企業研究

コンサル業界の面接対策|よくされる8つの質問と回答例を紹介

コンサル業界の面接は対策することで突破できる

コンサルは人気の業界ですが、希望者が多いことや求められる能力のレベルが高いことから、就職難易度は高いです。コンサル業界への就職を目指すなら、選考の対策を念入りにおこなう必要があります。

特に面接の対策をしておくことは大切であり、事前準備なしで選考に臨んでしまうと、失敗する可能性が高いです。就職難易度の高いコンサル業界ですが、きちんと面接の対策をしておくことで、選考は突破できます。

コンサル業界へのスムーズな就職を目指すためにも、どのような能力が求められるのかや、面接でなにを聞かれるのかは知っておくことが大切です。面接の内容や頻出の質問などを知り、事前対策を徹底することでコンサル業界への就職を目指しましょう。

面接で見られている3つの能力

面接でみられている3つの能力を表した図

コンサル業界は実力主義の企業も多く、高い能力を示すことで高評価を得やすくなります。業界によってどのような能力が求められているかは違うため、コンサル業界ではなにが求められるのかを知っておくことが大切です。

コンサル業界の面接で特に重視される能力は、大きく3つあげられます。それぞれどのような能力なのか、なぜ必要なのかを知り、業界への理解を深め、面接対策の基本について知っていきましょう。

1.論理的思考力

コンサル業界の仕事は、簡単に言えばクライアントの企業や団体、組織に対して問題解決を図れるよう、アドバイスをすることです。そのため、クライアントが抱えている問題の解決策を提案するために、論理的な思考力が求められます。

課題を知り、それを解決するための方法を筋道を立てて考え、提案できる能力がコンサル業界では必要です。なぜその問題が起きているのか、起きている問題を解決するにはどのような改善策が必要なのかなどは、論理的に説明して提案できなければなりません。

筋道を立てて物事を考える能力がコンサルタントには必要であり、説得力のある提案をできることが大切です。論理的な思考力は一朝一夕で身につくものではないため、普段から思慮深く考え、自分の意見を正しく言語化するよう意識しておく必要があります。

「論理的思考力」について詳しく説明している記事もあるので、合わせて確認してください。「論理的思考力」について詳しくなることで、より優位に就活を進めることができるでしょう。

2.人と信頼関係を築くコミュニケーション力

コンサル業界の仕事は個人でおこなうものではなく、対企業や団体、組織でおこなわれるものです。つまり、対人スキルは重要であり、クライアントと良好な関係を築くためのコミュニケーション能力が求められます。

優れた思考力や問題解決力があっても、それをクライアントに上手に説明できず、納得してもらえないと仕事を進めることはできません。相手と信頼関係を結べることは重要なスキルであり、コミュニケーション能力はより高いレベルで求められると考えましょう。

ただ人と仲良くできるだけでは不十分であり、自分の考えや意見を、相手に納得してもらえるように伝え、信頼を勝ち取ることが重要です。人と人とのつながりで進む仕事だからこそ、信頼関係を築けるコミュニケーション能力の高さは重要視されています。

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3.チームで働くための協調性

コンサルの仕事は、ひとつの案件にさまざまな人が関わっています。クライアントが抱える問題の解決策を提案することがコンサルタントの仕事ですが、その陰には課題を洗い出すアナリストの存在があります。

また、大規模な企業や組織がクライアントになる場合は、ひとつの仕事で複数人のアナリストやコンサルタント、マネージャーなどが関係することも多いです。つまり、コンサル業界ではチームで働くことが基本となるため、チームと協力して仕事を進められる協調性がなければなりません。

実力主義が多いコンサル業界では、主体性や個人の力も重要ですが、それと同じくらい協調性も大切です。独りよがりでは仕事がうまく進められないため、自社の人たちとも協力できる協調性が重要であることは覚えておきましょう。

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よく聞かれる8つの質問と回答例

よく聞かれる8つの質問と回答例を表した図

コンサル業界の面接対策をするなら、実際の選考でどのようなことを質問されるのかを知っておくことが大切です。同じ業界でも企業によって面接で聞かれることは異なりますが、細部が違うだけで大まかな質問については同じであることも多いです。

