面接対策

面接で「苦手な人」を聞かれた際の答え方|質問する理由と注意点

面接では「苦手な人」について聞かれることも多い

どんな就活生でも、志望する企業での面接は緊張するものです。ものすごく考えて丁寧に履歴書を作成しても、面接での受け答えひとつで台無しになってしまう可能性もあるでしょう。アルバイトの面接を経験したことのある人もいると思いますが、就活の面接は、それとはまったく別物だと考えてください。そして成功するためには、事前に入念な準備が必要でしょう。

「なんとかなる」、「話がうまいから」などと考えてしまっては、面接で受からないかもしれません。この記事では、面接で意外と聞かれることが多い「苦手な人」について網羅しています。企業が質問する意図や答え方のポイント・注意点などを紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

企業が「苦手な人」について質問する理由

「なんで苦手な人を聞くのだろう?」、「そんな質問なんて答えたくない」などと思う就活生もいるかもしれません。もちろん企業は、嫌がらせなどの悪趣味で苦手な人について聞いているわけではないので、ご安心ください。

苦手な人を聞くのは、明確な意図があります。それは、就活生の人柄や性格を把握するためと言えるでしょう。好きな人を質問するよりも、人間性が出やすい問いかもしれません。企業の意図を理解して、どう答えるべきか考えてみてください。

誰とでも協力できる人間か見極めるため

ビジネスでは、自分の好きな人や気の合うメンバー同士だけと一緒に仕事をするわけではありません。時には、「話が合わない」、「性格的にマッチしない」などという苦手な人ともビジネスをすることになります。もちろん、「あの人は苦手なのでメンバーを変えてください」とは、なかなか言えることではありません。

同じ社内の人間だけではなく、ビジネスシーンでは、社外など含めさまざまな人と関わることになります。なので、どんな人とでも協力し合える能力が必要になるでしょう。こうした背景があるからこそ、企業は面接で苦手な人について質問してくるのです。苦手な人が多いというタイプの就活生であれば、面接の合格は難しいかもしれません。

「苦手な人」から就活生の性格を見極めたい

「苦手な人」のタイプを聞くことにより、就活生がどんな性格なのか把握できることがあります。例えば、「いい加減な人が苦手」というのであれば、その就活生は細部までこだわって仕事する真面目な性格かも知れません。「人の話を聞かない人が不得意」であれば、「協調性のあるタイプ」と判断することが可能です。

苦手な人という質問は、就活生の本音が出るものです。時間をかけて作り込んだ自己PR、志望動機などの質問では、面接者の真の姿を見ることは難しいかもしれません。企業としては、履歴書の内容やありきたりな質問では判断できない性格面なども知っておきたいはずです。高い能力の就活生でも、人柄的に問題があれば、採用を見送る可能性もあるでしょう。

「苦手な人」について質問されたときの答え方ポイント3つ

では、「苦手な人」について問われた時、どのように答えれば悪い印象を与えずに済むのでしょうか。まずは、漠然とした理由であったり、論理的に無理がある内容では、面接官を納得させることは難しいでしょう。苦手な人の悪口だけで終えることも、後味が悪いだけになってしまいます。また、苦手な人に対してどのように振舞っているのかも重要なポイントになるでしょう。端的に言うと、自分本位に帰結しないことが大切です。

①苦手な理由を正しく伝える

「なんとなく苦手です」などといった理由では、面接官を納得させることはできません。また、「〇〇な人が苦手」という理由が曖昧で筋の通らない場合も、マイナスポイントになってしまう可能性が高いでしょう。「なぜ苦手なのか」、「どうして嫌いなのか」ということを事前にしっかりと考えておく必要があります。

「〇〇という経験を通して」などと自身が体験した話をすると、具体性が増して面接官を納得させる確率が高まるに違いありません。苦手な人について語る際、キツい言い方や汚い言葉遣いになってしまう人もいるかもしれません。しかし、ビジネスシーンに適さない話し方は、面接合格から遠のいてしまう危険性があるので、十分注意してください。

②プラスイメージで終わるような順序で答える

「苦手な人」の理由が、いくら論理的で腑に落ちる内容であっても、その場の雰囲気を悪くさせるようなものではいけません。最終的には、プラスイメージになるように話を組み立てることが大切です。苦手な人・嫌いな人を問われれば、批判的な内容になってしまうことは当然の話かもしれません。しかし、それを聞いている面接官に良い印象を与えることは難しいでしょう。では、どう答えれば良いのでしょうか。

苦手な理由を正しく伝えた後、「自分はそのようにならないよう、気をつけて生活している」などといったプラスイメージに話を持っていくべきです。そうすれば、好印象を与えることに成功できるでしょう。ネガティブなままで話を終えないよう注意してください。

③自分なりの対応方法を伝える

苦手な人の理由を、体験談などを交えて論理的に話し、ポジティブな内容で帰結すること以外にも重要なポイントがあります。それは、苦手な人に対してどう接しているのかです。苦手な人への対応方法は、企業としてはもっとも聞きたいことかもしれません。

