履歴書

【履歴書の資格の正しい書き方】記載の順番やスコアについても紹介

資格なら何でも書けばよいというのは間違い

持っている資格なら何でも記入してもよいのかというと、それは間違いです。アピールのつもりで書いたものが、逆に自分の首を絞めてしまうということも十分に考えられます。そこでここでは、履歴書やエントリーシートに書くべき資格と、そうでない資格に分けてご紹介していきます。

履歴書作成マニュアルについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

履歴書に書くべき資格

履歴書に書くべき資格

・国家資格

・語学系の資格

・自動車免許

・パソコン系の資格

・その他志望先の企業の業務に関係する資格

資格には様々なものがありますが発行元や就活でアピールできるものとして上の5つ分類できます。そのため、多くの資格の中でも上記の資格を持っている人は、上記を優先して記入することをおすすめします。就職活動の時点で持っているスキルが必ずしも重要になるわけではありませんが、「入社を希望する企業への熱意や意欲を見せる」という意味でも書いておくようにしましょう。

企業によっては「○○年以降に取得した資格に限る」と条件を付けていることもあります。特に「語学系の資格」で定められていることが多いですが、条件がある場合には、該当期間よりも以前に取得したものは残念ながら使用できません。

履歴書に書かなくてもいい資格

一方で履歴書に書かなくてもよい資格もあります。その代表的なものが「趣味に関する認定資格」や「スポーツの級・段」です。これらはあくまで趣味程度にとどまるものなので、資格欄に記入するのではなく、「趣味・特技欄」で言及するようにしましょう。

自分の持っている資格が「資格欄に記入できる資格」なのか、「趣味程度の資格」なのかの判断に迷う方も多いのではないでしょうか。資格欄に書くか書かないかは、「その履歴書の提出先の仕事に直結するものであるかどうか」を基準にして分けるようにしてください。

正しい資格の書き方

資格欄は、履歴書やエントリーシートの中でもさほど大きなスペースではありませんが、使い方次第で自分のスキルや頑張ってきたことを伝えられるひとつのツールにすることができます。うまく使えば、面接官との話を円滑に進められる材料にもなるのです。

ここでは、資格欄に資格を記入する際の書き方のルールを3つご紹介いたします。自分の資格がどんな素晴らしいものであっても、まずはこの基本を守るようにしてください。

取得年月日順に書く

資格は取得年月日順に記入するようにしましょう。以下ではその点を踏まえた記入例を提示いたします。

【資格欄】

2016年 7月 TOEIC 700点

2016年 11月 宅地建物取引士資格試験 合格

以上

ここで注意すべきポイントは、「年月日の記入方式の統一」です。履歴書やエントリーシートに記入する年月日ですが、書類に事前にプリントされていなければ、「西暦(2×××年)」か「和暦(平成○○年)」は好きなほうを選び、その形式で最後まで統一させましょう。

履歴書の項目すべてに暦の書き方にばらつきがないかどうか、しっかりと目を通すようにしてください。

履歴書マニュアルを確認してください

履歴書に何を書けばいいか困っていませんか?就活は限られた時間の中で準備する必要があるので、履歴書だけに時間をかけてはいけません。
そんな時は履歴書のポイントを網羅した「履歴書完全マニュアル」を参考にしましょう。この資料を見れば、選考を突破できる履歴書をすぐに書くことができます。
実際に利用できるテンプレートもついているので、書き方を参考にしながら志望企業の選考を突破しましょう。

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略さずに正式名称で書く

取得した資格は、すべて「正式名称」で書くことがマナーです。普段よく耳にする名称が実は略称の場合もありますので、履歴書に書き入れる前に正式名称を一度確認するようにしてください。

日常的には略称を用いることが多い資格の代表格が、「漢検」と「英検」です。このまま書くのは間違いであり、前者は「漢検」は「日本漢字能力検定」、「英検」は「実用英語技能検定」が正式名称です。略称のまま書いても採用担当者には通じますが、かしこまった場面に略称は相応しくありません。

資格は基本取得した順番に記載する

取得した資格を履歴書に書き入れる場合には、取得した順番に記載するのが基本です。そうしないと、年月日の欄がバラバラになってしまい、読みづらくなります。そのため、履歴書の資格欄に記載する際には、その前段階として、一度自分の持っているものを時系列に並べてみたり、実際に書く資格はどれかを吟味したりしながら整理してください。思い出した順番に書くというものではありません。

