面接対策

最近読んだ本の答え方|面接で高校時代の話をしてもいいのか解説

面接で「最近読んだ本は何か」と問われたら?

面接では最近読んだ本について問われることも多いですが、直近で読んだ本がなく、高校時代に読んだものを答えていいのか悩む人は多いです。就活中はやらなければならないことがたくさんありますし、忙しさのあまり「最近」読んだ本がない人もたくさんいます。読書の習慣がある人なら就活中でも本を読んでいる可能性はありますが、すべての人が習慣的に読書をしているわけではありません。

そのため高校時代に読んで印象に残っている本でもよいのかと考える人は多く、いつの時点までに読んだものであればアピールできるのか、疑問が残ることも多いです。就活で聞かれている以上、大学時代に範囲を限定すべきと考える人もいますし、高校時代に読んだものでもアピールできるのかを知っておきましょう。

面接の場における本に関する質問で知っておきたいこと

面接では最近読んだ本について聞かれることもありますし、就活のために読書をしている人も少なくありません。最近読んだ本と限定されている以上、直近で読んでいるに越したことはありませんし、最近読んだばかりであれば内容もきちんと把握できています。

就活対策の一環として読書をしている人は多いですが、この質問について理解を深められている人は少ないです。面接の場における本に関する質問にはさまざまな真実がありますので、まずはそれらを知っていきましょう。

実は面接で愛読書を問うのはNG

面接では最近読んだ本について質問されることは多いですが、実は面接で愛読書を問うのはNGです。職業安定法には、求職者等の個人情報の取扱いを定めた第五条の四の条文があり、最近読んだ本は個人情報に該当します。面接では学生を知るためにさまざまな質問をしますが、それは学生の性格や能力などを知るためです。

学生を知るのが目的ではありますが、面接官が知るべき情報は学生の個人情報ではなく、本質や能力など仕事に関係する部分のみです。個人情報は仕事には関係がありませんし、どのような思想信条を持っているのかも仕事には関係しません。面接では思想信条を問うのはNGとされていますし、本に関する質問はそれに該当しますので、実はNGな質問です。

企業は本に関する質問を避ける傾向にある

面接で愛読書について質問するのはNGですので、企業は本に関する質問はしないという企業も増えています。愛読書について質問をしてしまうと指導を受ける可能性があることから、企業は本に関する質問を避ける傾向にあります。それでも最近読んだ本について尋ねる企業は多いですし、何を読んでいるかによって学生の個性を知ろうと考えている企業も多いです。

本に関しての質問がNGなのは思想信条に触れてしまうからであり、それに触れなければ読んだ本について尋ねても問題ないケースもあります。面接で応募者が本について語り、採用が思想信条に触れる内容と判断した場合には、話を打ち切るケースもあります。質問が打ち切られた場合も指導を避けるためであることが多く、必ずしも印象が悪いとは限りません。

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高校時代に読んだ本を取り上げたい場合

思想信条に触れる可能性があるため、本に関する質問は避けられることもありますが、それでも最近読んだ本を聞く企業は多いです。どのような本を読んでいるかによって、その人の個性や考え方などが分かりますし、それは採用を決定する上でも知っておきたい情報です。

また読書の習慣があるかどうかを見ている場合も多く、読書の習慣がある=学ぶ姿勢があると評価される場合もあります。最近読んだ本は高校時代に読んだものでもアピールはできますが、取り上げる際にはいくつか注意点があるのでそれを知っておきましょう。

読み直してみて年齢にあった内容かをチェックする

高校時代に読んだ本を取り上げてアピールする場合は、読み直してみて年齢にあった内容かをチェックすることが大切です。基本的に就活の場面で問われるのは大学時代のことであり、大学生としての視点を加えないと就活シーンでは使えません。いかに高校時代に精読して細部まで覚えていたとしても、大学生としての視点がなければ面接でアピールするのはNGですので注意が必要です。

高校時代に読んだ本をアピールしたいのであれば、さらっとでも構いませんので、必ず読み直すようにしましょう。読み直してみることで、昔は気づけなかったことに気づける場合もあります。大学生の視点で読むことで、見え方が違ってくる場合も多く、内容をしっかりチェックした上で就活のアピールにふさわしいかを考えていきましょう。

