就活のマナー

就活中に選考辞退を電話で伝える方法【例文・注意点付き】

選考辞退の連絡は電話がおすすめ

選考辞退をする場合、連絡手段は「電話」がおすすめです。なぜなら、メールだと相手がいつ読むか、いつ返答が返ってくるかが不明で、相手にちゃんと伝わったかどうか判明するのにある程度時間がかかってしまうからです。電話なら、直接相手に意思を伝えることができますので、やりとりも1回のみで済みますし、直接話すことでなぜ選考辞退したのかの理由をはっきりと伝えられます。

選考辞退は、連絡しづらい気持ちは分かりますが、けじめとして必要です。また、就活が上手くいき希望の内定がとれたなら、選考辞退する企業への電話連絡は、相手側の都合を考えてできるだけ早くおこないましょう。「相手の事も考える」のは社会人として最低限のマナーです。

メールよりも誠意が伝わるため印象が良い

なぜ、メールよりも電話連絡での選考辞退が推奨されるのでしょうか?先に述べたように電話連絡がもっとも時間を短縮でき、さらに要件が1回のみで済むというのが主な理由ではあります。ですが、それ以外に相手方に対してきちんとこちらの誠意が伝わるというメリットもあるのです。

「どうせ行かない企業なのだから、誠意なんて伝えなくてもいいだろう」と考えるのではなく、社会人として大切な連絡は確実に伝わるようにおこなうようにしましょう。連絡責任を果たさない人間は、社会では信用を得ることはできません。社会人になってからも、信用は何よりも大切な要因となりますので、就活中から身に付けておきましょう。

面接辞退を電話で伝える方法

選考辞退を電話で伝える方法についてここでは3つの要点を紹介します。ぜひ参考にしてください。

①面接日と大学・名前を伝える

面接後に電話で辞退を伝える際の注意点としては、やはり自分がどこの誰なのかということだけでなく、いつに面接してもらったのかということを先に伝えるようにするということです。そうすると、よりスムーズにやり取りを進めていくことができるようになります。電話をしたら「〇月〇日に面接をしていただきました、〇〇大学の〇〇と申しますが、採用ご担当の〇〇様はいらっしゃいますでしょうか?」と伝えるようにしましょう。

担当者にかわってもらった後にも、「〇月〇日面接をしてもらった〇〇大学の〇〇と申します。」と名乗るようにしましょう。先に面接済みであることを伝えると、相手も「辞退の電話かな?」と察してくれるので、伝えやすくなるでしょう。面接後に電話する際には、かならずそうして伝えるようにしてください。以下で例文をご紹介します。

就活生: 〇月〇日に面接をしていただきました、〇〇大学の〇〇と申します。採用ご担当者の〇〇様はいらっしゃいますでしょうか。

担当者: はい、〇〇です。

就活生: 〇月〇日に面接をしていただきました、〇〇大学の〇〇と申します。大変身勝手で申し訳ないのですが、辞退させていただきたいと思いご連絡差し上げました。

担当者: そうですか。承知しました。

就活生: 大変申し訳ございません。それでは失礼いたします。

②選考辞退を伝えて謝罪する

選考辞退の連絡をする際、担当者には謝罪しましょう。企業側の応募を受け、試験や面接等の時間を割いてもらっておきながら途中で辞退を告げるのですから、一言必要です。電話口では「本当に申し訳ない」という気持ちを前面に押し出しながら、謝罪するようにしてください。

まだ選考段階なら、相手側も「そうですか、それは誠に残念です」とあっさりとした対応になる場合が多いですが、断る側ですから誠意はきちんと示しましょう。面接の辞退や内定の辞退も基本的には同じことです。できるだけ早く電話連絡で、「辞退して申し訳ない」という気持ちを伝えてください。ビジネスにおいて「誠意をきちんと伝える」のは、とても重要ですから、就活中にマスターするべきです。

