面接対策
就活で挫折経験がない場合の伝え方は? 例文と一緒に簡潔に解説
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目次
挫折経験がない人も答え方を工夫すれば面接を突破できる
挫折経験は、就活の面接でたずねられやすい質問の1つです。
「挫折経験がない」「どう答えればいいのかわからない」という人は、就活の準備で悩むんでしまいますよね。しかし、答え方を工夫すれば、挫折経験がない人でもうまく回答することができます。
この記事では、挫折経験の伝え方や見つけ方について解説します。例文も併せて紹介するので、挫折経験が見つからない人やうまく文章が作れなくて悩んでいる人はぜひ参考にしてください。
就活生に聞いた! 挫折経験を面接で聞かれた経験
面接で挫折経験を聞かれたことがあるか、学生にアンケートを取りました。
「挫折経験についてたずねられたことがある」と答えた学生が47.8%となっており、約半数の学生が挫折経験について質問を受けていることがわかりました。
挫折経験に関する質問が、就活面接でよく質問されることは確かです。そのため、いつたずねられてもいいように、前もって準備しておく必要があります。
就活における挫折経験の定義
挫折経験とは、そもそもどんな経験を指すのでしょうか。「挫折」という用語を紐解いていくと、以下のような意味になります。
挫折
特定の目的を持って取り組んでいた物事が途中でダメになり、気力を失うこと。
つまり、これまで頑張ってきたことを途中で諦めたり、失敗した経験のことです。「気力」を失うというところが少し曖昧な部分もあり、イメージがつかない人もいるのではないでしょうか。
就活で聞かれる「挫折経験」について詳しく解説していきますね。
捉え方は人それぞれ
自分の経験を振り返った際に、何を「挫折経験」と捉えるかは、人によって大きく変わります。たとえば、「部活で目標を達成できなかった」という経験を味わった全員が、それを挫折経験とみなすわけではありません。
挫折経験に対する考え方は、人それぞれです。自分が考える挫折経験を、自分の言葉で説明すれば問題ありません。「挫折経験から何を学び、今後の人生にどう活かしたのか」について知りたくて、面接官は挫折経験をたずねているからです。
挫折経験はエピソードの題材を評価するわけではありません。そのため、話すエピソードに正解はないので、話の中身を整理してわかりやすく説明できるようにしておくことが重要です。
挫折経験がないときの2つの対処法
挫折経験は面接の頻出質問ですが、挫折経験がない学生もいます。そんな時、「挫折経験はありません」とそのまま答えていいのか不安になりますよね。
結論から言うと、挫折経験がないと正直に伝えても大丈夫です。しかし、回答方法を誤ると、マイナスな印象にもつながるので注意が必要です。
ここでは、挫折経験がないと伝えるときのポイントを、具体的な回答方法について紹介します。また、挫折経験があると答えた方が印象が良くなるケースもあるので、挫折経験を探す選択肢をもつ重要性についても解説します。
①挫折経験がないと正直に伝える
挫折経験がないと正直に伝える場合は、なぜ挫折経験がないのかその理由をしっかり話す必要があります。
ここで意識してほしいポイントは、自信を持って回答することです。挫折経験がないことは、決して恥ずかしいことではありません。うつむきながら小さな声で答えると印象が良くないため、胸を張って、はっきりと受け答えすることを心掛けましょう。
しかし、ただ元気に回答するだけでは「苦労した経験がない人なのかもしれない」と思われる恐れがあります。そう思われないために、結論や理由を挙げながら、論理的に説明することが必要です。
②振り返りをして挫折経験を探す
「挫折経験がない」と答えてても評価には影響しない場合もありますが、全く影響しないとは断言できません。そのため、挫折経験がないと決めつけず、自分の人生を振り返って探してみることも大切です。
自分の中で挫折経験がないと思っていても、しっかりと順を追って振り返りをすれば、面接で使えるエピソードを見つけられます。目立った挫折経験がないと思っている人も、まずはていねいに自分の経験を振り返ってみましょう。
それでも挫折経験が見つからなかった人は、「挫折経験がない」と正直に伝える方法を選ぶと良いですね。どちらを選んだとしても、説得力を感じられるような根拠のある回答をすることが大切です。
