業界研究

【人材派遣会社に就職するには】必要な能力や業界の実情

人材派遣会社は新卒人気が高い

人材派遣会社は就活生人気の高い就職先であり、毎年多くの人が志望しています。人脈を活かした仕事であり、若いうちからバリバリ働きキャリアを積める仕事と、華々しいイメージを持っている人は多いでしょう。

しかし、漠然としたイメージは持っているものの、実際に人材派遣会社がどのようなものなのか、業界全体の就職事情はいかなるものか知っている人は少ないです。就職を希望するなら、細部まで理解を深めることが大切で、漠然としたイメージだけでは就職に失敗する可能性が高いです。

仮に就職できても、理想と現実のギャップに苦しむことも少なくありません。就活をスムーズに進め、納得のいく形で終えるためにも、人材派遣会社とはどのようなものなのか理解を深めていきましょう。

人材派遣会社の魅力2つ

人材派遣会社に就職したいと思う人が多いのは、当然就職先として魅力があるからです。しかし、実際にどのような魅力があるのかと問われると、何となくでしか理解しておらず、明確な魅力を説明できない人も少なくありません。

漠然としか知られていない人材派遣会社ですが、就職する魅力は確実にあり、それは大きく2つに分けられます。2つの魅力が自身にとって本当にプラスになりそうか、よく考えて就職先にすべきか決めることが大切です。

①誰かの人生に深く関われる

人材派遣会社では、就職を希望する人に働き口を斡旋・紹介することが主な仕事です。いわば就職の手助けをする仕事であり、人と接することが多いです。

仕事は生活するために重要なものであり、場合によっては人生を左右することになる可能性もあります。人生を左右しかねない重要な決断に関われる、誰かの人生に大きく貢献できるという点が、人材派遣の魅力のひとつです。

その人にあった仕事を紹介することができると、大げさにいえばその人の人生を救うことに繋がるともいえるでしょう。もちろん、人によってどこまで深く関われるかは違いますが、多くの人と深い部分で関わりを持ちやすい点がやりがいに繋がることは確かです。

あなたが人材派遣に向いているか、確認してください

就活では、自分に適性のある仕事を選ぶことが大切です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまいます

そんな時は「適職診断」を活用して、志望する職業と自分の相性をチェックしてみましょう。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、ぴったりの職業を診断できます。

強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。

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②多様なキャリアの人に出会える

人材派遣ではひとりの人に密着して仕事をするわけではなく、多くの人と接し、同時並行で業務を進めていきます。人によってこれまでやってきた仕事や来歴は当然違い、人の数だけキャリア形成の数があるといえます。

多くの人に接することで多様なキャリア形成、仕事に対する価値観に触れることができ、人間的な成長を見込みやすいのも魅力のひとつでしょう。自分では想像もつかなかったキャリアを知ることで、自身の将来の展望すらよい方向に変えられる可能性もあります。

他の企業では自社でのキャリア形成しか目にすることはできませんが、多くの人が集まる人材派遣会社では、他業界のキャリアも広く覗けます。普通ならなかなか知れない情報が集まるため、仕事の価値観を広げて成長したい人には、魅力的な環境といえるでしょう。

人材派遣会社で働くのに必要な学歴

人材派遣会社で働く場合、採用試験の応募条件は企業によって異なります。大卒以上が必要な学歴となることもあれば、短大や専門学校卒業以上としていることもあります。人材派遣業界では有利になる学部や学科は特にないといわれていて、様々な学部を卒業した人が活躍しています。

各企業がおこなっている社員採用試験を受け、合格すれば入社することができます。この点は他の業界の企業と同じです。大企業の場合は新卒採用を毎年実施していて、「総合職」として採用することが多くなっています。

入社後は企業独自の研修などを受け、適性や希望に合わせて営業やコーディネーターなど、派遣会社の各職種に配属になるのが一般的です。人材派遣会社の中には事務系・技術系・工場系・医療関係など専門分野に特化しているところもあり、その場合は専門的な知識が求められることもあるでしょう。

