就活のマナー

「思っております」は正しい日本語表現なのか|類語や使い分けをご紹介

「思っております」を正しく使おう

就活、そして見事内定を勝ち取れば始まる社会人生活において、言葉遣いはとても大切です。特に就活中には、企業から常に言葉遣いは評価されていると言っても過言ではありません。特に、上下関係の厳しい就職後の生活では、敬語の使い分けがしっかりとできていることが信頼関係を築く上での重要な要素であると言えるでしょう。

基本的に敬語は中学・高校の国語で習う分野ではありますが、細部まで覚えているという方は少ないのではないでしょうか。そこで本記事では敬語の中でも、みなさんがとりわけよく使うであろう「思っております」という表現について、具体的な使い方や類語との使い分けについてご紹介します。正しい敬語を使い分けて、採用担当者に好印象を与えられるようになりましょう。

こちらの記事では、「存じます」の正しい使い方を詳しく解説しています。

「思っております」について

「思っております」という表現は、普段の生活の中でも頻繁に目にすると思います。しかし頻繁に目にするからこそ、かしこまった文章や場面で「とりあえず使えるだろう」と何となく使用している方が多いのではないでしょうか。実は、頻繁に使われている敬語を何となく使っている場合ほど、「間違った敬語表現になっていた!」ということが多いのです。それでは、「思っております」の敬語の種類や注意点について見ていきましょう。

「思っております」は「思います」の謙譲語

「思っております」の場合、「思う」+「おります」という構成になっており、後半の「おります」の部分が謙譲語です。思っているのは自分であるから、それを敬語で表現する際には、自分の行動をへりくだって表現する謙譲語を用いるわけです。

もしも、思っているのが相手であるならば、謙譲語は使わずに尊敬語を使いましょう。尊敬語の場合は「思う」+「いらっしゃる」で「思っていらっしゃる」という言葉遣いが適当です。

「思っておりますので」の使用は避ける

「思っておりますので」という表現は超敬体と呼ばれ、本来は接客や公式の場におけるスピーチなどで用いるかしこまりすぎた表現になってしまうのです。必ず一度区切ってから話を進めるか、「思っていますので」という表現を用いましょう。

もちろん、企業の方に対して特別な敬意を表現したいというのであれば構いませんが、基本的によそよそし過ぎる印象を与えてしまいます。また、超敬体と敬体が入り混じるのも非常に違和感を感じるため、超敬体は避けることが無難です。

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「思っております」の類語

日本語には、同じような意味でも異なった表現が存在するものが多くあります。本件もそのひとつで、「存じます」や「所存です」といった表現もよく耳にすることが多いのではないでしょうか。このような似た表現は、ついその場の気分などで使い分けてしまいがちですが、それでは思わぬ誤表現をすることがあります。よく用いる言葉だけでも、よくその意味や用途を理解した上で、適切に使い分けることが大切です。

「存じます」「所存です」の類語

思う、考える、といった意味合いを伝える際には、「存じます」「所存です」といった表現をすることもあります。自分の意見を伝える際など、「~として一生懸命に取り組んでいく所存です」、「~として誠心誠意取り組んでいきたく存じます、」など、「思う」の敬語表現として代用することが可能です。

しかしこの際、注意すべき誤表現もあります。上記のような表現は「思っている」という意味合いの言葉を連続して用いていますので、日本語として不自然です。耳あたりは良いので、間違えないように注意しましょう。

「存じております」は類語ではない

「存じております」も上記と同様に、注意するべき誤表現の1つです。「思っております」と同様の感覚で「存じております」という表現をする方がいますが、これは間違いです。「思っております」の場合「思う」+「おります」に二分割できて、後半の「おります」が謙譲語にあたることを説明しました。

しかし、「存じております」の場合はこれで一つの単語になります。「存じております」という単語で「知っている」という意味を表すのです。したがって、こちらは意味も違いますが、そもそも敬語表現ではありません。安易に間違った表現を使用すると、聞き手は話していることの意味がわからないだけでなく、敬語でないために失礼な言葉遣いにもなりますので注意してください。

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こちらの記事では、面接での正しい言葉遣いを詳しく解説しています。

「思っております」の使い分け方法

最後に「思っております」を使う際の使い分けと注意点について、紹介します。「思っております」は汎用性の高い敬語表現ではありますが、どのような場面でも使えるかといえばそうではありません。

履歴書や面接であったり、取引先や取締役の方であったりと、自分が話す内容や場に応じて敬語表現と正しく使い分けることで、聞き手に好印象を与えることができるでしょう。

「思っております」と「考えております」を使い分ける

まず、思っていることを表現するにしても、常に「~思っております」では文章も会話もちょっと稚拙な感じが否めません。場合によっては、自分の考えを示す際に「考えております」などと使い分けることも必要です。

双方のイメージの違いとしては、「思う」は「何となくイメージする」、「自信はないがそんな感じがする」という印象ですが、「考える」は明確なイメージを持って思考したり、論理的に思考したりするという印象を与えます。したがって、面接などで自分の意見を伝える際は「考えております」という表現の方が、聞き手にはしっかりと考えているのだという自信のある印象を与えるはずです。

「います」と「おります」を使い分ける

「思っています」と「思っております」の使い分けも重要です。前者は丁寧語で後者は丁重語という敬語に分類されます。丁寧語は上記で説明した通り「ですます調」の言葉であり、丁重語とは謙譲語の中でもへりくだる相手が特定の人物でない場合に用いる敬語です。

例としては、内定者懇親会などで先輩などとお話する際には、多少砕けた敬語である丁寧語を用い、取締役の方や会議、取引先などではかしこまった表現である丁重語を使うなどと使い分けると良いでしょう。「思う」以外の言葉の例としては、「私は佐藤といいます」と「私は佐藤と申します」も丁寧語と丁重語の違いであると言えるでしょう。

正しい日本語を使って好印象を与えよう

日本人として20年以上過ごしてきても、やはり敬語表現は難しいものです。しかし、就職後の生活において敬語は切っても切り離せないものであることに加え、敬語の使い方一つで相手に与える第一印象は天と地ほどの差があることは間違いありません。言葉は一番のコミュニケーションツールであり、人間関係を形成する非常に重要な要素でもあるのです。

日本語を正しく使用するだけでも、初対面のコミュニケーションは見違えるほどにスムーズになるでしょう。本記事ではその一端を紹介するに留まりましたが、日本語の表現は多様です。日常的に敬語表現を始めとした言葉遣いには気を配り、気になるものは常に調べて情報を吸収していくようにしてください。正しい言葉遣いを身に付け、就活と、その先の社会人生活を充実した良いものにしていきましょう。

言葉遣いにおける注意点について、こちらの記事でもさらに詳しく解説しています。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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