人材業界とは
人材業界とは、派遣会社からクライアント企業に人材を派遣したり、直接雇用を目的に企業に人材を紹介する企業のことです。現在は多くの企業で人員不足となっており、人件費削減のために派遣社員の需要が高まっています。
派遣社員は人手不足や既存社員の残業代を抑制するだけでなく、専門的な知識やスキルを用いて、業務の効率や品質を向上させる目的もあります。厚生労働省の報告(平成27年6月1日)によると、派遣労働者数は約134万人にも及ぶといわれており、特に30代女性の事務派遣が増えています。
人材業界について
人材業界はここ数年、急速に市場拡大をしています。1986年の労働者派遣法施行により人材派遣が可能になり、1996年以降は様々な規制緩和が行われました。そしてバブル崩壊後から現在の景気回復傾向に合わせて、派遣社員のニーズも高まってきています。
国内シェアではリクナビのリクルートホールディングスが約4割、テンプスタッフのテンプホールディングスが約2割、パソナグループが約1割を占めています。
人材派遣は主に、派遣会社に登録をして企業に派遣される一般派遣、派遣社員と企業の直接雇用を目的とした紹介予定派遣、派遣会社に社員雇用されて企業に派遣される特別派遣の3種類に分かれます。一般派遣と特別派遣の違いは、一般派遣は企業に派遣され業務時間に合わせた報酬を支給されますが、特別派遣は企業に派遣されていない期間も報酬が支給される点です。特別派遣は、派遣会社の正社員であることが多い派遣社員です。
人材業界の職種について
- 派遣社員
- 派遣会社の営業
- 派遣会社のスタッフ管理職
- 派遣会社のコーディネーター
派遣社員は一般派遣、紹介予定派遣、特別派遣の3つに分かれます。いずれにしても派遣先企業で業務をおこないますが、派遣社員といえば一般派遣であることが多いです。ただし、一般派遣でも契約社員やアルバイトよりも時給が高い傾向があり、企業によっては福利厚生も充実しています。紹介予定派遣は、派遣先企業と直接契約を締結する目的で派遣されますが、実際に働いてみてから派遣社員も企業側も判断できるメリットがあります。特別派遣はほとんどの場合、派遣会社の正社員として派遣されるため、ボーナスが支給される企業もあり比較的年収が高くなる傾向があります。
派遣会社の営業は、クライアント企業に最適な人材を紹介します。クライアント企業も様々で、IT系企業であればシステムエンジニアやプログラマー、外資系企業であれば翻訳や通訳、工場では製造従業員やドライバーなどを紹介しますが、最も多いのは事務職です。最近では接客・販売・営業などの派遣社員もあるようです。
スタッフ管理職は派遣社員、業務進捗、売上などを管理します。管理以外にも、派遣社員のクライアント企業と打ち合わせをして、業務方針や人員配置などを計画していきます。また、企業によっては実際に業務をおこない派遣社員の教育やサポートをする場合もあります。
派遣会社のコーディネーターは派遣社員に合った最適の企業・業務を紹介して、派遣社員をクライアント企業へ派遣・紹介をします。派遣社員とクライアント企業の双方のニーズを的確に理解する必要があります。
人材業界の平均年収について
人材業界の平均年収
業界 | 平均年収 |
介護 | 361 万円 |
百貨店 | 443 万円 |
ブライダル | 489 万円 |
アパレル | 491 万円 |
人材業界 | 524 万円 |
ドラッグストア | 529 万円 |
旅行会社 | 540 万円 |
農業 | 557 万円 |
食品業界 | 564 万円 |
鉄道 | 597 万円 |
専門商社 | 603 万円 |
出版社 | 610 万円 |
IT | 631 万円 |
ゲーム業界 | 637 万円 |
パチンコ | 662 万円 |
不動産 | 665 万円 |
銀行 | 668 万円 |
物流業界 | 676 万円 |
生命保険・損害保険 | 682 万円 |
電機・家電大手 | 688 万円 |
自動車 | 707 万円 |
証券 | 722 万円 |
テレビ局 | 910 万円 |
総合商社 | 1135 万円 |
コンサルティング | 1263 万円 |
人材業界の生涯賃金
業界 | 生涯賃金 |
介護 | 1.58億円 |
百貨店 | 1.94億円 |
ブライダル | 2.14億円 |
アパレル | 2.15億円 |
人材業界 | 2.29億円 |
ドラッグストア | 2.31億円 |
旅行会社 | 2.36億円 |
農業 | 2.44億円 |
食品業界 | 2.47億円 |
鉄道 | 2.61億円 |
専門商社 | 2.64億円 |
出版社 | 2.67億円 |
IT | 2.76億円 |
ゲーム業界 | 2.79億円 |
パチンコ | 2.90億円 |
不動産 | 2.91億円 |
銀行 | 2.92億円 |
物流業界 | 2.96億円 |
生命保険・損害保険 | 2.98億円 |
電機・家電大手 | 3.01億円 |
自動車 | 3.09億円 |
証券 | 3.16億円 |
テレビ局 | 3.98億円 |
総合商社 | 4.97億円 |
コンサルティング | 5.53億円 |
人材業界の生涯賃金は2億2,900円です。図表①の平均生涯賃金は2億8,600億円なので、人材業界は平均よりも5,700万円少ないことになります。表の25業界の中で21番目に高い生涯賃金です。このことから人材業界の生涯賃金は全体と比較して、少ないことがわかります。
人材業界のほとんどが非正規雇用の派遣社員で構成されているため、企業により年収は異なりますが、営業、特別派遣、コーディネーターなどは派遣社員より平均年収が高いため、生涯賃金もより多いと予想されます。
また、派遣社員も労働派遣法に基づき、同じ事業所では3年以上働くことができないデメリットがありますが、柔軟に別の事業所で継続的に働くことができれば、比較的時給も良いので平均年収も上がっていきます。
※編集部で規定したアルゴリズムに基づいた算出であるため、あくまでも予測シミュレーション数値です。
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まとめ
近年、人材業界のニーズは高まっており、2017年は有効求人倍率が1990年のバブル期以来の高水準になりました。人材業界は景気に大きく影響されるため、今まさにビジネスチャンスが到来しています。さらに、人材業界は以前のように専門職や事務職を中心としたものではなく、今後はサービス業や営業職などもマーケットになってくると予想され、市場も拡大傾向にあります。
また、大半の派遣会社はここ数年で急速に成長したために管理者不足に悩まされている企業が多く、派遣会社としても人材が不足しているようです。今後も勢いを増していきそうな人材業界に興味がある方は、この記事を参考に就職活動をしてみてはいかがでしょうか。
※最後に、本記事につきましては、公開されている情報を活用し、当社が独自の基準によってシミュレーションした結果を開示しているものとなります。読者の皆様に企業選択の一助になればという趣旨で情報を作成しておりますため、なるべく実態に近い状態のシミュレーションとなる様に最善を尽くしているものの、実際の報酬額とは異なります。 あくまでも参考情報の一つとしてご活用くださいませ。