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建設業界に対する理解を深めよう!
建設業界は安定していることや、高収入が期待できることから毎年人気の業界です。しかし漠然と建設業界に魅力を感じるという理由だけで志望すると、入社後にイメージと違ったというミスマッチの原因になりかねません。
ミスマッチが起きてしまうと、建設業界で働くことに楽しさを感じられず退職に至る可能性が高いでしょう。就活生は転職先を探す労力を、企業は新たに人を採用する労力をお互いに使うため、双方にとってデメリットが大きいです。そのためミスマッチをしないよう建設業界に対する理解を深めておく必要があります。
そこでこの記事では、建設業界に対して理解を深め、志望するかどうかを判断するために必要な知識をお伝えします。そもそも建設業界がどのような業界なのかや建設業界の職種から、建設業界に就職するメリット・デメリットまで詳しく解説します。
そもそも建設業界とは
そもそも建設業界とは建物を作る建築のみならず、土地や水路の工事を行う土木工事まで包括的に施工をする業界です。建設とよく似た言葉に建築があります。建築は建設とは違い、建築物の施工を行う企業のことを指す言葉です。そのため土木工事は行いません。
例えば、建築はビルや公共施設の施工をします。しかし土木はダム建設や道路等を施工のみを扱う企業のことです。
そしてこの建築と土木の両方を行うものが建設業界です。そのため建設業界とは建築業界は土木工事を行うかそうでないかという点で違いがあります。
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建設業界の現状と今後
ここからは建設業界の現状と今後についてご紹介します。現状と今後を知っておくことで、今後建設業界が他業種よりも安定しているのか、それとも安定していないのかを知ることができます。
是非、安定した仕事を志望している人は、建設業界を志望するかどうかを判断するために活用してみてください。
コロナの影響で建設投資額が減少
建設業界はコロナウイルスの影響で建設投資額が減少しています。国土交通省によると、コロナウイルス流行前の2019年には65.3兆円の建設投資額となっており、顕著に成長してきました。
しかしコロナウイルスの流行に伴い、2020年の投資額は前年比3.4%減少の63兆1,600億円になる見通しです。さらに2021年度には約61.8兆円まで建設投資額は減少するとの見通しがなされています。
このようにコロナウイルスの影響で建設投資額が減少しているのが現状です。しかし総建設投資額が減少した2020年の投資内訳は、政府投資額が民間投資額を上回っているため、政府により安定した投資額が見込めます。つまり政府に下支えされている業界と言えます。そのため他業界と比較すると、比較的安定した業界であると言えるでしょう。
深刻な人材不足
現在建設業界は深刻な人材不足となっています。これは「手持ち工事高(てもちこうじだか)」を指標にすると理解できます。
そもそも手持ち工事高とは、施工を受注したが施工する人材が不足しているため工事できなかった施工金額のことです。つまり手持ち工事高が高いと、人材が不足しているということを示しているのです。
また一方で手持ち工事高が高いと、それだけその企業への施工依頼が多い、人気企業であることも理解できます。
そしてこの手持ち工事高はアーキブックによると、「大成建設が25.1ヵ月と手持ち工事月数の水準が最も高い(中略)そして、大林組、鹿島建設、清水建設、竹中工務店がそれぞれ20.6ヵ月、18.9ヵ月、18.7ヵ月、16.0ヵ月と続いています。」とあります。
このように施工依頼は多いが、工事をするための人材が不足している現状なのです。現在建設業界は深刻な人材不足であることは覚えておくとよいでしょう。
働き方改革が急務
建設業界では今後、働き方改革が急務となっています。参議院常任委員会調査室・特別調査室によると、2018年の建設業労働者の就業時間は2036時間となっており、他業種の就業時間よりも年間300時間以上も多いことが示されています。また、週休2日の休みを取得できている割合は建設業労働者全体の1割に満たないことが示されています。