「挫折経験がない」の伝え方とポイント
「挫折経験がない」ということを素直に伝える場合は、上記の3つのポイントを意識することが大切です。
それぞれのポイントについて詳しく解説していくので、「挫折経験がない」と伝える人は参考にしてください。
①挫折経験がない理由を説明する
まずは、挫折経験がないという事実を端的に述べましょう。そして、その理由を明快に説明します。採用担当者は就活生の人柄や価値観を知りたいと考えているため、「挫折経験がない」という答えだけでは不十分です。
また、理由まで話さなければ、面接官に「質問に回答する意欲がない」と思われてしまう場合もあります。うまくコミュニケーションを取るためにも、面接官が納得できるような理由を添えることが大切です。
挫折経験がない主な理由
・周囲の人々のサポートを得られたから
・綿密な計画を立て、適宜内容を修正したから
・失敗を次の機会に活かすことを重視しているから
・前もって念入りな準備をおこなってきたから
上記を参考にして、面接官になぜ挫折経験はないのか、しっかり説明できるようになりましょう。
②挫折経験のかわりに成功経験や努力した経験を述べる
自分の強みや努力によって挫折経験がないと話したのであれば、どのように困難を乗り越えたのか、そしてそこから何を学んだのかを詳しく話しましょう。
「経験から得た学びや教訓」を説明することで、挫折経験を語ることと同等の印象を面接官に持ってもらえる可能性が高いからです。
具体的な例を出すと以下のとおりです。挫折経験がない理由にそれぞれ対応しています。
・問題を事前回避していたから→アルバイトでスムーズに接客できるように、前もって顧客対応のノウハウを勉強していた
・失敗を次の機会に活かすことを重視しているから→部活で目標としていた県大会に出場できなかったので、敗因をすぐに分析した。
努力に関する自己アピールについてさらに詳しく知りたいなら、こちらの記事もチェックしてみてください。
③今後どうしていきたいかを伝える
具体的な経験について述べたら、今後の展望や反省点について説明しましょう。未来の目標を伝えることで、やる気や意欲をアピールできるからです。
自分のアピールポイントを入社後にどう活かしていきたいか述べるのは、挫折経験の有無に限らず同じです。文章に迷ったら、以下の例を参考にしてみてくださいね。
・事前に課題点を調べておく姿勢を今後も忘れず、顧客調査の業務でも活用したい
・入社後も目標達成のために綿密な計画を立て、確実に業績を上げていきたい
・失敗を成功につなげる取り組み方を、御社の業務でも取り入れていきたい
・精神力の強さを活かして、チーム全体の雰囲気をタフに変えていきたい
また「挫折経験がない」と答えた場合は、今まで挫折したことがなかった過去を反省し、今後の行動にどう活かしたいか述べると、「質問の意図をくみ取れている」と判断されやすいので、そういった言葉も入れるようにしましょう。
挫折経験がないと伝える3つのリスク
挫折経験がない人も、伝え方を工夫すれば面接でイメージが悪くなる可能性は低いです。しかし、伝えたいことをうまく表現できなかった場合は、思ったような評価が得られないケースもあります。
ここでは、「挫折経験がない」と答えた場合のリスクを3つ紹介します。リスクを知っておくことで、面接で失敗する危険性を減らせますよ。
①面接の準備をしていないと思われる
挫折経験がなくても、エピソードの中身が充実していたり、挫折経験がない理由に説得力があれば、低い評価を受ける可能性は低いです。
しかし、「挫折経験はありません」とだけ回答し、変わりのエピソードの内容が薄いと、悪い印象を持たれてしまうかもしれません。
納得できるような理由を答えられない、エピソード全体にまとまりがない場合なども、不合格につながる可能性が高いです。
企業側は、自社への志望度が高い学生を採用したいと考えるものです。面接の準備が不足している時点で志望度が低いとみなされ、高評価を得ることは難しくなります。
②ストレス耐性がない人材と判断される
企業側は新入社員に早期退職をされると困るため、ストレス耐性の高い学生を採用する傾向にあります。なぜなら、新卒には教育コストがかかり、早期離職されてしまうとそのコストが無駄になってしまうからです。
挫折経験がないと答えると、今まで挫折したことがない=大きなストレスを感じる環境下に置かれたことがない人材だと判断され、評価されない可能性もあります。
