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介護職の志望動機では原体験を語ろう
履歴書において、志望動機は誰もが迷う項目の1つです。介護という行為は、就職する前に経験することも多くあります。そのため原体験をもとにした志望動機ほど、根拠があって魅力的に感じられます。
確実に志望企業の内定をつかみ取るためにも、志望動機では原体験を語ることを意識して作成していきましょう。次項から志望動機でアピールすべきことを具体的に解説していきます。
介護職の志望動機を書く際の5つのポイント
採用担当者が魅力的だと感じる志望動機には、書き方のポイントが5つあります。志望動機は、採用担当者が合否を判断する要素となっています。
説得力があって魅力的な志望動機を書くために、それぞれの書き方のポイントを以下で詳しく紹介します。
1.ヒューマンスキルをアピール
介護職の志望動機におけるポイントとして、1つ目に挙げるのはヒューマンスキルをアピールするということです。ヒューマンスキルとは、良好な人間関係を構築するために、円滑なコミュニケーションをするスキルのことです。
例えば、「自分は相手のことを考えて行動できるため、介護職に向いていると感じています」です。この内容だと、協調性がある・周りを見て行動できる人間だ、といったことが読み取れます。
より実践的なテクニカルスキルや知識は、働いてから自然と身に付いていくものです。その一方で、人間性というのはそう簡単に変えられるものではありません。したがって自分がどういった人間性なのかという点を、志望動機で存分にアピールすべきだといえるでしょう。
ヒューマンスキル一覧
・ネゴシエーション
・傾聴力
・リーダーシップ
・プレゼンテーション
・コーチング
・コミュニケーション
・ファシリテーション
長所と短所の違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
2.具体的に説明する
介護職に限った話ではありませんが「やる気がある」「責任感がある」と漠然としたことを言われても、説得力がありません。志望動機をより分かりやすく説明するためには、自分の強みや経験を元に、具体的に説明していく必要があります。
例えば、「祖母の介護をしている・していた」「老人介護の施設でボランティア活動をしていた」というような、介護を実際に経験した説明をしましょう。
「経験した結果こうなった」というような強みや、体験の説明をすれば、本気度が伝わりやすく、説得力が増してきます。原体験という根拠があるのは介護職を受ける際に、大きな強みになります。
また具体的に話す手段として、「PREP法」で話すことが大切です。PREP法とは「結論(Point)」「理由(Reason)」「具体例(Example)「結論(Point)」の順番で話すフレームワークのことです。
例えば志望動機を伝える際は、まず最初に「どのような志望動機なのか」を伝え、「なぜそのように考えたのか」「考えるようになったエピソード」の順に述べ、最後にもう一度「どのような志望動機なのか」を話します。
「どのような志望動機なのか」と最初に結論を伝えることで、「志望動機とした理由」や「志望動機にまつわる具体的なエピソード」を正確に理解してもらえます。志望動機の提示を後回しにしてしまうと、結局なにを伝えたいのかがわからなくなってしまいます。
また、ただ志望動機を述べるだけでは、その能力や個性が本当にあるのか、疑問視される可能性があります。そのため説得力のあるアピールをする目的として、具体的なエピソードを伝えることが大切です。
説得力は重要なポイントであり、わかりやすく明確なアピールをすることが、高評価を得るポイントになります。
3.なぜ介護職を志望しているのかを明確にする
介護職の志望動機においてもっとも重要といえるのが、なぜ介護をやりたいのかを明確にすることです。
先ほども述べた通り、介護業界は深刻な人材不足に陥っています。そんななかでなぜ介護職を志望しているのかは、採用担当者がもっとも知りたい部分なのです。
なぜ介護をやりたいのかが明確でないと、「長く働いてもらえないのではないか」と考えられてしまう可能性もあります。
例えば実体験をもとに「母が祖父の介護をしており、自分も力になりたいと思ったから」や、「直接的に誰かの役に立つ仕事がしたいと考えたから」などの理由だと、説得力が増します。
自分がなぜ介護の道を選ぼうと思ったのか、より明確にしてから志望動機を書き始めましょう。
業界研究ノートの作り方について、知りたい人はこちらの記事もチェックしてみてください。
4.今後のキャリアプランを伝える
介護職というのは、ただ介護するだけでは務まりません。人を介護するというのはとても大変な事であることから、介護について深く勉強し、キャリアアップをしてほしいと企業は考えています。
