面接対策

グループディスカッション対策|役割決めなどの流れや評価ポイント

グループディスカッションとは

「グループディスカッション」とは、2、3人以上の複数の集団(Group)で与えられたお題に対する答えを討論(Discussion)して導き出すという取り組みです。選考の中で取り入れている企業も多く、就活生の中にもすでに経験したという方もいるのではないでしょうか。

一方で、これから経験するという方もいるでしょうが、その場合にも、企業がそれを課してくる意図などを知って、事前に対策を進めるようにしましょう。

ここでは「グループディスカッション」に焦点を当て、「どのような種類があるのか」や「取り組みを通じて何を評価されているのか」、「選考を通過するためのコツ」などをまとめてご紹介していきます。グループディスカッションについて気になっている就活生は、ぜひ参考にしてみてください。

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グループディスカッションに苦手意識を持っている就活生はたくさんいます。面接官から何を評価されていて、どうやって対策すればいいか分からないですよね。
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グループディスカッションの種類

冒頭でも触れたように、グループディスカッションとは、集団で与えられたお題に対する答えを討論して導き出すという取り組みです。これだけだと漠然とした印象として捉える就活生もいるでしょうが、それは間違いではありません。なぜなら、グループディスカッションにはいくつも出題形式があるのです。

ここでは、「グループディスカッション」として出されることの多い形式を3つに分けてご紹介いたします。知っておけば立ち回りもしやすくなるでしょうから、ぜひ参考にしてみてください。

グループワーク

グループディスカッションの出題形式として1つ目に挙げるのが、「グループワーク」です。「ケーススタディ」と呼ばれることもあります。この形式では、企業から与えられた設定や資料を基にして分析し、改善策などを提案するというのが主な流れです。

例えば、「コンビニ経営」がお題だったとすれば、立地や商品など様々な要素を分析しながら、より多くの利益を得るというのが目的となるでしょう。これに関しては、ゲーム形式でおこなっている企業も多いです。

そのため、熱中するがあまり思わず素が出てしまうということもあるでしょうが、くれぐれも粗相のないように注意してください。採用担当者は就活生の周りをまわりながら、言動を細かくチェックしています。

自由に討論する

グループディスカッションの出題形式として2つ目に挙げられるのが、「自由討論」です。「フリートーク」と呼ばれることもあります。この形式では、企業から与えられたお題にについてグループで自由に討論し、まとめた意見を発表するというのが主な流れです。

例えば、「グループで話し合い、無人島に必要なものを1つ選んでください」や「日本国内に電信柱はいくつあるか」などが挙げられるでしょう。これに関しては、人はそれぞれ違った意見や価値観を持っているということをあらかじめ理解しておくことが必要です。

時間内に答えを出すというのはもちろんのこと、なるべく全員が納得する答えを導き出さなくてはなりません。そのため、時間管理には気を付けるようにしてください。

2つの派閥にわかれてのディベート

グループディスカッションの出題形式として3つ目に挙げられるのが、「ディベート」です。与えられたお題に対して2つの派閥に分かれ、それぞれの主張をまとめあげて担当者に提出します。出題されるお題の例としては、「朝食はパン派?ご飯派?」などのライトなものから、「死刑制度存続には賛成?反対?」のような難しい話題まで幅広く挙げることができるでしょう。

これに関しては、与えられた立場の意見を出さなくてはならないことに注意しておいてください。企業によっては、あらかじめ派閥が割り振られていることもあります。そのような状況において、自分の主張とは異なる立場につくことになったとしても、あくまで自分の派閥としての意見を出さなくてはなりません。

中にはおもしろいと感じられるテーマが設定されることもあります。例を紹介していますので、併せて読んでみてください。

グループディスカッションの流れ

グループディスカッションは採用選考の一環ですので、発信力や傾聴力、積極性など社会に得てから必要となる能力を見極める目的でおこなわれます。グループディスカッションには様々な種類がありますが、どの学生がどのような能力を持ち合わせているかをより効率よく把握するため共通する流れというものが存在するのです。それでは、グループディスカッションの主な流れを見ていきましょう。

①役割を決める

グループディスカッションにおいて最初におこなうのは「役割を決める」作業です。グループディスカッションには様々な形がありますが、自由に討論してよい場合でもそれぞれが思い思いに言葉を発していたのでは、効率的な話し合いができず時間内に結論をまとめることができません。グループ内で様々な役割を設定し、それぞれの責務を全うすることで単なる「話し合い」ではなく「グループディスカッション」となるのです。

司会

役割には司会があります。司会が決まると、以後の進行は司会者が担当します。司会は「仕切り屋」ではなく、議論を活性させて論点を整理し、ディスカッションの結論を導き出す役割があります。そのため以下の点に留意しなければなりません。