たとえば、営業職や販売職は多くの顧客に対応する必要があり、合わない人とコミュニケーションを取ったり、理不尽なクレームを言われたりすることもあるので、学生を見る際にストレス耐性を重視するケース傾向にあります。
③対応力がないとみなされる
ここでいう対応力とは、「面接官の要求を読み取り、適切な回答をおこなうこと」をあらわします。
もし挫折経験がないことのみを回答すれば、対応力のなさを理由に不採用となってしまうかもしれません。なぜなら、対応力は社会人として重要なスキルになるからです。
具体的には、営業職やエンジニア職などは、先方の要求を先回りして考え、迅速に対応する必要があります。このような職種の選考に進む場合は、対応力の有無をよく確認されることを覚えておきましょう。
挫折経験にはパターンがあることを覚えておこう
挫折経験を考える際に、1からエピソードを思い出すには、大きな労力と時間がかかります。
そこで、挫折経験を3つのパターンに分類しました。このパターンについて知っておくと、その後のエピソードづくりが楽になるので、参考にしてください。
①自分の能力が足りなかった
自分の能力不足により挫折を経験する人は多くいます。特定の目標を立てて努力したにもかかわらず、目標を達成できなかった経験が例に挙げられます。
自分の能力が足りなかった挫折の例
・志望校合格のために頑張って勉強したが、不合格だった
・部活で全国大会出場を目指して練習したが、地方大会で敗れてしまった
・ゼミ内の優秀論文に選ばれるため研究に勤しんだが、ほかの学生が選出された
「試験合格」や「大会出場」といった目標は、達成・未達成のラインが明確に分かれています。同じ目標に向かって多くの人々と競い合ったことが予想できるので、そういった経験がないか思い出してみましょう。
②途中で心が折れてしまった
頑張り続ける気力ややる気を失い、継続することを道半ばで諦めてしまうことも、挫折といえますね。
途中で心が折れてしまった挫折の例
・バドミントン部に入部したが、ほかの部員との能力差に悩み途中で退部した
・接客のアルバイトを始めたが、クレーム対応がうまくできなくて退職した
・資格取得のために毎日2時間勉強しようとしたが、途中で断念してしまった
こういったケースでは、途中で諦めたときの心情に注目しましょう。「諦めてしまいがちな人」と思われないように、心が折れたときに何を感じ、今後の行動に活かしていったのか説明することが大切です。
③周囲を巻き込みながら努力はしたが結果に結びつかなかった
周りの人を巻き込みながら努力をしたけれど、結果に結びつかなかったケースもよくあります。
努力はしたが結果に結びつかなかった挫折の例
・体育祭優勝を目指してクラス全体で練習に取り組んだが、本番で力が出せずに終わった
・新しいサークル活動を立ち上げようと声掛けをしたが、人が集まらず実現しなかった
・論文発表会を目指してゼミの研究を進めていたが、スケジュール遅延により、発表会に参加できなかった
この場合は、周りの人々にどう働きかけたのかを伝えることが必要です。そのうえで、努力を続ける過程で得たチームワークやコミュニケーションのあり方について述べると、自己アピールにつながりますよ。
チームワークのアピール方法について知りたい人は、こちらの記事もチェックしてみてください。
思い浮かばない人必見! 挫折経験の見つけ方
「挫折経験がない」と悩んでいる人は、自分の挫折経験を思い出せていないだけかもしれません。見つけ方のコツを押さえれば、意外と簡単に挫折経験を探すことができますよ。
6つの見つけ方を取り上げるので、ぜひ実践してみてください。
①環境や周りの人が原因で苦労した経験から探す
周りの環境や周囲の人が原因で苦労しているケースは多くあります。こういった原因だと、自分の意志や希望ではどうにもならない内容がほとんどです。
・サッカー部の練習中に、仲間と交錯したことから足を怪我して、結果的に1年を棒に振った
・アルバイトの職場で性格が合わない人がおり、ストレスを感じて退職した
・学生時代に◯◯という病気を発病し、半年間休学した
上記のように、周りの環境によってストレスや苦しみを感じた経験を思い出すと、挫折経験が見つかるかもしれません。
②自分の行動や言動により苦労した経験から探す
自分の行動などによって苦労した経験から探すこともできます。これは、目標に向かって努力したにもかかわらず、自分のスキル不足や考えの甘さなどが原因で失敗した例が多いです。
