面接のポイントは面接官側に立って考える
面接に臨む前に、まず自分が面接官の立場に立って考えてみましょう。どんな人と一緒に仕事をしたいか、逆にどんな人とは一緒に仕事をしたいと思えないか、そしてそれらの人物像と今の自分とを客観的に比べてみましょう。
そうすると、自分のよいところや改善すべき点がみえてきます。友達と交代で面接の練習をしてみるのもいいかもしれません。面接という形で人と対峙してみると、どんな点に目線や意識が向くのかがわかるでしょう。
自分が面接官の立場に立って、相手のどんなところによい印象を持ち、どんなところに悪い印象を持つのかを把握することが大切です。そして、それらのポイントを押さえて準備と対策をし、本番の面接に臨みましょう。
面接官がみている9つのポイント
採用活動というのは、企業における重要事項のひとつです。それを担う面接官は、面接の短い時間の中で優秀な就活生を見極める必要があります。多くの就活生の面接をし、さらに比較検討をするために、面接官は面接でみるポイントを絞っているのです。
もちろん、面接官の経験則や社風によって重視する点は異なる場合もありますが、「社会人」としての根本はほとんど同じです。面接で面接官がみているの9つのポイントを押さえておきましょう。
ポイント①外見:清潔感のある身だしなみを意識する
人の第一印象は5秒ほどで決まるといわれており、その要素の多くを占めるのは外見です。就活の面接においては、容姿が美しいかどうかではなく、清潔感があるか、身だしなみのマナーが守られているか、といった意味での外見がみられています。髪がぼさぼさであったり、シャツにシミやシワがあったりしたら、それだけで印象はマイナスになります。
社会人にとって「身だしなみを整える」ということは基本中の基本、できて当たり前なのです。だからこそ、身だしなみが整っていないことによるマイナス点はかなりの痛手といえるため、身だしなみはきちんと整えておきましょう。
ポイント②話し方:結論から話すことが大切
面接の短い時間で自分の全てを伝えることは不可能です。そこで、より多くの情報を伝えるためには、要点を絞ってわかりやすく伝える必要があります。そのために重要なのは「話す順番」と「話し方」の2つです。話す順番としては「結論→理由→まとめ」の順が好ましいです。例えば「私の長所は○○です。大学生活では~」というように、まず結論を述べて、話の方向性を伝えましょう。
次に重要なのは「話し方」です。小さな声や早口では聞き取りづらく、あがり性というイメージを与えてしまうこともあります。落ち着いて、大きな声でゆっくりと発言するように心がけましょう。また、言葉遣いにも注意が必要です。社会人として正しい敬語を使い、不必要なカタカナ語の使用は控えましょう。
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ポイント③履歴書やESの文字:丁寧な字は好印象
最近では履歴書やES(エントリーシート)をパソコンで作成する人も珍しくはありませんが、手書きをよしとする風潮があるのも事実です。文字にはその人の人となりが表れます。もちろん、字がきれいであるに越したことはありませんが、大切なのは「丁寧に書いてあるかどうか」です。
丁寧に書かれた文字からは、誠実で仕事をきっちりするという人柄が伝わります。逆に、走り書きや略字といった雑な字からは、だらしなく、仕事も雑にするんだろうな、という印象を受けます。
字が汚かったり雑だったりするとそれだけでマイナスポイントとなります。きれいでなくても構いません。履歴書やESを書く際には、丁寧で読みやすい字で書くように心がけましょう。
ポイント④表情:口角を上げて自然な笑顔
「外見」のところでも少し触れましたが、表情はとても大切です。自分が話すときはもちろん、面接官が話すとき、そして集団面接などで他の就活生が話しているときなど、どんな時でも表情を緩めないようにしましょう。ふとした瞬間に気を抜いて口角の下がった表情を、面接官は見逃しません。とはいえ、ずっと真顔を保つ必要も、ずっと笑顔を貼り付けておく必要もありません。それだとむしろ不自然に感じられます。
自分が話していないときは口角を上げるように意識しておくと、自然な笑顔になります。話すときは面接官の目をしっかりとみて話すのがベストですが、どうしても緊張してしまう人は、面接官のネクタイの結び目あたりをみるようにしてみましょう。
ポイント⑤熱意:企業研究ができていないのはNG
面接の際には表面的なことだけでなく、入社への熱意などもみられています。入社への熱意がない人を採用することは、企業側にとってはかなりハイリスクです。
