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就活に失敗した場合の大学院進学|失敗しないポイントをご紹介

就活失敗で大学院に進学してもいいのか

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就活に失敗すると就職への不安から絶望してしまったり、後悔したりすることも多いでしょうが、そこで立ち止まってしまうのはよくありません。失敗を感じたからといってすべてが終わるわけではなく、そこから立ち直り、別の道を考えることが大切です。

就活に失敗した際の進路のひとつに、大学院への進学が挙げられます。大学院で研究の道に進むことで、これまでとは違った将来が切り開ける可能性もあるでしょう。しかし、就活失敗=大学院進学と結びつけてしまうのは危険な場合も多いです。就活失敗で大学院進学を決めてもいいのか、きちんと考えてから進路を決めましょう。

就活に失敗した場合の対応策

就活に失敗した場合の対応策

就活をスムーズに進めるには、事前準備を徹底しておこなうことが大切です。事前準備では応募書類の作成や面接の対策といったことだけではなく、万が一失敗した際の対処法を考えることも含まれます。就活は誰しも絶対に成功できるというものではなく、どれだけ頑張っても巡り合わせが悪いと失敗することはあります。失敗した際の対応策は大きく3つに分けられ、それぞれの特徴を把握してどれが自分に合っていそうかも考えておきましょう。

就職留年する

就活に失敗した場合は就職留年し、翌年もう一度就活をやり直すという方法があります。人生の中で就職シーンは数多くありますが、もっとも選択肢が多く、かつ幅広い可能性が用意されているのは新卒ならではの特徴です。就職市場において新卒ブランドは強いため、あえて留年するのもひとつの選択肢でしょう。

就職留年する場合は、就活のスケジュールやノウハウが分かっているため、前年よりもスムーズに取り組みやすいのが特徴です。就職留年自体がマイナスの印象を与えることもほぼなく、基本的にはプラスの側面が強いと言えます。ただし、就職時期が少し遅れること、留年する分学費が余計にかかってしまう点はデメリットのため注意しなければなりません。

既卒で就活する

新卒ブランドにこだわる必要がないなら、卒業して既卒として就活を進める方法もあります。既卒の場合は学費がかからないことが大きなメリットであり、かつ自由な時間も持ちやすいため、より柔軟に就活が進められるでしょう。新卒ブランドは確かに強いですが、大学を卒業して間もない既卒なら、新卒同様の扱いを受けられることも多いです。

採用試験の枠組みは違っても、仕事の内容や待遇は新卒と同じという場合もあるため、学費の問題を考えると必ずしも留年する必要はないと言えます。既卒で就活を進める場合は、どこにも所属していないという不安から、就職を急いでしまいがちな点がデメリットです。周囲からどう思われているかも気になりやすいため、惑わされず自分のペースで進めることが大切です。

大学院に進学する

就職留年、既卒という2つの選択肢は、あくまで直近で就活を続ける場合の方法です。就活から一度距離を置きたいなら、大学院への進学も視野に入れてみましょう。大学院に進学することで学業の道に進むことができ、進路が何も決まっていないという不安は解消されます。さらに学歴を高めることで就職市場での強みにもなり、数年後の就活を有利に進められる場合もあります。

大学院に進学する際は、学費や進学試験の日取りに注意しなければなりません。大学院進学の場合は最低でも2年分の学費が必要であり、場合によってはさらに長期間学費の支払いが必要になる場合もあります。進学するには試験に合格する必要があり、就活から切り替える際には試験勉強も並行しておこない、かつ試験を受けられるようスケジュール調整が必要です。

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大学院への進学と就活の関係

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大学院への進学を視野に入れるなら、就活との関係を把握することが大切です。大学院に進学したからといって、就活をしなくていいわけではなく、院を卒業した後は就活が待ち受けています。数年後に控えた就活を上手にクリアするためにも、入学前にある程度のことは理解し、将来に備えておかなければなりません。それぞれの関係を知り、大学院進学が就活にどのような影響をもたらすのか、本当にプラスになるのか考えてみましょう。