・水泳の検定を受験したが、練習不足によって2回連続で不合格となってしまった
・海外留学に挑戦したところ、間違った方法で英会話を勉強していたため、現地ではまったく会話ができなかった
・ハンドメイド品の販売を始めようとしたが、専門知識が足りず実現できなかった
上記のように、自分が原因で苦しんだ経験がないか、思い出してみましょう。
③自分が成長した経験から探す
「挫折経験」を見つけようとすると、「自分はそこまで大きな挫折経験をしていない」と思いがちです。しかし、小さいことでも良いので「難しい状況から活路を見出し、自分自身を成長させた経験」を見つければ、挫折経験として使用できます。
・クラス発表の練習がうまく進まなかったが、クラスメイトの予定を事前に取得することで練習を進められた→「練習を進められなかった」ことを挫折経験にする
・吹奏楽部の中で自分だけ上達スピードが遅かったが、自主練習を増やしてその差を縮めた→「自分だけ上達スピードが遅かった」ことを挫折経験にする
行動や考え方を変えることで風向きが変わった経験があるなら、ぜひそちらを思い出してみてくださいね。
④新しいことに挑戦する
まだ就活本番まで時間があるなら、新しいことに挑戦してみるのも一つの方法です。
・サークル活動や部活動に入る
・新しくアルバイトを始める
・ボランティア活動に参加する
・範囲外の授業を受けてみる
新しいことに挑戦する際は、経験したことがない分野にチャレンジしてみてください。なぜなら、類似経験があると大きな挫折は見込めないからです。
今まで接客のアルバイトを続けてきたなら、次は事務仕事のアルバイトを始めるなど、異なる環境に身を置くことが必要です。
⑤身近な人に聞いてみる
家族や友人に対して、「自分が苦労していた時期はいつか」「自分が困難に立ち向かって努力していた経験はないか」と質問してみましょう。自分自身は忘れてしまっても、身近な人は覚えているというケースは少なくありません。
・「高校時代、部活の顧問と意見が衝突して苦しんでいた」という経験を母に指摘してもらった
・「学部棟の清掃に力を入れようと周囲に働きかけていた」と友人に聞いた
挫折経験には悩みや苦労がともなうため、自分自身は嫌な記憶として処理してしまうものです。
他者のほうが細かなエピソードを記憶しているかもしれないので、積極的に質問してみましょう。
⑥過去の日記やSNSを確認する
自分自身は忘れているエピソードが、当時の記録に残されているかもしれません。日記やSNSなどを確認してみて、過去に苦労したことがないか振り返ってみましょう。
・部活内の人間関係が悪化し、うまくコミュニケーションが取れなくて困っていると日記に書いてあった
・アルバイトでスピーディーな対応ができず悩んでいると、SNSに書き込まれていた
・授業の速度についていけないと、友人にメッセージを送っていた
日記やSNSをやっていない人は、友人に送ったメッセージやメールを確認してみてください。今はもう忘れてしまっている挫折経験が見つかる可能性があります。
就活生に聞いた! 挫折経験の見つけ方
周りの学生がどのように挫折経験を見つけているのか、気になるところですよね。
そこで挫折経験の見つけ方について、学生にアンケート取材をおこないました。みなさんは、いったいどんな方法で挫折経験を探したのでしょうか。
過去を振り返って挫折経験を探した学生が多数
多くの学生が、これまでの人生を振り返って挫折経験を見つけていました。
まずは過去に体験した挫折体験を思いつく限り挙げ、その中からもっとも強い印象を残せそうなエピソードを選択する方法が寄せられていました。
他にも挫折経験だけでなく、その経験から得た学びを一緒に振り返る学生もいました。
これらの意見を見ると、挫折経験を最初から1つに絞るのではなく、いくつか挙げたうえで選ぶ方が有効なのかもしれませんね。
ほかの就活対策で見つけたものを選んだという意見も
ほかの就活と並行しながら挫折経験を探したという意見も見られました。
自己分析やガクチカの作成では、自分自身の思考や生き方を考える手順があります。この際にまとめて挫折経験も探してしまえば、就活を効率化することが可能です。
自己分析の具体的なやり方ついては、こちらの記事で詳しく解説しています。
4ステップで解説! 面接での挫折経験の答え方
