業界研究

【出版業界研究ガイド】あなたの就活に役立つ情報を一挙大公開!

出版業界とは

出版業界は就活生人気も高く、志望する就活生は多いです。しかし志望者数に対して採用人数が少ないなど、就職難易度も高く、他業界と比べても難関の企業も多い業界です。就職難易度が高い出版業界を目指すのであれば、業界研究を欠かすことはできません。

出版業界は出版不況と呼ばれる不況の中にいますが、それでもなお人気の高い業界です。人気の業界での就活を成功させるためにも、業界の動向や基本的な知識を身に付け、就活に役立てていきましょう。

出版業界

出版業界は出版不況と呼ばれる不況の中にあり、出版販売金額は11年連続で減少しています。業界規模自体は拡大傾向にあるものの、業績としては伸び悩みを見せる企業も多く、業界内で再編の動きも高まっています。出版不況の原因は電子書籍の登場が主です。電子書籍の登場によって、紙媒体の出版物の需要は減少し、出版販売額は減少を続けています。

コミックスについては売上額は横ばいで推移しているものの、文庫や雑誌などに関しては売上額は減少傾向にあります。業界内では印刷業界からの参入も起こり、大手印刷会社が書店と業務提携をするなど、出版業界へも勢力を伸ばしている状態です。出版不況を乗り切るために各社さまざまな取り組みを始め、新規ビジネスモデルの構築が急がれています。

ネットやスマホの普及で書籍離れが深刻化

出版業界が置かれている現状として、特に知っておかなければならないことは、書籍離れの深刻化です。昨今はスマートフォンが急速に普及し、テレビや紙媒体ではなく、インターネットから情報を得るという人が増えてきています。スマートフォンやタブレットで手軽に読める電子書籍も普及し始めており、2007年以降は書籍離れが進んでいるのです。

このような状況のため、出版業界も大きな変化が求められているといえるでしょう。紙媒体での書籍離れだけでなく、インターネットの普及は活字離れを引き起こしているともいわれます。紙媒体、電子媒体に関係なく、そもそも活字は読まない、動画などから情報を得るというスタイルが広がってきているのです。

このような変化を受け、例えば角川グループは2014年に「ニコニコ動画」を運営するドワンゴと経営統合しました。これまで通りの出版事業ではなく、新たなメディア事業に力を入れ始めている企業もあるのです。

出版業界の業績推移について

  • 業界規模1兆1,112億円
  • 平均収入617万円
  • 平均継続年数9年

出版業界の業界規模は1兆1,112億円です。国内の業界としてはそれほど大規模ではありませんが、現在も拡大傾向で成長しています。業界規模としては拡大を続けているものの、各社業績は伸び悩みを見せている企業も多いです。それぞれでいかにして収益を上げるか、新規事業の構築など業界内でもさまざまな変化が起こっています。

平均年収は617万円と平均程度です。企業ごとに大きな差があり、国内大手であれば1,000万円を超える場合もありますが、中小の出版社であれば300万円程度の場合もあります。平均継続年数は9年と短く、他の業界と比べても短い傾向です。これも企業ごとに違いが大きいので、就職時には充分な注意が必要です。

出版業界の細かい職種分類について

  • 製作
  • 編集
  • デザイナー
  • 記者
  • 営業

出版業界の職種としては製作・校閲、編集、営業・販売促進などが挙げられます。製作は雑誌の企画・製作などを行う職種です。企画の立案だけではなく、雑誌のデザインなどを手がける場合もあります。

校閲は原稿に誤字脱字、内容の矛盾点などがないかをチェックする仕事です。編集は出版業界では花形の職種であり、作家との打ち合わせや、原稿の編集やチェックなども行います。原稿を仕上げるのは作家であって、編集はあくまで原稿の編集作業に留まりますが、良い作品を仕上げるためには、良い編集が必要であり、出版業界では欠かせない職種です。