・全員が議論に参加できるよう、なるべく均等に話を振る
・メンバーの発言はよく聞き真意を理解するように努める
・複数の意見を整理し、議論をまとめる道筋を立てる

司会者に求められるスキルは「傾聴力」「ロジカルシンキング」「状況把握力」などです。

タイムキーパー

タイムキーパーは単純に経過時間を伝える人ではなく、「時間を管理する」役割を担っています。例えば制限時間を半分が過ぎても議論が一方的に進んでいる、盛り上がりに欠けるなどというときは「時間も半分を経過しましたので、ここらで反対意見も出してみてはいかがでしょうか?」などと投げかけて活性化を促します。

終盤になっても結論がまとまりそうにないときは、「制限時間まで残り5分ですので、それぞれの意見をまとめて結論を導き出していきませんか?」などと議論を収束に向かわせるきっかけを与えます。このようにタイムキーパーは司会者をサポートする役割もありますので、求められるスキルは「働きかけ力」「状況把握力」などが挙げられます。

書記

書記は積極的に議論に参加しませんが、グループの結論を左右する重要な役割です。議論中、自分の意見を言うことに精一杯でうまく論点を整理できない人がいます。また、他のメンバーが何を言いたいのかよく理解せずに、各々が自分の言いたいことを脈絡なく話し続けた結果、議論がかみ合わなくなるのもよく見られる光景です。書記は、このようなことを防ぐために以下のようなサポートをします。

・メンバーの発言を整理して板書に要約する

・対立する意見を整理し、視覚的にわかりやすく板書する

・意見が偏りすぎないように促す

書記だからと言って全く発言してはいけないわけではありません。時折論点を整理する趣旨の発言をはさみ、議論の進行をサポートするのも大事な役割です。書記に求められるスキルは「傾聴力」「文章を書く力」などです。

グループディスカッションの役割についてより詳しい内容ははこちらの記事で確認してみてください。

②タイムスケジュールを決める

グループディスカッションには制限時間があるため、何にどのくらい時間を使うのかあらかじめ決めておかなければなりません。時間は大きく分けると「議論する時間」と「意見をまとめる時間」に分けられますが、さらに細かく分けると以下のようになります。

・議論の方向性の決定

・意見の出し合い

・対立意見の分類

・結論の整理

・発表(プレゼン)の準備

グループディスカッションとは議論することが目的ではなく、グループとして結論を導き出して発表することです。そのため、意見をまとめる時間も十分にとるようにタイムスケジュールを決めることが大切です。

注意点は、タイムスケジュールを決めることにあまり時間を取られないようにすることです。仮に時間制限が30分であった場合、役割を決めタイムスケジュールを決めるまでの所要時間は3分程度を目安に考えてください。

③意見・アイディアを出し合う

グループディスカッションが始まると、まずは意見・アイディアを出し合いましょう。これはブレーンストーミング(ブレスト)と呼ばれ、限られた時間内で意見をまとめるためにお互いにアイディアを出し合い、相互作用によって議論が活性化することを狙った手法です。

より多くの人が発言することで相互作用が増強されるため、他人と似た意見であっても発言をためらう必要はありません。そういった場合は「私も〇〇さんと同意見で、~のように考えています。」と自分の立ち位置を明確にするだけでも意味があります。

注意点は、他人の意見を否定しないことです。否定を怖がって議論が拡大しませんし、他人を否定することで自らの意見を正当化しようとする人はここでは評価されません。

④内容を整理してまとめる

グループディスカッションでは多くのメンバーが各々意見を出し合うため、ほっておくと収拾がつかなくなります。そのため、ここでしっかりと時間をとることが重要です。内容を整理する際は、多くの意見を分類する作業から始めます。

仮に10名のメンバーがひとつずつ意見を出し合った場合、類似する意見をまとめてA案・B案・C案など2~3案に類型し、各案を評価していく、という流れとなります。注意点は、メンバーが出した意見の真意を正確に読み取って整理することです。

通常、意見の整理は司会者や書記がおこなうのですが、発言者の本意でない解釈を進め、類型をしまうと、着地点がずれ、メンバー同士の信頼関係構築もできなくなってしまいます。グループディスカッションでは、発表だけでなくそのプロセスやグループ内の雰囲気も評価されえますので、意見を整理する際は発言の意図と相違ないか確認するなど、注意して進めましょう。

⑤結論を出して発表の準備をする

意見の整理が終われば次はグループとしての結論を確定させ、発表の準備をします。結論は、前述の通り類型を行ったA案、B案などからベースとなる案を選定し、ブラッシュアップをかけていきます。各案それぞれに長所、短所がありベースが選べない場合はA案とB案のいい点を合体させるなど工夫します。