理由は聞かれた場合のみ言う

面接後の辞退の電話では、辞退の理由は、聞かれない限り言う必要はありません。「先日は面接のお時間を頂きありがとうございました。本日は、大変失礼な話ではありますが、やはり選考を辞退させて頂きたく思い連絡させて頂きました。」と伝えるようにしましょう。すると形式的に「理由をお聞かせ願えますか?」と言ってくる方もいますが、だいたいの場合は、「そうですか」とあっさり終わります。ですから、わざわざ理由を言う必要はないのです。

理由を聞かれなければ「一身上の都合」でOK

選考段階では、相手側もまで決定しておらず辞退の連絡をしてもたいていは問題なく受けてくれます。ただ、まれに理由を聞かれることがありますので、その際は、きちんと理由を述べたうえで、辞退する旨を告げ謝罪をするようにしましょう。

あえて聞かれなければ「一身上の都合」で問題ないですが、もし聞かれた場合は、正直に理由を述べましょう。他社に内定した場合はもちろん、思っていた業務内容と違っていたなどの理由でも、きちんと伝えることが大事です。

企業側は、たとえ自社にとってマイナスの意見であっても貴重です。ただし、「合わない」場合は最低限きちんとどのような部分が合わなかったのかを簡潔かつ具体的に説明する必要はあります。

③時間を割いてもらったお礼を述べる

電話で選考辞退を行う際、一番の目的は辞退したいという旨を伝え、同時に謝罪することですが、その際、お礼も述べましょう。このお礼は、今まで試験や面接、連絡など業務中の時間を割いて対応してくれたことに対するお礼です。

大きな企業なら面接専門の担当がいますが、小さい会社の場合、社員の誰かが普段は業務に当てている時間を割いて、対応してくれています。「時間を割いていただき、ありがとうございました」と告げるのは、社会人として当然の礼儀です。たとえ入社することのない会社でも、このような礼儀だけは、きっちりとしておかなければなりません。

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選考辞退を伝えるテンプレ【例外編】

選考辞退を伝える際のテンプレとしてよくある「内定をもらった」という理由ではなく、「自分にこの会社が合わなかったから」という理由で辞退するパターンをお伝えします。もし、理由を聞かれた時は、こちらも参考にしてください。

就活生:「先日、〇月〇日、〇〇時より、面接を受けさせていただきました〇〇と申します。人事担当の〇〇様は、いらっしゃいますでしょうか?」

担当者: はい、私です。

就活生: 「先日は、御社の面接を受けさせていただき、ありがとうございます。誠に身勝手ですが、選考を辞退していただきたく思いお電話差し上げました」

担当者: そうなんですね。わかりました。ちなみに差し支えなければ理由を教えていただけますか?

就活生: 「はい。面接でお話を伺ったところ、私の想像していた業務内容との隔たりを感じたため、かなり悩みましたが、やはり自分の希望を優先したく思い辞退を決断いたしました。本来なら直接お伺いすべきなのですが、急ぎお伝えしようと思い電話させていたさきました。申し訳ございません」

担当者: 了解しました。就活頑張ってください。

就活生: 「ありがとうございます。お時間とらせていただき申し訳ありません。それでは、失礼いたします」

当日になって辞退となった場合

面接後だけでなく、面接当日にも辞退の電話をしないといけない可能性もあるでしょう。そのような場合は、どのように伝えればいいのでしょうか。まず、前提として電話で伝えるのがマナーです。「当日辞退の電話なんてしづらい」と思う就活生もいると思いますが、メールではなく電話で伝えるようにしましょう。電話の仕方は、面接後に電話するときと同じです。理由にもよりますが、「当日の連絡で申し訳ない」と一言添えると丁寧になります。

就活生: 本日〇時から面接をしていただく、〇〇大学の〇〇と申します。採用ご担当者様の〇〇様はいらっしゃいますでしょうか。

担当者: はい、私です。

就活生: 本日〇時から面接をしていただく、〇〇大学の〇〇と申します。本日〇時からの面接を辞退させていただきたく、ご連絡させて頂きました。

担当者: どうして?

