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面接辞退はメールと電話どちらがいいのか
多くの企業にエントリーして就活を進めていく中で、様々な理由から面接を辞退する機会もあるでしょう。他の企業から内定を貰って就活を終えることや、面接の日程と用事が被ってしまうなど辞退する理由はそれぞれです。面接を辞退するためには、辞退する旨を企業側に伝える必要があります。
実際に面接辞退の連絡を企業や担当者にする場合、どうやって連絡すべきか悩む就活生も多いのではないでしょうか。面接辞退を伝える手段はメールと電話の2種類があります。そしてメール・電話それぞれメリットや用途が異なります。
この記事では面接辞退の連絡をする際の方法や、そのときに気を付けるべきポイントやマナーについて、詳しく解説していきます。違いを理解して使い分けることで、誠意のある対応をしましょう。
選考時点での辞退はメールでOK
内定の辞退ではなく、選考途中の面接の辞退であれば、連絡の方法はメールで構いません。選考途中の時期であれば、採用担当者の元に届く就活生からの電話やメールの件数は、膨大な数になっていることが多いです。そんな中での電話連絡は、相手の時間を長く取らせてしまう可能性があります。
また電話では「言った、言わない」のトラブルにもなりかねません。そのため自分のタイミングで確認でき、後から内容を見直すこともできるメールの方が、お互いにとって都合がよいといえます。
メールの後に電話をしてフォローすると丁寧な印象
面接の辞退をする際にはメールでの連絡で構いません。面接辞退の連絡に対して返信がなかった場合、採用担当者がメールを見落としたのではないか、自分の辞意が伝わっていないのではないか、と不安になってしまう人もいるでしょう。そういった不安を解消したい方や、採用担当者と特に懇意にしていて直接伝えたいという人は、メールの後に電話でフォローするという手もあります。
メールを送って10分ほど後に「先ほどメールでお伝えした件ですが」などと確認の電話をすることでより丁寧な印象を与えることができます。メールと電話の両方を用いて連絡をすることは、社会人にとっては珍しいことではありません。しつこいかな、神経質かな、などと気にすることなくむしろ丁寧な印象を与えることができるのでフォローの電話をするのも一つの手でしょう。
面接前日や当日に辞退する場合は電話連絡がよい
面接前日や当日に辞退する場合は、電話にて連絡しましょう。面接辞退の連絡は基本的には辞退することが決まり次第、できるだけ早くにすることが望ましいです。例えば、体調不良や身内の不幸や天候不良など、直前になって辞退することが決まることもあります。そういったときにはメールではなく電話で連絡をしましょう。
なぜなら採用担当者がすぐにメールを確認するとは限らないからです。特に面接の前日や当日は面接の準備をしていて、採用担当者が忙しいことは想像に難くないでしょう。そのため前日や当日に面接を辞退することになれば、電話で連絡をしましょう。
面接を当日辞退する際のポイントについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
面接辞退の連絡をメールでおこなう場合のマナー
就活において、守るべきマナーは数多くあります。履歴書の書き方、言葉遣い、服装、面接時の入退室の仕方など、枚挙にいとまがありません。これらは就活の時のみならず入社後の「社会人としてのマナー」にも通じるものがあります。
面接辞退の連絡をする際にも、当然ながら守るべきマナーがあります。件名や署名といったメールのマナーはもちろんのこと、面接の辞退時ならではの注意点もあるため、しっかりと覚えておきましょう。
面接の辞退を決めたらなるべく早く連絡をする
面接を辞退することがきまったら、なるべく早いうちに採用担当者に連絡をしましょう。前述したように面接が集団面接であった場合には人数の調整が必要ですし、個人面接の場合には前後の予定を調節する必要があるからです。
採用担当者は忙しいスケジュールの中で就活生それぞれに時間を割いているわけですから、少しでも効率よくスケジュールを組みたいと考えています。そんな中で急に予定が空いたり変わったりしてしまうと「もう少し早くにわかっていたら別の用事を入れられたのに」となりかねません。
体調不良や身内の不幸といった急な用件でない限りは、最低でも面接日の3日前までには辞退の連絡をするようにしましょう。
面接の無断欠席はNG
面接を辞退する際に絶対にしてはいけないのが、無断欠席です。面接辞退の連絡をするのが面倒、あるいは気まずいといった理由で無断欠席をしようと考えてしまう就活生も中にはいるかもしれませんが、これはNGです。無断欠席をするとせっかく予定を空けていた採用担当者の時間を無駄にしまうことになり、大変な迷惑がかかります。当然企業側からの印象は悪くなるでしょう。
自分自身はその企業に入社しないから関係ないと思うかもしれませんが、同じ大学からその企業へ入社を希望する後輩たちに迷惑がかかる可能性があります。また自分が別の企業に入社した後、その企業やそこに務める社員と関わりがないとも言い切れません。相手のためにも、自分のためにも無断欠席はしないようにしましょう。