どんな人とでもうまくビジネスができる人材か判断しているので、苦手なタイプにどう接しているのか、しっかりと説明できるようにしておきましょう。「〇〇が苦手」とした上で、「〇〇して対応しています」とするのが、模範的な答え方です。

面接の準備がどのくらいできているのかを確かめよう

「苦手な人」を聞かれたときの回答を考え始めている人は、面接準備がはかどっているのではないでしょうか?面接は事前準備が重要ですが、現時点での面接力を診断することで、より念入りな対策を進めましょう。

そこで活用したいのが「面接力診断」です。自分の弱点を把握するとともに、どこを伸ばせば面接力が高くなるのかが一目で確認できます。内定を獲得するためにも、バランスよく面接に必要なスキルを身につけておきましょう。

苦手な人について面接で答える際の注意点

答え方のポイントをご紹介しましたが、注意する点をいくつかお伝えします。「長所」、「学生時代にがんばってきたこと」のようなポジティブな質問ではありませんので、言葉遣いには気をつけましょう。そして前述の通り、批判だけで話を終えてはいけません。面接官は、就活生の愚痴を聞きたいわけではありませんので、ビジネスシーンであることは、強く意識してください。他にも、漠然とした内容であったり、理由のない答えはNGです。

苦手な人が抽象的にならないようにする

苦手な人に限らずの話ではありますが、具体的な内容でなければ面接官の心に響くことは難しいでしょう。自己PRでも志望動機でも同様でしょう。抽象的な内容は、伝えているようで、なにも伝えていないことになってしまいます。「あまりしゃべらない人」などでは、具体性にかけているかもしれません。具体的かつ模範的な回答を挙げるならば、「あいさつができない人」、「時間を守らない人」などが良いでしょう。

常識がない人を苦手とするならば、常識があると判断されるはずです。いずれにせよ、苦手なタイプも曖昧、理由も非論理的、対応策も特になしというのであれば、ライバルの就活生たちに勝てそうにありません。具体性を重視して、苦手な人を答えられるように準備しましょう。

苦手という事実だけ伝えない

「苦手な人は、〇〇です」という事実だけ答えても、良い回答とは言えません。前述の通り、面接官は対応策や明確な理由を求めています。そうした内容で、就活生の性格や協調性の有無を判断しているでしょう。事実だけ伝えることもNGですが、感情的な内容も良くありません。「生理的に無理」、「顔が嫌い」などといった答えは、非常識かつ面接の場にふさわしくないものです。

それに感情的な内容は、論理的な理由や対応方法を答えることが難しいので、必ず避けるようにしましょう。人の心を動かすためには、事実を伝えるだけはなく、明確な理由や前向きな話で完結するようにしなければなりません。これは、面接だけではなく、入社後のビジネスシーンでも同様です。

距離を置くなどネガティブな回答は避ける

「苦手な人と関わりたくない」「ストレスを受けたくない」と思うのは自然な感情ですが、そのまま態度に出すのは、ただのわがままな振る舞いです。人との距離感は大事ですが、「苦手だから距離を置く」では、「嫌なことはやらない、感情でしか動けない人なのか」「思い通りにならないと逃げるタイプなのか」と判断されてしまいます。

面接官はこの質問で、「人間関係をうまく築けるか」という対人スキルばかりでなく、「それとどう向き合うか」という問題解決能力なども探っています。ポイントは、「関わらない」ではなく「どう関わるか」なのです。苦手な人を避けていては仕事になりません。そして最も大切な仕事の目的は会社として成果(利益)を出すことですから、チームワークで勝たなくてはなりません。

ばっさり切り捨てて物事が進まずに終わってしまう回答は、ネガティブな印象を残すだけです。苦手意識があっても協力関係に発展させられるという切り口で考えてみましょう。

「苦手な人はいません」はNG

「この人、苦手だ」と感じた瞬間が過去にまったくないなんてことは、現実的にはなかなか考えられません。「苦手な人がいない」と片付けてしまっては、「善人に見せたくて取り繕っているのかもしれない」「すぐに考えを及ぼせない人で、思い浮かばないからそう答えてごまかしているのかもしれない」と不信感を与えかねず、むしろマイナスポイントです。本当にそうだとしても、意思がないのかその場しのぎでなにも考えていないと思われ、「自分のなさ」が際立ってしまい印象が良くありません。

また、「良いところに目を向けて、苦手にならないようにしています」「先入観にとらわれず、苦手と思い込まないように気をつけています」などという答えは耳触りが穏やかなだけで、質問の意図を理解した答えになっていません。「苦手な人」を訊かれたのですから「苦手な人」を回答する必要があります。

「苦手な人がいない」ことが良いのではなく、大事なのは「どう対処するか」です。それは仕事における姿勢としても、いろいろな面に表れるでしょう。

「苦手な人」について答えるときの例文

苦手とは、すなわち「自分がそうありたくない」「そうならないように気をつけている」、ひいては「自分はそうではない」という主張でもあります。面接官は「苦手な人」の問いで「本人の人柄」を見定めているのだと意識して、上手にアピールしましょう。

