飲食店に就職したい就活生は意外と多い
飲食店で働くことはイメージしやすく、人に喜ばれる仕事がしたいという人や、料理の専門知識を身に付けたいという人に人気があります。飲食店でアルバイトをしていた人は、経験が活かせるとも考えるでしょう。
また、業界として飲食業は常に人員不足というイメージがあり、受かりやすいと考える人も多いようです。ここでは、飲食店の志望動機の書き方として、ぜひ押さえておきたいポイントと、注意点をあわせて紹介します。
飲食店の種類はさまざま
飲食店というと自分が普段行く店を思い浮かべると思いますが、多種多様なお店があります。「居酒屋」「ファミレス」「カレー専門店」「中華料理屋」「カフェ」「料亭」のように座って飲食する店だけでなく、「移動販売店」「屋台」、ホテルの中にあるレストランや、社員食堂などもあります。
一見こじんまりと見える小さな店でも、経営母体は大企業の場合もあるのです。大きなチェーン店から個人飲食店まで、調べてみないとわからないことがたくさんあります。また、それぞれの飲食店が目指している方向も様々です。自分は飲食店の中でもどのような店で働きたいのか、なぜそう思うのかを突き詰めて考えましょう。
志望動機を書く際の6つのポイント
採用側が学生を判断する材料は決して多くはありません。限られた書類や面接から得られる情報で、採用/不採用を決定していきます。その中でも、志望動機は重要視されていますので、書く際にはポイントを押さえていくことが大切です。
志望動機を書くには、採用側が何を求めているのかを踏まえてそれに応えることと、その中で自分をアピールしていくことが必要です。ここからは、そのような志望動機を書くために役立つ具体的なポイントを6つ紹介します。これらを意識するかどうかで志望動機の完成度は大きく変わってきますので、ぜひこれらを踏まえて作成してみてください。
①結論から書く
何よりも大切なのが、「結論から書く」ということです。志望動機に限らず、就活やビジネスシーンでは基本的に全て「結論ファースト」を心がけてください。なぜなら、結論が冒頭にないと、読み手・聞き手は相手が何を言いたいのかを自分で想像しながら聞かなくてはなりません。相手に負担がかかりますし、情報が正しく伝わりにくくなる可能性があります。
また、忙しいビジネスシーンでは、優先順位を付けて時間を有効に使わなくてはなりません。結論を聞けばすぐに返事をして終えられる内容について、長々と話すのは時間の無駄です。採用担当者や面接官も普段このように結論ファーストの環境で仕事をしていますので、冒頭に結論がないと悪印象を与える可能性があります。
結論を先に書き、その根拠や具体例を後に書いていくという方法をとれば、話がそれてしまうリスクも減らすことができます。とても書きやすくなりますので、書き手にとってもメリットがあるといえるでしょう。
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②アルバイト経験を活かす
飲食店志望での志望動機として一番役に立つのは、志望する飲食店でのアルバイト経験でしょう。もちろん、他社の系列の飲食店でも問題ありません。いずれにしても、飲食店でのアルバイト体験を通して得た知識や学んだことを活かしていきたいと思うのは、すごく自然なことなのです。
経験を通して感じたことや学んだことを志望動機に含める書き方をするのが重要です。そうすると、説得力が出てきます。やはり飲食店での勤務を希望する就職活動の場合は、飲食店でのアルバイト経験というのは有利に働く傾向にあります。
③他社の飲食店との差別化を図る
他社との差別化というのは志望動機の書き方として大切なポイントの一つです。それは飲食店だけに限った話ではありませんが、特に飲食店での志望動機では重要になるります。飲食店には同じような会社もたくさんあります。そのため、実際に飲食店の店舗名さえ変えればどこでも使えるような志望動機になりやすいのが、飲食店志望の人の志望動機です。
だからこそ、他社との差別化を図ることが必要なのです。以下のポイントを押さえて他の飲食店との差別化を必ず図りましょう。きちんと差別化できれば、それだけで飲食店への志望動機の完成度はグンッと高くなりますから。
④将来どうなりたいのか
