ステップずつ着実に実践をしていきましょう。

ステップ①これまでのスキルや経験を整理する

キャリアビジョンを探す際には現在の自分自身を把握し、将来に活かせるスキルや経験を考える必要があります。そのためにも、これまでのスキルや経験を整理する必要があるのです。

経験やスキルを整理しないと、キャリアビジョンを描いたとしても、非現実的になってしまう可能性があります。たとえば、大学で文系を専攻しているにもかかわらず、研究職として活躍したいなどです。

上記のような形で、経験してきたことから、どんなスキルが身に付いたのか紙などに書き出してみると、整理がしやすくなります。

これまで学んできたことを最大限活かしたキャリアビジョンを見つけるためにも、これまでのスキルや経験を整理してみましょう。

ステップ②自己分析と他力分析をする

次に整理したスキルや経験をもとに自己分析と他力分析で、将来の理想像について考えてみましょう。たとえば、プライベートと仕事ではどちらを優先したいのか、仕事において給料とやりがいではどちらを優先したいのかなどです。

このようにキャリアビジョンを考える際は、これからの人生において何を重視したいのかを自分で考えてみてください

また、自分だけではなく、家族や友人など周りの意見も参考にすることで、広い視野で優先すべき項目を考えられますよ。

自己分析や他己分析のやり方について詳しく知りたい人は、こちらの記事を参考にしてください。

ステップ③10年後の「理想の自分」を具体的に想像する

自分の中で優先すべき項目を明確にし、10年後の「理想の自分」を具体的に想像してみましょう。

たとえば、どのような仕事をしているのか、どれくらいの給料をもらっているのかなどです。具体的に想像をしておくことで目標がより明確となり、次のステップで物事を考えやすくなります

また、キャリアビジョンとは、あくまで「理想の自分」です。そのため、少し高望みをすることも問題はありません。仕事以外でも結婚などのライフイベントも併せて考えることで、より現実的なキャリアビジョンを描けるでしょう。

ステップ④「理想の自分」になるのに必要なスキルや経験を考える

10年後の具体的なキャリアビジョンを描けたら、「理想の自分」と現在の自分自身を比べ、どのようなスキルや経験が不足しているのかを見つける必要があります。

不足しているスキルを明確にすることで、キャリアビジョンを達成させるには、どのようなことを学ぶ必要があるのかを明確にできるからです

そして、不足しているスキルや経験を見つけ、いつまでに達成させられるのかを考えます。

このように、短期・中期的な目標をいくつか立ててみましょう。

また、キャリアビジョンを達成させるために必要な経験を考え、仕事の中でその経験ができる企業に就職することも大切です。「理想の自分」になるために伸ばしていくべきスキルや経験が整理できたら、就職すべき企業の特徴や業種などを絞れますよ。

就活生に聞いた! キャリアビジョンを決めた方法

キャリアビジョンはどのように決めた?

キャリアビジョンの考え方は人それぞれです。自分では見つけられない場合も、ほかの学生の決め方を参考にすることで、キャリアビジョンを見つけられる可能性もあるでしょう。

そこで、学生の皆さんにキャリアビジョンをどのように決めたのかを質問してみました。

自己分析で決めたという回答が多数

アンケートの回答では、自己分析という回答が多数ありました。

キャリアビジョンは自分の将来の目標であることから、自己分析で決めた人が多いようです。

自分のことを一番理解しているのは自分自身であるため、将来の理想像は自分自身で整理して考えている人が多いといえるでしょう

OB・OG訪問をして決めたとの回答も

アンケートの回答では、OB・OG訪問で決めたとの回答もありました。

OB・OG訪問では、興味のある企業で働いている先輩を訪ねて、実際の業務内容や社内の雰囲気などを知ることができます。

実際に働いている先輩に就職後のリアルな仕事や生活スタイルなどを聞けるため、自分が入社した際のイメージがしやすいといえますね。また、興味のある会社で働いている先輩のキャリアビジョンを聞いてみると、新しい発見があるかもしれません。