このことから「このような状況を見ると、3K(きつい、汚い、危険)と言われる建設業を敬遠する若年者が一定程度存在することも想定される。建設業における担い手の確保、育成のためには、適切な賃金水準の確保や社会保険への加入促進等の処遇改善を始め、長時間労働の是正、週休2日の推進、就労者の安全・健康の確保といった労働環境の改善が必要である。」と提言しています。
このことを受け、国土交通省は2024年までに建設業界の働き方改革を行うべく「建設業働き方改革加速化プログラム」を作成しました。そしてこのプログラムに従い、建設業界は働き方改革に乗り出しています。
そのため今後、「長時間労働の防止・給与引き上げや社会保険への加入率の底上げ・人材不足を補うための生産性向上」の3つの項目において改善がなされる見通しです。是非参考にしてみてください。
近年DX化を進めている
建設業界では働き方改革に伴い、近年DX化を進めています。そもそもDXとは、データやデジタル技術を活用してビジネスモデルを変革することです。そしてデジタルトランスフォーメーションの頭文字を取り、省略したものです。
DXの例を挙げると、映画・舞台のチケットをネット上で購入できることなどが挙げられます。
そして建設業界においてDXは、人材不足を補うための生産性向上を目的に近年進められています。具体的には、アシストスーツと呼ばれるウェアラブル端末をはじめVRなどの技術を導入しようとしています。
このように、建設業界では働き方改革に伴い、近年DX化を進めています。是非参考にしてみてください。
建設業界の年収ランキング
ここからは建設業界の年収をご紹介します。年収を参考に、志望するかどうかを判断したいという人は多いでしょう。是非参考にしてみてください。
※上記画像は、国税庁の資料より引用しています。
国税庁によると、建設業の平均年収は501万円となっています。全業種の平均年収が440万円なので、建設業は平均よりも61万円高い水準となっていることがわかります。是非参考にしてみてください。
建設業界のビジネスモデル
ここからは建設業界のビジネスモデルについて解説していきます。ビジネスモデルを理解することで、建設業界のお金の流れを理解できます。またそこから自分の望む企業規模も明確になるでしょう。是非参考にしてみてください。
基本的な建設業界のビジネスモデルは以下の図のようになります。
不動産会社が、ゼネコンと呼ばれる建築企業に土地開発・建築を依頼します。そしてその依頼をゼネコンが承諾することで受注が成立します。
そして工事を受注したゼネコンは、サブコンと呼ばれる建築企業に実際の工事を依頼します。そしてさらに、サブコンは工事を進めるにあたって、各専門分野の工事を依頼するために工事業者に依頼し、工事がはじまります。つまり実際工事に当たるのは、サブコンと工事業者です。ゼネコンは工事に参加しないと覚えておきましょう。
以下では建設業界を理解するうえで必須の単語について解説しています。是非参考にしてみてください。
ゼネコンとは
ゼネコンとはgeneral contractorの略で建設業界の中でも最も大きな資金力と技術に優れている企業のことです。そしてゼネコンは一般的に、大林組・鹿島建設・大成建設・清水建設・竹中工務店の5つの業者を指します。建設業界を志望する人は、是非覚えておきましょう。
サブコンとは
サブコンとは上記ビジネスモデルでもお伝えしましたが、ゼネコンから工事の依頼を受ける企業です。サブコンは一般的に、サーラコーポレーション・大気社・ユアテック・高砂熱学工業・三機工業などの企業を指します。是非覚えておきましょう。
マリコンとは
マリコンは「marine constructor」の略語で、海洋土木に特化している大手企業のことを指します。マリコンは一般的に、五洋建設・東亜建設工業・東洋建設・若築建設・りんかい日産建設などの企業を指します。是非覚えておきましょう。
かんたん3分!受けない方がいい職種がわかる適職診断
就活では、自分に適性のある仕事を選ぶことが大切です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまいます。
そんな時は「適職診断」を活用して、志望する職業と自分の相性をチェックしてみましょう。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、ぴったりの職業を診断できます。