伝えたい内容をわかりやすく表現するためには、文章を順序立てて構成することが大切です。
これから解説する4つのステップに沿って文章を作れれば、面接官に伝わりやすい構成になるので、実践してみてください。
①挫折経験を簡潔に答える
どんな挫折を経験したのかを最初に答えることで、面接官は話の流れをつかみやすくなります。
就活生
挫折経験の質疑応答で面接官が知りたいことは、挫折経験のエピソードそのものではありません。経験を通して得た学びや、その後の行動を知りたいのです。そのため、経験の説明に長い時間をかけすぎないようにしましょう。
②挫折の原因を述べる
なぜ挫折してしまったのかを振り返り、その原因を述べましょう。具体例を挙げると、下記のような例が挙げられます。
就活生
挫折経験となる主な要因
・個人の努力不足
・個人の力では避けられない問題の発生
・周りからのサポート不足
失望や絶望を感じた理由に触れると、物事に対する取り組み方を面接官に伝えられます。何に対して挫折感を感じるかどうかは、人によって変わるものです。どうして自分は挫折を感じたのか、自分の胸に問いかけてみてくださいね。
③困難を乗り越えた方法を説明する
挫折を乗り越えたプロセスを説明すると、自分自身の課題解決力をアピールできます。
社会人になると、業務をおこなうにあたって多くの課題を乗り越えなければなりません。困難を乗り越える力をここで証明しておくことで、社会人としての資質が高いと評価されるからです。
就活生
文章の作成に迷ったら、「入社後に同じような行動を取ることで、どんな場面で活躍できるのか」という業務への再現性を重視すると良いですね。
④一連の経験から学んだことを答える
まとめとして、「社会人になってからその挫折経験を活かしたい」、といった流れで文章を整えれば、有効な自己アピールになります。働くことへの意欲を、面接官に伝えられるからです。
就活生
挫折経験が役立った場面を具体的に説明することで、自社で働いている姿を面接官にイメージしてもらいやすくなります。
挫折経験の答え方について、こちらの記事でもさらに詳しく解説しています。
就活生に聞いた! 実際に回答した挫折経験
全国の学生たちは、いったいどんな挫折経験を味わってきたのでしょうか。面接で答えた挫折経験の内容について、アンケートを取りました。
多くの学生が部活動・サークルでの挫折経験を選択
多くの学生が、部活動やサークルでの挫折経験を面接で回答していることがわかりました。
努力をしたにもかかわらず良いポジションをもらえなかった経験や、ほかの部員とのスキル差を感じて落ち込んだ経験などが主な回答でした。
部活動やサークルでは明確な目標を設定することが多いため、挫折を感じる機会が多いと考えられます。
受験・試験での挫折経験を選ぶ学生も
そのほかに、受験や試験で味わった挫折経験を答えた学生も多かったです。
受検や試験は合格・不合格というわかりやすいラインが引かれているため、心が折れてしまう学生も少なくありません。
志望校に進学できなかった経験や、試験で不合格になった経験などが目立ちました。受験・試験は長期間努力を継続して取り組むものなので、失敗した際は大きな挫折感を味わうものです。そのため、こうして多くの学生が例に挙げたと予想できます。
挫折経験の例文13選
ここからは、面接で使える挫折経験の例文を13個取り上げます。各例文は、アルバイト・ゼミ・サークルなど、よく使われるジャンルごとに分類しました。
書きたいエピソードが決まったら、こちらの例文を参考にして文章作成に役立ててみてください。
例文①アルバイト
塾講師のアルバイトで受け持っていた生徒が受験に失敗してしまったことが、私の挫折経験です。
頑張って勉強していた姿を近くで見てきたので、自分の指導方法に対して大きな失望を感じました。
同じ挫折を体験しないように、今は「塾の社員さんと協力しながら指導を進めること」を取り入れています。
自分1人の力を過信せず、周りの人々とサポートしあうことが大切だと、この経験を通して学びました。社会人になってからも、この精神を忘れずに業務に取り組んでいきたいです。
「働く」という観点が共通しているため、アルバイトでの経験は就活での受け答えに適しています。社会人になってから、どんな要素を大事にして働いていきたいかをしっかり述べましょう。
例文②ゼミ
私の挫折経験は、所属する言語学ゼミのレベルについていけなかったことです。