多数ある場合は仕事に関係するもの優先

就活生のなかには、資格を取得するのが趣味だったり、授業で資格を取らなければならなかったりなどの理由から、多数の資格を持っている方もいるでしょう。その場合には、入社を希望する企業の「仕事に関係する資格」を優先して項目に記載するようにしてください。これにより、企業への入社意欲や熱意を資格欄からもアピールできます。

なお、どのような資格を選択するべきかは、上に見出しでご紹介した「履歴書に書くべき資格」を見ながら進めていってください。

同じ資格を複数所持している場合は上位級を書く

低い級から徐々に高い級を取得していく場合、いくつもの級を所持することになります。このような場合は、上位級を書くようにしましょう。例えば、日商簿記検定の2級と3級を取得している人が履歴書に資格を書く場合は、2級のみを書くようにします。2級を取得しているということは3級の知識も身に付いているということなので、書かなくても大丈夫なのです。

同じ資格をいくつも書くと空欄は埋まりますが、文字数稼ぎと思われる可能性もあります。そう思われないためにも、上位級のみを書くようにしましょう。

語学系の資格で注意すること

語学系の資格には、気を付けておいてほしい点がいくつか存在します。基本的には取得しておけばいつでも使える資格ではあるのですが、企業の出す条件によっては評価されない場合もあります。

自分の語学力をアピールしたいと考えている就活生は、そのようなところで躓いてしまわないようにしましょう。ここでは、語学系の資格を履歴書に記載する際に注意しておくべき点を、「TOEIC」と「英検」に分けてご紹介いたします。

TOEICはスコアによって判断

TOEICはこの次に開設する英検とは違ってスコアで判断する資格です。そのため、志望先の企業ごとにその程度は違いますが、スコアごとにランク付けがなされています。ここでは、一般的に基準とされている獲得スコアの目安を表にまとめます。

TOEICスコアごとの目安

990点 満点

800~900点以上 英語能力を必須とする企業の評価ライン

700点以上 仕事上で必要な英語能力が備わっているライン

650点以上 一般的な企業で評価される最低ライン

これはあくまでひとつの基準ではあるのですが、650点以上あれば、日常的な会話で必要とされるレベルの英語力が備わっているとされています。ですが、ビジネスの世界で英語を使って仕事がしたいのであれば、最低700点は取っておく必要があるでしょう。

近年国内企業でも増えてきていますが、社内言語に英語を採用しているところもあります。そのような企業であれば、日ごろから難しい専門用語でも使いこなす必要があるため、800点から900点という高いハードルを設けています。

英検準二級は書いてもプラスに働かない

英検は合否で二分されているので、TOEICと比べると、その評価はどの企業でも一律となっています。以下では、英検の級ごとのランクを表でまとめます。

英検の級ごとの目安

1級 大学上級程度

準1級 大学中級程度

2級 高校卒業程度

準2級 高校中級程度

3級 中学校卒業程度

これを見ればわかるように、3級までで中学レベル、2級が高校レベル、1級が大学レベルの英語能力が備わっていることの証明になります。

しかし、準2級以下はプラスに働くことはありません。大学では英語に触れる機会がなかったとしても、英検を利用して英語力をアピールするのであれば、高校卒業レベルのである2級は取っておきましょう。

資格を書く際は募集要項をチェックする

資格を書く際は、企業の募集要項をチェックしましょう。「TOEIC700点以上」のように、募集に必要なスキルが提示してある可能性があります。募集要項に書いてある資格をチェックすることで、複数の資格を取得している場合に優先して記入できます。

募集要項に「TOEIC700点以上」とあるのにスコアが達していない場合は、募集要項を見ていない、または無視していると見なされる可能性があります。では、必要なスキルを保有していない場合はどのように対処すればいいのでしょうか。

取得を目指している旨を示して印象UP

募集に必要な資格を取得していない場合は、取得に向けて努力している旨を記載しましょう。必要な基準に達していなくても、努力をしている姿勢を見せることで入社意欲が伝わるのです。例えば、「TOEIC600点 700点を目指して勉強中」のように書きます。

面接では、どのような取り組みをしているか質問されるケースがあります。質問に答える際は、「1日○時間勉強している」や「公式問題集でトレーニングしている」のように具体的な取り組み内容を伝えましょう。そうすることで説得力が増し、真剣に努力している姿勢が伝わります。

TOEICのスコアの書き方について、こちらの記事でもさらに詳しく解説しています。

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書ける資格がないときはどうするか?