人材業界の現状

現在、人材派遣業の市場規模は大きく、年々増加傾向にあります。あらゆる業界で人手不足が問題となっており、人材業界にとっては追い風といえるでしょう。人材派遣会社の売上は有効求人倍率に比例する傾向があります。企業の求人が増えるほど、人材派遣会社を利用する人が増え、業績が高くなります。国内の人材業界でシェア上位の企業はリクルートホールディング、パーソルホールディングス、パソナグループの3社です。世界的に見るとアデコやランスタッドが上位となっています。

近年は企業の事業拡大や外国人観光客の増加などから、人手不足が深刻化しています。飲食業界、建設業界、小売業など多くの企業で労働者の確保が大きな課題といえます。今後もこのような状況は続くと予想されていて、新しい解決策が求められるでしょう。人工知能を使って面接をおこなったり、ITの活用で仕事の負担を減らしたりと、派遣業界の一部ではテクノロジーを活用した効率化も進んでいます。

人材派遣会社の実情とは

就職先を決める上では、業界の実情も把握しておかなければなりません。外から見ているだけでは分からないことも多く、しっかり下調べをしておかないと、就職してから後悔することもあります。

人材派遣会社には魅力もありますが、反面知っておくべき大変さや苦労があることは理解しておきましょう。どのような業界でも、よい面と悪い面は必ず両方持ち合わせています。それぞれの側面を知った上で、実情を正しく把握して就職を考えることが大切です。

あなたが人材派遣に向いているか、適性を確認してください

就活では、自分に適性のある仕事を選ぶことが大切です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまいます

そんな時は「適職診断」を活用して、志望する職業と自分の相性をチェックしてみましょう。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、ぴったりの職業を診断できます。

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仕事内容は多岐にわたる

人材派遣会社という名前から、仕事を希望する人におすすめの会社を紹介し、提携先の企業に派遣するだけが仕事と思う人は多いでしょう。実際に派遣業務はメインの仕事のひとつですが、実際には他にもやるべきことは多数あります。

企業や部署によっても違いますが、提携先の企業を増やすための営業や、広告の管理、インターネットサイトの運営やマーケティングなど仕事は多岐にわたります。どのような立場で仕事を進めるかはその人のキャリアによって異なり、場合によってはイメージしていた仕事とは違う業務を任される可能性があることは理解しておきましょう。

企業によっては複数の業務を掛け持ちすることもあり、広く浅く多様なフォールドで働くということもあります。

業務がハードで離職率が高い

仕事内容は多岐にわたるだけではなく、業務量が多いのも人材派遣会社の特徴です。企業ごとによる違いはもちろんありますが、人手不足の企業は多く、ひとり当たりの負担が大きくなっていることも少なくありません。

業務のハードさゆえに早期に退職する人も多く、離職率が高いことは覚えておく必要があります。華やかなイメージだけを持って就職してしまうと、就職後に理想と現実のギャップに苦しむ可能性があります。

離職率が高いからといって、就職先として悪いというわけではありません。正しい理解を持ち、本当にやりたい仕事と考えて就職して、長く続けている人も当然います。ハードな業務だからこそ向き不向きが出やすい仕事ともいえるため、適性は念入りにチェックしておかなければなりません。

景気に左右されやすい

人材派遣の仕事は景気に左右されやすいのも特徴です。不景気ほど業績が落ち、好景気ほど業績が上がりやすいのは他の業界、企業とも共通していますが、人材派遣会社は特にその影響が大きいといえるでしょう。

不景気時に業績が悪化するのは、各社とも人件費を節約するために、採用活動を縮小するからです。つまり、人材派遣会社にも仕事が回ってこなくなり、派遣業務も縮小して業績が悪化します。反対に好景気の場合は各社とも人手不足になるほど忙しいことが多く、反対に採用を拡大します。

そのため、人材派遣業者にも大量の仕事が舞い込み、業績アップが見込めるでしょう。また、景気の変動だけではなく、労働法やその他法律の改正にも影響を受けやすく、社会の流れとリンクしている仕事ともいえます。

人材派遣会社で求められる能力3つ

人材派遣会社への就職を目指すなら、どのような能力が求められているのかを知っておくことが大切です。新卒では成長力重視のポテンシャル採用が多いですが、能力が提示できるならそれに越したことはありません。