ほかの学生のレベルが高かったため、自分の研究に自信が持てず、勉強にも身が入りませんでした。
そこで私は、研究分野の新規性で勝負することにしました。結果的にテーマの内容が評価され、現在は劣等感を感じずに勉強ができています。
自分のオリジナリティを重視する姿勢は、御社に入社してからも活かせると思っています。今後もこの経験から得たノウハウを、業務に活かしていきたいです。
ゼミの経験は部活や受検のように明確な目標が見えづらいため、挫折した原因を心理的な面で詳しく説明することが大切になります。
例文③授業・実験
私は、学部の実験「電気回路の作成」において、大きな挫折を経験しました。
もともと想定していた予定よりも実験の進度が滞ってしまい、多くの仲間に迷惑をかけたからです。
現在は、実験前の時点で余裕を持ったスケジュールを立てることで、今はこの問題を乗り越えられました。
この経験から、どのような状況が発生しても問題なく対応できる、スケジューリングの重要性を理解した次第です。社会人になっても、この姿勢を崩さずに働いていきます。
授業・実験での挫折経験は、エピソードにおいて差別化がはかれます。具体的な授業・実験名や内容を説明することで、自分ならではの個性をアピールできますよ。
例文④サークル
私は、軽音楽サークルで挫折経験を味わいました。定期ライブに、自分たちの観客が1人も訪れなかったのです。
自分たちの音楽を評価してくれる人が1人もいないということに大きく絶望すると同時に、スキル不足も痛感しました。
その後演奏スキルとパフォーマンス力を上げたことによって、次の定期ライブには20人以上もの観客が来場してくれました。
「相手のニーズを満たすことが、集客力を高める」と、私はこの経験を通して学びました。今後もこの経験をもとに、マーケティング職として活躍していきたいです。
サークルには多種多様な活動があるため、希望職種との関連性を結びつけて文章を作ると良いですね。マニアックなサークルに参加している場合は、活動内容をわかりやすく噛み砕いてください。
例文⑤部活
私の挫折経験は、部長としてサッカー部をまとめきれなかったことです。部員同士の結束力が欠けてしまい、全体の士気が下がってしまいました。
他の部員の感情を汲み取らずに、1人でチームをまとめようとしたことが原因です。
この失敗を繰り返さないように、私は後輩に定期的なミーティングを実施するよう指導しました。その結果、私が引退したあとのチームは非常にまとまりがよく、大会での結果も良好です。
失敗を未来に活かそうとする取り組み方を、社会人になってからの業務でも活かしていきます。
部活のエピソードは、団体行動を通して得た学びについて説明しやすいところがポイントです。社会人になったらチームプレイが重視されるため、面接での高評価を期待できます。
例文⑥人間関係
私は、大学時代の人間関係において大きな挫折を経験しました。仲が良かった友人と、卒論に関する意見の食い違いで関係が悪くなってしまったのです。
人と人の絆が簡単に崩れてしまうことに、私は強い絶望感を感じました。
結果的にこちらから相手に歩み寄り、積極的にコミュニケーションを取ることで、友人との関係は回復しました。
相手の感情を考えながら会話をすることや、自発的に対話をすることの大切さを、営業職として採用されたあとも重視していきたいです。
「社会人になってからどう業務に活かしたいか」という点を結論に結び付けられたら、人間関係のトラブルも挫折経験として有効です。対人スキルの高さを面接官に伝えることもできますよ。
例文⑦習いごと
私の挫折経験は、習いごととして15年間続けているクラシックバレエです。学業が忙しくなった中学生のときに、一度バレエを辞めようか考えてしまいました。
学業と習いごとを両立できない自分に、大きな失望感を感じたからです。
しかし、勉強を頑張る日とバレエを練習する日を明確に分けることで、無事両立に成功しました。
この経験を通して、私は「オンとオフを切り替えることの重要性」を知りました。社会人になってもこの取り組み方を崩さず、効率よく仕事を進めていきたいです。
習いごとを挫折経験として例に出す場合は、「本業(学業や部活など)」と習いごとをどう両立したのかについて述べましょう。マルチタスクに対応している人材は、就活でも大きな需要があります。
例文⑧インターンシップ
私は大学3年生で参加したインターンでミスをしてしまい、挫折を味わいました。