飲食店への志望動機の書き方では、将来どうなりたいのかというのも重要になってきます。将来いつまでも店舗で働いていきたいのだとしたら、それはなぜか。将来的に本部に入っていきたいのだとしたら、そこでどういうことがしたいのか。それを志望動機に盛り込んでいくことで、やる気のアピールにもなります。
キャリアプランがしっかりしている方がやる気は伝わるというものです。さらにそうして考えていくことで、差別化につながる場合もあります。飲食店に就職したいのであれば、5年後10年後それ以降、どうなっていきたいのかということをまず最初に考えてみてください。それを志望動機に盛り込んでいく事ができれば、採用担当者を惹きつけていけるでしょう。
⑤やりたい職種を明確にする
飲食店の仕事は大きく「ホールスタッフ」と「キッチンスタッフ」に分かれます。チェーン店で店長を目指すには両方の経験が必要な場合もありますが、一般的にこの違いは大きいです。通常、厨房での料理の仕事と、ホールでの接客の仕事は明確に分かれています。
飲食店でホールの従業員が厨房に立つことはありませんし、厨房の従業員がホールに立つことも客前パフォーマンスをするときなどを除いて、めったにないことです。厨房は特に専門性の高い仕事になりますし、一人前になるには時間もかかるので、経験と覚悟のある人に向いています。キッチンとホールどちらの仕事を志望するかを明確にしておくことは大切なことです。
⑥自分が企業で活躍できる点を伝える
志望動機は、自分が志望した理由を熱意を持って伝えるだけでは不十分です。ビジネスは常に自分と相手の双方のメリットを考えなくてはなりません。志望動機も、自分のためであるだけでなく、企業のためという目線で伝えなくてはなりません。そのためには、自分が企業で活躍できる点を伝えるべきです。
いうまでもなく、企業は入社後に活躍してくれる人を採用したいと思っています。まだ社会経験はなかったとしても、「成長して活躍してくれそうだ」と判断されるような材料を提供するよう心がけましょう。
飲食店でのアルバイト経験、コミュニケーション能力やリーダーシップなど役立ちそうなスキル、新しいことを学んで仕事に活かす姿勢などを積極的にアピールするのがよいでしょう。その際、具体的なエピソードを盛り込むと説得力が出ます。
志望動機の書き方について、こちらの記事でもさらに詳しく解説しています。
飲食店の志望動機を書く際の注意点
志望動機は「なぜこの店で働きたいと思ったのかを書く」ことに注意しましょう。飲食店は数が多く、似たような店も多いので、「この店でなければ」という独自性が高いことが重要です。どの店にも独自性がありますが、それに気付くにはまず店に足を運んでみることです。独自性を理解した上で、アピールしたい内容と合致させることができれば、魅力的で印象深い志望動機が作れるでしょう。
漠然とした理由はNG
「料理を作りたい」や「接客がしたい」などの理由は、漠然としていると思われるためNGです。なぜそう思ったのか、理由を話す必要があります。アルバイトの経験や、その店独自のサービスなど具体的な理由と絡め、わかりやすく説明することが必要です。
実際に店に足を運んだり、ホームページを見たりして店の方針や目指している姿を理解することが重要になります。その上で、入社したらやりたいことやどのように貢献するかを述べられるようにしましょう。方針などがわからない場合、入客を増やすため、売り上げを増やすために自分ができることは何かという観点で考えてみるといいでしょう。
その店で学びたいことを盛り込む
志望する飲食店の方針や目指すもの、または売り上げ貢献のために自分ができることを探すと言っても、経験がものを言う世界で即戦力としてアピールすることはできないと思う人もいるでしょう。そのような場合、その店だからこそ学べるという趣旨を盛り込みましょう。
経験がものを言う世界だからこそ、実力をつけるために学びたいという動機は大変好感があります。反対に、現在の自分で十分貢献できるなどと書くと、自信過剰と思われる危険があります。学びたいことについては、実際に店に行って飲食することで、自分が感じたことを述べるようにしましょう。
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飲食店の志望動機例文
ここまで志望動機の書き方などを紹介してきましたが、実際にどう書くべきか、具体的なイメージが浮かばないという人も居るかも知れません。そこでここからは、志望動機例文を紹介していきます。もちろん、ここに挙げるものをそのまま使うのではなく、参考にして自分の志望動機を作成してください。