また、高い能力が備わっていなくても、現時点でどの程度備わっているかによって、将来性を測られることも多いです。求められる能力が自身に備わっているか、苦手分野ではないかもチェックし、適性も確認しながら理解を深めていきましょう。

①コミュニケーション能力は必須

人材派遣会社での仕事は多岐にわたりますが、どの業務でも人に接するという点は共通しています。そのため、コミュニケーション能力は必須であり、より高いレベルが求められることも少なくありません。コミュニケーション能力は聞く力と話す力があり、人材派遣会社では両方が必要です。

例えば、求職者の相談を受ける場合には、どのような仕事がしたいのか、何を条件とするのか、将来的にはどのようなキャリアを望むのかを引き出す必要があります。これを可能にするのが聞く力です。

また、求職者に仕事を勧めたり、企業に紹介したりする際には、魅力を売り込むトーク力が必要です。両方の能力が必要であり、人と接することが好きな人に向いた仕事といえるでしょう。

コミュニケーション能力が向上する方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。

②激務に耐えられるバイタリティも必要

多岐にわたる仕事や多い業務量をこなすためには、バイタリティも必要です。取り組んだ仕事をやり切る意志や責任感の強さ、激務にも負けない体力やメンタルの充実が求められるでしょう。

必ずしも激務とは限りませんが、人と深く関わる仕事である以上、心も体も疲労しやすいです。相手がいる以上、自分の好き勝手に仕事を進められるわけではなく、場合によっては自分ではどうしようもない部分が理由で、仕事が進まなくなることもあります。

思うように仕事が進められない時でもじっと我慢して、粘り強く打開策を見つけなければなりません。高いバイタリティが必要な仕事であるため、体力に自信のある人や、エネルギッシュな人が求められるでしょう。

③ビジネスマナーやパソコンスキル

ビジネスマナーやパソコンスキルといった、社会人に必要な基礎スキルもきちんと身につけておかなければなりません。これは人と接することが多いのはもちろん、時にはビジネスマナーや簡単なパソコンスキルを教える立場になることもあるからです。

人材派遣ではただ派遣業務をおこなうだけではなく、就職に向けたトレーニングを実施していることもあります。外部から講師を招くこともありますが、自社で賄うことも多いため、最低限のスキルは身につけておかなければなりません。

教える業務がない場合でも、通常業務を進めるためにビジネスマナーやパソコンスキルは必須です。高い能力が求められているわけではなく、必要最低限が確実に身についていることが求められると考えましょう。

パソコンスキルを自己PRするコツについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

④割り切って仕事をするメンタルの強さ

「人を助ける」という役割が多い人材派遣の仕事では、仕事として割り切るメンタルの強さが重要となります。求職者と企業の間を取り持ち、お互いが気持ち良く仕事ができるようにサポートしていく必要がありますが、両者の要求が一致しない場面も多くあります。求職者の希望ばかりを聞いていたら就職先がなかなか見つからない、企業の理想通りの人材がいないなど、どこかで妥協する必要もあるかもしれません。

状況をしっかりと把握して、求職者と企業の両方を納得させるように上手く誘導していく力が求められます。時にはクレームをいわれたり、無理難題を突きつけられたりすることもあるでしょう。そんな時にも、仕事だからと割り切って冷静に対応していくことが大切です。強いメンタルを持ち、モチベーションを保てるような人が活躍できるでしょう。

人材派遣の志望動機については、こちらの記事で詳しく解説しています。

人材派遣会社は理解を深めてから就職を決めよう

人材派遣会社は就活生人気が高いですが、実態をよく知らないまま就職を希望する人は少なくありません。就職で失敗しないためには、事前に理解を深めておくことが大切です。

人材派遣会社ならではの魅力もありますが、反面激務な場合が多かったり、それによって離職率が高かったりもします。ハードになりやすい仕事なだけに適性の有無は非常に重要であり、適性がないのに就職すると苦労して早期に離職する可能性も高いです。

人と関わるのが好き、バイタリティを持ってエネルギッシュにバリバリ仕事を進めたい人に、人材派遣会社は向いています。業界全体の特徴や実情、自身の特徴と比較した場合の適性をよく考え、正しく理解を深めて就職を目指しましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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