職種研究

ベンチャーキャピタルの平均年収・ボーナス事情|比較シミュレーションで比べてみよう

ベンチャーキャピタルとは

企業の成長を大きくうながす働きを持つ投資会社が、ベンチャーキャピタルです。ベンチャーキャピタルで働く人をベンチャーキャピタリストといいます。一般的にはあまり馴染みのない職種ですが、近年は盛り上がりを見せている成長産業でもあります。

では、日本の企業が成長をしていくうえで重要な役割を担っているベンチャーキャピタルとは、どのような職種なのでしょうか。また、ベンチャーキャピタルの平均年収や賞与などはどのようになっているのでしょうか。詳しく情報を調べてみました。

ベンチャーキャピタルの業務内容

ベンチャーキャピタルとは、ベンチャー企業への投資を専門的に行う投資会社です。投資家から資金を募ったり自己資金を使ったりして、株式未上場の会社や創業間もないベンチャー企業の株式を取得することで投資をし、株式公開をした際に得られる利益を収入としています。また、経営コンサルティングを行ったり取締役会に参加したりして、投資企業の事業の拡大をサポートします。

成功すれば多額の値上がり益を得ることができます。しかし、投資先企業の中には、上場に至らず投資資金の回収が不可能になるケースも多く、投資先の選定にあたっては高い専門性が求められます。

将来性のある新興企業や優れた技術を持っているのに知名度が低く株式公開がされていないベンチャー企業にとっては、ベンチャーキャピタルは貴重な存在です。なぜなら、銀行の融資では十分な資金調達ができないことが多く、ベンチャーキャピタルからの資金の導入は有力な資金調達の手段になっているからです。長期的な視点に立った投資という形をとることで、産業の育成の役割も果たしているのが、ベンチャーキャピタルだといえるでしょう。

ベンチャーキャピタルには、大手金融機関のベンチャーキャピタルや通信系、独立系、事業会社系などさまざまな形態があります。

ベンチャーキャピタルに求められる能力について

  • 財務分析力
  • ビジネス力
  • コミュニケーション能力

ベンチャーキャピタルがまず行うことは投資先の企業を探すことです。その際、投資対象の企業のビジネスモデルやマーケットの規模、成長性、財務状況などの情報を分析し、投資を行うかどうかを判断する力が求められます。財務状況を分析する際にはその企業が属している業界の特徴や成長の可能性、さらには企業内部の資金力を分析・判断する力が必要です。

どの仕事においてもその業務に関する専門知識やスキル、一般的なビジネスの知識やスキルは身につけなくてはいけません。特にベンチャーキャピタルにおいては投資先企業の経営陣とパートナーを組んで経営の方向性について一緒に練っていくので、ビジネスや事業に関する高度な知識が求められます。ときには、いくつもの問題点の中から最も重要な問題の本質を見抜き、解決するように伝える役割も担います。

さらに、ベンチャーキャピタルはパートナーであるベンチャー企業の経営陣と深い関係を構築できるコミュニケーション能力も必須です。投資後はその投資先の企業が順調に成長をしていけるようにサポートをしていくこともベンチャーキャピタルの重要な役目です。場合によっては経営に深く入り込み、投資先の経営陣に対して経営のアドバイスや取引先や提携先を紹介したり、状況によっては追加融資を行うなどコミュニケーション能力なくしてはベンチャーキャピタルは成り立ちません。

ベンチャーキャピタルの平均年収と他職種との比較

ベンチャーキャピタルの年収については、非常に多くの額を得ることができる可能性を秘めており、中には1億円以上もの年収を得ているベンチャーキャピタリストもいます。一般的にはベンチャーキャピタルの平均年収は一般的なサラリーマンより高い傾向があると言えるでしょう。

一方、ベンチャーキャピタルの年収は賞与によって大きく左右されるという特徴もあります。投資に成功すれば数百万円のボーナスが支給されることもあるようです。

それでは、ベンチャーキャピタルの平均年収と他職種との比較を紹介します。

ベンチャーキャピタルの平均年収について

転職ステーション調べによれば、ベンチャーキャピタルの上位3社の平均年収は890万円となっています。トップのジャフコは2016年3月決算で平均年齢が42.0歳で平均年収が1,205万1657円です。

他の職種・平均との比較

  • 日本の平均年収:422万円
  • ベンチャーキャピタルの平均年収:890万円

上記を参考として、ベンチャーキャピタルの平均年収を仮に1,000万円とすると、日本の平均年収422万円と比較して468万円高くなっています。また、類似職の金融系専門職で437万円、ITコンサルタントで608万円であることから考えてもベンチャーキャピタルの平均年収が高いものであることがうかかがます。

