業界研究

【総合商社の年収ランキング】7大商社の平均年収や主要25業界との比較

総合商社業界とは

総合商社とは主に国内外問わず、食料品・製品・サービス・資源エネルギー・宇宙開発など多種多様な商品を幅広く取り扱い、買い手と売り手の架け橋になる仕事をしている業界のことをいいます。また、金融や資源開発などの投資事業にも携わっています。

一方、専門商社とは医薬品・繊維・原料・鋼鉄・自動車部品などの特定分野に特化した商品を取り扱い、買い手と売り手の架け橋になる仕事をしている企業です。ここでは、総合商社業界について業界の特徴や生涯賃金を調べてみました。

総合商社業界について

総合商社業界は三菱商事、三井物産、住友商事、伊藤忠商事、丸紅の5社が代表的な企業です。双日、豊田通商を含めた7社が大手と呼ばれることもあります。総合商社業界の事業内容は2つあり、1つ目は情報の収集や分析、資金力によるグローバルな流通網や販路の拡大です。国内外を飛び回り、様々な商品やサービスなどのあらゆるジャンルを取り扱います。

2つ目は事業投資です。こちらも豊富な情報や資金力、培われてきたノウハウやネットワークを活かして、石油やガスなどの資源開発や最先端技術などへの有益な事業投資をおこないます。総合商社はグローバルな事業を展開しているため、世界景気に大きく左右されます。近年、事業規模は停滞傾向にありますが、リーマンショックや中国経済の減速の際には、大幅な減少に転じています。

総合商社業界の職種について

  • 営業
  • 貿易事務
  • 事業企画

営業は世界各国を飛び回り、多種多様な商品やサービスを買い手と売り手を結び付けることや、有望な新事業や開発事業への投資計画を提案します。総合商社の営業は、あらゆる商品や業界に精通した広範囲な知識と語学力が求められる職種です。また、海外企業とのコミュニケーションが多いため、様々な価値観や思想に対応できる柔軟性やバイタリティが必要となります。

貿易事務は海外企業とのやりとりをする事務職です。近年では電話やメール対応が多く、商品の輸出入や納入管理、通関の書類作成や手配、関税や消費税納付などを担当します。また、営業サポートをする場合もあり、営業と同様に広範囲な知識力や語学力が求められます。資格としてはTOEIC600点以上、国家資格の通関士、貿易実務検定、ビジネス英語検定などを取得していると選考を有利に進められます。

事業企画は事業の立ち上げや企業投資について、どのような計画にするかを企画・立案します。例えば、企業調査、事業分析、レポーティングなどをして、リストラクチャリングやM&Aなどを提案します。ある程度の経営知識や社会情勢を網羅している必要があり、企業により異なりますが、営業からのキャリアアップや中途採用が多いようです。

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7大商社の平均年収ランキング

7大商社の平均年収ランキング

  1. 三菱商事 15,409,372円
  2. 伊藤忠商事 14,609,151円
  3. 三井物産 14,199,000円
  4. 丸紅 13,220,692円
  5. 住友商事 13,041,252円
  6. 双日 11,030,788円
  7. 豊田通商 10,517,852円

総合商社は様々な事業展開をおこなっていることが多く、年収も全体的に高いものとなっています。では、実際に総合商社の平均年収はどの程度あるのでしょうか。ここでは、各企業の提示している有価証券報告書の情報を踏まえて、総合商社の中でも大手7社の平均年収を調査・比較しました。ぜひ参考にしてください。

①三菱商事:15,409,392円

7大商社の中で最も平均年収が高いのは、三菱商事です。有価証券報告書内の平均年間給与欄によると、三菱商事は15,409,392円となっています。三菱商事はインフラ事業やエネルギー事業、それらに関わる機械・金属・化学品事業や生活品産業などの産業系に特化して事業展開をしています。

また、それだけではなく、不動産や物流、企業への投資やリースなどの事業もおこなっており、非常に幅広く事業展開しているのが特長でもあります。これらの事業の中でも、特にインフラ事業と企業投資・リース事業を活発におこなっている企業です。

