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正社員で働くメリットとデメリット|雇用形態についても解説
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目次
正社員として働くと4つのメリットがある
就活生の中には、正社員としての就職を希望している人も多いでしょう。実際、正社員として就職することには、多くのメリットが存在しています。しかし一方で、それらのメリットについて、何となくのイメージしか湧かないという人も多いのではないでしょうか。
正社員とは、企業に正規雇用されている社員です。正社員以外で企業に雇用される場合は、非正規雇用またはその他になります。具体的にはアルバイトやパート、派遣社員、契約社員などです。
雇用形態にはそれぞれ特徴があり、人によってメリットとなる面やデメリットとなる面があります。これから正社員として働きたい人、迷っている人ともに、正社員の特徴について見ていきましょう。
正社員のメリット①仕事内容
同じ部署や課に正社員と、アルバイトがいることは珍しくないでしょう。しかし正社員とアルバイトは、仕事内容が異なることがあります。仕事内容が異なるだけではなくて、責任の重さも違ってきます。しかし正社員には、正社員なりの仕事のメリットがあります。そのメリットを享受するために、正社員として働くことを選択した人もいるでしょう。以下の内容では、具体的に正社員として仕事をするメリットを紹介していきます。
仕事の裁量が大きい
正社員の仕事のメリットとして、仕事の裁量が大きいことが挙げられます。仕事の裁量が大きいと、自分色を出しやすくなってきます。自分色を出すことは、やり甲斐の源泉になるでしょう。仕事の裁量が大きいことは責任も伴いますが、仕事をやり遂げた後の充実感は格別です。
仕事の裁量が大きければ、成長する機会が増えてきます。前例を打ち破るような成果を上げることができたら、昇進への話が舞い込む可能性があります。仕事の裁量が大きいということは、仕事を任せられている証拠です。多くの人は仕事を任せられたときに、大きな成長をします。
仕事の裁量が大きければ仕事に飽きにくいです。裁量の大きさがあるので、会社に貢献している実感を持ちやすくなるでしょう。そんな気持ちになると、次第に仕事そのものが楽しくなってきます。
バイトから正社員になるためのPR方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
転職のとき履歴書に書きやすい
初めての就職のときは、転職を考えていない人が大半でしょう。何らかの事情で、転職を検討しなければならないことはあります。しかし簡単に条件のいい会社に、転職できるケースは少ないです。そのような場合、履歴書に正社員として働いた経験を記載すれば、応募先の会社の面接担当者にアピールすることはできます。
転職の場合、アルバイトでの経験はアピールポイントにならないことが多いです。何故ならば企業は転職者には、即戦力としての期待をしているからです。 即戦力になりそうな人材だとアピールする第一歩は、履歴書への記載です。正社員としての職歴は、アルバイトとしての職歴よりも重要視してくれるケースが大半です。履歴書を提出するときは職務経歴書も一緒に提出すれば、より大きなアピールになります。
正社員のメリット②給与
正社員として働く上での代表的なメリットとして挙げられるのが「給与」です。もちろん、正社員でなかったとしても働いた分の給与は支給されます。それでも、給与面については正社員で働いた方がメリットがあるとされています。
仕事をする目的は人によって大きく違いますが、「生活費を稼ぐ」という目的は少なからず誰もが持っているはずです。働いて収入を得なければ生活ができないからです。
一定の収入が保証される
正社員の給与面でのメリット1つ目は、「一定の収入が保証される」ことです。これは社会生活を送っていく上でとても重要な意味を持ちます。一定の給与が安定的に支給されることは、安定した生活を送るのにとても役立つからです。
非正規雇用のアルバイトなどの場合、勤務した時間などに応じて給与が決定されます。たくさん働けば給与は多くなりますが、仕事が少なく、稼働時間が少ない場合などは給与が少なくなるでしょう。