OB・OG訪問についてもう少し詳しく知りたい人は、こちらの記事を参考にしてください。

高評価につながる! キャリアビジョンに必ず盛り込むべき内容

キャリアビジョンに盛り込むべき内容

キャリアビジョンの内容を充実させることで、長期的に活躍することや前向きに業務に取り組むことなどをしっかりとアピールできるため、面接官の印象に残りやすいです。

これから解説する内容を盛り込めれば、他の学生と差別化できる印象に残りやすいエピソードができるので、ぜひ実践してみてください。

①会社で成し遂げたいこと

キャリアビジョンを通じて応募先企業で成し遂げたいことを伝えることで、どのようなことを目標に業務に取り組むのかをアピールできます。

たとえば、「顧客満足度を向上させたい」「営業成績で社内1位を獲得したい」などです。

顧客満足度の向上であれば、顧客に寄り添った接客や提案を意識して業務に取り組むことをアピールできますし、営業成績で1位を獲得することを目標にしている場合は、日々の営業成績を意識して業務に取り組んでくれることがわかります。

入社後にどのような目標を持って業務に取り組むのかをアピールするために、キャリアビジョンを通じて応募先企業で成し遂げたいことを伝えることは有効な手段です

②成し遂げるためにどんな工夫をするか

キャリアビジョンで将来の理想像を語るだけでは、達成までの明確な道筋が見えていないため、面接官からの高評価は得られないでしょう。そのため、目標を達成するための具体的な工夫や考えも併せて伝える必要があります

たとえば、営業成績で社内1位を獲得するために、日々の実績をExcelで管理したり、1カ月の目標件数を決めて逆算して日別の予算を考えたりなどの工夫が挙げられます。また、実績のある先輩社員からアドバイスをもらうことも1つの手段だといえますね。

このように、キャリアビジョンを成し遂げるために、どのような工夫や行動をするのかまで伝えられると、「入社後に自分がやるべきことを把握している応募者」だと面接官の印象に残ります。

③目標となる数字はあるのか

内容に数字を盛り込むことで、より具体的なキャリアビジョンを作成できます。

たとえば、SNSマーケティングで10万人のフォロー数を目指したり、エンジニアとして開発に携わったアプリの利用者で100万人を突破させたいなどです。

目標としているキャリアビジョンを具体的な数字を用いることで、より具体的な内容となります。ただし、数字を設定する際はライバル企業など過去の事例を参考にしたうえで、非現実的な数字ではなく、現実的な数字を設定することが大切です

④いつまでに達成したいのか

キャリアビジョンを伝える際は、想いの強さを示すために、いつまでにその目標を達成するのか時期を明確にしておくことが重要です。

たとえば、「入社後は管理職として多くの部下に慕われる人材になりたいです」と回答しても、いつまでになりたいのかを回答できないと面接官は本当に成し遂げたいのかと疑問を感じる可能性があります。

一方で、「25歳までに昇格試験を受けて、30歳までには管理職として活躍したいです」と回答する方が管理職になりたい熱意が伝わりますよね。

このようにキャリアビジョンでは、何年以内にその目標を達成したいのかまで答えられると、より信憑性のある内容にできます

⑤将来的にどのような存在になりたいのか

キャリアビジョンでは、社内でどのような存在になりたいのかを伝えることで、面接官に自分がどのように会社に貢献していきたいのかをアピールできます。

たとえば、経営陣として社員をまとめられる存在になりたいと答えた場合は、会社全体の実績や経営を考えて業務に取り組む人材であることをアピールできます。

また、教育担当として新卒の定着率を高められる存在になりたいと答えた場合は、退職率を下げて人材の採用費を削減することで企業に貢献できるといえるでしょう。

ただし、将来的にどのような人材になりたいのかを考える際は、そのような人材になりたい理由を明確にするためにも、現在の自分の性格やこれまでの経験と関連して考えることが大切です

就活生に聞いた! キャリアビジョンを答える際に意識したこと

キャリアビジョンを答える際に意識したことは?

キャリアビジョンの答え方で意識していることは人それぞれ異なります。

どのように答えればよいかわからない場合も、ほかの学生の答え方を参考にすることで、意識すべきポイントを見つけられる可能性もあるでしょう。そこで、学生の皆さんにキャリアビジョンを答える際に意識したことを質問してみました。

応募先企業の業務内容と関連させたという回答が多数

アンケートの回答では、応募先企業の業務内容と関連させたという回答が多数ありました。

キャリアビジョンを応募先企業の業務内容と関連させることで、面接官に共感してもらいやすい内容にしている人が多いようです

たしかに、キャリアビジョンで面接官からの共感を得られると、ほかの学生よりも有利に選考を進められますね。

応募先企業の求める人物像を意識したという回答も

アンケートの回答では、応募先企業の求める人物像を意識したという回答もありました。

企業の求める人物像を意識することで、より面接官に響くキャリアビジョンを意識している学生が多いようです。

応募先企業の求める人材像は、企業によって異なります。そのため、企業分析をしっかりとおこない、応募先企業が求める人材像をキャリアビジョンに反映させることは有効な手段だといえますね