ここまでは資格を持っていることを前提として話を進めてきましたが、一方で「書ける資格がひとつもない」と悩んでいる人はどうすれば良いのでしょう。何もないからと言って、何も書かないのは好ましくありません。

ここからは、資格欄に書ける資格がなかった時にするべき行動、するべきでない行動をまとめて解説します。

履歴書に空欄はつくらない

資格欄に書ける資格がなかったとしても、空欄にしておくのは好ましくありません。なければ正直に「特になし」と記入しておきましょう。新卒の一括採用は即戦力を求めているものではないので、資格があるかどうかで採用・不採用が決まるわけではありません。

仕事上どうしても持っておかなければならないものを除くと、採用担当者は資格を重視してみているわけではありません。誇れるものが何もなかったとしてもそれは恥ずべきことではないので心配する必要はありません。

セミナー受講などの経験を書く

履歴書に書く資格がない場合は、セミナー受講やスクールに通学した経験などを書きましょう。セミナーを積極的に受講したという経験は、学ぶ意欲の高さや興味のある分野のアピールに繋がります。学業や部活以外にも視野を広げて活動したことを、自信を持ってアピールしましょう。

仕事は積極的に学ぶ姿勢が大切であるため、入社後の働き方に期待を持たれる可能性が高いです。セミナーやスクールに通学した内容が、企業の仕事内容と関係するものだとさらに評価が高くなるでしょう。

資格欄に嘘の記載をするのは絶対にNG

履歴書の資格欄に記述を行う際、嘘の記述を行うことは絶対にNGです。「何も資格を持っていないと空白になってしまって恥ずかしいから」と安易な理由で嘘の記述をしようとする就活生もいます。しかし、履歴書に嘘の記述を行うと、思っている以上に大きなリスクを背負うことになります。

解雇される可能性が高い

履歴書に嘘の記載をしてしまうと、それが判明した段階で解雇される可能性が高いです。履歴書に嘘の記述を行うことは、「私文書偽造」にあたる犯罪行為です。その行為によって逮捕・起訴されるようなことはほとんどありませんが、詐称した社員を信用し続ける企業はないでしょう。

企業は履歴書の内容についていちいち裏取りをするわけではないので、必ず嘘がバレるということではありませんが、「バレるかもしれない」という不安を抱えながら日々過ごすことになります。

証明書の提出を求められる場合もある

企業によっては、履歴書とともにその資格の証明書の提出を求める場合もあります。「失くしてしまったということにすればいいや」と安易に考える就活生もいるかもしれませんが、そのような対応はNGです。

「もしかして嘘をついているのでは」と採用担当者から疑いの目を向けられてしまう恐れがあるのです。一度疑いの目を向けられてしまうと、面接における発言内容全てについても、真偽を疑われてしまう可能性があります。履歴書に嘘をひとつ記載してしまったばかりに、一生懸命作成した自己PRや志望動機まで信じてもらえなくなる恐れがあるのです。

履歴書の詐称について、こちらの記事でもさらに詳しく解説しています。

資格の履歴書への書き方は正式名称で仕事内容と直結するものから取得順

履歴書やエントリーシートの資格欄の書き方について紹介しました。資格は履歴書に正式名称で記載します。また、複数の資格を取得している人は、取得した年月日順に記載していきましょう。資格がたくさんある人は、なかでも希望する職種や業界と関係のあるものに絞って、そのなかで取得した順に書いていきます。

資格欄は、小さいながらも上手に活用すれば自身を効果的にアピールできるツールになります。紹介したポイントをしっかりとおさえて、就活では自分を最大限にアピールしていきましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

多くの学生と企業をマッチングしてきた経験を活かし、『就活対策サイト「キャリアパーク!」が教える 「最高の会社」の見つけ方』(高橋書店)を出版。最高の会社を見極めるための基準や失敗しない企業選びの方法を紹介している。

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01459)

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