無断欠席後の対処法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
メールは企業の営業時間内に送る
一般的な社会人のメールマナーとしても指摘されるのが、メールを送る時間帯です。学生の感覚のまま深夜などにメールを送るのはNGです。深夜は営業時間外のためメールの確認はしません。さらに社会人としても非常識です。また担当者がメールを自分の携帯に転送するよう設定していた場合、妙な時間に起こしてしまうことになり非常に迷惑な行為となります。
面接辞退のメールを送る際には、相手企業の営業日の営業時間内に送るようにしましょう。営業時間内といっても定時間際はNGです。定時間際に届いたメールに返信したり、採用活動上の処理をしたりすると残業になる可能性があり先方に迷惑がかかります。午前中~昼すぎくらいを目安に、メールを送るようにしましょう。
面接を辞退する場合のメールの書き方
面接辞退の連絡をする際には、面接日の当日や前日でない限りメールで辞退の連絡をします。そのときに気を付けるべきマナーについても、しっかりと把握しておきましょう。採用担当者はこれまでのやり取りに時間を使い、面接のために予定を空けてくれています。面接を辞退するとはいえきちんと誠意ある応対をするべきです。相手に失礼のないよう気を付けるべきポイントをきちんと頭に入れておきましょう。
選考辞退の際のメールの作成方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
件名は分かりやすい内容を心掛ける
メールには件名の欄があります。家族や友人とのメールでは「無題」のままでメールを送る人もいるかも知れませんが、ビジネスシーンでは「無題」はNGです。忘れずに件名を記載しましょう。件名は、ひと目でメールの内容がわかるようにしておくのが好ましいです。「面接の件」「辞退のご連絡」などでは不十分ですので、「面接辞退のご連絡」のように書きましょう。その後ろに大学名と氏名を書き足すとさらに丁寧です。
採用担当者でなくとも社会人は1日に多くのメールを処理するため、1件のメールに避ける時間はそんなに多くはありません。相手の時間を多く奪わないためにも、件名だけでメールの内容や差出人が把握できるようにしておくとよいでしょう。
件名の例
・一次面接への参加について
・一次面接のお礼
・面接欠席のお詫び
・説明会への参加について
・内定についてのお礼
・内定辞退のお詫び
以下の記事ではビジネスメールの書き方とマナーを詳しく解説しています。併せて確認してみてください。
宛名は正式名称で書く
ビジネスシーンのメールマナーとして、メール本文のはじめに宛名を記載します。書く時には相手の社名、部署名、名前の順で書きます。社名は略したりせず、正式名称で書きましょう。世間一般に略称の浸透した有名企業の場合つい聞き慣れた名前を使いがちですが、就活の場で略称はNGです。必ず「株式会社○○」のように正式名称で宛名を書きましょう。
宛名などを書く際には「株式会社」や「有限会社」も(株)や(有)のように略さずに書きます。また「株式会社」などが企業名の前に付くのか後に付くのかも、事前に確認して正しく書きましょう。採用担当者の名前がわからない場合には、「担当者様」あるいは「○○部御中」のように書いても構いません。
本文でお礼とお詫びの一言を添える
面接辞退の連絡をする際のメール本文では、まずお礼とお詫びを伝えます。面接を辞退することに対するお詫びはともかく、お礼とはどういうことか、と疑問に思う人もいるでしょう。
就職活動を進める中で、担当者から書類選考や一次面接通過の連絡や面接の日時設定などをしてもらったはずです。そうした準備に時間を割いてもらったことや連絡をもらったことに対して、ひと言お礼を伝えるとより丁寧な印象になります。
友人から予定をキャンセルされる時なども、謝罪だけでなく「誘ってくれてありがとう」といったお礼のひと言があるだけで、随分と印象が変わるでしょう。このように相手に不快感を与えないための心づかいは、人間関係を円滑に保つためには必要不可欠です。今のうちに身に着けておきましょう。
面接辞退の理由は「一身上の都合」でよい
面接辞退の連絡をする際に、最も気を遣うのが「面接辞退の理由」です。その理由は人によってさまざまです。思っていたイメージと違った、他の企業から内定を貰った、ゼミの用事と重なった、家庭の事情で地元企業志望に方向転換せざるを得なくなったなど、色々とあるでしょう。中には「こんな理由で辞退するとバカにされそう」などと気に病む人もいるかも知れません。
しかし面接辞退の理由は「一身上の都合」で構わないです。なぜなら採用担当者にとって面接辞退や内定辞退の連絡は、それほど珍しいものではないからです。「一身上の都合」での辞退であれば、よくあることとして受け取るため後腐れがなくてすむでしょう。
体調不良などやむを得ない理由の場合は別日にできないか交渉する