営業・販売促進は自社の出版物を書店などに対して売り込んでいく仕事です。書店内での販売促進を促すための方法を考える場合もあります。

出版業界の構造

出版業界はどのような構造になっているのでしょうか?出版社が本を出版するというのはイメージしやすいかも知れませんが、実は本が出版されるまで、また出版された本が読者の手元に届くまでにはさまざまな工程が必要とされているのです。

まずは出版社が本を出版します。その本は「出版取次」と呼ばれる企業に送品され、書店に届けられることになります。出版社が本の制作・出版を担い、出版取次が流通機能を担い、書店が販売機能を担うという構造です。

書店は出版取次に書籍の発注をおこない、出版取次は出版社に書籍の発注をします。出版業界というと、どうしても本の出版だけにイメージが偏ってしまいがちですが、実は本を流通させるという点でも非常に大切なのです。

出版社

「出版業界」と言ったとき、多くの人が最初に思い浮かべるのが出版社ではないでしょうか。出版社は書籍や雑誌などの企画をおこない、実際に出版までを担う企業です。一言で「出版社」といっても、出版社ごとでさまざまな特徴があります。

書籍や雑誌など、ありとあらゆる種類の出版物を扱う出版社もあれば、特定の種類・分野だけを扱う出版社もあるのです。前者は特に「総合出版社」と呼ばれることもあります。後者は、例えば医学書専門の出版社、学習参考書専門の出版社などが挙げられ、特定の分野に強みを持っている場合が多いでしょう。

また、出版社の仕事は本の企画や出版だけではありません。実際の本の制作過程や発行までに責任を持つ編集者、誤字脱字や表現が適切かどうかをチェックする校閲者、本の販売を促進する営業担当者など、さまざまな人が関わる中で出版社は成立しています。自分が出版社の中で具体的にどのような仕事がしたいのか、詳しく調べてイメージしておくことが大切です。

出版取次

出版取次は、先述の通り、出版物の流通を担う企業です。最も代表的な業務は全国の書店に出版物を届けることですが、そのほかにもさまざまな業務をおこなっています。出版取次は出版社と書店の間に入りますので、両者間の情報伝達という役割も担っているのです。

また、出版物を単に流通させるだけではなく、販売促進のための営業活動もおこなわなくてはなりません。書店への営業や、書店の販売促進への支援なども担います。このように、出版物の仕入れ・流通の管理・営業や販売促進といった複数の業務をを担っているのです。

昨今は紙媒体の書籍離れが進んでいるため、電子書籍の出版取り次ぎをおこなう企業も増えてきています。電子書籍を扱う場合、新たなデータベースの作成が必要になるなど、これまでとは異なった業務が必要とされるため、出版取次も変化のさなかにあるといえるでしょう。

書店

書店の役割は、出版物を読者のもとに届けることです。実店舗での書籍販売はもちろんですが、最近ではインターネット上の店舗も増えてきています。紙媒体・電子媒体を含め、インターネット上で本を購入する人が増えてきているため、書店も大きな変化の中にあるといえるでしょう。

欲しい本を手軽に検索し、すぐに届けてもらえることから、Amazonや楽天ブックスを利用する人が増えてきています。そんな中、実店舗ならではの工夫をする書店もあります。例えば書店員が自分の読書経験を活かし、読者のニーズに合わせて本を紹介するなど、実店舗でしかできない取り組みで、自社の強みを活かしている例もあるのです。

また、特定分野のマニアックな読者層だけをターゲットにし、その分野に徹底的に特化した書店なども出現してきています。インターネットでの本の購入が容易になった昨今、実店舗とインターネットショップでどのように強みを活かしていくのか、工夫が求められているといえるでしょう。

主要企業5選紹介

就活をより効率的に進めていくためには、業界研究をしっかりと行い、その上で企業研究を進めていくことが大切です。まずは業界を知らなければ企業の取り組みや業界内での位置づけについてを正しく理解することは難しいですが、業界を知っただけでも就活の準備としては不十分です。