少し仕事がキツかっただけで辞められたり、あるいは他社の内定が出たからと内定を辞退されたりすると、採用に掛けた時間や労力が無駄になってしまいます。そうならないためにも、「入社への熱意や意欲」というものは重視されています。どれだけ企業研究をしているか、入社後のビジョンがあるのかなど、そういった点から入社への熱意が試されます。
逆に、企業研究が浅かったり試しで受けただけだったりした場合、すぐに看破されます。感情論ではなく、なぜその企業ではないといけないのかを論理的に伝えられるようにしておきましょう。
ポイント⑥受付:10分前には到着しておく
就活では時間厳守が基本です。約束の時間に遅れるのは社会人としてマナー違反となりますので、面接の開始時間にはその場にいなければなりません。しかし、早すぎるのも問題で、企業へ迷惑になることも考えられます。面接担当者により時間に対する考え方は異なるため、一概に何分前ならよいということはありませんが、10分前が適切といわれています。
15分前ではやや早く、5分前だとギリギリだと考えられます。確実に時間通りにたどり着ければよいですが、初めて行く場所では迷ったり、アクシデントが起こったりする可能性もあります。少し早めに到着できるように余裕を持って会場へ向かいましょう。もし、少しでも遅刻しそうな時は忘れずに企業へ連絡を入れてください。
ポイント⑦入室:3回ノックをしてドアを開ける
面接室へ入る際には、ドアをゆっくり3回ノックします。強く叩きすぎたり、音が小さすぎたりしないように心掛けましょう。集団面接で前の人に続いて入る場合は、ノックは不要です。面接室から「どうぞお入りください」と返事があったら「失礼いたします」と声を掛けます。その後、ドアを開けて入室しましょう。
部屋に入ったらドアを静かに閉めますが、この時自分の体をドアの方へ向けるのがマナーです。後手で閉めるのはNGですので、注意しましょう。それから椅子の横へ立ち、面接官に向かって「本日はお時間を頂きありがとうございます。〇〇と申します。宜しくお願い致します。」と一言挨拶をしてから、一礼してください。面接官に座るようにいわれてから、着席しましょう。
ポイント⑧退室:礼をするタイミングに注意
面接が終わっても、部屋を出るまで気を抜かないように注意しましょう。緊張がほどけて一気に気持ちが緩んでしまいそうですが、企業から出るまでは注意が必要です。面接官から面接終了を告げられたら、椅子に座ったまま「本日はお時間を頂きありがとうございました」とお礼を伝えて一礼しましょう。
その後に椅子の横に立ち、もう1度礼をしましょう。ドアの手前まで歩いていき、面接官の方に体を向け「失礼します」といってから、再度一礼します。大きな音が出ないように、丁寧にドアを閉めましょう。そこで退室となります。
面接室から出たからと、すぐにスマホをチェックしたり、飲食したりするのはNGです。企業を出るまでは油断せず、マナーを意識して行動しましょう。
ポイント⑨質問:よく聞かれる質問は回答を考えておく
企業によって面接の内容は異なりますが、聞かれることの多い質問はあらかじめ回答を考えておきましょう。面接で企業が知りたいことは、入社への意欲や、企業と合っているか、企業・事業内容について深く理解しているかなどです。これらに関する質問は、面接で聞かれる可能性が高いといえるでしょう。
また、将来のビジョンも、面接でよく聞かれる質問のひとつです。「学生時代に力を入れたこと」「長所・短所」「これまでに苦労した経験と、それをどのように解決したか」「入社後の目標」などの質問を通して、あなたの入社への意欲や、企業とのマッチ度を確認します。面接で答える時に戸惑ったり、言葉に詰まったりすることがないように、事前に練習しておくとよいでしょう。
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面接では外見や話し方などさまざまなポイントが評価の対象
今回は面接で見られている9つのポイントをまとめました。身だしなみや話し方、書類の文字や表情など、大部分は「社会人として当然のことができているかどうか」です。これらはどちらかというとできて当然、できなければマイナスという原点方式の評価だと心得ておきましょう。
例えば髪型を整えていたからといって「プラス評価」になるわけではありませんが、寝ぐせなどがついていたら「マイナス評価」です。プラス評価になるとしたら、それは志望動機や自己PRなど、受け答えの内容が大部分を占めます。
いくらプラスの評価を得られても、それらを消し去ってしまうほどのマイナスがあっては意味がありません。学生ではなく社会人として、今のうちから基本を身に着けておきましょう。