そのため、業界で頻出の質問を押さえておくと、対策がしやすくなります。コンサル業界での頻出の質問は8つです。質問内容だけではなく、質問される意図や回答例も知りながら、面接対策を念入りにおこないましょう。

1.自己紹介

面接で自己紹介を求められるのは、本人確認のためだけではなく、その人がどのような人物なのか、簡単に知りたいからです。そのため、自己紹介では自身の名前や経歴を述べるだけではなく、性格的な特徴も簡単に伝えるようにしましょう。

○○大学○○学部から参りました、○○と申します。大学時代はサッカー部に所属し、チームスポーツで協調性を身につけました。サッカーで培った協調性がどのようなものか知ってもらえるように、精一杯アピールしたいと思いますので、何卒よろしくお願い致します。

自己紹介では名前と経歴に加えて、自分の特徴や能力なども伝えます。ただし、詳細なアピールは自己PRや志望動機などを聞かれた際に伝えるため、自己紹介ではあくまで簡単に述べることが大切です。

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2.学生時代頑張ったことはなんですか

学生時代に頑張ったことの質問では、学生時代にどのようなことに力を入れ、そこからなにを学び、どのように成長したのかが見られています。そのため、取り組みの内容を伝えるだけではなく、経験から得られた能力や成長も含めてアピールすることが大切です。

大学時代はゼミでの研究活動に取り組み、特にフィールドワークに力を入れました。文献では得られない生の情報をフィールドワークによって獲得し、その際にコミュニケーション能力を身につけました。研究活動で培ったコミュニケーション能力を活かし、御社でも活躍します。

どのような活動をしたのかを簡潔に説明し、どのように成長できたのかを伝えることが大切です。経験から得られた能力やスキルを提示した上で、企業で活躍できることを述べると、高評価になりやすいでしょう。

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3.コンサルティング業界を志望する理由

志望度の高さを問う質問として、コンサル業界を志望する理由を聞かれます。業界は多数ある中で、なぜコンサル業界を選ぶのかを聞くことで、就職意欲の高さを知りたいと考えています。

コンサル業界を志望するのは、様々な業界に触れ、幅広い領域で活躍できる仕事をしたいからです。クライアント企業によって業界は違い、得られる知識や提案すべき改善策は異なります。仕事をする中で幅広い業界の知識を身につけ、自身も成長しながら企業に貢献できる存在になりたいと思い、コンサル業界を志望しました。

業界の志望理由を伝える際には、他の業界との差別化を図ることが大切です。コンサル業界以外でも通用する内容を述べてしまうと、マイナス評価になる可能性が高いことは理解しておきましょう。

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4.弊社を志望する理由

志望度の高さをより具体的に知るために、業界だけではなく企業を選ぶ理由も聞かれます。これはコンサル業界への志望度の高さはもちろん、その中でも自社への就職意欲が高いか、企業研究ができていて本当に興味を持っているのかなどが見られています。

コンサル業界の中でも、御社はシンクタンク庁舎からの依頼が多く、公的な仕事の実績も多彩です。公的な団体や組織がよりよい仕事ができるようサポートをすることで、経済や社会の発展に貢献したいと考え、御社を志望しました。

企業の志望理由を伝える際には、志望企業と業界他社の違いを明確にしておくことが大切です。ただコンサルの仕事がしたいというだけでは、他の企業でもよいのではないかと思われてしまいます。志望先ならではの特徴や魅力に触れたアピールをすることが、他社を志望する理由と差別化する際のポイントです。

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5.強み・弱みはなんですか

応募者の個性を知るために、強みと弱みの両方を聞かれることは多いです。強みは仕事に活かせるものが、弱みは仕事をする上で致命的にならないことが大切です。また、弱みはどのように改善を目指して努力しているかも見られています。

私の強みはコミュニケーション能力の高さであり、相手が求めることを想像して発言することで、信頼関係を築くことができます。弱みは相手のことを考えすぎて、一歩踏み出せない場合があることです。弱みを克服するために、相手のことを考えるだけではなく、自分の意見を主張することの大切さも意識して発言するようにしています。