業界を知り、その細部である企業を知ることも就活では大切なことであり、これを欠いては就活は成功しません。主要な企業を知ることはさらなる業界研究にもつながりますので、それぞれの特色を知り、出版業界への理解を深めていきましょう。

①株式会社講談社

  • 企業名:株式会社講談社
  • 代表者名:野間 省伸
  • 従業員数:914人
  • 設立年月日:1909年 (明治42年) 11月

株式会社講談社は、東京に本社を置く大手出版社です。出版業界では高い実績を誇り、業界をけん引している企業でもあります。雑誌や書籍の出版が主な事業であり、「週刊少年マガジン」や「モーニング」などが有名です。

また出版事業だけではなく、時代の流れを受け、電子書籍などの事業も広く展開しています。デジタル産業には力が入れられており、電子書籍に留まらず、出版原作のドラマ化や映画化などの各種メディアへの展開などにも注力されています。

講談社で求められているのは出版業界の変革期をとらえ、業界、企業を変革していける人材です。社風としてもおもしろいものを追求する社風にあり、自身の感性を存分に活かして、さまざまなことに挑戦しやすい環境であると言えます。

②株式会社集英社

  • 企業名:株式会社集英社
  • 代表者名:堀内 丸恵
  • 従業員数:754名
  • 設立年月日:1926年8月

株式会社集英社は、雑誌や書籍などを出版している企業です。出版業界でも大手の企業であり、業界内でも高い実績を誇っています。コミックに強みを持ち、コミック雑誌の「週刊少年ジャンプ」は集英社を代表する雑誌です。

コミックのアニメ化や映画化、その他キャラクター事業などにも強みを持ち、幅広い事業展開を行っている企業でもあります。またコミックだけではなく、ファッション誌の『non-no』なども有名です。幅広い年代に支持されている出版社です。

集英社では仕事に対して強い熱意を持って取り組むことができる、意欲の高い人材が求められています。社風としても「本気」が大切にされており、仕事に対して熱い想いを持っている人が多く、大きく成長できる企業です。

③株式会社小学館

  • 企業名:株式会社小学館
  • 代表者名:相賀 昌宏
  • 従業員数:721名
  • 設立年月日:1922(大正11)年8月8日

株式会社小学館は、雑誌や書籍などの出版を行う企業です。講談社、集英社と並び、出版業界をけん引している大手企業であり、高い実績と売上を誇っています。

コミック雑誌では「週刊少年サンデー」や「ちゃお」が有名です。児童書にも強みがあり、書籍部門では年間600を超える書籍が出版されています。また図鑑・辞書・百科事典などにも強みがあることが特徴であり、他の出版社にはないバリエーションやシリーズ展開を行い、高い人気を獲得しています。

小学館はさまざまな文化事業や、社会貢献に注力している企業であり、文化の発掘などが社風として大切にされています。好奇心を持ってさまざまなことを発掘し、挑戦しやすい環境であり、責任感のある真面目な人材が求められている企業です。

④カドカワ株式会社

  • 企業名:カドカワ株式会社
  • 代表者名:川上 量生
  • 従業員数:262人
  • 設立年月日:2014年10月1日

カドカワ株式会社は、出版事業だけではなく、映像、版権、デジタルコンテンツなど幅広い事業を展開している企業です。出版事業では文庫の出版に強みがあり、高い業績を獲得しています。

また映像事業などとの連携によって、原作小説の映像化などにも注力されており、幅広いメディア展開によって活躍している企業です。出版不況によって紙媒体の出版物の売上高が軒並み減少を見せている中で、デジタルコンテンツ事業の展開によって、高い売上を獲得している企業でもあります。

カドカワでは社風として、変化を恐れずに挑戦し続けることが大切にされていいます。何事にも挑戦しやすい環境であり、向上心を持って仕事に取り組み、成長しやすい企業です。