志望動機の作成には、十分な自己分析と業界・企業研究が不可欠です。この両者を十分におこない、自分が納得いく形で志望先を選択できているのであれば、スムーズに志望動機を書くことができるでしょう。それではここから、実際の例文を見ていきましょう。
例文①
私は、接客業に憧れを持ち貴社で働きたいと思い志望いたしました。私は、幼いころよく家族で貴社を利用していました。貴社のスタッフは常に笑顔で、気配りが行き届いているのが印象に残っています。貴社を利用した後は、父と母が楽しそうに会話しているのを今でも覚えています。
いつからか私も、人と人を繋ぐきっかけを作れるような接客に、憧れるようになりました。貴社は気配りに力を入れていると聞き、ここでなら私の理想とする働き方ができると考えています。もし貴社に入社いたしましたら、常に学ぶ姿勢を忘れずスキルアップしていきたいと思います。
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志望する店の接客に憧れた例文です。なぜその店の接客に憧れたのか、具体的なきっかけを書くと魅力的な志望動機になります。志望する店を利用したことがある場合は、そのときの印象に残っているものを話すと良いでしょう。最後に、企業でやりたいことを忘れずに書いてください。
例文②
私の将来の夢は、日本食の代表である寿司を世界中に届けることです。私は、高校生のころ交換留学でイスラエルに行ったことがあります。私が住んでいたイスラエルの地域には、日本食がありませんでした。食文化が違うので当たり前かもしれませんが、もしかしたら口に合う人もいるかもしれないと、そのとき思いました。
私が帰国した後、イスラエルでお世話になった友人が遊びに来てくれたので、寿司を食べに行きました。そのとき友人は「こんな美味しいものイスラエルにもほしい」と絶賛しており、まだ寿司を知らない人のために届けたいと強く思いました。世界に店舗を展開している貴社でなら、私の夢を実現できると思い志望いたしました。
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「世界に日本食を届けたい」という自分の夢を盛り込んだ例文です。その夢は貴社でないと叶えられないことを、アピールしましょう。その夢を持った理由を書くと、説得力が増し魅力的な志望動機になります。自分の夢を志望理由にするのは問題ありませんが、そのお店に関係ないと「ここでは実現できない」と思われてしまうので注意しましょう。
例文③
私は、1つのメニューにこだわりを持ち続ける貴店に憧れ志望いたしました。私は、幼いころから料理が好きで、よく母の手伝いをしていました。将来は料理人になりたかったので、高校も調理科に入学し料理について学んできました。
その当時は、「すべての料理を完璧に作れて一人前の料理人」と思っていましたが、1つのメニューを極め続けている貴店を利用したときに「こんなことがあるのか」と、目が点になると同時に憧れを抱くようになりました。
それからは貴店に通い、どんな状況でもぶれない味に魅力を感じ惹かれるようになりました。もし貴店に採用されましたら、こだわりを持つことの大事さとそれを貫き通すための基礎を学びたいと思います。
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志望する店の方針に魅力を感じた場合の例文です。貴社ではなく貴店になっていることに、注意してください。会社経営ではなく、個人経営の場合は貴店になるのです。個人経営の場合は、ホームページなど店の方針が載ってない可能性があるので、実際に足を運んで学んだことをアピールすると、好印象につながるでしょう。
例文④
私は、貴社の素晴らしいおもてなしを、もっと他のお客様に伝えたいと思い志望いたしました。家に近いこともあり、小学生の頃は頻繁に利用していました。貴社のホールスタッフは、毎回素晴らしいおもてなしをしてくださったことを覚えています。私は小学生にもかかわらず、「この店で働きたい」と強く思うようになっていました。
その夢は大学生になっても変わらず、おもてなしを学ぶために作法を学ぶサークルに入りました。サークルは週に3回程度の活動でしたが、しっかり学んできました。私が学んだ作法と貴社のおもてなしは、多少違いはあると思いますが存分に活かせると自負しています。