小説ジャンルは避けた方がよい

高校時代に読んだ本でも、しっかり読み直しておけば面接でアピールできますが、どんな本でも読み直しさえすればアピールできるわけではありません。面接でのアピールでは、基本的には小説ジャンルは避けた方が良いと言われていますので、その点も注意が必要です。

高校生の時に読んだ本は小説などが多く、本を語ることで自分の思想信条が露わになるものも多くあります。思想信条に触れた時点で質問を打ち切られることは多いですし、質問が打ち切られれば当然その時点で評価はされなくなってしまいます。マイナスの印象を与えるわけではありませんが、加点のポイントを失うことになり、選考でも不利になりますので、小説ジャンルは避けてアピールしていきましょう。

就活生としての視点を加えられるかどうか

高校時代に読んだ本であってもアピールすることは可能ですが、面接で使用するなら就活生としての視点を加えられるかどうかを考えておかなければなりません。最近読んでどう感じたかを就活生ならではの視点で語れないならば、その本を取り上げるのはやめた方が良いと言えます。

面接官もただ読んだ本を知りたがっているわけではなく、読んだ本からその人の人柄などを知りたいと考えており、最終的には仕事にどう関係するかを知りたがっています。面接ではさまざまな質問がされますが、どれも仕事に関係するものであり、仕事に関係ないことをアピールしても評価の対象にはなりません。就活生ならではの視点で語り、仕事と関連付けることが大切ですので、仕事とは全く無関係のものはアピールしないようにしましょう。

「最近読んだ本」をつくる

高校時代に読んだ本であっても、読んでいる本のジャンルや就活生ならではの視点を組み込めれば面接でアピールができます。しかし昔に読んだ本ではアピールが難しい場合も多いため、面接に合わせて新しく本を読んでおくことも大切です。

面接用に最近読んだ本を作っておけば、質問されても困りませんし、回答から好印象も与えやすくなります。どんな本を読むかも大切ですので、面接で評価されやすいのはどんなものかを知っておきましょう。

①ビジネス書か自己啓発本がベスト

面接で答える最近読んだ本としては、思想信条に触れる恐れがなく、社会人としての向上心をアピールできるビジネス書や自己啓発本が最適です。ビジネス書であれば仕事と関連付けてアピールがしやすいですし、自己啓発本も仕事へのモチベーションなどに絡めてアピールがしやすいです。

受け答えの準備用に1冊は読んでおくと、就活を進める上での参考にもなりますし、勉強になることもたくさんあります。ビジネス書などは社会人でも読んでいる人が多いですし、本を通じてさまざまな知識を身に付けることで、就活全体を有利に進められることも多いです。ビジネス書や自己啓発本はおすすめですが、就活マニュアル本は避けるようにしましょう。就活マニュアル本でアピールしてしまうと、型にはまった印象を与えてしまうので注意が必要です。

自己分析におすすめな本については、こちらの記事で詳しく解説しています。

②応募する企業にあった本もベター

最近読んだ本としてアピールするのであれば、ビジネス書などがおすすめではありますが、必ずしもそれらでなければアピールできないわけではありません。ビジネス書以外では、応募する企業にあった本もベターですし、ジャンルを問わずにアピールできるものもあります。

応募する企業に合った本は、業界のイメージを掴んだり、業界研究の一環という視点で読むことができますし、就活を進める上でも役に立つことが多いです。例えば商社志望ならば、元商社マンが書いた本や商社を舞台にした小説などを取り上げることもできますし、この場合は小説でもアピールすることができます。業界、企業に関係した本を読んでいれば志望度の高さも伝わりやすいですし、好印象も与えやすくなります。

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「最近読んだ本」例文3選

面接の対策として本を読めば、実際にどのようにアピールしていけばいいのかを考えていきましょう。面接用に読んだ本を作ればいいだけではなく、読んだ上でどのように感じたのか、それが仕事でどのように活かせそうなのかを考え、それを伝えていかなければなりません。