憧れの企業に入りたいがために、無理に背伸びをすると入社後に苦しくなります。相手に合わせた作り話でなく、経験から導き出した回答をするのが適切です。苦手な人と接する機会が一度もなかったということはないでしょうから、そのときの状況を振り返ってみましょう。具体的なエピソードに自ら湧き起こった思いを述べ、お互いのカラーが合致する会社と縁を結べれば理想です。例文を参考にして、どう答えるかを考えていきましょう。

例文①

私は、他人の話を聞かない人が苦手です。ゼミのディスカッションで、まだ他のメンバーが話している途中なのに遮って言葉をかぶせてきたり、相手のあらゆる発言に対して常に否定から入ったり、なにがなんでも自分の意見を通そうとする場面によく出くわすのですが、「もっと柔軟になれば議論が有効に活性化するのに」と思ってしまいます。
最後まで聞いたら実は同じ意見だということや、アイデアをミックスして思わぬ良いところに着地できる可能性もありますので、せっかく異なる意見に触れられるのにもったいない気がするのです。ですが、もしかしたら、他人の話を聞かない人と話すことを私が苦手としているだけかもしれません。タイムキープでのマネジメントや、意見交換のラリーができる雰囲気を作ることも考えていきたいと思います。

ここでは、身近な具体例を用いて日頃の思いを語っています。苦手なタイプと関わるのが下手なのではないかと反省を見せながら、自分にできることはないか、苦手と感じた者の役割を模索し、打開策を挙げて示しています。対象者を批判するのではなく、原因も方法も自分にあるかもしれないと我が身に立ち返っているのがポイントです。苦手を苦手でなくする努力で、好ましい姿勢をアピールできるでしょう。

例文②

アルバイト先に、教えられたやり方を「知らない」と言って自分流にアレンジする人がいるのですが、このようなタイプを苦手に感じてしまいます。忘れるのはやむをえないかもしれませんが、まるで教えてもらっていないかのような態度は、教えてくれた方に失礼ですし、人のせいにしているように聞こえます。忘れっぽいならマメにメモをとってチェックすべきですし、忘れたと言える正直さや再び教えを請う素直さも大切だと思います。
私のほうが少しだけ先輩なので、その立場を利用して私がうまくできるようになった取り組みを真似してもらえたらと、自分のノートがその人の目に入るようにしたり、率先して教育係に質問したり、作業前に確認のワンクッションを置いたりしてフォローをおこなっています。

アルバイトの話題は、入社後のビジネスシーンを思い描きやすいものです。ここでは、苦手な理由を明確にし、波風を立てないように配慮しつつ対処に努めている様子が窺えます。獲得数を順位づけするなど内部競争がある職場でも、できない人を蹴落とすのではなく、その相手を引き上げて全体の利益のためのベースアップを図れる力は重宝されます。ペースが違っても、良いやり方を見せてマイペースに乗せる力量が買われるかもしれません。

例文③

私がいつも苦手だと思うのは、公共の場でのマナーに欠けている人です。道路でキャリーケースに轢かれたり、階段で傘を横に持っている人に当てられたことがあります。先程も、混雑した電車内でリュックサックの人がいました。前に抱えていたところまでは良心的だったのですが、降りる際に背負う勢いで垂れた紐が振り回され、後ろにいた赤ちゃんの目に入りそうでハラハラしました。
私は、体だけでなく持ち物も自分の支配下にあること、エリア認識とそこでの責任は自分にあること、を気にかけて行動しているので、特に引っかかるのかもしれません。ただ、なんらかの事情からそうなっている可能性もあるので、周りが見えていないのだなどと決めつけず、できない背景に考慮したり、時には手伝える自分でもありたいです。

ここでは、日常の出来事を盛り込んでいます。面接では、質問に対してすぐにほうぼうへと考えをめぐらせ最適な回答を取り出す「とっさの判断力」や、間を置かずにわかりやすく要点をまとめて投げ返す「瞬発力」も試されています。事前の想定も大事ですが、じっくり練って用意した受け答えに限らずタイムリーな話題を持ち出すのも手です。

あらかじめ準備していた内容でも、「まさに今、構成しながら話しているふう」を演出できたら、かなり好印象です。なお、この例では、どうにもならないことを責めないよう注意を払っています。

面接で苦手な人を聞かれてもしっかり答えられるようにしよう

志望する企業の面接で、苦手な人について問われることがあるかもしれません。その質問の意図は、どんな人とでも協力し合って仕事できるのかどうかを見極めることにあるかも知れません。苦手な人から、個人の性格などを判断していることも考えられるでしょう。こうした質問に上手に答えるためには、苦手な理由を明確に伝え、プラスイメージで終えるような話を構築しなければなりません。

どう接しているのか、対応方法を提示するとより好印象になるでしょう。注意すべきNGな伝え方としては、抽象的な内容で伝えること、事実だけを伝えることが挙げられます。感情的な内容も避けるようにしましょう。これらのことを踏まえ、面接で苦手な人について訊かれた際の答え方を事前に準備しておきましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也
(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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