一方、正社員の場合は毎月一定の給与額が決まっています。きちんと規定時間の労働をこなしていれば、仕事の量などに関係なく一定の額が保障される仕組みです。中には仕事を多くこなした場合にインセンティブを支払う企業もあるでしょう。
ボーナスの支給がある
給与面でのメリットは、一定の収入が保障されるだけではありません。毎月の給与の他、年に1回〜2回、ボーナスが支給されるのも大きなメリットです。毎年ボーナスのタイミングで買いたいものなどを決め、自分のモチベーションにしている人もいます。
非正規雇用の場合でも、ボーナスが支給されるケースはあります。しかし、支給される可能性は正社員より低いのが一般的です。また、もしボーナスが支給されたとしても、正社員に比べると金額が低いケースが多いでしょう。
月々の収入が安定している上に年に数回ボーナスが支給されることは、生活面やモチベーションなどに影響します。収入面の不安の解消が、仕事により集中しやすい状況を作り出す側面もあるでしょう。
正社員のメリット③福利厚生
正社員のメリットの2つ目は、福利厚生です。福利厚生とは、企業が雇用している社員に対して支給する金銭以外の報酬です。報酬というと、給与だけをイメージしがちですが、実は給与以外にも支給されているものがあります。
福利厚生は金銭ではありませんが、支給する企業側からすれば、お金をかけていることになります。福利厚生により、社員の健康管理や、優秀な人材を確保できるなどのメリットがあるからです。それでは正社員としての福利厚生のメリットを見ていきましょう。
厚生年金に加入できる
正社員に与えられる福利厚生の1つに、「厚生年金への加入」があります。厚生年金への加入も、正社員で働く上での大きなメリットの1つです。厚生年金に加入することのメリットは、一言で「少しずつの負担で将来大きな見返りが得られる」ことです。
厚生年金の保険料は毎月の給与から天引きされます。その際、保険料の負担は社員と企業の両者で負担します。つまり、少ない保険料を払い、将来は年金として多くの見返りが得られる仕組みです。
また、現在厚生年金以外にもさまざまな年金がありますが、その中でも厚生年金は特にメリットの大きな年金とされています。なぜなら年金支給対象が自分だけでなく、配偶者や親、子、孫、祖父母までとなっており、支給停止の条件もないからです。
雇用保険に加入できる
福利厚生のメリットの2つ目は、「雇用保険への加入」です。生活するためには働いて収入を得る必要がありますが、突然働くことができなくなってしまうケースもあります。働けなくなってしまえば、生活費が入ってこなくなるため、生活の維持が困難になることを意味します。
そのような状況を防ぐために作られたのが雇用保険の仕組みです。保険料は厚生年金の場合と同様、毎月の給与から天引きされます。雇用保険の場合にも、保険料は社員と企業で負担します。
失業した場合や介護・育児などで休業する場合、定年再雇用などで賃金が減ってしまった場合などに一定条件を満たすことで給付金が支給されます。急に仕事ができなくなったとしても、給付金が得られることは支えになるでしょう。
その他の手当が受けられる
年金や保険などのほかにも、さまざまな手当の支給があります。企業ごとで違いはありますが、多くの企業がさまざまな手当の支給を行っています。
手当の内容としては、住宅手当や家族手当、通勤手当などがあります。住宅手当は住宅費用の負担を軽減するためのものです。賃貸物件の家賃の一部を企業が負担する場合や、持ち家のローンの一部を企業が負担する場合などがあります。
家族手当は扶養している家族に応じ、生活の負担を軽減するために支給されるものです。通勤手当は、通勤にかかる交通費などに応じて支給され、通勤のための負担を軽減することが目的になっています。
正社員面接の質問例については、こちらの記事で詳しく解説しています。
正社員のメリット④その他
正社員のメリットは、給与や福利厚生だけではありません。実際に社会人になって生活し始めないと実感がわきにくいかも知れませんが、就活の時点で知っておいて損はありません。それではその他のメリットについて見ていきましょう。
雇用期間の定めがない
