業界研究

【アパレル業界の売上ランキングTOP10】求める人物やおすすめの書籍

アパレル業界とは

アパレル業界はオシャレを追求することができる業界です。オシャレを楽しみたい就活生にとっては憧れの業界であり、志望者も多いです。アパレル業界はファッションに関係した業界であり、毎年さまざまな流行が生まれるなど、常に変化が起こっています。業界の動向も変わりますが、まずは基本的な業界知識と現在の動向などを確認していきましょう。

アパレル業界

アパレル業界は順調に業界規模を拡大し、現在も成長傾向で推移しています。2005年から業界規模は拡大を続け、途中若干のマイナス成長や、横ばい状態が続く時期はあったものの、現在では大きく成長傾向が続いています。

業界好調の背景にあるのは、ファーストリテイリングやしまむらなどのファストファッション系の企業の活躍です。ファーストリテイリングは「ユニクロ」や「ジーユー」を展開する企業であり、国内だけではなく海外にも広く事業を展開しており、業績は好調に推移しています。

国内ではしまむらが活躍しており、大きな成長こそないものの、業績は堅調に推移しています。ファストファッション系の企業が好調を見せる中で、その他アパレルメーカーは売上を落とす企業も見受けられますが、業界全体としては成長傾向です。

アパレル業界の業績推移について

  • 業界規模5兆3,750億円
  • 平均年収505万円
  • 平均継続年数14年

アパレル業界の業界規模は5兆3,750億円です。国内でも大規模な業界であり、業界規模は現在も拡大傾向で推移しています。ファストファッション系の企業に対してその他のアパレルメーカーがどこまで食らいついていけるか、いかにして消費者のニーズを掴むかが大きな課題となっています。

平均年収は505万円と他の業界と比べると若干低い傾向です。企業によって差はありますが、業界全体としてはそれほど年収は高くないと言えます。平均継続年数は14年と平均、あるいは平均を若干下回る長さです。平均継続年数は企業によっての差が大きく、最高で30年、最低で4年と大きな差が生まれています。志望する企業を選ぶ際には注意が必要です。

アパレル業界の細かい職種分類について

  • 商品開発(デザイナー・パタンナー)
  • マーチャンダイザー
  • 生産
  • 販売・販売促進

アパレル業界の職種は商品開発、マーチャンダイザー、生産、販売・販売促進などが挙げられます。商品開発は流行や消費者のニーズなどを取り入れ、新たな商品を開発する部門です。デザイナーやパタンナーなどが商品開発の分野で活躍しています。

マーチャンダイザーは商品の仕入れ、管理などを行う仕事で、企業によってはバイヤーと呼ばれることもあります。生産は商品を実際に生産していく部門です。商品開発での企画を実際に生産し、商品の形にしていくことが主な仕事になります。

生産工程の管理や、在庫管理などを行う場合もあります。販売・販売促進は主に店舗などの現場で販売員として働き、ファッション業界の職種の中では最も人員が多く、下積みとして現場での販売スタッフを経験させる企業も多いです。

アパレル業界の売上ランキングTOP10

アパレル業界の売上ランキングTOP10

  1. ファーストリテイリング 1,861,917 百万円
  2. しまむら 565,102百万円
  3. 青山商事 254,846百万円
  4. ワールド 245,829百万円
  5. オンワードHD 243,075百万円
  6. アダストリア 222,787百万円
  7. AOKIホールディングス 198,417百万円
  8. ワコールHD 195,725百万円
  9. TSIホールディングス 155,457百万円
  10. ユナイテッドアローズ 154,409百万円

ここまで、アパレル業界の実態について説明してきました。アパレル業界の全体像は見えてきたでしょうか。ここからは、アパレル業界の売上ランキングTOP10をご紹介します。売上が高い企業は、業界のリーダー的存在でもあります。売上高のある企業を知ることで、業界を牽引してきた企業を把握し、しっかりと業界研究をしましょう。