⑤株式会社文藝春秋

  • 企業名:株式会社文藝春秋
  • 代表者名:松井 清人
  • 従業員数:347名
  • 設立年月日:昭和21年6月

株式会社文藝春秋は、雑誌や書籍を出版している企業です。文芸誌に強みを持ち、「文藝春秋」、「オール讀物」、「文學界」、「週刊文春」などさまざまな雑誌を刊行しています。これらの雑誌の出版に伴う小説賞の設立なども特徴であり、さまざまな賞が設立されています。

有名な小説賞の芥川賞や直木賞などの制定を行っており、小説賞の制定にもブランドがある企業です。また文庫や単行本などの書籍にも強みがあり、さまざまなジャンルで書籍を出版しています。

文藝春秋では好奇心旺盛な人が求められ、知らないこと、新しいことにも挑戦できる人材が求められています。未知の領域にも挑戦しやすい社風があり、好奇心旺盛な人に向いている企業です。

出版業界研究のおすすめ書籍紹介

業界研究をより深くまで進めていくためには、書籍を利用することもおすすめです。業界研究の方法としてはネットでの検索や、企業説明会への参加が挙げられます。しかしネットでは、ほしい情報が手に入らない場合も多いですし、専門的な知識が学べない場合も多いです。

説明会ではさまざまな情報を知ることはできますが、業界全体についての情報はあまり得られないことも多いです。書籍であれば業界についての専門的な情報を身に付けることができますので、おすすめを参考に、業界研究のための書籍を選んでいきましょう。

①出版社と書店はいかにして消えていくか―近代出版流通システムの終焉

出版社と書店はいかにして消えていくか―近代出版流通システムの終焉は、出版業界を取り囲むさまざまな危機について解説しています。出版業界では書籍の電子化によって紙媒体の書籍の売上が減少するなどさまざまな変化が起こっており、出版不況の状態も長く続いています。

しかし問題は書籍の電子化だけではありません。読者の行動の変化によって従来の流通システムでは、出版業界は今後ますますの不況に見舞われると予想されています。現代の読者の行動はどのように変わったのかなどが詳しく解説されており、それを知ることで出版業界が抱える問題などを理解することができます。

また流通面から日本の出版の歴史についても解説がされており、出版業界を振り返りながら研究を進めていくことができますので、おすすめの一冊です。

「本が売れない」というけれど

「本が売れない」というけれどは、出版業界のさまざまな疑問について解説しています。若者の読書離れが叫ばれていますが、本当に本を読む人は減っているのか。また編集者は忙しい仕事と言われていますが、本を読む人が減り、本が売れていないのであれば、なぜ忙しいのかなども語られています。

なかなか知ることができない出版業界の現状や裏側が解説されており、業界研究の入門書としてもおすすめです。
また日本独自の流通システムや変化していく書店の形、ネットと出版社の関係性など出版業界のこれからを知るのにも役立つ情報がさまざま詰まっています。

出版社と読者はどのようにつながっているのかなどが丁寧に解説されており、就活中だけではなく就職後にも役立つ一冊です。

出版業界の研究はマニュアルも活用しよう

出版業界は、就活生からの人気が高い業界です。競争率が高いため、業界研究は欠かせないといえるでしょう。採用担当者に業界研究ができていないと思われると、志望度が低いと評価されてしまいます。

就活の未来では、出版業界大研究Bookを公開しています。各社業績や出版点数、注目トピックスがまとめられています。無料の資料となっていますので、業界研究のやり方がわからないという就活生はぜひ参考にしてみてください。

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出版業界は就活生人気も高く、就職難易度が高い業界です。出版不況と言われてはいますが、不況を乗り切るために企業はさまざまな努力を行っています。それぞれの企業と業界全体の動きにも注目して、就活の攻略を目指しましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也
(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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