適職診断で自分の適性を把握しておき、就活を効率的に進めましょう。
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建設業界の主な職種6つ
ここからは建設業界の主な職種を6つご紹介します。建設業界を志望しようと考えている就活生は職種を理解しておくことが重要です。
なぜなら職種を理解することで、入社後の働くイメージをしやすくなるからです。是非参考に入社後の活躍イメージを固め、志望動機の作成に活かしてください。
施工管理
施工管理とは、建設工事の現場において工程などの工事全体を管理する業務です。加えて工事に必要な書類の作成や、ゼネコン・不動産業者との打合せも施工管理の仕事です。このことから施工管理は建設において重要な役割を担うことがわかります。
そのため新卒の就活生には縁がないと思われがちですが、施工管理は新卒でもなれるのです。興味がある方は是非以下の記事を参考にしてみてください。
以下の記事では施工管理について詳しく解説しています。
職人
職人とは工事を実際に担当する人達の総称です。職人は土工・大工・とび・配管工など担当する工程により呼び名が変わることが特徴です。
就職先はゼネコンではなく、サブコンや工事業者になります。職人を志望する人はサブコンや工事業者の求人情報を見ておきましょう。
設計職
設計職とは、作りたい建設物の設計図を描く職種です。そのため勤務地はオフィスです。建設業界を志望しているが、オフィスで働きたいと考えている人は設計職を志望すると良いでしょう。
しかし設計職には資格が必要な場合があるため注意が必要です。そもそも設計職は建築士とCADオペレーターにわかれます。建築士はどのような建築物を作るのかを構想する役割です。そしてCADオペレーターは建築士の考えた建設物をPCソフトを用いて実際に設計をする職種です。
そして建築士は資格が必要です。具体的には一級建築士・二級建築士・木造建築士のいづれかの資格を持ち合わせている必要があります。設計職の中でも建築士を志望する就活生は是非参考にしてみてください。
技術開発
技術開発職はその名の通り、新しく技術を開発することが仕事です。そのためオフィスで働く職種になります。冒頭でお伝えしたように建設業界ではDX化が推し進められています。これに伴い、生産性の向上を目的に新しく技術を開発する必要があるのです。
そのため近年人気の高まっている職種です。技術開発の仕事の具体例としては、AIを活用した現場計測をはじめ、従来多くの人手が必要だった鉄骨を組む作業をロボットが担うシステムの構築などが挙げられます。
このように技術開発職はシステムの構築などを担当するため、基本的に企業は理系出身者のみを募集しています。理系出身者で技術開発に興味がある人は是非参考にしてみてください。
営業
営業職は工事を受注するために営業を担当する職種です。営業対象は企業により異なります。気になる企業がある場合、ホームぺージで営業対象をあらかじめ調べておくとよいでしょう。
営業職は基本給に加え、インセンティブと呼ばれる受注した数に応じて歩合給が加算されます。そのため営業成績が良ければ高収入を手にすることができます。高収入を得たいと考えている方は営業職を目指してみるとよいでしょう。
事務
最後は事務職です。事務もオフィスで働く職種です。事務職の仕事は総務・労務・人事・会計など多岐にわたります。基本的に業務に必要な資格はありません。
しかし会計には資格が必要です。建設業界の会計は他業種の会計とは違い専門的な知識が必要です。そのため資格を取得しておく必要があります。建設業経理士の資格を取得しておくと良いでしょう。
建設業界に就職するメリット
ここからは建設業界に就職するメリットについてご紹介します。メリットを知ることで、そのメリットに魅力を感じるのか、そうでないのかから、志望するべきかどうかを判断できます。
国からの投資があるため安定した業界
建設業界の現状と今後でもお伝えしましたが建設業界は企業投資に加え、政府投資と呼ばれる公共事業への投資があります。これにより道路や横断歩道が作られます。
これは捉え方を変えると、国からの安定した投資がなされるため安定している業界だと捉えられます。IT業界などはサービスのニーズがなくなれば、政府からの投資がないため企業規模が縮小します。
