就活その他

「頑張る」の敬語と正しい使い方|尊敬語・謙譲語・丁寧語を徹底解説

学生には慣れないビジネスフレーズ

就活は社会人になる準備段階のようなもので、何をするにもビジネスマナーを基準にして考えられます。ビジネスマナーと言っても様々ありますが、就活生の大きな壁となるのが、言葉遣い、ビジネスフレーズです。慣れないビジネスフレーズに苦戦する就活生は多いですので、だからこそしっかりと学び、他の就活生と差をつけましょう。

就活では「頑張る」を変化させて使う

就活では業界・企業分析、自己PRなども大切になりますが、最も大切なのは志望度を伝えることです。志望度は仕事へのやる気でもあり、やる気のない人を採用しようとは思いません。志望度の高さ、仕事への熱意ややる気を示すことが大切であるため、それを示すためには「頑張る」という気持ちを企業に伝えていかなければなりません。

ここで問題になるのがビジネスフレーズです。「頑張る」という言葉そのままではビジネスフレーズとしてはNGです。就活の場で使用するためには言葉を変化させていかなければなりません。

相手に敬意を示す尊敬語

  • お励みになる
  • ご尽力になる

「頑張る」をビジネスフレーズに変化させるためには尊敬語にするという方法があります。尊敬語は「お越しになる」「お受け取りになる」といった相手の動作を主体とした時に使用するものです。相手の動作を主体として考えることで、相手への気遣いをし、相手に対して敬意を払う事ができるのでビジネスフレーズとして使うことができます。

面接官への敬意はそのまま企業へ敬意を払うということであり、敬意を払うのはそれだけ大事な相手だからということなので、志望度の高さをアピールすることができるでしょう。「頑張る」を尊敬語で使用する場合は、「お励みになる」「ご尽力になる」などの言葉を使うようにします。

相手を立てる謙譲語

  • 努力させて頂く
  • 努めさせて頂く

ビジネスフレーズでは尊敬語だけではなく、謙譲語を使うこともできます。謙譲語は「自分を下げる」ことで「相手を上げる」言い方であるので尊敬語の主体が相手だったのに対し、謙譲語は自分を主体とした言い方ということです。尊敬語の場合は相手に直接敬意を払っているので、敬語表現としてはより相手を敬っているということになります。

しかし、相手の動作を主体にしているため、使用するのが難しい場合もあるのです。謙譲語の場合は尊敬語よりも敬語表現としては劣るものの、相手を充分に敬っているので失礼に当たるということはなく、自分が主体であるため使いやすいというメリットあります。「頑張る」を謙譲語で使用する場合には、「努力させて頂く」「努めさせて頂く」などの表現を使用しましょう。

上品さを演出する丁寧語

  • 頑張ります

尊敬語、謙譲語とくれば残る敬語表現は丁寧語です。丁寧語は言葉を美化したい時など、日本人特有の上品さを演出する事ができるというメリットがあります。使い方としてはですます調や「ご帰宅」「ご応募」「ご挨拶」などが丁寧語だが、ビジネスの場にはふさわしくないケースも多々あるのが丁寧語の特徴ですので使用するには注意が必要です。

丁寧語であれば全てOKというわけでは当然なく、場合によってはビジネスフレーズとしてはNGということも多くあります。尊敬語や謙譲語に比べて、日常的に使用している言葉に近いため使いやすいこともありますが、「頑張る」の丁寧語での表現は語尾に「ます」をつけた「頑張ります」となります。

就活のマナーを身につけておこう

面接では、きちんとしたマナーを身に付けていないとマイナスの印象を与えてしまいかねません。言葉遣いの他にも、身だしなみや荷物の取り扱いなど細かいところでも求められます。他の就活生がマナーを守る中、振る舞い方を知らないでいると慌てることになります。

そこでおすすめなのが「就活マナーマニュアル」です。こちらでは、就活で必須のマナーを詳しく紹介しています。無料でダウンロードできるため、マナーに自信がない就活生は手に入れておきましょう。

意欲を伝えたい時に使える言葉

就活では企業に対して志望度や仕事への熱意などを伝えることが大切です。意欲を伝えるためには「頑張る」という気持ちを伝える必要があり、前述したような敬語表現を使ってそれをアピールすることもできます。

しかし「頑張る」の一言から派生させるだけでは意欲を伝えるには不十分な場合もあるでしょう。「頑張る」意外にも意欲を伝えたい時に使用できる言葉は多数あるので、ボキャブラリーを増やしていくことが大切になります。