事前にわからないことを社員の人に確認するべきでしたが、自己判断で業務を進めてしまったことが原因です。企業全体に、大きな迷惑をかけてしまいました。
そこで私は「今後ミスをしないために必要なこと」を社員さんに質問し、マニュアルにまとめました。
結果的に、それから同じようなミスは1回もしませんでした。同じ失敗を繰り返さないために自分からアクションを起こす姿勢は、御社でも活かしていけると思います。
インターンでのエピソードを挫折経験に取り上げると、働くことへの考え方や価値観をアピールできます。文章を通して、実際に働いている姿がイメージできるかどうかを意識しましょう。
例文⑨留学
私の挫折経験は、大学2年生のときに1年間留学していたカナダで起きました。もともと英語力には自信があったにもかかわらず、現地の人とまったく会話ができなかったのです。
スキル不足に気づかなかった自分の傲慢さに嫌気が差し、私は大きく絶望しました。
なんとか現状を打破するために、私は留学先の先生に英会話指導を依頼しました。そして1カ月後には、無事にコミュニケーションが取れるようになったのです。
社会人になっても、積極的に自分から行動して未来を変えていくこの生き方を大切にしたいです。
留学の挫折経験では、語学の壁や文化交流に関するエピソードを使うといいですね。外資系企業や、海外進出している企業にも使えます。
例文⑩ボランティア
私の挫折経験は、貧困者支援活動にボランティアとして参加したことです。炊き出し活動中に失礼な態度を取ってしまい、お話している方を怒らせてしまいました。
対話の最中に、相手の感情を考える余裕がなかったことが原因です。
次回から私は、「相手の話をよく聞いてから受け答えすること」に配慮するようになりました。すると、以前よりもコミュニケーションがうまくとれるようになったのです。
相手の話に耳を傾けながら仕事をすることを、御社に入社してからも重視していきます。
ボランティア活動を挫折経験で紹介する場合は、ボランティアの具体的な説明を必ず入れましょう。どのような社会支援に興味関心があるのか、面接官にアピールできますよ。
例文⑪趣味
私は、5歳からピアノの演奏をおこなっています。怪我によって演奏会に参加できなくなったことが、過去最大の挫折経験です。
1年間をかけて練習してきた努力が無駄になることが、とても怖かった記憶があります。
怪我が治ったあとは気持ちを切り替え、次の演奏会に向けてすぐに練習を再開しました。結果的に、翌年の演奏会では思い描いた演奏ができました。
気持ちを切り替えて目の前のタスクに取り組むことは、社会人に必須のスキルだと考えています。今後も、このスタンスを維持していきたいです。
趣味を挫折経験として取り上げる際も、志望企業に入社してからのビジョンを明確に提示しましょう。
趣味は好きなことでもあるため、つい専門用語などを使いがちですが、そうなると面接官は言葉の意味がわからず、ストレスを感じてしまう可能性があるので、注意してください。
例文⑫受験
私の挫折経験は、大学受験で第一志望の大学が不合格だったことです。
これまで多くの人々にお世話になったにもかかわらず、結果でお返しができなかったことに苦しさを感じました。
浪人したあとは自分に足りない点をリスト化して伸ばし、無事に合格しました。
感情論に振り回されず、データをもとにタスクを進めていくスキルは、この経験で得た学びです。社会人になってからも、この考え方を大切にしていきます。
受験での失敗は、挫折経験として非常に有効です。説得力を高めるために、「大きな挫折をどう乗り越えたか」について具体的に説明すると良いですね。
例文⑬病気
私は、大学在学中に「心臓病」を発病しました。治療のために1年間休学したことが、私の挫折経験です。
なぜなら、休学によって友人たちよりも1年間後輩になってしまったからです。
症状が改善し、復学した後の最初はモチベーションが上がりませんでしたが、同学年の新しい友人ができたことをきっかけに、やる気を取り戻していきました。
大きな困難と直面しても、明るさを捨てずに立ち向かえる強さを、この経験で身につけました。御社に入社後も、この強さをもって業務に尽力します。
病気に関する挫折経験は、病気の説明にボリュームを使いすぎないことがポイントです。挫折を乗り越えた方法について詳しく説明することで、内容が伝わりやすいエピソードになります。