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ベンチャーキャピタルのボーナス・昇給事情

ベンチャーキャピタリストのボーナスや昇給についてはある・ないと断言できませんが、企業によって異なってくるようです。

ボーナスについて

ベンチャーキャピタリストのボーナスは企業によって異なっているようです。特徴としてはベンチャーキャピタルの平均年収はボーナスによって大きく差がつくようです。ただし、多くのベンチャーキャピタリストのボーナスは一般企業と同じく会社の業績に応じて数ヶ月であったり、ボーナスのない年俸制であることが一般的のようです。

昇給について

ベンチャーキャピタルの昇給についても企業によって異なっているようです。定期的な昇給のための制度を整備している企業もあるようですが、企業の事情によっては昇給がほとんどない場合もあるので、一概にある・なしと断定できません。

ベンチャーキャピタルの年齢別平均年収推移シミュレーション

ベンチャーキャピタルの年齢別の平均年収を5歳刻みで算出をしました。年齢別の月給と年収の推定値はどのようになっているでしょうか。

年齢 年収 月給 ボーナス
20~24歳 555.8万円 38.1万円 98.2万円
25~29歳 724.0万円 49.7万円 127.9万円
30~34歳 834.1万円 57.2万円 147.4万円
35~39歳 914.0万円 62.7万円 161.5万円
40~44歳 985.1万円 67.6万円 174.0万円
45~49歳 1,041.4万円 71.5万円 184.0万円
50~54歳 1,085.0万円 74.4万円 191.7万円
55~59歳 1,069.2万円 73.4万円 188.9万円
60~64歳 801.5万円 55.0万円 141.6万円

年齢別の平均年収を5歳刻みで算出すると30~34歳での平均年収は834.1万円、うちボーナスは147.4万円になると予測されます。40~44歳では平均年収が985.1万円、うちボーナスは174.0万円になると予測されます。

※編集部で規定したアルゴリズムに基づいた算出であるため、あくまでも予測シミュレーション数値です。

ベンチャーキャピタルと日本の平均年収との年齢別比較シミュレーション

年齢 ベンチャーキャピタルの平均年収 日本の平均年収
20~24歳 555.8万円 263.5万円
25~29歳 724.0万円 343.3万円
30~34歳 834.1万円 395.5万円
35~39歳 914.0万円 433.4万円
40~44歳 985.1万円 467.1万円
45~49歳 1,041.4万円 493.8万円
50~54歳 1,085.0万円 514.4万円
55~59歳 1,069.2万円 507.0万円
60~64歳 801.5万円 380.1万円

ベンチャーキャピタルの平均年収は、日本の企業全体の平均年収と比較するとかなり高いと言えるでしょう。30~34歳の平均年収は834.1万円で、日本の平均と比較すると438.6万円ほど高くなると推測されます。40~44歳では985.1万円の予測です。

※編集部で規定したアルゴリズムに基づいた算出であるため、あくまでも予測シミュレーション数値です。

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ベンチャーキャピタルの生涯賃金シミュレーション

  ベンチャーキャピタル 日本の平均
生涯賃金 4.01億円 1.90億円

日本の平均的な生涯賃金とベンチャーキャピタルの生涯賃金を比較してみましょう。ベンチャーキャピタルの平均年収890万円であることがわかりました。一方、日本の平均年収は422万円です。20~65歳まで勤めたと仮定した場合、生涯で得られる賃金はどれくらいになるでしょうか。その結果が上記の表です。

ベンチャーキャピタルの生涯賃金は、日本の平均と比べると2億円以上も高いというシミュレーション結果となりました。

※編集部で規定したアルゴリズムに基づいた算出であるため、あくまでも予測シミュレーション数値です。

まとめ

ベンチャー企業への投資を専門的に行うベンチャーキャピタルは、日本の企業が成長をしていく上で重要な役割を担っています。一般的にはあまり馴染みのない職種ですが、最近盛り上がりを見せている成長産業です。

ベンチャーキャピタルの平均年収は日本の平均年収よりかなり高いと言えますが、その分非常に高い能力が求められる職種でもあります。人気業界である金融業と経営コンサルタントの両方の側面を持つやりがいのあるベンチャーキャピタルを目指したい人は、高度な能力を鍛えることが大切です。

※最後に、本記事につきましては、公開されている情報を活用し、当社が独自の基準によってシミュレーションした結果を開示しているものとなります。読者の皆様に企業選択の一助になればという趣旨で情報を作成しておりますため、なるべく実態に近い状態のシミュレーションとなる様に最善を尽くしているものの、実際の報酬額とは異なります。 あくまでも参考情報の一つとしてご活用くださいませ。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

多くの学生と企業をマッチングしてきた経験を活かし、『就活対策サイト「キャリアパーク!」が教える 「最高の会社」の見つけ方』(高橋書店)を出版。最高の会社を見極めるための基準や失敗しない企業選びの方法を紹介している。

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01459)

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