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「店をさらに成長させたい」「店の魅力を伝えたい」という思いが志望理由の例文です。この志望理由の場合は、志望する店を利用していないと具体的なエピソードが書けません。いつからどのくらい利用しているのか、具体的に書きましょう。志望する店で働くために学んだことを付け加えると、魅力的な志望動機になるでしょう。
例文⑤
貴社でなら私が持つスキルを存分に活かせると思い、志望いたしました。私の実家は、ラーメン屋を営んでいます。父と母の二人で営業していましたので、私も休みの日は手伝いをしていました。小学生から手伝いを始めたので、高校生になるころには1人でこなすことができるようになっていました。
私は、小学生から高校生までの12年間で培った経験と知識を貴社で発揮し、さらなる成長に貢献したいと考えております。もし貴社に入社いたしましたら、向上心を忘れず最高の味を求めていきたいと思います。
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自身の経験を志望理由にした例文です。志望するお店がどんな人を求めているのか考えて、盛り込むスキルを選びましょう。そのスキルが活かされた経験を書くと、説得力が増すのです。入社した後のイメージをして書くと、具体性が増す志望動機になるでしょう。
例文⑥
貴社が掲げる「私たちの商品は料理ではなく、最高の思い出」というコンセプトに共感し、志望しております。実際、私は家族の誕生日やお祝いごとに、貴社のお店で食事を楽しんだ経験があります。美味しい食事をしながら家族と語ったことはかけがえのない思い出であり、そのような時間を美味しい食事と共にお届けしたいと考えます。
学生時代は貴社の○○店でホールスタッフとしてアルバイトを経験させていただきました。明るい笑顔で、今後もお客さまの期待を超えるサービスを心がけて成長していきたいと考えます。
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この例文では、企業の掲げるコンセプトへの共感が志望動機の軸になっています。自分が実際にその企業の店舗で楽しい思い出を作ったこと、アルバイトも経験していることが書かれており、強い志望動機を持っていることが伝わります。実際に店舗でホールスタッフとして働いているので即戦力としての期待度も上がりますし、「明るい笑顔」という自分の強みをアピールできている点もよいでしょう。
例文⑦
私が貴社を志望しますのは、自分の能力を使い、たくさんの人を喜ばせたいと考えたからです。貴社は提供される料理だけでなく、電話対応やサプライズの演出まで、お客さまを喜ばせる細かな工夫をおこなっており、実際に口コミでも高く評価されています。
私もその一員として、貴社のファンを増やしたいと考えております。学生時代はイベントサークルで部長を務め、学内のサークルや地域の団体と連携し、コンサートやお祭りなど、市民を楽しませる企画・運営に携わりました。人を喜ばせたいという強い気持ちと責任感、これまでの経験を活かして貢献したいと考えております。
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この例文の良い点は、自分が何をしたいのかが、自分の言葉でストレートに表現されていることです。店舗の口コミなどを調べ、どのような工夫をしているかなど、細かく情報収集できている点も好印象でしょう。大学時代にイベントサークルの部長をしていることから、本当に人を喜ばせることが好きな点もうかがえますし、その経験が飲食店でも活かせそうだという期待感を抱かせることもできるでしょう。
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飲食店への志望動機の書き方やポイントについて紹介しましたがいかがでしたか?飲食業界は人手不足ということもあり、就活前線でもあまり厳しい戦いにはなっていかないかもしれません。しかしながらそれでも甘く見ていて通過できるということもありませんから、しっかり志望動機を作りあげて、確実に内定を勝ち取りましょう。
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