また、面接官にとって気になる質問である「現在は病気が完治しているかどうか」について、こちらから言及することも必要です。
挫折経験を伝える際の注意点
挫折経験を面接で回答する際は、いくつかの注意点に気をつけましょう。場合によっては、挫折経験の内容が原因となって不採用になる可能性もあります。
それぞれの注意点でNG例文にも触れていくので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
①就活に適さない話題を出さない
就活に適さない話題を出すことは控えましょう。具体的な例は以下の通りです。
・恋愛や失恋など個人的な話題
・ギャンブルの話題
・ゴシップ関連の話題
・法律違反に触れる内容
このような話題は、基本的に就活では避けるべき話題となっています。なぜなら、ビジネスの場にそぐわないと社会的に判断されているからです。
NG例文
私の挫折経験は、3年間付き合った恋人に振られたことです。裏切られたような思いを感じ、大きく失望しました。
たとえ恋愛やギャンブルで大きな挫折を体験したとしても、面接では高い評価が見込めません。学業や部活などでエピソードを探す方が無難です。
②エピソード披露のみで終わらせない
挫折経験を回答するなら、挫折したエピソードのみを披露しないようにしましょう。面接官側は、あくまで「経験のうえで感じた学び」について知りたがっているからです。
どれだけ中身が充実したエピソードを答えたとしても、その後に起こした行動や得た学びを説明しなければ、高評価にはつながりません。
NG例文
私の挫折経験は、留学先でほかの学生よりもテストの点数が低かったことです。テストの内容は英語の長文読解がメインで、私の専門分野でした。しかし、ほかの学生がみんな優秀だったため、思ったような成績は残せませんでした。
③古いエピソードは選ばない
古いエピソードは避け、できる限り新しい話題を選ぶことも大切です。小学生時代など、古すぎるエピソードを選んでしまうと、「学生時代になにも経験してこなかった」と思われる可能性があります。
NG例文
私の挫折経験は、小学校で児童会長選挙に落選したことです。当時は先生方にも頼りにされていたため、とても落ち込みました。
ただし、挫折経験が昔のものしかない場合は仕方ありません。複数の経験のどちらを使おうか迷っている場合は、昔の経験が今に活きていると感じるエピソードを選択するといいですね。
昔の経験を今に活かせている例文
高校のときに陸上部でリレーの選手に選ばれなかったことが、私の挫折経験です。
練習不足が原因だと判断し、顧問の先生に教えていただいた内容を元に自己トレーニングをおこないました。 その結果、翌年は無事にリレー選手に選出されました。
この経験から、必要な準備を怠ると結果をだすのは難しいことを学び、大学の陸上でも活かすことができています。
御社に入社しても、必要な準備を怠らず、常にベストパフォーマンスを出せる人材になりたいと思います。
上記のように、昔の挫折経験が今に活きているといった内容であれば、違和感を持たれる可能性は低いでしょう。
④失敗の開き直りや他者の悪口は言わない
挫折経験での失敗を開き直ったり、他者の悪口を言ったりすることはやめましょう。たとえ失敗の原因が自分のせいではなかったとしても、面接官側からの印象は悪くなります。
悪口を言ってしまった場合も同様です。面接官に「この人と一緒に仕事をしたい」と思ってもらえるような受け答えを意識しましょう。
NG例文
私の挫折経験は、部活で相手チームの反則によって腕を怪我したことです。そのチームは昔から暴力的なプレイをすることで有名だったので、あまり良い印象がありません。
挫折経験がない場合は丁寧に振り返りをして探してみよう
挫折経験は、就活の面接でよく質問されます。本番で質問された時に備えて、必ず受け答えの準備をしておきましょう。
挫折経験がない場合は、これまでの人生をじっくりと振り返りながら、エピソードを探すことも大切です。
実際に行動に移してみると、すぐに挫折経験を発見できることもあります。まずは最初の一歩を踏み出して、印象的なエピソードを見つけてみてくださいね。
【挫折経験に関する調査】
調査方法:ポート株式会社が運営する企業口コミサイト「就活会議」会員へのダイレクトメール
調査日:2023年8月28日~9月4日
調査元:「就活の未来」を運営するポート株式会社
調査対象者:24卒・25卒の就活会議会員の67人
就活生