①ファーストリテイリング:1,861,917百万円

アパレル業界の売上ランキング第1位は「ファーストリテイリング」です。有価証券報告書によると売上高は1,861,917百万円です。企業HPによると、資本金は102億7,395万円(連結)、従業員は44,424名(2017年8月末現在)です。主な事業は「衣料品製造販売等子会社の経営管理・戦略統括」となっています。

ファーストリテイリングは、衣料・靴等の小売店舗を展開する会社を傘下に持っています。有名なブランドは「ユニクロ」「ジーユー」「セオリー」「プラステ」などです。日本だけではなく世界にも進出しているファーストリテイリングは事業規模も大きく、アパレル業界のリーダー的存在でもあります。圧倒的な知名度と人気で日本のファストファッションを牽引してきた存在であるため、就活生からの人気が高いです。

②しまむら:565,102百万円

アパレル業界の売上ランキング第2位は「しまむら」です。有価証券報告書によると売上高は565,102百万円です。企業HPによると、資本金は170億8,600万円、従業員は17,924名 (うち正社員2,487名、パート社員15,437名)です。主な事業は「ファッションセンターしまむら、アベイル・バースデイ・シャンブル・ディバロの国内5業態、また思夢樂(台湾)・飾夢楽(中国)を海外2ヶ国に展開」となっています。

「しまむら」といえば、ファストファッションでお馴染みの総合衣類販売店です。リーズナブルな価格で販売しているだけではなく、豊富なデザインが人気を博しています。しまむらは製造小売業ではなく、各アパレルメーカーから衣類を仕入れて小売する業態です。アパレル業界の中でも、小売業や店舗展開に興味がある人にはおすすめの会社です。

③青山商事:254,846百万円

アパレル業界の売上ランキング第3位は「青山商事」です。有価証券報告書によると売上高は254,846百万円です。企業HPによると、資本金は625億400万円、従業員は単体6,034名、連結11,267名(2017年3月期、パート含む)です。主な事業は「各種衣料品の企画・販売に関する事業」となっています。

青山商事は、紳士服でお馴染みの「洋服の青山」を展開する企業です。日本全国に展開しているため知名度も高く、業界最大手の規模となっています。また「スーツ販売着数世界一」ということで、ギネスブックにも登録されています。

④ワールド:245,829百万円

アパレル業界の売上ランキング第4位は「ワールド」です。有価証券報告書によると売上高は245,829百万円です。企業HPによると、資本金は3,000万円、従業員は11,154名(2017年3月末現在)です。主な事業は「婦人・紳士・子供服・服飾雑貨等の企画・生産」となっています。

ワールドは、「OZOC(オゾック)」「aquagirl(アクアガール)」「INDIVI(インディヴィ)」「UNTITLED(アンタイトル)」「THE EMPORIUM(ジ・エンポリアム)」などのブランドを展開しています。展開するブランドの豊富さと、ファッショナブルな洋服は多くの人の心をつかみました。直営店だけではなくECサイトでの販売にも注力しており、通販事業でも成功を収めています。

⑤オンワードHD:243,075百万円

アパレル業界の売上ランキング第5位は「オンワードHD」です。有価証券報告書によると売上高は243,075百万円です。企業HPによると、資本金は300億79百万円(2018年2月期)、従業員は4,530名(2018年2月期、連結)です。主な事業は「事業内容純粋持株会社としての、アパレル、サービス、リゾート関連事業を営む傘下関係会社の経営管理およびそれに附帯する業務」となっています。

オンワードHDは「株式会社オンワード樫山」などを傘下に持つ会社です。株式会社オンワード樫山は「組曲」「ICB」「23区」「自由区」「anyFAM」などを展開しています。絶大な人気を誇るブランドはファンも多く、定評を得ています。就活生からの注目も高く、志望者が多いのが特徴です。

⑥アダストリア:222,787百万円

アパレル業界の売上ランキング第6位は「アダストリア」です。有価証券報告書によると売上高は222,787百万円です。企業HPによると、資本金は26億6,000万円、従業員は4,914名(正社員、2017年2月末、グループ合算)です。主な事業は「衣料品・雑貨等の企画・製造・販売」となっています。