ブラッシュアップをする際の注意点は、発表の際受ける質問を想定することです。グループ内でも複数の違った意見が出たように、発表の際は様々な質問を受けることが予想されます。どんな質問が来てもなるべく答えられるように、「結論」を理論武装させていくのも大事ですが、逆に「結論」の弱点を理解しておくことも重要です。

⑥発表

グループディスカッションの発表はホワイトボードなどを使い代表者がおこなうことが一般的ですが、全員でおこなう場合もあります。発表時間は決められているため、ペース配分が重要となります。発表の流れは様々ですが、下記のような進め方が一般的です。

・結論

・結論の補足やエビデンス

・結論に至ったプロセス

・結論のほかに出た意見など

・まとめ

時間がなく予定していた内容を発表できずに終了してしまうのは怖いことですが、時間が足りなくなることを恐れるあまり、時間が余ってしまうケースも多いです。どちらの場合もマイナス評価となってしまうことが多いので、発表内容にメリハリをつけ、時間調節できる内容を準備しておくと便利です。

①強調して発表すべき項目 「結論」「結論のエビデンス」

②時間調整に使える項目  「補足」「プロセス」「他の意見」

時間が足りなくなりそうなら②の項目を削り、逆に時間が余りそうなら②に時間をかける、という工夫をすればいいでしょう。

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グループディスカッションで面接官が見ているポイント

先に述べた通り、グループディスカッションは与えられたテーマに対する結論だけではなく、それに至ったプロセスが評価の対象となります。参加した学生がディスカッショにどうかかわったかを通じて、社会人として必要な能力を見極めているのです。では、主なポイントを見ていきましょう。

積極的に発言しているか

グループディスカッションで面接官が見ているポイントの1つ目は「積極的に発言しているか」です。社会に出ると、与えられた仕事をこなすだけではなく、積極的に企業の生産活動に参加しなければなりません。全く発言しないのはもってのほかですが、司会者に当てられた時だけ発言するというのもよくありません。

周囲の意見をきちんと聞いているか

グループディスカッションで面接官が見ているポイントの2つ目は「周囲の意見をきちんと聞いているか」です。グループディスカッションでの姿は、その学生の入社後の姿を想像させます。社会に出ると職場の同僚だけでなく社内外の様々な人たちとかかわりながら仕事をするため、自己主張しながらもお互いを尊重する必要があります。

グループディスカッションではいくらいい発言をする学生でも、周囲の意見を聞く余裕がない、聞く耳を持たないのでは、入社後の周囲と協力して仕事を進めていく能力を疑われてしまい、マイナス評価となります。逆に、周囲の意見をよく聞き、それを踏まえて意見を出すことができれば高評価につながる場合もあります。

自分の考えをわかりやすく説明できているか

グループディスカッションで面接官が見ているポイントの3つ目は「自分の考えをわかりやすく説明できているか」です。いくらいいアイディアを持っていても、それを具現化することができなくては宝の持ち腐れです。グループディスカッションの場合は、よい考えを持っていてもわかりやすく説明できなければ評価につながりません。

これは個別面接でも同じことです。思いついたことを何でも口にするのではなく、普段から論点を整理して話をする、自分が話した内容を他人が理解できているかを気にするなど、ちょっとした心がけがグループディスカッションや面接の対策となると思って実践するといいでしょう。

オリジナルの視点を持っているか

グループディスカッションで面接官が見ているポイントの最後は「オリジナルの視点を持っているか」です。人は、他人の意見を参考にしながら知識を増やして社会的にも成長していきますが、そこに自分の意見がなければいけません。

グループディスカッションにおいては、議論に積極的に参加するうえで、他人の意見に迎合する、あるいは反対するばかりでなく、オリジナルの視点に立って発言することが重要です。普段からニュースや他人の話に対して自分がどう考えているのか整理し、発言するときは自分の視点から発信することを心がけましょう。

グループディスカッションは練習しておくことでよりアピールしやすくなります。練習のポイントについては以下の記事でまとめています。

グループディスカッションは周囲と協力して完成させよう

グループディスカッションは個別面接とは違い、他の学生との共同作業です。自分だけがいくら優れた意見を持っていても、グループの一員として機能していなければいい評価を得ることができません。普段はライバル同士である他の学生であっても、この時ばかりは共通の目的を持った仲間です。

必要以上に仲間意識を感じる必要はありませんが、グループディスカッションで評価されるためにも、お互いに協力してよい発表ができるように作りあげていきましょう。面接官は、それら一連のプロセスをよく見ています。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

多くの学生と企業をマッチングしてきた経験を活かし、『就活対策サイト「キャリアパーク!」が教える 「最高の会社」の見つけ方』(高橋書店)を出版。最高の会社を見極めるための基準や失敗しない企業選びの方法を紹介している。

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01459)

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