職種研究

トラック運転手の平均年収・ボーナス事情|比較シミュレーションで比べてみよう

トラック運転手とは

トラック運転手は依頼された荷物を出発地でトラックに積み込み、目的地まで運転し、決められた場所に荷物を降ろしたり、受取人に渡す仕事です。基本的に一人のドライバーが荷物の積み込み、運転、荷物の積み下ろしまでを任されます。荷物の種類や運搬する量や移動距離、トラックのサイズによって様々な業務形態があります。事故や病気で配送が滞ってしまうと、依頼主や関係者に損害を与えてしまうため、安全運転や健康管理には十分注意しなければなりません。

そんなトラック運転手の業務内容や年収などを調査してみました。

トラック運転手の種類について

  • 小型トラック(普通免許、18歳以上)
  • 中型トラック(中型免許、20歳以上普通免許経歴2年以上)
  • 大型トラック(大型免許、21歳以上・普通免許経歴3年以上)
  • トレーラー(牽引免許、18歳以上)

トラック運転手を細かく分類すると、5トン未満の小型トラック、11トン未満の中型トラック、11トン以上の大型トラック、貨物トレーラーなどの車両と連結して牽引するトレーラーなどに分類されます。トラックのサイズによって必要な免許が異なります。

トラック運転手の業務内容

小型トラックは、5トン未満のトラックが対象となり、普通免許で運転できることから人気の職種です。宅配便の場合、大型トラックで集配所に配送された荷物を小型トラックで担当エリアに配達します。少量の荷物を特定の場所に運ぶ場合には軽トラックを利用した軽貨物配送があります。

中型トラックは、11トン未満のトラックが対象となり、中型自動車免許が必要です。輸送量が多いため、フォークリフトで積み下ろしが行われるため、フォーリフトの免許を取得することで効率的に作業ができます。運ぶ量は多いため、移動する距離も長くなります。都市部を通過する際には交通量の少ない早朝や夜間を利用したスケジューリングを汲みますが基本的に日帰りできる距離の仕事になります。

大型トラックは、11トン以上のトラックが対象となり、大型自動車免許が必要です。大量の荷物やサイズの大きい荷物を長距離運ぶことが多いため、トラック内で睡眠を取りながら走ります。車両サイズが大きいため、走行できるルートや停車できる場所は限られてます。

トレーラーは、車輪が付いたコンテナやタンクローリーなどを牽引するため、大型自動車免許の他に牽引免許が必要です。大型トラック同様、移動は長距離になることが多いです。

トラック運転手に求められる能力について

  • 運転技術
  • 健康・体力
  • コミュニケーション能力
  • 冷静な判断能力

運転技術は運転手にとって必須のスキルです。免許を取得後、すぐに得られるものではなく、業務を通じて経験を積むことが大切です。車両サイズが大きくなるほど高度な運転技術が必要となります。

健康・体力も大切です。基本的に一人で作業するため、病気などで休んでしまうと会社に大きな損害を与えてしまいます。常に健康管理をすることが大切です。小型トラック運転手の場合、荷物の積み下ろしは手運びとなることが多く、宅配便の場合、何度も乗り降りして届け先まで手運びします。中・大型トラック運転手の場合、長距離移動で同じ体制で長時間運転することが多くなるため腰痛などに悩まされるドライバーも多いです。交通状況によって早朝や深夜に運転することもあるため、体力に自信がある人に向いています。

また、コミュニケーション能力も求められることがあります。トラックドライバーは基本的に一人で運転するため、長距離ドライバーはコミュニケーションが少なくなりがちですが、宅配便の場合、地域とのコミュニケーションは重要となります。

最後に、冷静な判断能力は重要と言えるでしょう。交通渋滞など、道路状況によってはスケジュール通りに進まないことも多々あります。状況に応じて優先度やルートの変更を柔軟におこなうことも大切です。焦ってしまうと交通事故に繋がることもあります。

トラック運転手の平均年収と他職種との比較

トラック運転手の平均年収について

トラック運転手の年収は小型トラックの場合、仕事の量・時間によって年収を増やすことができます。宅配便業界では、ネット通販が好評であることからドライバー不足が深刻となり、再配達問題の解決が取組まれているほどです。中・大型トラックの単価は高額であることが多いですが、作業量が減少している傾向があります。

運輸労連の2016年度調査によると、小型トラック運転手の平均年齢は44.2歳、平均年収は480万円です。大型トラック運転手の平均年齢は47.4歳、平均年収は599万円です。

他の職種・平均との比較

  • 日本の平均年収:422万円
  • 営業用バス運転手:455万円
  • タクシー運転手:332万円

トラック運転手は日本の平均年収と比較すると、177万円ほど上回っていることがわかります。同じ運転手業界の営業用バス運転手やタクシー運転手と比較しても年収は上回っていることがわかります。労働時間が長いことや高額な単価であることが考えられます。

