内定について
内定取り消しを受けた際の裁判の判例まとめ
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目次
内定取り消しから裁判になったケースがある
本記事では、内定取り消しにあった際の裁判の判例を紹介します。過去の判例を振り返ることで、内定取り消しとはどのようなときに認められるのかが理解できます。
2014年度、世間を騒がした日本テレビの女子アナウンサーの内定取り消し騒動は、民事訴訟の末、和解という結論に至りました。内定取り消しは古くて新しい問題であり、他にもいくつかの判例が知られています。
内定取り消しになる理由については、下記の記事で詳しく解説しています。
内定取り消しの要件
日本テレビの女子アナウンサーが、内定を取り消されたのを受けて裁判を起こしたことは、お茶の間を賑わす話題になりました。このケースは民事訴訟により和解が成立し、この女子アナウンサーは無事に入社を果たしました。まずは、「内定が取り消されることは違法ではないのか」ということを解説していきます。
まず、採用内定とは、始業時期の条件を付けた労働契約が成立しているものと考えられています。内定取り消しは、その労働契約を破棄するものであるので、解雇と同等に、合理的な理由がない限り、認められることはありません。
ただし、内定者が大学を卒業できなかったり、健康上の問題がみつかったりと、特別な事情があった場合は、内定の取り消しが認められるケースもあります。
留年による内定取り消しについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
内定取り消しが無効になった判例
ある学生が、在籍大学の推薦を受けて求人募集に応じ、筆記試験・面接試験などを通り、文書で採用内定の通知を受けました。
大学の推薦で応募していたため、その学生は他社への応募を辞退しました。
会社側は、その内定者に暗い印象を抱いていたものの、それを打ち消す材料が出るかも知れないという理由で採用内定としていました。
しかし、そのような材料が出なかったことから、入社予定日の約2ヵ月前に採用内定の取り消しを通知しました。
内定取り消しが無効になった判例をみてみましょう。大日本印刷事件(民集33巻5号582頁)が判例として挙げられます。
採用内定の取消は、採用内定当時知ることができない、または知ることが期待できないような事実に対して適用されるべきです。そのため、この判例は解約権の濫用にあたるとされ、内定取り消しは無効になりました。
内定取り消しが適法になった判例
ある学生が適正検査・面接試験を経て昭和44年11月頃に内定通知を受理しました。
ここで10月31日にその学生が反戦デモを先導し、警察によって無届けデモとして規制を受け、逮捕されるという事件が起きました。
会社側は逮捕された事実を知り、その内定を取り消しました。
学生は裁判を起こしましたが、内定取り消しが適法という判決が下りました。
内定取り消しが適法になった判例をみてみましょう。電電公社近畿電通局事件(民集34巻3号464頁)が判例として挙げられます。
その学生が反戦青年委員会の指導的地位で違法行為を起こしたことは、内定以前に会社側が知りえることのできない事実です。そのため、合理的な理由があるとして、内定取り消しが認められました。
内定取り消しとなる原因については、こちらの記事で詳しく解説しています。
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理由によっては内定が取り消されるケースもある
内定取り消しは、昔も今も話題に上がる問題です。過去の判例を見る限り、解雇相当の理由が認められない限り、内定取り消しが適法になることはありません。
しかし、内定者に関わる事由だけではなく、人員削減の必要性などの会社側に起因する内定取り消しも存在します。内定取り消しは、内定者・企業側の双方にとってセンシティブな問題といえるでしょう。