ただし、企業が求める人材像と自身の性格やスキルが大きくずれていて、無理矢理合わせようとするとミスマッチが起こるので気を付けましょう。

相手に伝わりやすい! 印象に残るキャリアビジョンの伝え方3選

印象に残るキャリアビジョンの伝え方

キャリアビジョンの伝え方を間違えると、たとえ内容が良かったとしても、企業にその良さが伝わらない可能性がでてきます。そのため、どのような流れでキャリアビジョンを伝えると良いのか、事前に理解しておくことが大切です。

こちらで面接官の印象に残るキャリアビジョンの伝え方を確認し、自分だけのキャリアビジョンを面接官にしっかりと伝えられるようにしておきましょう。

①キャリアビジョンを結論から話す

キャリアビジョンを結論から話すと、面接官に一番伝えたいことがしっかりと伝わるため有効な手段です。

OK例

私のキャリアビジョンは、30歳で営業課長に就任し、課全体の営業成績を向上させることです。そのため、御社に入社後は、営業成績を上げられる人材として日々の業務に取り組む予定です。

上記の伝え方だと結論となる「30歳までに営業課長」が最初にきているため、伝わりやすいですよね。

NG例

御社に入社後、営業成績を上げられる人材として日々の業務に取り組む予定です。そしてその先には営業部で昇進し、30歳には営業課長として課全体の営業成績を向上させることが私のキャリアビジョンです。

一方、こちらの例だと、「30歳で営業課長」である結論が最後にきているため、何の話をしているのか理解をするのに時間がかかってしまうでしょう。

そのため、最初に「私のキャリアビジョンは、○○歳までに○○していることです」と結論から伝えることが大切なのです

②事業内容と自身のキャリアビジョンの関係性を伝える

キャリアビジョンを伝える際は、応募先企業の事業内容と関係性を持たせることで、その企業に応募する理由となるため、面接官の印象に残りやすいです。

OK例

入社後5年内に営業売上で課でトップの成績を残せる人材になって、7年後には営業課長に就任し、それまで培ってきた営業ノウハウを課全体に共有していける人材になっていきたいと思います。

上記の伝え方だと、営業職として営業職でのキャリアビジョンをしっかりと伝えられていますよね。

NG例

御社に入社後、営業職としてコミュニケーション能力を磨き、将来はエンジニアとして在宅勤務をしていたいと考えています。

そのため、休みの日には、パソコンスキルを学び、将来のキャリアビジョンに向かって諦めずに勉強に励むつもりです。

一方、こちらの例だと、営業職として志望しているのにも関わらず、「エンジニアとして在宅勤務をしていたい」と、応募先企業とは関係のないキャリアビジョンです。そのため、面接官は、「長期的に活躍してくれないのでは」と感じるでしょう。

このようにキャリアビジョンと事業内容に関係性がない場合、その企業に応募する理由にならないため、関係性を意識して伝えることを意識してください

③志望動機と一貫性を持たせる

キャリアビジョンを伝える際は、志望動機と一貫性を持たせることが大切です。たとえば、志望動機で「御社が実施している企業を成長させるための思い切った挑戦に惹かれ、私自身も一緒に挑戦していきたい」と回答しているとします。

OK例

私のキャリアビジョンは、10年後には社内で独立をし、自分のブランドを立ち上げることです。

上記の伝え方だと、志望動機の「挑戦」と、キャリアビジョンの「自分のブランドを立ち上げる」に一貫性があります。

NG例

私のキャリアビジョンは、会社の裏方として社内全体の業務をしっかりとサポートできる人材になることです。

一方、こちらの例だと、「会社の裏側として」と、志望動機とは矛盾しています。

このように、キャリアビジョンは志望動機にもつながるため、一貫性のある回答をすることで不信感を抱かない内容にできます

【職種別】面接官の印象に残る! キャリアビジョンの例文

キャリアビジョンを考えるうえで、具体的にどのようなキャリアビジョンが面接官の印象に残るのかを例文を交えながら紹介します。

職種別にキャリアビジョンの例文を紹介するので、自分が希望している職種を参考にしてください。例文を参考にすることで、より具体的なキャリアビジョンを考えられますよ。

例文①営業職

営業職の選考でキャリアビジョンを伝える場合は、営業としてどのように意識して業務に取り組むのかが大切です。例文では、「顧客に最適な提案ができ、信頼される営業」になることを伝えています。