例えば「鋭意」や「精進」、「邁進」などの言葉を使うことで意欲の伝え方にも広がりが出ます。しかしどれも同じ意味ではありません。それぞれ微妙にニュアンスが異なるので、自分の気持ちを表すのに1番最適なワードを選ぶようにしましょう。

「鋭意」を使う例文

「頑張る」を言い換える際によく使われる「鋭意(えいい)」という言葉ですが、読んで字のごとく「鋭」は鋭い、「意」は意志という意味です。文字通り、気持ちを鋭く研ぎ澄ませて励むという意味です。刑事ドラマなどで「鋭意捜査中であります」などと使われるのを耳にすることもあるでしょう。

<例文>

ご期待に応えるべく、鋭意努力して参ります

このように、「鋭意」は単体で使うというよりも、後ろに「努力」などを続けて使うことが多いです。イメージとしては「すごく頑張る」の「すごく」にあたります。言い換えるのであれば「一生懸命(一所懸命とほぼ同義)」や「精一杯」、「誠心誠意」などが挙げられます。単に努力します、頑張りますというのではなく「どれくらい頑張るのか」を示すのが「鋭意」だと覚えておきましょう。

「精進」を使う例文

「精進(しょうじん)」という言葉は、もとは仏教からきた言葉で、「精進料理」などもその名残を残す言葉です。その意味のひとつとして「ひとつのことに精神を集中して励むこと」という意味があります。

<例文>

お役に立てるよう、今後も精進を重ねて参ります

このように、精進には「頑張って取り組む」という意味合いがあります。ちなみに、「精進」とよく似た言葉に、前述した「邁進(まいしん)」があります。両者のイメージとしては、「精進」は高温で静かに燃える青い炎、「邁進」は勢いよく燃え上がる赤い炎のイメージです。冷静で落ち着いた印象を持ってほしければ「精進」を、やる気に満ちた熱血系の印象を持ってほしければ「邁進」を上手に使い分けると、ひと味違う文章になるでしょう。

「頑張る」の意を込めたメール例文

株式会社〇〇
採用ご担当者様

お世話になっております、〇〇大学〇〇学部の〇〇と申します。

この度は、内定の通知を頂き心より御礼を申し上げます。
入社当日の日までさらなる能力向上に努め、
戦力として活躍できるよう邁進してまいります。

今後共ともご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い致します。
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署名

内定通知をもらったからと言ってそこでゴールではありません。むしろ就職してからの方が企業や企業の人との関わりはより密接になってくるので、内定通知をもらえばそのお礼の意味も込めて、「頑張る」旨を記したメールを送っておくことで、よりスムーズに社会人生活をスタートさせることができます。

例文では「頑張る」気持ちを表した言葉として「邁進」が使われていました。「邁進」は目標に向かってどんどん進んでいくなどの意味がありますので、「頑張る」気持ちを表すことができています。また「邁進してまいります」と謙譲語を繋げることで敬語表現としても問題ありません。ただ「邁進する」ではなく、能力向上に努めるなどの言葉を入れることで具体的に「頑張る」気持ちをアピールすることができています。

「よろしくお願いします」の言い回し

上述の例文にもあるように、メールの文末には「よろしくお願いします」といった旨の結びの言葉があると、より丁寧です。しかし、ただ単に「よろしく」というだけでは幼い印象があるため、ここも言い回しのレパートリーを増やしておくとよいでしょう。

<就活で使う場合の例文>

ご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願いいたします
今後ともご指導のほど、よろしくお願い申し上げます

<ビジネスで使う場合の例文>

今後ともお引き立てのほどをよろしくお願いいたします
今後ともよろしくご愛顧のほどお願い申し上げます

このように、「何を」よろしくお願いしたいのかを書くと、一気にオリジナル感が出ます。また、同じ相手に対して毎回文末が違うのは統一感が失われてしまいますが、「お願いいたします」と「お願い申し上げます」の二通りがあることを頭に置いておきましょう。

言葉遣いの重要性とは

就活生や社会人として働き始めたときに壁となりやすいのが言葉遣いでしょう。言葉遣いが悪いため相手に失礼なことを言ってしまう、敬語を意識しすぎるあまりおかしな表現になる、二重敬語になり逆に失礼になってしまうなど、新人社会人は言葉遣いによる失敗は多いです。

学生時代にもっと勉強しておけばよかったと後悔する先輩社会人も少なくありません。就活生であっても、言葉遣いによっては面接などでマイナスの評価になってしまうこともあります。就活生が思っている以上に、社会人の間では大切にされているのです。言葉遣いでマイナスになることもあれば、プラスの評価を得ることもできるため、言葉遣いの重要性を知って正しい使い方を学ぶ努力をしましょう。