アダストリアは「GLOBAL WORK(グローバルワーク)」「LOWRYS FARM(ローリーズファーム)」「niko and...(ニコアンド)」「studio CLIP(スタディオクリップ)」「JEANASIS(ジーナシス)」「Heather(ヘザー) 」「HARE(ハレ)」を展開している企業です。幅広い年齢層へ提案するファッショナブルなブランドは、雑誌や商業施設でも見ることが多く、知名度や人気も高いです。

⑦AOKIホールディングス:198,417百万円

アパレル業界の売上ランキング第7位は「AOKIホールディングス」です。有価証券報告書によると売上高は198,417百万円です。企業HPによると、資本金は1億円、従業員は2,653名(正社員、2017年3月31日現在)です。主な事業は「紳士服・婦人服及び服飾品並びにファッション商品の企画販売」となっています。

AOKIホールディングスは、テレビCMでお馴染みのスーツショップ「AOKI」を展開する「株式会社AOKI」を傘下に持つ会社です。他にも、よりカジュアルなビジネスシーンに向けた「ORIHICA」というブランドも展開しています。あらゆる世代にスーツを提案してきた企業努力が実を結び、多くのスーツファンを生み出しました。今後の店舗展開や事業拡大にも注目です。

⑧ワコールHD:195,725百万円

アパレル業界の売上ランキング第8位は「ワコールHD」です。有価証券報告書によると売上高は195,725百万円です。企業HPによると、資本金は132億6,000万円、従業員は22,157名(2017年3月期、グループ連結)です。主な事業は「インナーウェア(主に婦人のファンデーション、ランジェリー)、ナイトウェア及びリトルインナー、アウターウェア、スポーツウェア、その他の繊維製品及び関連製品の製造、卸売販売等の事業」となっています。

ワコールHDは、女性用下着でお馴染みのブランド「ワコール」を展開する「株式会社ワコール」を傘下に持つホールディングス会社です。主軸のメインブランド「ワコール」と、低価格のサブブランド「ウイング」の2つのブランドを中心に商品展開をしています。質の高い下着は人気も高く知名度も抜群です。老舗というイメージが強いですが、若年層向けの商品も多数扱っており、常に下着業界を牽引してきた企業です。

⑨TSIホールディングス:155,457百万円

アパレル業界の売上ランキング第9位は「TSIホールディングス」です。有価証券報告書によると売上高は155,457百万円です。企業HPによると、資本金は150億円、従業員は5,531人(連結)です。主な事業は「傘下子会社及びグループ会社の事業活動の支配・管理ならびにそれに付帯する業務」となっています。

TSIホールディングスは、株式会社サンエー・インターナショナル、株式会社東京スタイル、株式会社サンエー・ビーディーなどを傘下に持つ会社です。展開しているブランドは多岐に渡り、「ジルスチュアート」や「ナノ・ユニバース」「ナチュラルビューティー」「フリーズマート」などのブランドがあります。幅広い分野のブランドはファン層も広く、事業規模も大きなものとなっています。入社を志望している人は、企業が扱うブランドのコンセプトを調べて、会社の方針や事業計画を考察できるようにしましょう。

⑩ユナイテッドアローズ:154,409百万円

アパレル業界の売上ランキング第10位は「ユナイテッドアローズ」です。有価証券報告書によると売上高は154,409百万円です。企業HPによると、資本金は30億3,000万円、従業員は3,859名(2017年3月31日現在)です、主な事業は「紳士服・婦人服および雑貨等の企画・仕入れおよび販売」となっております。

ユナイテッドアローズといえば、社名と同じショップ名であり全国に35店舗展開している「ユナイテッドアローズ」が有名です。他にも「ザ ソブリンハウス」「ディストリクト ユナイテッドアローズ」「ボウ&アローズ」「ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ」「モンキータイム ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ」といったブランドも展開しています。大人っぽいカジュアルデザインをテーマに展開しているブランドは定評があり、就活生からの人気も高い企業のひとつです。

アパレル業界が求める人物像

アパレル業界を志望するにあたり、アパレル業界が求める人物像を把握していくことは非常に重要なことです。企業が求めるスキル・人間性について、エントリーシートや面接の場においてアピールすることで、より効果的な自己PRが可能になります。