例文②事務職

事務職の選考でキャリアビジョンを伝える場合は、事務員としてのキャリアビジョンを歩むための具体的な行動が大切です

例文では、「オフィスワークに関連する資格、特にExcelやWordのMOSを取得し、スキルを磨くこと」と伝えて、キャリアビジョンを達成させるための行動を示しています。

例文③マネジメント職

マネジメント職の選考でキャリアビジョンを伝える場合は、マネージャーとしてどのように周りを引っ張っていくのかが大切です。そのため、リーダーシップを発揮したエピソードが有効です。

マネージャーは会社でも重要な役割ですので、どのような経験を活かせるのかを伝えましょう。

例文④マーケティング職

マーケティング職の選考でキャリアビジョンを伝える場合は、どのように企業のブランディングに貢献していきたいのかを伝えることが大切です

例文では、「貴社の豊富なデータを活用し、ターゲット層の特定や最適な広告配信手法を見つけ出す」と伝え、より明確なマーケティング方法をアピールしています。

例文⑤看護職

看護職の選考でキャリアビジョンを伝える場合は、入社後に長期的に活躍したいと伝えましょう。医療分野は専門的な知識が必要になるため、すぐに代わりの人材を探すことができないからです

例文⑥エンジニア職

エンジニア職の選考でキャリアビジョンを伝える場合は、エンジニア職として活躍するうえで大切にしていることを伝えましょう

エンジニア職としてどのように活躍していきたいのかを伝えることで、業務に取り組む姿勢をアピールできますよ。

例文⑦教育職

教育職の選考でキャリアビジョンを伝える場合は、子ども達の教育でどのようなことを重要視しているかを伝えましょう。

例文では、「一人ひとりの生徒に合わせた指導」と伝えています。子ども達の教育に対する考え方を伝えることで、教育者に向いている人材であることをアピールしましょう

例文⑧金融職

金融職の選考でキャリアビジョンを伝える場合は、金融業界に対する想いを伝えることが大切です。

取得したい資格名などを出すと、より具体的なエピソードになるので実践してみてください

例文⑨技術職

技術職の選考でキャリアビジョンを伝える場合は、技術者としての考え方が大切です。例文では、「技術者は最新の専門技術を追求することが必要不可欠である」と伝えています。

技術者という役割を理解していることで、面接官から共感を得られるキャリアビジョンとなります。

例文⑩人事職

人事職の選考でキャリアビジョンを伝える場合は、どんな悩みや問題を解決していくのか、具体的に話すようにしましょう。

人事の主な仕事は、社員が働きやすい環境を作っていくことなので、そういった部分に触れられると良いキャリアビジョンになるでしょう

例文⑪製造職

製造職の選考でキャリアビジョンを伝える場合は、製造業を志望する理由と結びつけて伝えましょう

例文では、「細部にまでこだわりながら品質の高い製品を作り上げる過程に魅力」と伝えることで、製造業でキャリアビジョンを思い描く理由をアピールしています。

例文⑫クリエイター職

クリエイター職の選考でキャリアビジョンを伝える場合は、クリエイターとして顧客に何を与えるのかを伝えることが大切です

クリエイターとして顧客に与えることをアピールすると、応募先企業の顧客を増やすことにもつながりますよね。

こんなキャリアビジョンは避けたい! マイナス評価につながるNG例文

マイナス評価になるキャリアビジョン

キャリアビジョンを考える際は、面接官のマイナス評価につながる内容に注意する必要があります。

こちらではキャリアビジョンのNG例を4つ紹介するので、マイナス評価につながるキャリアビジョンを作らないためにも参考にしてください。

例文①自己中心的な内容になっている

私のキャリアビジョンは、自分のやりたいことができる仕事をしていることです。

実際に、私は大学時代にサークルやさまざまな趣味に没頭し、何がしたいのかを真剣に追求してきました。その中でも体を動かすことにつながる仕事ができれば理想的だと感じました。

そのため、御社では体を動かせる業務内容を任せていただければと感じます。また、特定の業界や職種にはこだわりはありません。どこでも、自分の能力を認めてくれるところで働きたいと考えています。