面接を辞退する理由の根本は大きく2つに分けられます。1つ目に企業への応募を取りやめたい場合。2つ目に設定された面接日に都合がつかなくなった場合の2つです。
特に2つ目の場合、大抵は体調不良や天候不良によりやむを得ずその日の面接を辞退する形になります。しかしその企業へ入社したい気持ちが変わらないのであれば、面接を別の日に変更できないか交渉してみてもよいでしょう。
そのときは「いつかそちらの都合のよい日に」といった受け身の提案ではなく、自分の都合のよい日程をできるだけ多く挙げて「上記の日程の中でご都合のよい時間帯があれば」という自発的な形で提案しましょう。そうすると採用担当者も日程の調整にさほど時間がかからず、交渉に応じてくれやすくなります。
企業から理由を聞かれたら他社に内定したなどの回答がよい
面接辞退の連絡をした場合、大抵は「承知しました。今回は残念ですが~」といった返事であることがほとんどです。一方で辞退する理由を聞かれることももちろんありえます。その際には「他社に内定を貰った」のように伝えると、失礼に当たりません。
例え本心だとしても企業や担当者に対する批判や不満を伝えるのはNGです。「今後関わることはないだろうから」などと軽い気持ちで失礼な振る舞いや物言いをすることはマナー違反です。
ただでさえ面接を辞退することで迷惑をかけてしまうのですから、企業にも担当者にも失礼のないように対応しましょう。
最後に署名を記載する
ビジネスメールにおけるマナーとして、署名は忘れずに記載するようにしましょう。ビジネスメールでは、メールの末尾に差出人である自分の氏名、大学名、学部学科、メールアドレス、電話番号、住所などを明記した署名を記載します。差出人としてメールのはじめで名乗っていても、署名は記載するようにしましょう。
署名を本文とは別物として区切るために、何かしらの記号を使ってラインを作る方法があります。学生同士で送るメールであれば「### 」や「゜・...・゜」といった派手な模様を使用しても構いませんが、社会人を相手とした就活のメールでは、こうした記号の使用は避けましょう。使うのであればハイフン(-)やイコール(=)、アンダーバー(_)といったシンプルなものがおすすめです。
署名の例
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大学:〇〇大学〇〇学部〇〇学科 ◯年
氏名:田中 キャリア(田中 きゃりあ)
アドレス:kyaria.tanaka@×××.××.jp
電話番号:000-0000-00××
住所:〒000-00××
東京都〇〇区〇〇町0-0-×
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面接辞退のメール例文
件名:面接辞退のご連絡/氏名/大学名
本文:
○○株式会社
人事部 採用担当 ○○様
先日、一次面接のご連絡をいただいた○○です。
その節は誠にありがとうございました。
○月○日○時に面接のお約束を頂いておりましたが、一身上の都合により選考を辞退させて頂きたくご連絡致しました。
貴重なお時間を割いて頂いたにも関わらず、大変申し訳ございません。
身勝手なお願いで恐縮ですが、何卒よろしくお願い申し上げます。
本来であれば直接お詫びすべきですが、メールでのご連絡になりましたことを、重ねてお詫び申し上げます。
最後になりましたが、御社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
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佐藤 太郎(さとう たろう)
○○大学 ○○学部 ○○学科 ○年
電話番号:090-xxxx-xxxx
メール :xxxx@xxxx.com
住所 :東京都○○区○○ ○○丁目○-○
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上記のようにメールマナーに注意して文章を作成しましょう。面接辞退の連絡をする際には自分の名前や大学名だけでなく、いつの面接であるかも書き添えておくとより丁寧です。またこれからも関係が続くわけではないため「今後ともよろしく」といった表現は避け、文末は「御社のご発展をお祈り申し上げます」といった定型句で締めくくりましょう。
面接の辞退はメール連絡で誠実に対応しよう
面接辞退の連絡をする際には、面接の前日や当日でない限りはメールでの連絡で構いません。電話での連絡が気まずいという人も、メールでなら辞退する旨も伝えやすいでしょう。しかしメールでは直接の対話や電話以上に気持ちが伝わりにくいです。
そのため誠意をきちんと伝えられるよう、言葉遣いや言葉選びは慎重におこないましょう。また内容に問題がなくとも、マナーのなっていないメールでは誠意は伝わりません。署名や宛名、送信時間などの基本的なマナーを守るようにしましょう。
就活生としての振る舞いは、今後の自分の人生だけでなく同じ大学の後輩たちの就活にも影響を及ぼします。決しておざなりにせず担当者を不快な気持ちにさせないように、誠実な対応を心がけるようにしましょう。