学生の「私生活」が表れる

就活では尊敬語、謙譲語、丁寧語を使い分けることになります。丁寧語程度であれば、学生とはいえ日常で使用する場面はいくらでもあるので特に問題はありませんが、日頃からよほど気をつけていない限り、尊敬語や謙譲語については使用する頻度は少ないです。言葉遣いはその学生の「品格」がそのまま表れるので、言葉遣いが良ければ私生活の過ごし方も良く、悪ければ私生活が荒れているという判断がされます。

私生活が荒れていると判断されれば信頼性も低くなりますし、就活でも不利です。就活の場だけ言葉遣いに気をつけていても日常的に意識しなければどこかでボロが出てしまうので注意する必要があるでしょう。日々の積み重ねによるものなので、生活の中から言葉遣いを意識し、変えていかなければなりません。

一歩間違えると意味が変わる

言葉は無限と思えるほどの数があり、似たような意味の言葉もたくさんあります。しかし似たような事でも微妙に意味合いが違う事が多くあるので、企業があなたに伝えたかった事を間違った意味合いで受け取ってしまったり、逆に間違ったまま企業に伝えてしまう可能性もあると言えます。

新卒採用は人柄重視で採用が決定するので、自分が間違って伝わってしまうとそれだけで就活では不利です。日本語は特に細かなニュアンスが難しい言語ですので、明確な言葉を使い、正しい言葉遣いを心がけることが大切になります。

就活ではクッション言葉を知っておくと便利

就職活動ではクッション言葉を適宜利用することが重要になります。「クッション言葉って何?」と思う就活生もいることでしょう。クッション言葉とは、会話の内容に入る前につける言葉であり、ビジネスの場においては多く利用されるものです。

就職活動においてもビジネスマナーは必要とされるため、クッション言葉を適切に用いることが出来なければ、自身の評価を大きく後退させてしまう恐れもあります。クッション言葉は就職活動に限らず、社会人として仕事を進めていく中、不可欠なものです。面倒だと思わずに就職活動の機会を利用してしっかりと把握し、使いこなせるようにしておきましょう。

クッション言葉一覧

  • 「お手数おかけしますが」
  • 「大変恐縮ですが」
  • 「宜しければ」
  • 「お言葉を返すようですが」
  • 「申し訳ありませんが」
  • 「身にあまりお言葉ですが」
  • 「せっかくではありますが」

上記ではクッション言葉としてビジネスの場で多用されるものを一覧にして紹介しています。クッション言葉は知らなければ、当然使うことの出来ないものです。クッション言葉を利用することで相手に与える印象も大きく変わるため、知っておくに越したことはありません。

細かいように感じるかもしれませんが、言葉遣いにはその人の性格が出ると言われています。1つ1つの言葉と使い方を理解し、適切なタイミングで利用することで採用担当者に好印象を与えることが出来るようにしておきましょう。

丁寧な言葉遣いで印象をアップさせる

クッション言葉を用いることで、採用担当者の印象をアップすることが可能になります。「クッション言葉を覚えていなくても、丁寧な言葉遣いは意識しているから大丈夫」と考える就活生もいるでしょう。しかしクッション言葉はビジネスマナーとして利用されるものであり、そのためクッション言葉を用いなければ、丁寧な印象を採用担当者にしっかりと与えることが出来ないのです。

丁寧な言葉遣いは意識すれば誰にでも行うことが出来るものです。それにもかかわらず適切な言葉遣いを出来ていないのであれば、「自分の発する言葉に気を配ることが出来ないのだな」と採用担当者に思われてしまう恐れがあるのです。丁寧な言葉遣いで印象をアップさせることが出来るよう、クッション言葉をマスターしておくようにしましょう。

「頑張る」の敬語を正しく使い分けよう

就活生が考えるよりも社会人では言葉遣いは重要視されていますし、どのような表現が適切なのか分からずに困っている先輩社会人も多いです。就活の場合では細かな失敗は大目に見てもらえることもあるので、就活生のうちは大丈夫と油断して言葉遣いなどを勉強しない学生もいます。

しかしこれは絶対にNGで、勉強したのに失敗するのと、何も知らずに失敗するのでは同じ失敗でも意味合いが大きく違ってくるからです。知ろうとしたのか、学ぼうとしたかどうかというのは就活生の意欲を測る上で大切なことであり、意欲がなければ就活も成功しません。また全く準備せずに選考に臨むというのはとても失礼です。社会人として失礼な振る舞いをしないためにも知ることをめんどくさがらずに、自ら学んでいくことが大切になります。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也
(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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