②伊藤忠商事:14,609,151円

7大商社の中で2番目に平均年収が高いのは、伊藤忠商事です。有価証券報告書内の平均年間給与欄によると、伊藤忠商事は14,609,151円となっています。伊藤忠商事はみずほグループの傘下の企業でもあり、様々な事業に参入しているアジア内でも有数のコングロマリット(異業種複合企業体)でもあります。

繊維業や食料などの生産・加工・流通業、ICTなどを用いた情報分野や、金融分野の事業展開を含めた様々な形でおこなわれています。このように、伊藤忠商事は情報分野の事業展開を積極的におこなっている総合商社のひとつでもあります。また、アジアを中心とした海外事業展開をおこなっており、国内だけでなく国外にも大きな影響力を持っている総合商社のひとつと言えます。

③三井物産:14,199,000円

7大商社の内、平均年収ランキング3位は三井物産です。有価証券報告書内の平均年間給与欄によると、三井物産は14,199,000円となっています。三井グループ傘下の三井物産は、日本初の総合商社としても有名な企業です。主に、化学品やエネルギー事業や金属・機械事業のような大掛かりな事業を主体としています。

三井物産はそれらに加えて、新規事業にも積極的に関わっている総合商社でもあります。特に近年関心の高まりつつあるIoT事業を推進するなど、IT分野において国内外に事業展開をおこなっているのが三井物産の特長です。また三井物産では、食材の輸出事業として特に穀物の輸出を事業内でも重視しています。主な輸出先はアジア圏などの国外です。

④丸紅:13,220,692円

7大商社の内、平均年収ランキング4位は丸紅です。有価証券報告書内の平均年間給与欄によると、丸紅は13,220,692円となっています。丸紅の事業展開は一般的な総合商社と同様、エネルギー・金属・生活産業を主な事業としてます。その中でも丸紅は電力・プラント事業や輸送機の関連する事業など、各グループの事業の中でも複数の分野に対して細やかに事業展開をしているのが特長と言えるでしょう。

生活産業においても、物流やヘルスケアだけでなく保険や金融にまで事業展開をおこなっています。海外拠点も複数展開しており、丸紅は特にアジア・欧州地域において拠点を多く持っている企業です。

⑤住友商事:13,041,252円

7大商社の内、平均年収ランキング5位は住友商事でした。有価証券報告書内の平均年間給与欄によると、住友商事は13,041,252円となっています。住友商事は住友グループの傘下の総合商社であり、一般的な総合商社の事業分野に加えてICTやメディア・モバイル分野などの情報事業へも参入しています。

特に住友商事は、ケーブルテレビ局のジュピターテレコム(J:COM)を傘下に置いているなど、身近に関わる事業としてはメディア分野への事業展開に積極的な印象を持ちます。さらに住友商事では、ベンチャー企業による最先端技術・イノベーションへの支援をおこなっており、ベンチャー企業の育成・発掘などの取り組みを合わせておこなっているのが特長です。

⑥双日:11,030,788円

7大商社の内、平均年収ランキング6位は双日です。有価証券報告書内の平均年間給与欄によると、双日は11,030,788円となっています。双日の特長は、非資源事業に注力している点です。その中でも自動車事業や航空・交通に関連する事業に積極的な事業展開をおこなっており、主に販売代理店を国内外で展開するなどしています。

これらの非資源事業の中でも、航空事業については民間航空機代理店事業として国内シェア1位の企業でもあります。また、交通インフラ事業なども合わせておこなっており、その中でも空港運営事業などに注力しています。双日のこれらの事業展開はアジア圏に留まらず、中東・アフリカや米州などへもおこなわれているようです。

⑦豊田通商:10,517,852円

7大商社の内、平均年収が最も低いのは豊田通商です。有価証券報告書内の平均年間給与欄によると、豊田通商は10,517,852円となっています。豊田通商は、トヨタグループの総合企業でもあります。自動車関連事業を中心として事業展開をおこなっています。