しかし建設業界は企業からの建設ニーズがなくなっても、政府からの建設依頼が見込めるため、企業規模はIT企業ほど縮小することはありません。
このように建設業界は国からの安定した投資がなされるため、他業種より安定している業界と言えます。安定している業界に就職したいと考えている就活生は是非参考にしてみてください。
若手から高収入が得られる
若手から高収入が得られるのもメリットです。建設業界の年収ランキングでもお伝えしましたが、国税庁によると、建設業の平均年収は501万円となっています。全業種の平均年収が440万円なので、建設業は平均よりも61万円高い水準となっていることがわかります。
加えて、建設業界は慢性的な人材不足です。そして人材を確保するために若手の収入を引き上げ、企業に定着させようとする動きがあります。これにより若手から高収入が得られる可能性が他業種よりも高いのです。
若いころから高収入を得たいと考えている就活生は是非参考にしてみてください。
地図にのる大規模なものづくりができるためやりがいがある
地図にのる大規模なものづくりができることもメリットの一つです。建設業界以外の職種で地図にのるような大規模なものづくりができる業界はないでしょう。
そしてこれは捉え方を変えると、自分の仕事の成果が目に見えてわかるということです。例えばIT業界などはインターネット内で完結するビジネスが多いため、街中で自分の仕事の成果が目に見えることは建築業界よりも少ないでしょう。
このように建築業界の仕事は、自分の仕事の成果が目に見えてわかるのです。そして自分の仕事の成果が目に見えてわかることで、建設業界は他業種よりも仕事のやりがいを感じやすいでしょう。
目に見える成果でやりがいを感じたいと考えている就活生は、是非参考にしてみてください。
建設業界に就職するデメリット
ここからは建設業界に就職するデメリットについてご紹介します。デメリットを知ることでそのデメリットを受容できるのか、そうでないのかから、建設業界を志望すべきかどうかを判断できます。是非参考にしてみてください。
工期を遵守する必要があるため労働時間が長い場合がある
建設業界のデメリットは、工期を遵守する必要があるため労働時間が長い場合があることです。政府投資による公共事業の工事を行う場合、道路を通行止めにして工事に当たります。
そして道路を通行止めにするということは、利用する多くの人に迷惑がかかるということです。そのため施工業者は工期を遵守する必要があるのです。
そして工期を遵守するために、時に労働時間が長くなることがあるのです。そのため建設業界に就職する場合、特に労働時間が長くなるということは理解しておくとよいでしょう。是非参考にしてみてください。
景気に左右される
建設業界のデメリットは景気に左右されることです。上で政府投資により安定しているとお伝えしましたが、建設業者の売り上げは政府投資と企業投資が5:5の割合です。
そして企業投資額は景気により増減します。この影響から、建設業界の売り上げは景気により左右されるのです。
つまり建設業界は政府投資があるため、つぶれる可能性は低いが、景気により売り上げが変化するのです。
他業界と比較すると景気による影響は甚大とは言えませんが、比較的左右される可能性が高いということは覚えておくとよいでしょう。
人の命に関わる業務もあるためプレッシャーが大きい
最後は人の命に関わる業務もあるためプレッシャーが大きいということは理解しておきましょう。建設業界は地図にのる大規模なものづくりができます。しかし一方でそのような大規模なものづくりをするため、事故が起きると人に命に関わります。
例えば施工管理職に就職した場合、現場を管理する仕事なので、人の命を守るという責任があります。この責任が人によってはプレッシャーに感じる場合があるでしょう。
このように人の命に関わる業務もあるためプレッシャーが大きいということは理解しておきましょう。是非参考にしてみてください。
建設業界についての理解を深め志望するかどうかを判断しよう!
ここまで建設業界に対して理解を深め志望するかどうかを判断するために、必要な知識をお伝えしてきました。
冒頭でもお伝えしましたが、漠然と建設業界に魅力を感じるという理由だけで志望すると、入社後にイメージと違ったというミスマッチの原因になりかねません。
是非記事を参考に建設業界についての理解を深め、志望するかどうかを判断してみてください。