正社員の場合、定年、または定年後の再雇用後まで働けます。契約社員は原則、契約更新とされている場合でも、3ヶ月や6ヶ月、1年と働く期間が決まっており、雇用契約書にも契約期間日が記載されています。
正社員は雇用期間の定めがないため、3ヶ月後に仕事がなくなる、会社との雇用契約が終わってしまうといった心配がありません。
社会的な信用が得られる
正社員のメリットとして、「社会的信用を得ることができる」点も挙げられます。具体的には住宅ローンを組むなどといったことが可能になります。この場合の社会的信用とは、安定した収入があり、ローンなどをしっかり返済できるのです。
正社員は先にも書いた通り、毎月の給与が安定して支給されます。また、正社員として勤務していれば非正規雇用の場合と比べ、失業するリスクが低いです。非正規雇用のアルバイトやパートなどに比べ正社員は責任も重いため、長く働くことも見込まれています。
「正社員である」というだけで、実はこれだけの社会的信用を得ることができるのです。実際にローンを組む必要が生じたときなどに、その恩恵を実感する人も多いでしょう。
キャリアアップしやすい
「キャリアアップしやすい」ことも正社員のメリットです。正社員として企業に入社すると研修や教育などが手厚くなされ、スキルを身につける上で有利となります。企業は戦力として長く企業に所属し、成長してくれることを正社員に期待しているからです。
研修や教育などには多大なコストがかかっており、これらを企業が負担しています。もし正社員でなく、自分自身で勉強するとしたら非常に負担が大きくなってしまうでしょう。
またもし転職する場合でも、正社員での勤務は高く評価されます。正社員として働いていたということは、前職の企業が多大なコストをかけてまで雇用していた魅力的な人材ということになります。教育を受け、責任感を持って働いてきたということが証明されると言えるでしょう。
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正社員にはデメリットも存在する
正社員にはメリットだけではなく、もちろんデメリットも存在しています。何についてもそうですが、メリット・デメリットの両面を捉えることがとても大切です。デメリットと言っても、本当にデメリットになるかのか・どの程度のデメリットなのかは人それぞれです。
ここからは、一般的に正社員のデメリットとされる事柄を紹介します。正社員で働く上でのメリットと共に、社会人になる前にこれらもしっかりと受け止めておくことが大切と言えるでしょう。
転勤の可能性もある
正社員のデメリットで挙げられるのは、転勤しなければならない場合があることです。正社員として勤務していると、人事異動で引っ越しを伴う転勤が求められる場合もあります。
全国展開している企業であれば全国、海外進出している企業であれば、海外に転勤するケースもあります。人によりますが、転勤によって環境が変わったり、転勤先で社内の人間関係を一から作らなければならないことにストレスを感じる人もいるでしょう。
また、家族と離れることや単身赴任などをマイナスと捉える人もいるでしょう。場合によってはグループ会社や子会社へ勤務先が変わることもあります。「転勤が自分の成長に役立つ」とポジティブに捉える人もいますが、もし抵抗がある場合は、採用の前に転勤の可能性も調べておくようにしましょう。
休日出勤や残業を課せられる
正社員として雇用されると、休日出勤や残業を課せられるケースもあるでしょう。正社員は非正規雇用の社員と違って責任が重く、業務の状況や顧客の都合によっては出勤する必要が生じることがあります。
また、休日出勤や残業が生じた場合、残業代が支払われることになっていますが、中には残業代が「みなし手当」になっているケースもあります。「みなし手当」もしくは「固定残業代」とは、一定の残業時間を想定して、あらかじめ固定給に残業代を含めているケースです。
働く側からすると、残業時間に応じて残業代が増えていくのが当然です。しかし、みなし手当の場合には固定給にもともと一定の残業代が含まれていることになるため、一定の残業時間を超えない限り残業手当がプラスされることはありません。
責任が増える
正社員として働くことのデメリットには「責任を負わなければならない」もあります。正社員は非正規雇用の社員に比べてもともと責任が重いのですが、この責任は年々重くなります。