強みと弱みはそれぞれがリンクしていることが大切です。強みと弱みが矛盾していると、評価されない場合があるため、注意しなければなりません。

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6.困難を乗り越えた経験を教えてください

問題解決能力を見るために、困難を乗り越えた経験について問われることがあります。どのような問題があったのか、それを乗り越えるためにどのような努力をしたのかを伝えましょう。また、困難を乗り越えた先に得られた結果についてもアピールすることが大切です。

大学時代は軽音サークルに所属しており、リーダーを務めました。バンド内で目指す音楽性の違いがあり、解散の危機を迎えたことがあります。私はメンバー全員に話を聞き、それぞれの考えを共有して、全員が納得できる方向性を提示することで、解散を免れることができました。

どのような問題があったのか、それに対して自分が起こした行動はなにかを述べることが大切です。ただ行動を起こしただけではなく、それが良い結果につながったことも述べておきましょう。

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7.将来どのようになりたいか

就職してからの成長意欲を知るために、将来どのようになりたいかを聞かれることも多いです。将来なりたい人物像を明確にし、それを実現するためにどのような努力をするのかを示しましょう。

この人に聞けば安心できるという、誰からも信頼できる人物に成長し、活躍したいと考えています。信頼される人物になるためにも、社内でのコミュニケーションを大切にします。また、ひとつひとつの仕事で実績を上げ、幅広い業界の知識を身につけることで、社内での信頼度を高めたいです。

将来なりたい人物像は、自分の成長についてだけではなく、企業の利益になるかも考えることが大切です。ただ自分がなりたい将来像を語るだけではなく、実現することが企業への利益貢献につながるかも意識しましょう。

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8.あなたにとって「働く」とはどのようなことでしょうか

仕事への意欲や価値観を知るために、「働くとはなにか」を聞かれることも多いです。仕事をどのように捉えているかを、企業が求める人材像に沿ってアピールしましょう。

私にとって働くことは、理想的な自分を実現するための手段です。仕事で多くの人に感謝されたり、実績を上げて企業や社会に貢献したりすることで、社会にとって必要な存在になりたいと考えています。自分の理想像を実現することで、御社に利益をもたらし、企業に欠かせない人材になりたいです。

人によって働くことの価値観は異なりますが、お金のため、生活のためといった回答はNGです。働くことでお金を得て生活を維持することは大切ですが、それ以外の目的も提示して、自分がどのような考えを持っているのかを知ってもらいましょう。

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逆質問への3つの対策

逆質問への3つの対策を表した図

面接の最後には、「なにか質問はありますか?」と逆質問を求められることも多いです。逆質問は面接官に質問ができる貴重なタイミングであり、有益な情報を得られたり、抱えている疑問を解消できたりします。

しかし、どのような質問でも評価され、選考で有利に働くわけではありません。質問内容次第では、面接での評価を下げられてしまうこともあるため、注意が必要です。逆質問の対策も念入りにおこない、面接を有利に進めましょう。

1.調べてわかる内容の質問はNG

逆質問でどのような質問をするのかは個人の自由ですが、調べてすぐにわかることを聞かないようにしましょう。

例えば志望企業の創立年や創立者の名前、大まかな事業についてなど、ネットで調べて簡単にわかることを聞くのはNGです。調べて簡単にわかることを質問してしまうと、事前の業界・企業研究ができていないと思われます。情報収集が不十分だと判断され、企業への興味関心が薄く、志望度が低いと評価されることも多いです。

また、給料や休日など、仕事の条件面について聞くこともNGです。これらは調べてわかるだけではなく、質問すると条件だけで仕事を選んでいるという印象を与えてしまいます。逆質問は調べてわからないこと、ネットでは得られない情報について聞くことが大切です。

2.自分が入社したことを想定して不明な点を質問する

逆質問で高評価を獲得するには、自分が志望先の企業に就職したことを想定して、内容を考えることが大切です。

もしその企業に就職が決まったとして、不明な点はなにか、先に知っておきたい情報はなにかを考えておきましょう。企業や仕事についての不明点を聞くことで、将来自分が就職した際にも、疑問を持たずに仕事を進められます。