ただ読んで面白かったと感想を伝えるだけではアピールにはなりませんし、読んだ上でそれが仕事にどう役立てられるかを伝えることが大切です。例文を参考にしながら、最近読んだ本の上手なアピール方法を知っていきましょう。

例文①

私が最近読んだ本は『「できる人」の話し方』です。アルバイトでレストランのホールスタッフとして働いていますが、お客様と気の利いた会話が出来ずに悩み、この本を読みました。この本では上手にコミュニケーションを取るにはどのような話し方をすべきかが書かれており、コミュニケーションスキルの勉強になりました。距離を縮めるためには、自分が話したい事を話すのではなく、相手に分かってもらうことを意識して話すことが大切だと分かり、アルバイトにも役立てることができました。

例文の①では『「できる人」の話し方』という本が題材になっています。何の本を読んだかという結論から伝えられており、これは基本的ですが大事なことです。最初に結論を伝え、次になぜそれを読んだのか、きっかけが述べられています。

結論からきっかけ、根拠と繋げると、問題意識を持っていることが伝わりやすく、好印象です。読書により問題が解決できたとアピールされており、短所を克服したことが伝わりますので、これも印象が良いでしょう。

例文②

私が最近読んだのは、『「ミス」をきっぱりなくす本』です。就活前には様々な企業でインターンに取り組みましたが、緊張や業務に不慣れであったことからミスをしてしまい、多くの人に迷惑をかけてしまいました。ミスを少しでも減らしたいと考え、この本を読み、ミスは自分の努力次第でなくせることを学びました。ミスをなくすためには、何度もチェックをすることが大切だと分かり、基本的なことこそ重要性が高いと改めて気づくことが出来ました。本で読んだとおりにチェックをする癖をつけることで、インターンでもミスを減らし、周囲の人のミスにも事前に気づけるようになりました。

例文の②では、『「ミス」をきっぱりなくす本』が題材として挙げられています。インターンでミスが多かったと問題意識を持って本を読んだことが伝わり、真面目な人間性がアピールできています。本を読む中で何が重要なのかを見極め、実際に活かしている点が好印象です。

ただ本を読んで知識をつけるだけではなく、それを実際の行動に反映出来ている点が評価されている点だと言えます。自分のミスを減らすだけではなく、周囲のミスに気づけるようになった点も、プラスアルファで評価されるポイントです。

例文③

私が最近読んだ本は、『「ここ一番」に強くなる』です。就活に取り組む中で面接で緊張してしまうことが多く、緊張のあまり実力が発揮出来ずに悩み、この本を読みました。緊張しないためにはどうすればいいのかというテクニックだけではなく、そもそも緊張によってかかるストレスとはどんなものかを学びました。ストレスがかかることは必ずしも悪いわけではなく、それを上手に転換すれば大きなエネルギーになることを知り、緊張の捉え方を変えることが出来ました。緊張しても良いと受け入れられることで過度に緊張しなくなり、より自分らしさを伝えて面接に取り組めるようになりました。

例文の③では『「ここ一番」に強くなる』を題材としてアピールが進められています。面接で緊張して実力が発揮できない、と問題を提起し、その解決策として本を読んだことがアピールされており好印象です。

興味として読んだのではなく、問題意識を持って読んだことで、問題解決能力や問題と向き合う誠実さなどがアピールできています。本を読むことで緊張に対しての捉え方を変えることができたと伝えられており、問題を克服できていることも好印象です。

志望動機と自己PRの違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

面接で最近読んだ本を聞かれたらビジネス書や企業・業界に関わる本がベスト

最近読んだ本についての質問は実はNGではありますが、思想信条に触れなければ問題ないケースも多いです。どんな本を読んでいるかによって、その人の個性や人柄がわかりますし、さまざまな情報が読み取れるため、最近読んだ本について質問する企業は多いです。

上手に答えるためには、面接用に本を読んでおくことが大切ですが、面接でアピールするのはどんな本でもいいわけではありません。小説でもアピールできないわけではありませんが、好印象を与えるのは難しいですし、仕事と絡めてアピールするならビジネス書などがおすすめです。ビジネス書は面接対策としても大切ではありますが、面白く就活や今後の社会人生活に役立つものも多いので、積極的に読んでおくといいでしょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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