キャリアアップとは、「より高い能力を身につけて、経歴を高めること」です。現場での介護士から、若手育成のマネージャーへの昇格のような、仕事の幅や裁量の広がりを意味しています。このようなキャリアアップは幹部候補の育成にもなり、会社にとってもメリットがあるのです。
もちろん自分にも大きなメリットがあり、キャリアアップすることで成長でき、給料アップにも繋がります。そのため、「実務経験を積んだ後、介護福祉士資格を取得したい」「ケアマネージャー資格を取得したい」など、今後のキャリアプランを伝えることで、向上心をアピールすることができます。
担当者にも、「この学生は向上心がある、期待できる」と、良い印象を与えることができるでしょう。
将来のビジョンの考え方や上手な答え方について、こちらの記事でもさらに詳しく解説しています。
5.なぜその企業なのかを明確にする
志望動機の書き方の最後のポイントは、なぜ志望先の施設を選んだのかを書くということです。ひとくちに介護施設といっても、さまざまな施設が存在します。
特別養護老人ホームや介護付き有料老人ホーム、介護老人保健施設など、対象者の状態や家族の意思によって入所する施設は変化し、それぞれの施設に特徴や強みがあります。
さまざまな施設があるなかで、なぜその施設を選んだのかを明確にしておかなければ、説得力がない志望動機になってしまいます。施設のホームページやパンフレットにしっかり目を通して、他の施設にはない強みや良さを自分なりに把握しておきましょう。
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介護職の志望動機例文10個
ここからは、介護職を目指している就活生に参考にしてほしい志望動機の例文をご紹介します。それぞれに解説も記載していますので、上記で紹介したポイント以外でどういった点に気を付けて作成すればよいのかを確認しておきましょう。
また、あくまでも以下で紹介するのは例文です。そのためそのまま使うのではなく、ぜひこれらを参考にしながら自分の言葉で志望動機を作成してください。
例文①祖父の介護をする母の力になりたい
私が介護職を志望したのは、祖父の介護をする母を見て、介護の大変さを知り、少しでも力になりたいと感じたことがきっかけです。
幼少期からともに暮らしていた祖父が、ある日くも膜下出血で倒れ、寝たきりの状態になった時から母の介護生活が始まりました。知識も経験もない私は何もできず、歯がゆい思いをしたため介護専門学校に進学しました。
私は将来、利用者様とご家族の支えになれる介護士になりたいと考えています。貴法人では介護をしているご家族のサポートまで心がけていらっしゃるため、自分に合っていると感じ志望しました。
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こちらの志望動機は、原体験をもとに自分がどんな介護をしたいのか、具体的に入れられている点が良いポイントです。
また、志望先施設の方針と、自分がやりたい介護がマッチしている点もしっかりアピールできているため、説得力があります。
原体験と行動に筋が通っており、どの採用担当者がみてもわかりやすい志望動機になっています。
例文②祖母を介護してくれた介護士のようになりたい
学生時代に、私の祖母を介護してくれていた介護士の方のようになりたいと思ったため志望します。
私の祖母は5年前に認知症と診断され、すぐに介護が必要な状態になってしまいました。その際、熱心にフォローしてくださったのが、貴社の介護士の方でした。
どんなに祖母の世話が大変でも、笑顔を絶やさず私たち家族に接してくださる様子を見て、私もこんな介護士になって人の役に立ちたいと考えるようになりました。
貴社に入社しましたら、どんな時も笑顔を絶やさず、利用者の方だけではなくご家族にまで配慮できる介護士になりたいと考えています。
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なぜ介護をやりたいのか、どんな介護士になりたいのかを自分の原体験をもとに明確に書くことで、説得力がありながら将来性も感じられる志望動機となっています。
文字数が許すなら、どういったフォローをしてくれたのかを具体的に1つでも提示してみると、より説得力が増すでしょう。
原体験が鮮明であり、その企業を志望理由が分かりやすい志望動機です。
例文③介護人材の不足を解消したい
私が介護職を志望する理由は、2つあります。
1つ目は、人生の先輩である利用者の方が、自分らしく生きるためのサポートをしたいからです。2つ目は、深刻な介護人材の不足を解消したいと考えたからです。学生時代、ボランティアで高齢者のお宅を訪問した時に、介護士の方の熱心なサポートで利用者が笑顔になっていく様子を見ました。
