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学校推薦で就職するメリット・デメリット|注意点と合わせて紹介

学校推薦で就職するメリット・デメリットとは

就活を考える時、学校推薦に期待する人も多いでしょう。しかし学校推薦にも、メリットやデメリットがあることを忘れてはいけません。メリットばかり見ていると、デメリットの方を後で知り落胆する可能性も出て来るからです。そもそも学校推薦とは具体的にどんなものなのでしょうか。「みんなが学校推薦は良いと言っているから自分もしよう」と安易な発想をすれば、失敗するリスクを高める結果にもなります。

就活は人生を左右する一大イベントなので、慎重に判断しなければなりません。学校推薦のメリットやデメリットを知った上であえて自由応募にする選択肢もあり得るでしょう。学校推薦にするかどうか悩んでいる就活生に、メリットとデメリットの具体的な内容を解説します。

学校推薦での就職とは

就活で応募する方法として、学校推薦以外に自由応募という選択肢があります。行きたい企業、やりたいことを含め、自分の希望に合わせた自由な選択が可能な応募方法です。特に文系の学生で自由応募が多く、理工系学生の方が学校推薦を選ぶ傾向にあります。

一方の学校推薦は大学などの学校が、優秀な人間として推薦してくれるというものです。学校推薦のことを具体的に知り、そのポイントを押さえることで自分に合った応募方法を選べるでしょう。

企業側が学校推薦枠を設けている

学校推薦を考える上でのポイントの一つは企業側が学校推薦枠を設定しているということです。大学の場合、専攻ごとに採用枠があり、一般的な対象者は修士からとなります。企業が学校推薦枠を設ける理由は、優秀な人材の確保です。専門分野について深い知識を持った新卒生は企業にとって金の卵と言えます。学校推薦枠を設けることで欲しい人材が集まり、他企業に取られるのを防止できるのです。

学校推薦枠が多い学部は工学部と言われており、募集をかけている企業側は自動車や機械、科学や電気、通信産業など大手企業やメーカーが多い傾向にあります。学校推薦は学校や学科からのお墨付きという信頼性がありますので、自由応募よりも採用される可能性が高いと言えるでしょう。

成績優良者が学校推薦を得られる

学校推薦枠はどんな人間でも受けられるものではありません。企業からクレームが来るような人材を推薦すれば大学の信頼性が落ちる可能性があるでしょう。そのため最低条件として、成績優秀者でなければ受けられないのです。しかし大学では試験の結果だけでなく、教授の判断で学生の評価が変わることが多いです。

そのため学校推薦の多くは成績による平均評価が使われ、一定基準以上なら許可するのが一般的となっています。期日として、大学入学時から就活を行う時点までをチェックされることが多く、急に勉強して成績をアップさせても学校推薦をもらえないことも少なくありません。ただ個々の大学や志望企業の考え方もあるのでその点は学生課・就職課に確認しておきましょう。

推薦書の書き方については、こちらの記事で詳しく解説しています。

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学校推薦で就職するメリット

学校推薦で就職するメリットにはどんなものがあるでしょうか。メリットを知っておくのと知らないのとでは、結果に大きな違いが出てくるので注意してください。

ただ就活の成功という1つの目的を達成することだけ考えると、一般応募より学校推薦線を利用するメリットは多いと言えます。学校推薦を利用するメリットの具体的な内容を解説いたしますので、自由応募と学校推薦のどちらにした方が良いか検討材料にしてください。

一般公募よりも合格率が高い

学校推薦の大きなメリットは自由応募である一般公募より就職が有利になることが挙げられます。大学が信頼できる人材と認めた人を紹介される訳ですから、企業も大きな期待を持って受け入れるのは必然でしょう。また、どの大学の推薦かでも評価は変わります。有名大学ならステータスも申し分なく、信頼性が高いと判断する企業は多いです。

学校推薦を受けられるレベルの人なら採用担当者も安心して採用を出しやすいのです。また、取り扱う分野の専門知識を持った人材は下地もあり、教育に費やす時間とコストを抑えることができ、即戦力になってくれることも企業は考慮するでしょう。就活生にとっては採用率を高められますから、WIN-WINの関係が構築しやすいと言えるのです。