専門分野の強みができる

ひとくちに大学院進学といっても、どのような勉強をするかは人によって違います。文系理系の違いはもちろん、学部や学科、専攻によって領域は大きく異なりますが、より専門的な内容を研究する点は共通しているでしょう。専門分野に特化できるのが大学院進学の強みであり、他の人にはない専門的な知識や技術を身につけることで、就活でも高評価を得られる場合があります。

新卒は成長力重視のポテンシャル採用の傾向にありますが、実力が評価されないわけではありません。就職の時点から能力や知識があるなら優遇してもらえるケースも多いです。特に院卒者の場合は、専門分野の強みが求められることも多いため、しっかり勉強して知識や技術を身につけることで就活を有利に進めやすくなるでしょう。

就職を先延ばしにできる

就職を先延ばしにできる点も、大学院に進学した場合の特徴のひとつです。大学院に進学すると少なくとも2年は就活から離れることができ、その間に将来のことを真剣に考え直すことができます。就活は短いスケジュールでコンパクトにおこなわれるため、いざ初めてみると他のことが気になって、結局何がしたいのか分からなくなることも多いでしょう。

大学院に進学すると、一度就活を経験した上で冷静になって考える期間が持てるため、自分がやりたいことを明確にしながら、就活の準備を進めることができます。もちろん、就職を先延ばしにする分、社会に出るのが人より遅れることは理解しておきましょう。就職はあくまで先延ばしにしただけで、後できちんと向き合う必要があることも、覚えておかなければなりません。

就活失敗で大学院進学はあり?

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大学院に進学するには、進学試験を受けて合格しなければなりません。試験日のスケジュールは決められており、時期を逃すと進学は叶いませんが、反対に言えばタイミングさえ合うなら就活失敗後に進学へと舵を切り直すことも可能です。しかし、問題は就活に失敗して場合の対処策で、大学院進学を選ぶのは正しいのかということです。大学院進学が本当にプラスになるのか、就活失敗を挽回できる手立てになるのか考えてみましょう。

やりたいことがあるならOK

就活に失敗して大学院進学に切り替えるなら、やりたいことがあるかを確認しましょう。大学院進学と就活の関係性は密接なため、数年後に控える就職を意識して考えることも大切ですが、まずは本当に進学してまでやりたいことがあるかが大切です。大学院進学のハードルは高く、時間とお金という大きなコストもかかります。

ただ何となくで進学するとそれらを無駄にしてしまい、就職にも悪影響を及ぼしかねないため注意しなければなりません。反対にやりたいことが明確に決まっていれば、少なくとも進学したことに後悔はしないでしょう。たとえ就職のビジョンが浮かばないとしても、研究を進めるうちに将来の道が開けることもあります。まずは研究したいという気持ちを大切にしましょう。

理系は有利になりやすい

大学院に進学した場合、研究内容や進む分野によっては、必ずしも就職で有利になるとは限りません。しかし、やりたいことと向き合うのは大切であり、特に理系の場合はやりたいことをやって、かつ就職にもプラスに働く場合が多いです。理系は大学の時点から専門的な分野が多く、研究職や開発職といった理系ならではの就職の選択肢があります。

大学院に進学した場合は、さらに専門的な研究をすることができ、就職市場での価値は高まりやすいです。やりたいことをやって就職に繋がるというケースが多いことは、理系ならではの強みであり、大学院進学のおすすめ度は高いでしょう。理系を募集する企業によっては院卒しか採用しない場合もあるため、進学が及ぼすプラスの効果は大きいといえます。

年齢がネックになる場合も

院卒は専門的な知識や技術が備わっているため、採用試験でも優遇されることが多いですが、反面年齢がネックになる可能性があります。スムーズに大学に入学、院を卒業した場合でも、2年制の院なら就職時には24歳になっています。