そのことが、私が介護の仕事に携わりたいと考えるようになったきっかけです。また、深刻な人材不足であることも、目の当たりにしました。貴社に入社しましたら、利用者が笑顔になれるようなサポートをしつつ、介護職のことをより多くの人に知ってもらえるような働きかけもしたいと考えています。
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介護職を志望するきっかけが2つ以上ある場合は、先に項目を立てて結論から書きましょう。
人は結論が先に提示されていると、これから話される内容について理解しやすくなる傾向があります。したがって、より印象に残りやすくなるでしょう。
自己表現と社会貢献の両方を兼ね備え、自分らしく働けるような志望動機になります。
例文④利用者が安心できるサポートがしたい
私は、利用者とその家族が安心して生活が送れるようなサポートをしたいと考えているため、介護職を志望します。
私は幼い頃から両親が共働きで、多くの時間を祖父と過ごしてきました。そんな祖父が介護が必要な状態になったとき、介護士の方は祖父の介護だけではなく、私たち家族のことも熱心にサポートしてくださいました。
そのような姿を見て私も、利用者はもちろん、その家族までフォローできる介護士になりたいと思うようになりました。
貴社は、ご家族へのフォロー体制も充実しています。貴社でなら、自分の目指す介護士になれると考えたため志望しております。
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介護の現場では、利用者だけではなく家族への配慮も必要になります。
自分が思い描いているなりたい介護士像と、会社の強みがマッチングしていることをアピールした志望動機は、とても魅力的なものになるといえるでしょう。
原体験が鮮明に述べられた志望動機になっています。
例文⑤子供の頃から人を助ける仕事がしたい
私は貴社での介護士を希望します。祖母の介護で家族全体が苦労したことがきっかけです。
元々、子供の頃から人を助けられる仕事をしたいと考えていました。そのため利用者様だけではなく、ご家族にも寄り添える介護士になりたいと考えました。
貴社は利用者様だけではなくご家族様のことを大切にしていることが理念からも感じ取れました。私が介護士に必要と考えることと一致します。このような理由から、私はぜひとも貴社で介護士として働きたいと志望しました。
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この志望動機でも、まずは明確に自分がどうして介護士を志すのかについて理由を述べています。
具体的な理由がなければ志望動機に説得力を出すのはむずかしいです。また、企業理念に対しての共感を示すことで、貴社でなければならないことのアピールになっています。
原体験と企業分析ができている志望動機となっています。
例文⑥家族を介護できる介護士になりたい
私は介護士を志望します。中学生の時、私の祖父が介護施設のお世話になりました。その時、ある一人の介護士さんが祖父の介護をしてくれたことが強く印象に残っています。
介護施設を利用する家族からの視点で介護士さんが祖父だけではなく、利用者さま全般を気にかけて忙しく働いている姿を見て自分も同じ仕事がしたいと強く考えるようになりました。
ご家族にとっても介護士の方は心強い存在だと考えています。そこに大きなやりがいを見出しています。
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この志望動機では家族として介護士の働きを見た経験談を押し出しています。
面接官が「この人は長続きしそうだな」と思う判断材料として、介護という仕事に特別な意味を感じているかどうかは重要なポイントです。
なぜ介護という仕事をしたいかにも通じる志望動機になっています。
例文⑦人の役に立つ仕事がしたい
私は人の役に立つ仕事をしたいと思っていました。人の役に立つ仕事は、介護職以外にも警察官や看護師などもあります。その中でも介護職を選んだのは、ご高齢の方と話すのが好きで、得意ということがありました。
ご近所のご老人たちとの話は好きですし、畑で取れた野菜をいただくこともあります。
また、学生時代、ボランティアで介護施設のイベントを企画したのですが非常に好評でした。このことから介護の仕事をしたいと強く思うようになりました。
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介護職はご高齢の方と接することが多いです。高齢者が苦手という人では、介護職は勤まりません。
知識や経験や技術はとても重要ですが、それ以上に人間性も重要視されることは無視できません。同時に長期間付き合って行くことになる人達のことを好きであるというのは、この仕事をする上でとても大切です。
