職種研究

林業の平均年収・ボーナス事情│比較シミュレーションで比べてみよう

林業とは

林業は、主に森林で樹木の伐採と育成をおこなう第一次産業です。広い意味では、木材の生産や運搬、加工の職種も林業に含まれます。

また、枯れ木などを間引く「間伐」をおこなうことによって森林の生態系を保ち、大水や土砂崩れといった自然災害を防ぐことも重要な仕事です。現在は担い手不足が深刻な問題となっており、人材確保が急務とされています。

林業の種類について

  • 森林作業員
  • 測量士
  • 林業系学校の教員
  • 製材業
  • 公園管理者
  • 造園業者

最前線で働く森林作業員や測量士の他、学校教員や製材業といった多岐に渡る仕事があります。また、広義では公園管理者、造園業者も林業に含まれます。

林業の業務内容

森林作業員は、チェーンソーや林業機械を使って、樹木の伐採や育成、間伐をおこないます。森林組合や民間会社に所属して働きます。

測量士は山や森林の測量をおこないます。業務には国家資格が必要です。

学校教員は林業系の専門学校や大学で、人材育成のための専門教育をおこないます。

製材業は伐採した木材を加工する仕事です。加工だけでなく、製品を作って販売する会社もあります。

公園管理者は公園や緑地の維持管理をおこなう仕事です。遊歩道の整備や害虫の駆除の仕事も含まれます。

造園業者は木材を生かした庭づくりやガーデニング、植木の剪定をおこないます。また、昨今ではヒートアイランド現象を抑制する壁面緑化にも取り組んでいます。

林業に求められる能力について

  • 現場技能
  • 体力

林業に求められる能力は現場技能と体力です。

現場作業員には、急斜面で安全かつ効率的な業務をおこなう高度な技能が必要とされています。最初のうちは現場で経験を積んで、少しずつ技能・技術を伸ばしていくことになるでしょう。

また、チェーンソーなどの重たい機器を扱うことが多いので、林業にたずさわるには体力が必要です。外で身体を動かしながら業務に当たることになるため、体力がないとやや厳しい仕事といえるでしょう。正確に仕事をこなすためには、体力と共に健康面の管理も重要です。

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林業の平均年収と他職種との比較

林業の平均年収について

林業の平均年収について正確な情報はありませんでしたが、転職会議によると農林水産業の平均年収は313万円です。
他の職種・平均との比較

  • 農業:456万円
  • 漁業:260万円

林業の平均年収は、日本の平均年収である422万円と比較して109万円低くなっています。また、同じ一次産業である農業と比べれば低く、漁業と比べれば高くなっています。
林業のボーナス・昇給事情

ボーナスについて

林業のボーナスの有無については、職種や企業によって差があります。年2回のボーナスが支給される企業もあれば、ない企業もあるなど、職種や企業によって事情が異なってきます。

昇給について

林業の昇給についても、職種や企業によって事情が異なってきます。年1回の昇給を実施している企業が多いですが、事情によっては昇給がないこともあり、一概にある・なしを断定できるわけではありません。

林業の年齢別平均年収の推移シミュレーション

林業の年齢別の平均年収を5歳刻みで算出をしました。年齢別の月給と年収の推定値はどのようになっているでしょうか。

年齢 年収 月給 ボーナス
20~24歳 193.6万円 13.3万円 34.2万円
25~29歳 252.2万円 17.3万円 44.6万円
30~34歳 290.5万円 19.9万円 51.3万円
35~39歳 318.4万円 21.8万円 56.2万円
40~44歳 343.1万円 23.5万円 60.6万円
45~49歳 362.7万円 24.9万円 64.1万円
50~54歳 377.9万円 25.9万円 66.8万円
55~59歳 372.4万円 25.6万円 65.8万円
60~64歳 279.2万円 19.2万円 49.3万円

年齢別の平均年収を5歳刻みで算出すると、30~34歳での平均年収は290.5万円、うちボーナスは51.3万円になると予測されます。40~44歳では平均年収が343.1万円、うちボーナスは60.6万円になると予測されます。

※編集部で規定したアルゴリズムに基づいた算出であるため、あくまでも予測シミュレーション数値となります。

林業と日本の平均年収との年齢別比較シミュレーション

年齢 林業の平均年収 日本の平均年収
20~24歳 193.6万円 263.5万円
25~29歳 252.2万円 343.3万円
30~34歳 290.5万円 395.5万円
35~39歳 318.4万円 433.4万円
40~44歳 343.1万円 467.1万円
45~49歳 362.7万円 493.8万円
50~54歳 377.9万円 514.4万円
55~59歳 372.4万円 507.0万円
60~64歳 279.2万円 380.1万円

林業の平均年収は、日本企業の平均年収と比較すると全体的に低くなると予測されています。30~34歳の平均年収は290.5万円で、日本の平均と比較すると105万円ほど低くなると推測されます。40~44歳では124万円ほど低くなる予測です。

※編集部で規定したアルゴリズムに基づいた算出であるため、あくまでも予測シミュレーション数値となります。

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林業の生涯賃金シミュレーション

  林業の平均年収 日本の平均年収
生涯賃金 1.40億円 1.90億円

日本の平均的な生涯賃金と林業の生涯賃金を比較してみましょう。林業の平均年収は313万円であることがわかりました。一方、日本の平均年収は422万円です。20~65歳まで勤めたと仮定した場合、生涯で得られる賃金はどれくらいになるのでしょうか。その結果が上記の表です。

日本の平均的な生涯賃金と林業の生涯賃金を比較すると、20~65歳まで勤めたと仮定した場合、5,000万円ほど低いと推測されます。

※編集部で規定したアルゴリズムに基づいた算出であるため、あくまでも予測シミュレーション数値となります。

まとめ

林業は体力が必要な上、危険が伴う割には収入の低い仕事ですが、日本の自然環境を守ることにやりがいと誇りを感じている人も多いようです。高収入を得ることよりも、自然の中で働くことに喜びを感じられる人に向いているといえるでしょう。現場作業員の高齢化が進んでいるため、若者の活躍が大いに期待される仕事です。

※最後に、本記事につきましては、公開されている情報を活用し、当社が独自の基準によってシミュレーションした結果を開示しているものとなります。読者の皆様に企業選択の一助になればという趣旨で情報を作成しておりますため、なるべく実態に近い状態のシミュレーションとなる様に最善を尽くしているものの、実際の報酬額とは異なります。 あくまでも参考情報の一つとしてご活用くださいませ。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

多くの学生と企業をマッチングしてきた経験を活かし、『就活対策サイト「キャリアパーク!」が教える 「最高の会社」の見つけ方』(高橋書店)を出版。最高の会社を見極めるための基準や失敗しない企業選びの方法を紹介している。

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01459)

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