自由応募は競争率が高い

自由応募は自ら受けたい企業を選択できるうえに、選択肢が広いというメリットがあります。そして、応募は一社に限定されることがないので、自分が気に入った複数の企業に応募し、エントリー後も同時進行で就活を進めることができるのも自由応募の魅力です。

しかし、逆に言うと誰でもエントリーできてしまうので競争が激しいことが難点になります。特に人気のある企業の場合、エントリーが殺到して競争率が高くなります。また応募者が多い分、多くの選考スケジュールをこなして勝ち抜いていくのは至難の業です。推薦に比べても内定までのスケジュールが長く、就活生もスケジュール管理が大変になります。企業としても自由応募だと多くの応募者をふるいにかける分、選考に時間がかかります。

学校推薦の合格率について、こちらの記事でもさらに詳しく解説しています。

就活期間が短くて済む

学校推薦の場合、優先的に選考が行われるので、推薦=採用とまではいきませんが、自由応募と比べると短い期間で内定までに至ることができます。学校推薦を受けた学生は多くの場合、1次選考やエントリーシートなどの書類審査を省略して面接から始まるため、自由応募に比べると優先的な選考プロセスで進んでいきます。

学校推薦を受けることができた学生が、選考が始まってすぐに内定が出ることも珍しくありません。卒業研究や論文など何かと時間が必要な就活生にとっては、就活に費やす時間と労力が大幅に減らせるのは大きな魅力でしょう。ただし学校推薦を受けるには大学の推薦資格を得る必要があるので、その手続きはかならず必要になります。

試験内容が特別枠になる

すべての企業に当てはまりませんが、学校推薦は就活が楽になる傾向があります。一般公募と異なる内定枠を用意している企業もあるからです。また試験内容も一般公募と異なるルートになることも少なくありません。一般的には一次面接を突破し二次面接という段階を踏みますが、学校推薦を受けた就活生は一次面接が免除になることもあります。

学校推薦の就活生は信頼できる人材が前提なため、足切り場としての一次面接は不要となるからです。結果競争も少なくなり、希望した会社へ就職できる可能性が高くなります。就活では少しのミスでも不採用につながる可能性があるので、採用までの段階が少なくなることは就活生にとって有利と言えるでしょう。

学校推薦で就職するデメリット

学校推薦で就職する場合、メリットだけではなくデメリットもきちんと考えておかなければなりません。学校推薦にするかどうか決める場合、メリット以上に慎重な判断が求められるのはこちらのデメリットと言えるでしょう。学校推薦でのデメリットは主に、就職してからの話になることが多いです。

もっと言えば条件面での縛りが強いことと言えるでしょう。そのためデメリットについてきちんと理解しておいてください。ここからは学校推薦のデメリットについて解説します。

内定を辞退するのが難しい

学校推薦のデメリットは、内定をもらった場合、辞退が困難になることです。考えても見てください。信頼できる人物として企業に紹介してくれる大学があったからこそ就活の競争を勝ち抜けた立場と言えます。企業は学校推薦を出した大学を信頼したからこそ採用を決めた場合もあるでしょう。どうしようもない理由があるならともかく、そうでない理由で辞退をしたら、採用を決めた企業だけではなく大学にも迷惑をかけることになります。

結果、翌年度以降「あの大学が推薦した人間は信頼できない」と企業に判断される可能性も否定できません。企業や大学だけではなく、後輩の人生にも影響します。そのため学校推薦で採用されたら辞退するのが難しくなることは肝に命じてください。

退職しにくい

いざ入社したら「思っていたのとは違った」「辞めて違う企業に転職したい」ということは珍しいケースではありません。しかし学校推薦を受けた学生は、就職してもある意味その大学の看板を背負っていると見られてしまいます。それなのに入社後にすぐに退職したいとは言いづらく、もし早期退職してしまった場合、「あの大学の学生はすぐに辞める傾向がある」という内定辞退と同様のマイナスの印象を企業に与えてしまいます。