自分の性格を理解し、社会貢献を考えた志望動機になっています。
例文⑧ボランティア経験から介護士になりたい
私は中学生の頃、ボランティア活動で老人ホームを訪問したことがあります。そのボランティア活動を通し、充実感を覚えました。
介護士の方ともお話をさせていただきましたが、仕事に対する使命感に大きな感銘を受けました。そのため福祉系高等学校に進学し、介護福祉士の資格を取得しました。
メンタルケアやご家族の方の悩みも含めて相談に乗り、一緒に解決を目指すという仕事に魅力を感じています。将来的に、生活相談員になるため勉強に取り組んでいます。
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この志望動機では、実体験を通じ介護士を目指す経緯を説明しています。また、将来的にどのようなビジョンを持っているかも明確に示しているのもポイントです。
面接官としては、将来的に介護施設で中心人物として活躍してくれそうな人材を求めていることを忘れてはいけません。
原体験と行動に筋が通っており、どの採用担当者がみてもわかりやすい志望動機になっています。
例文⑨介護職に興味があり従事したい
私は介護士として貴社を志望します。大学生の頃、大叔父が認知症を発症したのを間近に見ました。介護は当人だけの問題ではなく家族全体を巻き込んでしまうことを理解し、介護職に対し興味を持ちました。
高校を卒業して福祉系の専門学校に通い、介護士の資格を取得しました。最終的には介護施設の相談員を目指します。
貴社のHPを拝見した時、ご家族へのフォローもしっかりと行い、働く人への教育や環境整備が充実していることに感動しました。
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介護に限らず仕事では、自分が勉強をするための所ではないと言われる場合も多いです。しかし、働く人への教育を充実させている施設も少なくありません。
そのような施設なら、モチベーションが高く将来像をしっかり描いている人材は好印象を持たれるでしょう。
原体験と向上心が垣間見える志望動機になっています。
例文⑩母の影響で介護士になりたい
私の母は介護士で多くの話を聞きました。良いことも悪いことも含め、人を助けられる仕事という言葉をたくさん聞いたのです。そのことから将来は自分も介護関係の仕事をしたいと思いました。
貴社は「幸せを作る」という経営理念の基、利用者様やそのご家族のケアにまで力を入れていることを知りました。その経営理念は私が介護職で実践したいことと共通しています。
いずれはケアマネージャーを目指し、質の高い介護サービスを提供できるようがんばりたいと思います。
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介護職の志望動機では、介護職になりたい具体的な理由や経験をしっかりとアピールしましょう。
人間性が良いと思われるのと同時に、将来的なビジョンもアピールすることが大切です。この志望動機ではその3つのポイントをきちんと抑えています。
原体験と将来のビジョンが明確になっている志望動機になっています。
介護職の志望動機で悩んでいる人は
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介護職の志望動機は自分の言葉で書くことが大切
介護職の志望動機は、ネットや本でたくさん紹介されていますが、そのまま使うというのは避け、自分の言葉で書きましょう。原体験をした人だと、「介護を実際に経験して感じたこと」というのは、一人一人違います。それは、介護職に勤めている人がよく分かっています。
それを、ネットや本に書いてあるありきたりな言葉を使うと、説得力に欠けてしまうのです。「実際に体験したわりに内容が薄いな」と感じ取られてしまったら、せっかく体験したことも、志望動機でアピールすることができません。
また、未経験の人は、介護職の仕事に興味を持った理由や、介護の仕事をどんな気持ちでしていきたいか、という志望動機を自分の言葉で書いていくといいでしょう。
介護職の志望動機はポイントや例文を参考に作成しよう
介護職の志望動機の書き方のポイントと例文を見てきました。介護職は、深刻な人材不足に悩まされています。そんな介護業界を目指すからこそ、他の就活生とは違う、説得力のある魅力的な志望動機を作成しなければなりません。
介護職の志望動機を作成する際は、上記で紹介したとおり原体験を語るようにし、その上で5つのポイントに注意してください。
5つのポイントとは、「人間性のある長所をアピール」「具体的に説明する」「なぜ介護職を志望しているのかを明確にする」「今後のキャリアプランを伝える」「なぜその企業を明確にする」です。