 

トラック運転手のボーナス・昇給事情

ボーナスについて

トラック運転手は一般企業と異なり、歩合制が多く、ボーナスの制度がない企業が多いです。ボーナスは、契約内容や企業によって異なりますが、支給されない会社が多いでしょう。

昇給について

トラック運転手は一般企業と異なり、歩合制が多いです。また、老若男女問わず平等である職種といえます。働いた分給料が上がります。反面、休んだり、仕事が得られない場合には減給となります。小型トラックの場合には、運転手以外の業務を担って昇給を目指すことが可能です。

トラック運転手の年齢別平均年収推移シミュレーション

年齢 年収 月給 ボーナス
20~24歳 272.3万円 224.2万円 48.1万円
25~29歳 354.7万円 292.0万円 62.7万円
30~34歳 408.6万円 336.4万円 72.2万円
35~39歳 447.8万円 368.7万円 79.1万円
40~44歳 482.6万円 397.3万円 85.3万円
45~49歳 510.2万円 420.0万円 90.1万円
50~54歳 531.5万円 437.6万円 93.9万円
55~59歳 523.8万円 431.3万円 92.5万円
60~64歳 392.7万円 323.3万円 69.4万円

年齢別の平均年収を5歳刻みで算出すると、30~34歳での平均年収は408.6万円、うちボーナスは72.2万円になると予測されます。40~44歳では平均年収が482.6万円、うちボーナスは85.3万円になると予測されます。歩合制の多いトラック業界の場合は企業や景気によって仕事量が異なるため、安定した収入を得ることが難しい職種といえます。

※編集部で規定したアルゴリズムに基づいた算出であるため、あくまでも予測シミュレーション数値となります。

トラック運転手と日本の平均年収との年齢別比較シミュレーション

年齢 トラック運転手の平均年収 日本の平均年収
20~24歳 272.3万円 263.5万円
25~29歳 354.7万円 343.3万円
30~34歳 408.6万円 395.5万円
35~39歳 447.8万円 433.4万円
40~44歳 482.6万円 467.1万円
45~49歳 510.2万円 493.8万円
50~54歳 531.5万円 514.4万円
55~59歳 523.8万円 507.0万円
60~64歳 392.7万円 380.1万円

トラック運転手の平均年収は、日本の企業全体の平均年収と比較すると高いと言えるでしょう。30~34歳の平均年収は408.6万円で、日本の平均と比較すると13万円ほど高くなると推測されます。40~44歳では482.6万円の予測です。歩合制の多いトラック業界の場合は年齢による年収差が少なく、体力のある若い世代の方が年収が高額であることが推測されます。

※編集部で規定したアルゴリズムに基づいた算出であるため、あくまでも予測シミュレーション数値となります。

トラック運転手の生涯賃金シミュレーション

トラック運転手の生涯賃金 日本の生涯賃金
生涯賃金 1.96億円 1.90億円

日本の平均的な生涯賃金と事務職の生涯賃金を比較してみましょう。トラック運転手の平均年収は599万円であることがわかりました。一方、日本の平均年収は422万円です。20~65歳まで勤めたと仮定した場合、生涯で得られる賃金はどれくらいになるのでしょうか。その結果が、上記の表です。

トラック運転手の生涯賃金は、1.96億円と予想されます。日本の平均生涯賃金と比較すると600万円ほど多いと推測されます。

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まとめ

ここまでトラック運転手について調査を進めてきました。運転するトラックによって業務形態、勤務時間、給与が異なりますが、日本の平均年収を上回っていることがわかりました。一般企業では年功序列制度が薄れつつありますが、年齢と共に昇給する傾向です。

しかし、トラック運転手は歩合制が多いことから若い世代にとっては高額な給与が得られますが、昇給やボーナスが支給されないケースが多いため、総合的な判断・比較が必要です。年齢を重ねると、体力面で仕事の幅が狭くなり、収入が少なくなることも考慮する必要があります。

※最後に、本記事につきましては、公開されている情報を活用し、当社が独自の基準によってシミュレーションした結果を開示しているものとなります。読者の皆様に企業選択の一助になればという趣旨で情報を作成しておりますため、なるべく実態に近い状態のシミュレーションとなる様に最善を尽くしているものの、実際の報酬額とは異なります。 あくまでも参考情報の一つとしてご活用くださいませ。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

多くの学生と企業をマッチングしてきた経験を活かし、『就活対策サイト「キャリアパーク!」が教える 「最高の会社」の見つけ方』(高橋書店)を出版。最高の会社を見極めるための基準や失敗しない企業選びの方法を紹介している。

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01459)

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