さらに専門的な研究をする場合は、25〜28歳と場合によっては新卒で就職する時点で30歳が目前に迫っているケースも少なくありません。新卒の区分で就職する場合、同期は22歳前後が多く、院卒者だけ年齢が大幅に違っていることが多いです。周囲とのコミュニケーションを大切にしましょう。

特に文系は注意

大学院進学にはデメリットもあり、特に文系の場合は注意しなければなりません。理系は専門的な分野に進め、かつ就職に活かしやすいですが、文系の場合は就職に活かすことが非常に難しいです。そもそも文系の職業には専門職は少なく、特定の場合と除いては院卒でなくても就職はできます。

大学院で修士や博士課程を取らないと就職できない、資格を取得できないという場合もありますが、基本的にこれらに該当しないなら進学のメリットは少ないです。もちろん、やりたいことを心ゆくまで研究したいなら、進学する意味はあります。ただし、進学する意味と就職に有利になるという点が結びつかない可能性が高いことは理解しておきましょう。

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大学院進学を就活失敗に繋げないためには

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大学院に進学しても、最終的に就活はしなければなりません。専門的な強みを持っていることが有利になることはありますが、反面特に評価されず、院卒での就活も失敗するケースもあるため注意が必要です。大学院を卒業しているからといって、必ずしもスムーズに就活が攻略できるわけではないため、しっかり準備をしてから臨まなければなりません。せっかくの大学院進学を就活の失敗に繋げないためにも、どのような点に注意して取り組むべきか知っておきましょう。

就職先の選択肢を限定しない

大学院に進学すると専門的な分野が学べるため、就職先もそれを活かしたものに絞られるでしょう。しかし、選択肢を絞り込み過ぎるのはNGで、狭い分野に限定すると就職のチャンスが少なく失敗するケースも多いです。せっかく専門分野の強みを作ったのなら、それを活かして働きたいと考える人は多いでしょうが、視野を狭めるとまた就活に失敗する可能性が高いことは理解しておきましょう。

大学院を卒業した場合でも、大卒の就活と同様に選択肢は無数と言えるほどにあり、視野を狭めてしまうのはもったいないです。専門的な分野で学んだ結果、自分には合わないと感じて別の道に進むのも選択肢のひとつです。院で学んだことを活かすべきと考えすぎると、失敗に陥りやすいため注意しましょう。

院卒のプライドに固執しない

大学院を卒業していると「院で専門分野を学んだのだから」というプライドが生まれやすいです。研究したことに誇りを持ち、就活で積極的にアピールすることは大切ですが、それに固執しすぎないよう注意しなければなりません。院卒のプライドに固執して就職先の選り好みをしていると、そもそも条件に合う企業が見つからず、院で就職留年をしてしまうケースもあります。

また、好条件を提示する企業は当然就職のハードルが高く、院卒だからといって確実に合格できるわけではありません。大卒の場合と同様に、大手病にかかると就活が失敗する確率が格段に高まることは理解しておきましょう。ハードルを下げ過ぎる必要はありませんが、プライドに固執して選択肢を限定しすぎないよう注意が必要です。

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何となくの大学院進学は失敗のもと

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結論から言えば、就活に失敗して大学院進学に目を向けるのはありです。大学院に進学することで専門的な分野の研究ができ、それが自身の魅力や価値の向上に繋がることもあります。加えて就職までの期間をさらに延長することができ、より冷静になって就活や自身の将来のことを考えることができるでしょう。

ただし、ただ目の前の就活から逃れるために大学院に進学するのはNGです。進学するなら、明確な理由や目的を持たなければなりません。何となくで進学してしまうと、研究したことが活かせずに時間とお金を無駄にして終わることもあります。就活失敗の逃げ道にはせず、成功を勝ち取るための方法として大学院進学を選ぶことが大切です。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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