勤続年数が増えれば先輩社員として後輩の指導などにも責任が生じるでしょう。また、マネージャーなど上位の職位に昇進していくと、それに応じて責任の度合いも上がっていきます。
中には責任が重くなることをやりがいに感じる人もいますが、中にはプレッシャーやストレスに感じる人もいます。企業によっては数字のノルマを背負ったり、成果によっては降格や減給になる場合もあるでしょう。
正社員以外の3つの雇用形態
正社員以外には日本において、よく使われている労働形態には契約社員、派遣労働者、パートタイム労働者の3種類があります。どれもそれぞれ特徴があり、正社員とは違った扱いを受け、給与の計算方法までも違うことがほとんどであるため、自分の雇用形態を働き始めるときに契約書できちんと確認したうえで、労働に従事することが必要です。
どの雇用形態も一般的に、正社員に課せられるデメリットが軽減、もしくは責任を負わない点があげられ、その代わりに給与面や休日面で差がつけられている傾向にあります。
契約社員
一般に契約社員として扱われている人たちは、正社員と違って契約期間が定められていることが特徴です。契約期間の満了をもって労働者と使用者との雇用契約が終了する仕組みをとっており、労働者の立場からみると、更新することができるとはいえ期限の日にちが訪れれば自動的に退職扱いとなります。
基本的に給与は正社員と比べると抑えられ、ボーナスの額も調整されています。また、正社員と比べて人数調整のための調整弁としての扱いを受けるために、雇用が不安定になりがちです。その代わりとして、正社員よりは責任を負わなくて済むことが多く、与えられた仕事をこなしていけば問題なく日々を過ごすことができるという点が正社員に比べて優れている点と言えます。
派遣労働者
一般に派遣労働者として扱われている人たちは、正社員と違って今現在自分が働いている企業と、自分が本当に雇われている企業が異なる点が特徴です。派遣労働者は人材派遣会社に登録をすることによって、人材を欲しがっている企業に人材派遣会社からの指示で派遣され、現地でその企業の指揮命令下に入って仕事をします。
非常に複雑な労働形態であるために、労働派遣法において細かいルールが定められていることも特徴のひとつです。正社員に比べて、責任は契約社員よりも軽い場合もあり、働く時間の調整が可能であるなど気を負わなくて済む反面、やはり派遣された企業のさじ加減ひとつで雇用が失われてしまう可能性もあり、その点は不安定であると言えます。
パートタイム労働者
一般にパートタイム労働者として扱われている人たちは、正社員と違って軽微な仕事や作業をするために臨時で雇われている人たちをいいます。多くの場合、契約社員や派遣労働者と違って給与が時給制で支給されることが多く、契約の期間も、企業側が調整しやすいように、3か月から半年程度の期間を1期間として契約することが特徴です。
誰でもできる仕事の内容を負わされることが多いために、責任の重さは契約社員や派遣労働者よりもさらに軽く、基本的には仕事を遂行する際には上司の指示に従うだけで良いことが多いです。半面、一応法律上は有給をとれることになっていますが、社会通念上パートタイム労働者には有給を認めていない企業が多く、これも福利厚生面では低い待遇であると言えます。
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給与面などのメリットを知って正社員として働こう!
正社員にはメリットがたくさんあります。非正規雇用の社員と比べて特にメリットになるのが給与や福利厚生です。給与は毎月一定の額が保証され、ボーナスが支給される場合もあります。これは生活の安定のためにとても重要です。
また、福利厚生では厚生年金や雇用保険加入がありますが、保険料を企業も負担してくれるというのは大きなメリットです。これ以外にも各種手当てがあり、社会的信用やキャリアアップのしやすさなども魅力です。
もちろん正社員にはデメリットもあります。人によっては転勤や残業、責任の重さに抵抗を感じる場合もあるでしょう。大切なことは、正社員のメリットとデメリットの両面を理解し、志望企業に当てはめて考えてみることです。
事前に正社員のメリットを把握し、自分にぴったりな企業への就職を成功させましょう。