自動車本体の輸出だけでなく、国内の様々な企業への自動車部品の販売なども事業のひとつです。自動車事業だけでなく、エネルギー事業や機械・金属事業などの事業展開もおこなっています。これらの総合商社の基本的な事業展開と、自動車事業の全般的な事業展開がうまく噛み合っているのが豊田通商の特長だといえるでしょう。

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総合商社業界の平均年収について

総合商社業界の平均年収

業界 平均年収
介護 361 万円
百貨店 443 万円
ブライダル 489 万円
アパレル 491 万円
人材業界 524 万円
ドラッグストア 529 万円
旅行会社 540 万円
農業 557 万円
食品業界 564 万円
鉄道 597 万円
専門商社 603 万円
出版社 610 万円
IT 631 万円
ゲーム業界 637 万円
パチンコ 662 万円
不動産 665 万円
銀行 668 万円
物流業界 676 万円
生命保険・損害保険 682 万円
電機・家電大手 688 万円
自動車 707 万円
証券 722 万円
テレビ局 910 万円
総合商社 1135 万円
コンサルティング 1263 万円

総合商社業界の生涯賃金

業界 生涯賃金
介護 1.58億円
百貨店 1.94億円
ブライダル 2.14億円
アパレル 2.15億円
人材業界 2.29億円
ドラッグストア 2.31億円
旅行会社 2.36億円
農業 2.44億円
食品業界 2.47億円
鉄道 2.61億円
専門商社 2.64億円
出版社 2.67億円
IT 2.76億円
ゲーム業界 2.79億円
パチンコ 2.90億円
不動産 2.91億円
銀行 2.92億円
物流業界 2.96億円
生命保険・損害保険 2.98億円
電機・家電大手 3.01億円
自動車 3.09億円
証券 3.16億円
テレビ局 3.98億円
総合商社 4.97億円
コンサルティング 5.53億円

総合商社の生涯賃金は4億9,700億円となり、表の平均生涯賃金が2億8,600円になるため、総合商社は平均よりも2億1,100億円高い生涯賃金となりました。また、全25業界中2番目の高さとなり、総合商社の生涯賃金は全体と比較しても、かなり高いことがうかがえます。

企業により異なりますが、総合商社の営業や事業企画の平均年収は他業界と比較しても高く、また、貿易事務に関しても、他業界の事務職と比較すると平均年収が高い傾向にあります。ただし、近年、貿易事務は正社員ではなく、契約社員や派遣社員の募集が多く、その場合はボーナスがないなどの理由により平均年収が低くなる可能性もあります。

※編集部で規定したアルゴリズムに基づいた算出であるため、あくまでも予測シミュレーション数値です。

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総合商社業界の年収は全体的に高い

総合商社業界の規模は停滞期になっており、企業によっては大きな赤字損失が発生しています。理由としては、石油や石炭の資源事業が年々弱まってる中、食品、金融、機械分野で業績を維持していたものの、中国経済の停滞により勢いを無くしています。

今後の総合商社業界は急進するグローバル化により、企業の合併・買収や新たな一次産業・資源開発のビジネスモデルに向けた投資事業が重要になってくると予想されています。総合商社業界はあらゆる業界に精通した事業展開をしているため、今後の日本・世界経済に多大な影響を与える仕事です。

求められる知識や技能も多いですが、やりがいのある憧れの職業とも言えます。このような総合商社業界に興味をお持ちの方は、ぜひこの記事を参考に就職活動をしてみましょう。

※最後に、本記事につきましては、公開されている情報を活用し、当社が独自の基準によってシミュレーションした結果を開示しているものとなります。読者の皆様に企業選択の一助になればという趣旨で情報を作成しておりますため、なるべく実態に近い状態のシミュレーションとなる様に最善を尽くしているものの、実際の報酬額とは異なります。 あくまでも参考情報の一つとしてご活用くださいませ。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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