そうなると企業は定着率の低下など大学に不信感を抱くことになるため、今後の大学の推薦枠にも大きな影響を与えてしまうでしょう。退職理由によっては、次年度から大学の推薦枠がなくなってしまう可能性もあります。やむを得ない事情がない限り推薦の場合は、最低3年以上は働いた方がよいとされています。

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学校推薦を受ける場合の3つの注意点

学校推薦を受けるには何について注意しなければならないのでしょうか。学校推薦は企業と大学の関係にも大きく影響します。そのため大学側としても簡単にOKを出してくれません。結局の所、学校推薦が受けられるのは優秀で、大学の代表として恥ずかしくないと思ってもらうことが重要です。そう思われるために注意したいポイントが3つあります。最低限、その3つのポイントを意識することで学校推薦を受けられる可能性が高くなるでしょう。

①日頃から成績を意識して取り組む

学校推薦をもらう最低条件として、成績優秀という結果が必要です。学校推薦の申請は就職課に申し込むだけですが、応募者がたくさん居れば、より信頼できる人物が優先されます。一般公募と同じく学校推薦から就活を有利にするための競争が始まるのです。成績順でも、ある一時期だけ優秀だっただけでは難しく、長期的に成績が優秀であったという実績が必要でしょう。

それぐらいしなければ学校としても不安が大きいからです。人間性はなかなか分かりづらい部分ですが、優秀な成績は真面目に勉強したことだけではなく、頭脳明晰という客観的な評価材料になります。このことを踏まえれば、日頃から成績を意識し講義などもまじめに取り組む必要が出て来るでしょう。

②企業研究を念入りにしておく

学校推薦を設ける企業の多くは大手企業や名のある所がほとんどです。しかし大手や有名企業に学校推薦で採用されても、自分のやりたいことや価値観が合っていなければ、就職した後で苦労する羽目になるので気をつけなければなりません。内定をもらって就職し、「実際に働いてみたけれどやりたいこととは違ったので辞めます」となれば、多くの人に迷惑をかけます。そうならないよう企業研究をきちんと行う必要があるのです。

企業研究をしておけば自分と企業とのミスマッチを防げます。また、学校推薦を受けていると言っても面接でのやりとりの結果、企業研究をしていないことが分かれば採用担当者の中で印象は悪くなり不採用になることもあります。そのため企業研究を行うことは重要なのです。

③必ず内定が得られるわけではない

学校推薦を受けた就活生が陥りやすいミスは、「これでもう採用されたもの」と油断することです。学校推薦は採用を有利にしますし一般公募より面接が楽になることも少なくありません。しかし絶対に採用につながるとは言い切れないのです。企業研究も行わず、受け答えについてのマナーもいい加減なら、企業としては「学校推薦とは言っても期待できる人材ではない」と判断する可能性は高いと言えるでしょう。

企業としては大学との関係を考えても、損をする可能性が高いと判断すれば容赦なく不採用を出します。そのため学校推薦を受けても業界研究や企業研究、面接対策を怠ければ一般公募の優秀な人材より不利となることは大いに考えられるので気をつけましょう。

学校推薦で就職したい人はデメリットや注意点を把握する

学校推薦とは、自由応募に比べて合格率が高い・選考期間が短いなどのメリットもありますが、必ずしも良い部分だけではありません。もし「学校推薦がほしい!」と思っているならば、学校推薦を受けるうえでのメリット・デメリットをよく理解してから推薦枠に応募するようにしましょう。

そして学校推薦とは、大学側が長い間かけて企業と信頼を築いた結果、獲得した優先枠です。その重みを十分に感じ理解し、決して大学や教授の思いを裏切ることのないように、誠実な姿勢で利用していきましょう。そして選考プロセスが省略されている分、面接などであなたの研究や取り組みの成果をしっかりアピールすることが大切です。学校推薦を貰うことができたなら、面接に万全の対策で臨んでいきましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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