また、就職に備えた質問をすることで、志望度の高さを評価してもらいやすくなり、高評価を得られることも多いです。仕事の詳細について、企業で活躍するために必要な能力について聞くことが、逆質問ではおすすめです。

企業についての不明点を質問できる貴重な機会であるため、逆質問は有効活用して就職に備えましょう。

3.事前に質問リストを作成する

面接でスムーズに逆質問をするには、事前に質問リストを作成しておくことがおすすめです。面接中にわからなかったことを質問しても構いませんが、事前にいくつか候補を考えておくことで、知りたい情報を確実に得やすくなります。

また、集団面接の際に逆質問を求められることもあり、他の人と質問が被ってしまうこともあります。質問リストを作っていくつか候補を用意しておくことで、他の人と被った際にも素早く対処しやすいです。

・御社で活躍している人が共通して持っているスキルはなんですか?
・入社までにやっておくべきことはありますか?
・仕事の1日のスケジュールを教えてください
・今のキャリアに至るまで、どのような経歴をたどりましたか?

「逆質問」について詳しく説明している記事もあるので、合わせて確認してください。「逆質問」について詳しくなることで、より優位に就活を進めることができるでしょう。

コンサル業界独自の「フェルミ推定」と「ケース面接」の対策

コンサル業界への就職を目指すなら、業界独自の選考について対策をしておくことが大切です。コンサル業界独自の選考としては、「フェルミ推定」と「ケース面接」の2つがあげられます。

それぞれ他の業界にはない特殊な選考内容であるため、どのような内容なのかは事前に知っておかなければなりません。選考の具体的な内容だけではなく、対策方法も知り、コンサル業界の面接に備えておきましょう。

フェルミ推定の対策(新卒ではこれがメイン)

最低限の情報から、大まかな数値を概算して提示することが、フェルミ推定の特徴です。フェルミ推定は新卒の選考で実施されることが多く、論理的な思考力が試されています。

例えば「日本でテレビを観ている人の人口はどれくらいか?」、「国内にある車の台数は何台か?」などの質問が出されます。フェルミ推定は概算の提示でよく、正確な数を間違いなく導き出さなければならないわけではありません。

概算結果を算出するまでのプロセスがみられており、この際に論理的に考えて、無理のない説明ができるかもチェックされています。筋道を立てて物事を考えることが大切であり、理論が突飛になったり、結果の提示で説明に無理がないかを確認して、答えを導き出しましょう。

ケース面接の対策(中途で多い)

コンサル業界での実際の仕事のように、課題が設定され、それを解決するためのアイデアを提案するケース面接という選考もあります。

ケース面接は中途採用に多い傾向があり、例えば「国内の保険市場を3年で1.5倍にするにはなにをすべきか?」といった内容で出題されます。ケース面接では、課題を正確に捉えて、無理のない論理で改善策を提示することが大切です。

また、アイデアの提示には業界や企業、その他一般常識なども身につけている必要があり、教養が試されている選考ともいえるでしょう。自身が持っている知識を使い、ケースに当てはめて考えながら、課題の解決案を提示できるかどうかが、評価の対象となっています。

質問への回答とベースの考え方を理解して面接を突破する

コンサル業界の面接を突破するには、どのような質問をされることが多いのかを知っておくことが大切です。

また、質問内容だけではなく、回答例も参考にしながら、どのように答えるとよいのか、面接官はなにを知りたがっているのかも知っておく必要があります。回答内容とコンサル業界で評価されるベースの考え方を知っておくことで、面接の対策はスムーズにおこないやすくなります。

面接官が質問をする意図や、業界で求められる能力を知っておくことも、選考対策をする際には重要です。業界への理解を深め、徹底した事前対策をおこなうことが、面接を突破する秘訣です。就職難易度の高いコンサル業界にスムーズに就職するためにも、事前にきちんと対策して、面接に備えましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

多くの学生と企業をマッチングしてきた経験を活かし、『就活対策サイト「キャリアパーク!」が教える 「最高の会社」の見つけ方』(高橋書店)を出版。最高の会社を見極めるための基準や失敗しない企業選びの方法を紹介している。

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01459)

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