企業に対して自分をアピールできる機会は多くはありません。限られた中で、最大限自分自身をアピールできるようにしておくことが重要なのです。以下、アパレル業界で働くにあたり、求められる能力について解説していきます。これらのポイントをしっかりと押さえ、これらに沿った自己PRを行えるように事前準備をおこないましょう。

情報収集力が高い人

アパレル業界が求める人物像として情報収集力が高い人が挙げられます。アパレル業界は他の業界と比べても特に流行り廃りの激しい業界です。少し前に流行ったファッションが時代遅れになっているようなことも珍しくありません。

移り変わりの激しい中で継続的に収益を上げていくには、どのようなコンセプトの商品をどの年齢層に向けて、どれぐらいの価格で販売するのかを絶えず見直す必要があります。市場のニーズを敏感に察知し、他社に先駆けてニーズへの対応をおこなっていくことが何よりも大事なのです。

コミュニケーション能力が高い人

アパレル業界が求める人物像としてコミュニケーション能力が高い人も挙げられます。アパレルというと、個人プレーで商品の販売を行う姿をイメージする就活生も多いでしょう。しかし一言でアパレルと言っても、その業務内容は多岐にわたります。

商品開発に向けての市場調査をおこなう部署や、商品のコンセプトを考える部署、商品の売り出し方を考える部署など多くの部署により成り立っているのです。これらの仕事は全てチームプレーで行われるので、チームのメンバーとの意思疎通が不可欠になります。

アパレル業界は女性社員が多い業界でもあるので、自ずとチームメンバーも女性が多くなります。そのような点からも高いコミュニケーション能力が必要とされているのです。

アパレル業界の志望動機についてはこちらの記事で詳しく解説をしています。

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アパレル業界研究のおすすめ書籍紹介

業界研究を進める方法はさまざまありますが、さらに深い知識を身に付けたいのであれば、書籍の利用がおすすめです。書籍では専門的な知識を知ることができますし、業界を知るために必要な情報が凝縮されていますので、効率的に業界研究を進めることができます。

業界研究はより深くまで行うことで、就活を有利に進めていくことができますし、そこで培った知識は、就職後にも役立つことが多いです。書籍を利用してより専門的な知識を身に付け、就活と就職後の活躍にも役立てていきましょう。

①1秒でわかる!アパレル業界ハンドブック

1秒でわかる!アパレル業界ハンドブックは、アパレル業界の動向や利益構造などについて簡潔に解説しています。ユニクロを始めとしたファストファッション系の企業の出現によってアパレル業界は変化のときを迎えています。既存のアパレルメーカーは売上高の減少などのダメージを受け、ファストファッション系企業が、どんどん台頭しているのが現状です。

これらの現状に対してアパレル業界はどのような変化を遂げるのか、業界としての動向は、どのように推移しているのかなどを解説しています。また動向や今後の展望だけではなく、市場特性やアパレル業界の歴史などについても解説されています。アパレル業界で必要な基本的な知識がコンパクトにまとめられているため、業界研究の入門書としてもおすすめです。

②ファッション販売員プロの常識BOOK

ファッション販売員プロの常識BOOKは、ファッションの販売員に必要な知識やスキルについて解説されています。アパレル業界ではさまざまな職種がありますが、入社時は、企業ブランドや消費者のニーズを知るために現場の販売員を経験することが多いです。現場で実績を残すことができなければ、本社へ異動することが難しい場合も多く、アパレル業界で働く人にとっては販売の知識やスキルは欠かすことができません。

この本では売れる販売員の常識や技術、接客トークなどについて解説されていますし、商品知識の辞典なども記載されており、幅広いブランドで役立てることができます。就活だけではなく、就職後にも役立てることができますので、アパレル業界を目指すのであれば、ぜひ持っておきたい一冊です。

アパレル業界を深く知り就活を有利に進めよう!

アパレル業界は、ファストファッションの台頭により、業界内でもさまざまな変化が起こっている業界です。企業それぞれの動きもありますし、業界としての動きも早いので、業界知識はこまめに更新し、就活に役立てていきましょう。

監修者プロフィール

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吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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