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外交官を志望するなら出身大学や試験について知ろう
「世界のために働きたい」、「海外に飛び回る仕事に就きたい」という理由で、外交官や外務省への入省を目指している就活生も一定数いるかもしれません。外交官は、外国との「外交」を担当するスペシャリストで、世界各国との国際交流に欠かせない存在です。「楽しそうな仕事」、「安定している業界」というイメージはあるかもしれませんが、外交官になるためにはどうすればいいのか詳しく知らない人も多いでしょう。
そこで本記事では、「外交官への道」をご紹介します。具体的には、外交官になるための試験、出身大学、必要な知識・スキルなどです。憧れている人はいるものの、なるためには難関とされているので、詳しく知っておくことがまずは必要でしょう。
外交官について
外交官の勤務先のひとつである大使館などの在外公館は、200以上あります。もちろん、外務省も職場です。では、具体的な仕事内容やなるための試験はどういったものがあるのでしょうか。外交官は、「総合職」、「専門職」、「一般職」など就いているポジションによって、仕事内容は異なっています。試験にもいくつか種類があり、先のポジションによってテストは異なるようです。自分の目指すべき道を見極め、受験に合格しなければなりません。
外交官のやりがい
外交官のやりがいとは、何といっても「日本を背負う」ということです。国際社会という大舞台で国益あるいは国際規模の利益に貢献するという、スケールの大きなやりがいを感じることができます。
赴任先となるのは日本と親密かつ良好な関係を持つ国家ばかりではなく、政治問題や経済問題で緊張状態にある国家の場合もあります。関係改善、または悪化を防ぐことに注力することとなります。また、インフラ整備や医療などの支援が必要な途上国へ赴任することもあり、赴任先によって使命や職務も大きく異なります。
このように、世界各国の問題に直面しながら職務をこなすことで、大きな視野と行動力を養うことができ、職務を全うした特に得られる達成感こそ外交官のやりがいともいえます。
あなたが外交官に向いているか、確認してください
就活では、自分に適性のある仕事を選ぶことが大切です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまいます。
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外交官の仕事内容
総合職である場合、外交政策の提案・作成、勤務している国の情報収集などがあります。数年ごとに大使館や外務省など勤務先が変わり、将来的には、大使や管理職になる可能性があるでしょう。専門職の場合は、英語を駆使して活躍するポジションだと言えるでしょう。ODA(政府開発援助)関連の仕事や、日本と他国との関係性を構築することなどが挙げられます。総合職のように、数年ごとに勤務先が変わり、通訳として働くこともあるでしょう。
一般職は、民間企業と同様に事務的な役割を担います。大使館などの在外公館でも仕事をするため、ずっと外務省にいるわけではありません。こうした職種を目指すためには、それぞれ試験を受ける必要があります。
外務省になるための試験
総合職を目指すためには、「国家公務員採用総合職試験」の合格が必要です。「キャリア」と呼ばれるポジションになり、日本外交において幹部的な役割を担うことになるでしょう。専門職の場合は、「外務省専門職員採用試験」です。一次試験と二次試験があり、憲法、国際法、基礎能力、外国語(記述・面接)などを通して適性を計ります。
基礎能力で結果を出さなければ、他の試験内容で高得点を叩き出しても合格にはならないので注意してください。外国語は、英語・フランス語・ドイツ語などから選択できますので、得意な言語で試験に挑みましょう。もちろん一般職にも「国家公務員採用一般職試験」があり、合格しなければ事務的なポジションを担う一般職にはなれません。
国家公務員の昇給制度について、知りたい人はこちらの記事もチェックしてみてください。
外交官の出身大学について
外交の専門家になるためには、各種の試験を突破する必要があります。では、どの大学出身者が外交官として活躍しているのでしょうか。結論から先に述べるならば、難関大学とされている旧帝大や私立の名門大学が多い傾向にあるでしょう。学部の中では、語学を活かせる仕事なので「文学部」、学んだ知識を役立てる「法学部」などが外交官を目指す際に有利かもしれません。もちろん、職種によって活かせる能力は異なるので、自身にマッチした仕事を選びましょう。
国立大学が多い
国家公務員総合職試験に合格する大学出身者は、ある程度限られています。その中でも、最も多いのが東京大学でしょう。京都大学、大阪大学などの国立大学や早稲田大学、慶応義塾大学などの有名私立大学も比較的多い傾向にあります。国家公務員総合職試験の合格者という広範囲ではなく、外務省の総合職だけに特化すると、東京大学法学部出身者が多いとされています。
他にも専門職での採用は、東京外国語大学出身者が目立つ傾向にあるでしょう。学部ならば、「法学部」を筆頭に、「政治経済学部」、「国際関係学部」、「外国語学部」などは外交官としての仕事で活かせることを学べるでしょう。いずれにせよ、受験して合格するのが難しい大学出身者ばかりということは覚えておいてください。
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有名大学が多い理由