就活生: 御社と並行して進めていた会社の面接が本日にあり、そちらを受けます。私の不注意でこのようなことになり、大変申し訳ございません。

担当者: 分かりました。

就活生: 本当に申し訳ございません。失礼いたします。

担当者が不在の場合

面接後または面接当日に辞退の電話をしたのに、相手が出ない場合もあります。担当者も就活期間はとくに忙しく、電話に出られない可能性は十分に考えられるのです。担当者が電話に出られない場合は、代わりの方に伝えてもらいましょう。辞退は急ぎの連絡なので、担当者の折り返しを待っていたり、時間をおいてかけなおしたりすると失礼になります。ほかの方に伝言を頼み、担当者にはメールを送るようにしましょう。伝言を頼む際は、より簡潔に伝えるように注意してください。

就活生: 〇月〇日の〇時に面接をしていただきました、〇〇大学の〇〇と申します。採用ご担当者様の〇〇様はいらっしゃいますでしょうか。

担当者: 〇〇は、只今席を外しております。

就活生: この度は、辞退させていただきたくご連絡差し上げました。大変恐縮ではございますが、伝言をお願いできますでしょうか。

担当者: かしこまりました。もう一度お名前をお伺いいたします。

就活生: ありがとうございます。〇〇大学の〇〇と申します。それでは、失礼いたします。

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選考辞退を伝える際の注意点

最後に、選考辞退を伝える注意t年について3つ紹介します。1つ目は早く連絡する、2つ目は電話は静かな場所からかけること、3つ目は相手の忙しい時間帯は避けることです。では、これら3つの注意点について詳しくみていきましょう。

辞退が分かった段階でなるべく早く連絡する

面接後に辞退の電話をしようと思ったら、なるべく早く辞退の電話をするというのもすごく大切なことです。相手の立場になってみれば分かりますが、次の選考にすすめようと思ったときに辞退の電話がくるのと、まだ迷っている段階で辞退の電話がくるのでは印象がまったく違います。面接後の辞退の電話は、早ければ早いほど印象が悪くならないのです。

面接後、2~3日の間に電話をかけると良いでしょう。面接後にスピーディーに辞退の電話をかけることができれば、逆に会社側としても選考の手間が少し省けて楽になるということもあります。ですから、早くかけるようにするというのは徹底していきましょう。上記のように、ほとんどの場合はあっさりと伝え終わるので、緊張する必要はありません。面接後に辞退の電話をする際の例文を、一通りご紹介します。

電話は静かな場所からかける

選考辞退の電話をかける際、電話をする場所もきちんと選んでおく必要があります。車の音や人の話し声など、外部音が聞こえる場所で電話をかけると、どんなに丁寧な言葉遣いで伝えても、片手間に電話しているような印象を与えてしまうのです。

まず、外からかけるのは基本的にNGです。静かだと思っている場所でも急に車が来るかもしれませんし、何かしらの大きな音が発生する可能性は否めません。自宅かもしくは会社のロビーなど静かな場所からかけるように心がけてください。

就業直後・昼休み・就業間際の時間はさける

どんな会社でも就業直後・昼休み・就業間際などのタイミングで、電話連絡を入れるべきではありません。選考辞退の連絡をするときは、基本的にその時間帯はさけ、午前中なら、10時半~11時頃、午後なら3時頃にかけるのがよいでしょう。

ただ、この時間も業種によっては、異なる場合がありますので、会社を下調べしたり面接に行った際に、就業時間や業務形態を確認しておくべきです。そのうえで、担当者がおそらくいるであろう時間に当たりをつけて電話をしてください。

選考辞退の理由について悩んでいる人は、こちらの記事もおすすめです。

面接後に電話で辞退する際の注意点まとめ

選考辞退を電話で連絡する場合の方法について紹介しました。選考を辞退する場合は、自分のことだけでなく、時間を割いてくれて企業側に誠意をもつようにしましょう。

今後一切かかわらない可能性は0ではありません。仕事で何か縁があるかもしれませんし、何より誠意をもって対応してくれていたのであれば、それに相応しい対応をとることがマナーです。選考辞退の連絡は電話しにくいことは重々理解できますが、社会人としてのマナーだと思い、きちんと対応しましょう。

メールでの選考辞退の方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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