他にも、給与や福利厚生も意識しており、自分の価値を理解し、十分な報酬をもらえる企業で将来的には活躍したいと考えています。

キャリアビジョンを自己中心的な内容にしてしまうと、面接官はあなたに対して悪い印象を抱く可能性が高いです。例文を確認すると、応募先の社風には共感しておらず、業務内容や労働条件にこだわっていることが伝わります。

そのため、面接官からは、ほかに待遇が良い会社があればすぐに転職してしまう人材だと思われてしまうでしょう。

例文②プライベートを優先しすぎている

私のキャリアビジョンは、楽しみながら働くことです。

私の趣味は旅行で、世界中を旅しているときが最高に幸せだと感じます。入社後は、仕事とプライベートのバランスをとりつつ、長期の休暇を取得して、さまざまな国への旅行を考えています。

特に、毎年夏と冬には長期休暇を取得して、1カ月以上の旅行を実現したいです。また、仕事の中で疲れたと感じたら、リフレッシュのための短期の国内旅行にも出かけたいと考えています。

もちろん仕事も大切ですが、私にとっての人生の中で旅行は最も大切な部分を占めているため、毎年長期の旅行ができる企業で働くことが私の夢であり、キャリアビジョンです。

キャリアビジョンでプライベートを優先しすぎると、面接官はあなたのことを「仕事に対してやる気のない応募者」だと感じるでしょう。

キャリアビジョンを伝える際は、仕事に対する将来の目標を中心に伝えることが大切です

例文③応募先企業に紐づいていない

下記の例文は、不動産業界の採用選考でキャリアビジョンを聞かれた際の悪い回答例です。

私のキャリアビジョンは、海外の貧しい地域に貢献できる仕事に携わることです。

私は学生時代から、アフリカの子どもたちの教育問題に深い興味を持っており、大学では国際協力に関する勉強を中心にしてきました。

入社後は、経済的な安定を得るために御社で数年間は働く予定ですが、最終的にはこの不動産業界の経験を活かして、途上国での住宅問題やコミュニティづくりのプロジェクトに取り組みたいと考えています。

短期的な目標としては不動産業界で資金を貯めること、長期的な目標としては国際的な活動に専念していくことです。

キャリアビジョンを応募先企業と無関係にしてしまうと、面接官に明確な志望動機が伝わりません。そのため、「弊社でなくても達成できるものではないか」と思われ、マイナスの評価につながります。

キャリアビジョンを伝える際は、応募先企業に関係する内容を意識し、応募先企業だからこそ実現できる内容にしましょう

例文④転職してステップアップすることが前提となっている

私のキャリアビジョンは、御社で基本的な業界知識と実務経験を身につけて、業界内でのトップポジションまで上り詰めることです。

なぜなら、私は常に自分の市場価値を上げることを意識しており、この業界でのキャリアを築くためには、多くの企業での経験が必要だと感じるからです。

御社での業務内容は非常に貴重な経験となり、大手企業へのステップアップの足がかりとなると考えています。

そのため、御社に入社後は、2、3年程度で業務の流れや必要なスキルを習得し、より規模の大きな企業への転職を考えています。

短期的には御社で経験を積むことが目標ですが、長期的には業界内での転職を繰り返し、最終的には業界内でのトップポジションを目指していきたいです。

キャリアビジョンを転職してステップアップすることにしてしまうと、面接官は「すぐに辞めてしまう応募者」だと感じます。

転職を前提に入社する学生を求めている企業は少ないと思うので、長期的に活躍する意思をキャリアビジョンで伝えることが大切です

理想のキャリアビジョンを見つけて自分に合った企業へ就職しよう

企業は学生の人柄や将来像を把握するために、面接でキャリアビジョンの質問をするケースが多くあります。そのため、質問に答えられるようにしておかなければいけません。

自分に合ったキャリアビジョンを見つけることで、5年後・10年後の未来の自分を想像できるため、自分に合った企業へ就職できます

また、キャリアビジョンを応募先企業に関連した内容にし、長期的に活躍していく気持ちをアピールすることで、面接での評価を高められます。

記事で紹介したキャリアビジョンの作り方や伝え方、例文などを参考に、自分だけのキャリアビジョンを作成してみてください。

【キャリアビジョンに関する調査】

調査方法:ポート株式会社が運営する企業口コミサイト「就活会議」会員へのダイレクトメール
調査日:2023年9月19日~9月25日
調査元:「就活の未来」を運営するポート株式会社
調査対象者:24卒・25卒の就活会議会員の95人

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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