では、なぜ外交官は、こうした有名な大学出身者ばかりなのでしょうか。まずシンプルに、「勉強が得意だから」ということが挙げられます。推薦で大学に入るのならば別かもしれませんが、有名大学に合格するためには、高い倍率・難関な試験内容を突破しなければなりません。外交官になることも、同様に簡単なことではありません。
試験では、幅広い知識や高い語学力を求められるので、勉強が得意でない限り、なかなか外交官になることは難しいと言えるでしょう。また、同大学のOB・OGがたくさん外交官として活躍しているので、それはとても心強いことです。それに、学生の時に直接会って話を聞いてみることも可能でしょう。こうしたさまざまな要因により、有名大学が多いと考えられます。
外交官に必要な学歴とスキル
外交官になるためには有名大学出身であり、法学部などはなおさら有利であることをご紹介してきました。とはいえ、もちろん職種によって必要な学歴は異なります。厳密に言えば、学歴に自身のない人でも目指せる仕事だとは言えるでしょう。学歴をご紹介しつつ、必要なスキルについても触れていきます。外交官になるためには、何を身につけておくべきなのでしょうか。試験・実務ともに求められるスキルは重なっている部分もあるので、ぜひ参考にしてみてください。
必要な学歴
「キャリア」と言われる総合職を目指すのであれば、新卒の場合は院卒程度、もしくは大卒程度の学歴が必要です。専門職員と一般職であるならば、大卒程度、あるいは高卒程度になるでしょう。このように、高卒以上であれば外務省に入省できる可能性があるのです。これは新卒だけの話ではなく、社会人採用でも同様に、高卒以上が最低限の条件のようです。
とはいえ、試験内容が簡単とは言い切れませんので、猛勉強が必要になるでしょう。試験に合格してからも、例えば赴任国が変わった場合、その国の宗教・習慣・ルールなどの知識を習得することは必要不可欠です。そのため、持続的に勉強できる人でないと勤務先で大変な目に遭ってしまうかもしれません。
外交官で必要とされるスキル
前半でも少し触れましたが、試験内容には、憲法・国際法などの法律科目があります。そのため、法律に関する知識がなければ、外交官にはなれません。もちろん、試験のためだけでなく、実務で必ず活かせる知識なので、学生の内からしっかりと学んでおくと良いでしょう。法律の知識だけでなく、高い語学力は欠かせません。入省後の研修は充実しているものの、自主学習してスキルを磨いていく態度は必要です。
もちろん試験でも語学力は問われるので、知識を蓄えておきましょう。語学力の目安としては、TOEIC・TOEFLの高得点者、あるいは英検の上級取得程度と認識しておいてください。これらの資格が絶対に必要というわけではないですが、挑戦してみても良いでしょう。
TOEICの点数配分の仕組みについて、知りたい人はこちらの記事もチェックしてみてください。
外交官という仕事に向いている人
外交官は海外で日本国外の方たちと交渉をしたり、異文化交流や社交性をもってコミュニケーションをとることが仕事内容となっています。正しく綺麗な日本語を話すことはもちろんのこと、日本についての知識を間違えることなく、知っておくことが必要となってり、そのうえネイティブレベルの英語力が必要となります。また社交的で、交渉力にたけていることも必要で、これら全てにおいて自信のある人は外交官に向いている人であると言えるでしょう。
社交的な人
外交官は他国の人とコミュニケーションをとることが非常に多く、外交官として他の国の大使館に駐在することとなった場合、現地で生活することになり、駐在国の方たちとの交流の機会は日々おこなわれることになります。現地での生活に慣れることも重要ですが、会議などでは多くの人と交流の機会があるため、社交的で高いコミュニケーション能力を持つことが求められます。
社交的な人であれば多くの人と打ち解けることができ、よい交流の場となるようにもっていくことができるからです。また、ホームパーティーが頻繁におこなわれている国もあり、家族同伴で招かれることも珍しくはありませんので、家族も社交的で高いコミュニケーション能力が求められます。
社交性のアピール方法について、こちらの記事でもさらに詳しく解説しています。
交渉力のある人
外交官の仕事は、日本の国にとっての利益を守るために、他の国の各官僚と交渉する能力が求められています。輸出入の関税問題や、軍事的な問題、国際テーマなど、多岐にわたるテーマについて交渉することが必要となります。日本の都合だけで利益を独占することは、他の国から敵視されることもあるため、バランスを考えながら利益を得ることができるように提案することが重要となり、外交官によって日本の未来が変わることもありますので、高い交渉能力が求められます。
しかし、この交渉能力は日本が最も劣るとされるところですので、一流の外交官になるためには、柔軟な対応力と、強く立ち向かう能力を兼ね備えたうえで、相手を交渉する能力が必要となります。
語学力と法律に関する知識をつける事が採用への近道
諸外国と友好関係を築き、世界を舞台に活躍する外交官は、人気のある仕事のひとつです。なるためには、法律や語学力などを問われる難関な試験を突破しなければなりません。職種によって受ける試験は異なります。外交官出身大学は、国立や名門私立が多い傾向にあるでしょう。その中でも法学部がとても多いと言われています。
また、難しい受験をクリアするためには、「勉強が得意」という基本スペックが必要なため、外交官には有名大学出身者が多い理由なのでしょう。必要な学歴は、最低限では高卒でも構いません。職種によっては、大卒以上になります。そして、憲法・国際法などの知識や高度な語学力がなければ、試験合格や仕事をすることも難しいでしょう。